ミヤマハナシノブの群落と出会えた展望抜群の北岳
- GPS
- --:--
- 距離
- 11.7km
- 登り
- 1,808m
- 下り
- 1,796m
コースタイム
- 山行
- 7:50
- 休憩
- 2:05
- 合計
- 9:55
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
行き:登山バス 芦安駐車場5:30頃 広河原6:30頃 ¥1130 帰り:乗合タクシー 広河原16:30 芦安駐車場17:10頃 ¥1200 |
写真
感想
太平洋高気圧が張り出してきて、台風のルートが西側へずれ天気がよくなった今週末、急遽北岳へ行くことになった。
今週末は天気がよくなりそうだと分かった時点でもう1ヶ月山へ行けていないのでどこかへ行こうと思っていたのだが、最近よく一緒に山へ行く人から北岳に誘われたのだ。
北岳へは3年前に登っているが、
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-207033.html
天気が悪く山頂での展望が一切なかったのでまた翌年にも行こうと思ったのだが、一度行ってしまうと行っていない所に行きたくなるもので、再訪できていなかった。
今回はそれを果たすちょうどいい機会となったわけだが、その時もこの時期の海の日絡みの連休に登り、山小屋の混雑ぶりにかなりうんざりした思いがあるので日帰りで行くことにした。
あの激混みの北岳肩の小屋は今までの山小屋宿泊のワースト3に入っている。
3年前に登った感じでは往復の時間から考えて日帰りでも十分に可能な感じだったし、来週は鹿島槍ヶ岳に泊まりで行くので今週は日帰りにしたかったということもある。
ただ、前回のように電車で行くと甲府駅からの広河原行きのバスの始発が9時であり、広河原着が10:53になってしまうため日帰りは到底不可能だ。
日帰りするためには広河原行きのバスの始発が5時である芦安駐車場まで車で行くのが条件になる。
5時前に芦安駐車場に到着するとすでに第5駐車場までいっぱいでバス停からかなり離れた第6駐車場に案内され、その第6駐車場もほぼいっぱいだった。
バスの始発の前の時間でこんなに混んでいるとは思いもしなかった。
結局始発のバスは5台位あったようだがそれには乗れず、5時半に来たバスに乗ったので、広河原到着は6時半になった。
歩き始めてすぐの野呂川にかかる吊橋を渡る前に北岳が見えるポイントがあるが、北岳山頂まで晴れている。
今回は大樺沢沿いを登っていく左股コースを行き、八本歯のコルを通るコースを行くことにしたが、3年前と比べて今年は雪解けが早かったようで、大樺沢では一切雪渓歩きはなかった。
この大樺沢で目立ったのが水色の大きな花だ。
3年前北岳でタカネグンナイフウロを初めて見たのでそれかと思ったのだが、比べてみると花の形が全然違う。
後から調べてみると、これがミヤマハナシノブだった。
この花はこの北岳付近と後立山にしか分布していない環境省レッドリストに指定されているかなり貴重な植物だった。
それがこんなにも咲いているところを見られたのも今回の北岳では大きな収穫だった。
大樺沢から八本歯のコルへの登りはかなりの急登だ。
今回は芦安駐車場に5時前に着くために前日4時間ほどしか眠っていなかったためか、やや足元がふらつく感じがして、思っていたよりもきつかった。
が、振り返ると鳳凰三山の向こうにどんどん八ヶ岳が見えてくるし、すぐ隣には有名な北岳バットレスが大迫力なので、風景を眺めつつ高度を上げているといつの間にか難所は過ぎ去ってしまう。
そして八本歯のコルまで到着すると目の前に間ノ岳が見え、八本歯の頭の向こうには富士山が顔を出してくる。
ここから北岳山頂へ向かうコースもかなりの急登なのだが、振り返れば富士山と南アルプス3000m級の主稜線が大迫力なので楽しい場所でもある。
山頂まで至ると仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山はもちろん、隣の中央アルプスや八ヶ岳から北アルプス方面まで展望が開けている。
3年前はなにも見えなかった山頂だけにこの展望には大感激だ。
東側を覗き込むと北岳バットレスの下に登ってきた大樺沢が出発地点まで見えていて高度感抜群で最高に気分がいい。
大学生の時ヤツガタケタンポポの観察に仙丈ヶ岳に登ったのが高山に登り始めるきっかけになったのだが、その懐かしい仙丈ヶ岳を間近に眺めるのも5年ぶりだった。
しかもそのヤツガタケタンポポにも山頂で出会うことができた。
主稜線に出た時から西風がかなり強かったのだが山頂に着くとその風も弱まり、下界は猛暑のため山頂でも20℃位あったのだろうか、とても心地がいい。
この大展望と心地の良さでいつまでも山頂にいたいと思える。
結局山頂で1時間40分余り滞在した。
こんなにゆっくり山頂を楽しんだのも久しぶりだ。
13時位には下り始めようと思っていたのだが、ゆっくりこの景色を楽しんでいるうちに日帰りで帰ってしまうのはもったいないので、北岳山荘に泊まって明日間ノ岳へ登ろうという話になった。
前に泊まった北岳肩の小屋は激混みだったが、縦走路上にある北岳山荘はそんなに混まないかもしれないという期待感があった。
が、着いてみると山荘入口に「本日はふとん1枚に3名になります」とある。
3年前の北岳肩の小屋での一夜…、ぎっしりと詰め込まれ、通路もないので寝ているところを人が跨いで歩いていくので、いつ踏まれるともしれず、ほとんど眠れなかったあの不快感がよみがえってきた。
そんなに混んでいないかもしれないと期待していただけにがっくりしてしまった。
この時期の土日だから当たり前といえば当たり前なのだが。
同行者も「ふとん1枚3名」はないということで話が一致し、あっさりと予定通り日帰りにすることにした。
南アルプス3000m級主稜線の大展望より、山小屋ふとん1枚3名の不快さの方がまさった瞬間だ。
北岳山頂からの展望にかなり満足していたこともあるし、北岳山荘付近まで来て振り返ると、見たいと思っていた南側から見る北岳のピラミッドのような三角形の形を見ることができたということもある。
昔は我慢できた山小屋の不快さに歳と共に適応力が落ちている気がする。
北岳山荘の付近で充分写真を撮って13:20頃に下り始める。
広河原から芦安駐車場までの最終バスは16:50なのでぎりぎりかなと思っていたのだが、無事16:30前に下ることができた。
ただ帰りの中央道から夕日に照らされる南アルプスを見て、今頃稜線では皆夕日を眺めていることだろうと思ったら、ふとん1枚3人でも泊まればよかったかなと少し後悔したことも事実である。
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