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Yamareco

記録ID: 693655
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

奥穂高岳 南稜 

2015年08月07日(金) ~ 2015年08月09日(日)
 - 拍手
carimero326 その他1人
GPS
56:00
距離
12.6km
登り
1,714m
下り
1,697m

コースタイム

1日目
山行
1:30
休憩
0:00
合計
1:30
16:15
10
上高地ターミナル
16:25
20
17:45
岳沢キャンプ場
2日目
山行
7:35
休憩
0:25
合計
8:00
7:00
45
岳沢キャンプ場
7:45
177
雪渓上部南稜取り付き
10:42
83
トリコニー喫
12:05
10
南稜の頭
12:15
12:30
70
奥穂高岳
13:40
13:50
70
15:00
岳沢キャンプ場
3日目
山行
1:30
休憩
0:00
合計
1:30
7:40
70
岳沢キャンプ場
9:00
10
9:10
上高地ターミナル
天候 概ね晴れ
過去天気図(気象庁) 2015年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
あかんだな駐車場からバスで上高地
コース状況/
危険箇所等
バリエーションルート
記録がチャラいですが、ある程度クライミング技術がいります
雪渓あり、滑落・落石注意
岳沢付近、虫刺され注意
その他周辺情報 朴ノ木 宿儺の湯
初登場のバーグハウスのアプローチシューズ
2015年08月07日 15:28撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
1
8/7 15:28
初登場のバーグハウスのアプローチシューズ
平日の上高地
やっぱり人が少ないけど、思ってたよりはいた
2015年08月07日 16:13撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/7 16:13
平日の上高地
やっぱり人が少ないけど、思ってたよりはいた
梓川の向こうに今回の目的地が見える
2015年08月07日 16:17撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/7 16:17
梓川の向こうに今回の目的地が見える
岳沢登山口
2015年08月07日 16:27撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/7 16:27
岳沢登山口
風穴
ヒンヤリして超気持ちいい
2015年08月07日 16:50撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
1
8/7 16:50
風穴
ヒンヤリして超気持ちいい
岳沢小屋を目指す
2015年08月07日 17:16撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/7 17:16
岳沢小屋を目指す
岳沢小屋到着
2015年08月07日 17:43撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/7 17:43
岳沢小屋到着
早速ビールを買って乾杯
2015年08月07日 17:48撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
1
8/7 17:48
早速ビールを買って乾杯
テント場から明日登る奥穂南陵を望む
2015年08月07日 18:15撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/7 18:15
テント場から明日登る奥穂南陵を望む
食事とおつまみとワイン
他にもビールと焼酎
2015年08月07日 18:17撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
1
8/7 18:17
食事とおつまみとワイン
他にもビールと焼酎
テント場で食事の支度
2015年08月07日 18:26撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
8/7 18:26
テント場で食事の支度
もうすぐ日が暮れる
2015年08月07日 18:26撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
8/7 18:26
もうすぐ日が暮れる
テント場で夕食
2015年08月07日 18:45撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
1
8/7 18:45
テント場で夕食
月が出る前の星空
よく見ると衛星と流れ星が二つ
2015年08月07日 20:07撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
2
8/7 20:07
月が出る前の星空
よく見ると衛星と流れ星が二つ
天の川
2015年08月07日 20:13撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
2
8/7 20:13
天の川
モノクロ天の川
2015年08月07日 20:24撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
1
8/7 20:24
モノクロ天の川
そろそろ出発
左側3つのピークがトリコニー機銑景
2015年08月08日 06:50撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
2
8/8 6:50
そろそろ出発
左側3つのピークがトリコニー機銑景
いざ出発
2015年08月08日 06:59撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/8 6:59
いざ出発
出発してすぐ雪渓に取り付く
2015年08月08日 07:02撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/8 7:02
出発してすぐ雪渓に取り付く
雪渓終点まで詰める
雪はしまっていた
2015年08月08日 07:03撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/8 7:03
雪渓終点まで詰める
雪はしまっていた
ときどきクレバス
2015年08月08日 07:15撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
8/8 7:15
ときどきクレバス
雪渓が二つに分かれているが、右側を行く
2015年08月08日 07:15撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
8/8 7:15
雪渓が二つに分かれているが、右側を行く
ルンゼの右岸の岩場にランディング
2015年08月08日 07:16撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/8 7:16
ルンゼの右岸の岩場にランディング
雪渓と岩場の間を縫って進む
手やズボンに泥がついた
2015年08月08日 07:19撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
1
8/8 7:19
雪渓と岩場の間を縫って進む
手やズボンに泥がついた
道が悪かったのでもう一度雪渓に戻った
2015年08月08日 07:20撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
8/8 7:20
道が悪かったのでもう一度雪渓に戻った
雪渓の終点左岸の岩壁
2015年08月08日 07:29撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
1
8/8 7:29
雪渓の終点左岸の岩壁
先端はこんな感じ
雪と岩の間は結構な深さ
落ちたら大変だ
2015年08月08日 07:45撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
1
8/8 7:45
先端はこんな感じ
雪と岩の間は結構な深さ
落ちたら大変だ
ルンゼの岩に取り付き始める
この辺りを登るのは結構楽しかった
2015年08月08日 07:46撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
4
8/8 7:46
ルンゼの岩に取り付き始める
この辺りを登るのは結構楽しかった
泊まっていたテント場がどんどん小さくなっていく
2015年08月08日 07:47撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/8 7:47
泊まっていたテント場がどんどん小さくなっていく
雪渓もどんどん後方へ
2015年08月08日 08:00撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/8 8:00
雪渓もどんどん後方へ
三つに分かれているルンゼの左端を行った
かすかにトリコニーが見える
2015年08月08日 08:15撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
2
8/8 8:15
三つに分かれているルンゼの左端を行った
かすかにトリコニーが見える
核心部が見えてきた
2015年08月08日 08:18撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
1
8/8 8:18
核心部が見えてきた
核心部が近づいてきた
2015年08月08日 08:22撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/8 8:22
核心部が近づいてきた
スラブを登る
2015年08月08日 08:28撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
8/8 8:28
スラブを登る
核心部
ハーケンが幾つかと途中カラビナがある
2015年08月08日 08:37撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
3
8/8 8:37
核心部
ハーケンが幾つかと途中カラビナがある
核心部を登るH
2015年08月08日 08:47撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
2
8/8 8:47
核心部を登るH
N行きまーす!
でもこの後…
2015年08月08日 08:57撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
2
8/8 8:57
N行きまーす!
でもこの後…
岩壁を抜けたら深いハイマツの藪漕ぎ
2015年08月08日 09:33撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/8 9:33
岩壁を抜けたら深いハイマツの藪漕ぎ
藪の中で悪戦苦闘する私
2015年08月08日 09:49撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
1
8/8 9:49
藪の中で悪戦苦闘する私
藪漕ぎ抜けたらトリコニー喫
2015年08月08日 09:49撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
1
8/8 9:49
藪漕ぎ抜けたらトリコニー喫
もうすぐ喫取付き
2015年08月08日 10:03撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
1
8/8 10:03
もうすぐ喫取付き
はるか下に上高地
2015年08月08日 10:05撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
1
8/8 10:05
はるか下に上高地
先々週行った明神岳
2015年08月08日 10:06撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
1
8/8 10:06
先々週行った明神岳
ついに来た!
トリコニー
2015年08月08日 10:11撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
1
8/8 10:11
ついに来た!
トリコニー
喫を登り始める
2015年08月08日 10:16撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
2
8/8 10:16
喫を登り始める
喫山頂を目指す
2015年08月08日 10:18撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
1
8/8 10:18
喫山頂を目指す
明神とオベリスク
2015年08月08日 10:22撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
1
8/8 10:22
明神とオベリスク
チムニー手前で小休憩
2015年08月08日 10:25撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/8 10:25
チムニー手前で小休憩
チムニー
2015年08月08日 10:26撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
8/8 10:26
チムニー
チムニーを登る
カメラの時計設定が若干違う
2015年08月08日 10:33撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
8/8 10:33
チムニーを登る
カメラの時計設定が若干違う
チムニーから出てきたH
2015年08月08日 10:30撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
1
8/8 10:30
チムニーから出てきたH
喫を登る
後ろに明神岳
2015年08月08日 10:37撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
8/8 10:37
喫を登る
後ろに明神岳
喫直下にある不思議な形のオベリスク
2015年08月08日 10:38撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
8/8 10:38
喫直下にある不思議な形のオベリスク
2015年08月08日 10:42撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
8/8 10:42
機Ν曲
2015年08月08日 10:42撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
8/8 10:42
機Ν曲
2015年08月08日 10:45撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/8 10:45
曲からの明神岳
2015年08月08日 10:47撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
1
8/8 10:47
曲からの明神岳
曲山頂
2015年08月08日 10:51撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
1
8/8 10:51
曲山頂
曲からの明神岳
2015年08月08日 10:51撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
1
8/8 10:51
曲からの明神岳
上から見た機銑景
2015年08月08日 10:58撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
8/8 10:58
上から見た機銑景
景を超えて岩稜を進む
2015年08月08日 11:21撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
1
8/8 11:21
景を超えて岩稜を進む
ナイフリッジ
2015年08月08日 11:24撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/8 11:24
ナイフリッジ
奥穂・前穂の間の吊り尾根が近づいてきた
登山者がすぐ近くに見え始めた
2015年08月08日 11:59撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
2
8/8 11:59
奥穂・前穂の間の吊り尾根が近づいてきた
登山者がすぐ近くに見え始めた
南稜の頭
一般登山道と合流
2015年08月08日 12:07撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
1
8/8 12:07
南稜の頭
一般登山道と合流
3度目の奥穂山頂
2015年08月08日 12:19撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
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8/8 12:19
3度目の奥穂山頂
ジャンダルム
雲がかなり出てきた
2015年08月08日 12:19撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
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8/8 12:19
ジャンダルム
雲がかなり出てきた
山頂で一杯
ウイスキー竹鶴
どんなけ酒が好きなんだ
2015年08月08日 12:29撮影 by  NEX-7, SONY
3
8/8 12:29
山頂で一杯
ウイスキー竹鶴
どんなけ酒が好きなんだ
槍ヶ岳がちょっとだけ見える
2015年08月08日 12:30撮影 by  NEX-7, SONY
8/8 12:30
槍ヶ岳がちょっとだけ見える
吊り尾根を前穂方面に戻る
南陵の頭の標識
2015年08月08日 12:39撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/8 12:39
吊り尾根を前穂方面に戻る
南陵の頭の標識
吊り尾根
前穂と明神岳
2015年08月08日 12:51撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/8 12:51
吊り尾根
前穂と明神岳
吊り尾根からの涸沢
2015年08月08日 12:54撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/8 12:54
吊り尾根からの涸沢
前穂の北尾根
2015年08月08日 13:03撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/8 13:03
前穂の北尾根
奥穂南陵
ここを登って来た
2015年08月08日 13:05撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/8 13:05
奥穂南陵
ここを登って来た
トリコニーが見える
2015年08月08日 13:06撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/8 13:06
トリコニーが見える
前穂
2015年08月08日 13:09撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/8 13:09
前穂
奥穂は雲の中へ消えた
2015年08月08日 14:10撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/8 14:10
奥穂は雲の中へ消えた
岳沢小屋手前のお花畑
2015年08月08日 14:53撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/8 14:53
岳沢小屋手前のお花畑
夕飯タイム
2015年08月08日 16:16撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/8 16:16
夕飯タイム
機銑景
今日はここへ登って来た
2015年08月08日 16:23撮影 by  DMC-FX35, Panasonic
8/8 16:23
機銑景
今日はここへ登って来た
翌日の奥穂南陵
核心部にパーティが何組か
昨日はこの時間に私たちは出発してなかった
2015年08月09日 06:48撮影 by  NEX-7, SONY
8/9 6:48
翌日の奥穂南陵
核心部にパーティが何組か
昨日はこの時間に私たちは出発してなかった
梓川
いつみても綺麗
岩魚がたくさん泳いでいた
2015年08月09日 08:58撮影 by  Canon EOS 6D, Canon
1
8/9 8:58
梓川
いつみても綺麗
岩魚がたくさん泳いでいた
桟橋からの梓川
2015年08月09日 08:59撮影 by  NEX-7, SONY
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8/9 8:59
桟橋からの梓川
ここ登ったんだな
桟橋より
2015年08月09日 09:00撮影 by  NEX-7, SONY
8/9 9:00
ここ登ったんだな
桟橋より
また食べちゃった
上高地コロッケ
2015年08月09日 09:20撮影 by  NEX-7, SONY
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8/9 9:20
また食べちゃった
上高地コロッケ

装備

個人装備
Tシャツ ソフトシェル ズボン グローブ 防寒着 雨具 昼ご飯 行動食 飲料 計画書 ヘッドランプ 予備電池 ファーストエイドキット 日焼け止め 携帯 時計 タオル ナイフ カメラ ロープ クライミングシューズ ハーネス ヘルメット チョーク 確保機 ロックカラビナ カラビナ スリング ロープスリング お酒 おつまみ 三脚 テント マット シュラフ ガスカートリッジ コンロ コッヘル 食器 ライター

感想

8月7日休みを取って、土日合わせて三連休とした。
前からHが行きたがっていた、奥穂高岳南陵へ。


でも、金曜日午前中は検診で病院へ。
いたって健康だけど、血液検査のために容器三本も血を取られた。
登山前なのに。ただでさえ採血は苦手。
「やめてくれー!」
と心の叫び。
検査が終わったらすぐに上高地へ出発の予定だけど、やっぱり病院って待たされる。
私は待っている間、もう心ここに在らずな感じ。
やっと終わって11時半頃Hと出発!


平日の上高地なんて、生まれて初めて。
今年二回目のバリエーションルートにも、ワクワクが止まらなかった。
先々週行った明神岳より、もっと手応えがありそうだ。


高速に乗って、お腹が空いたので川島PAで昼食。
私は醤油カツ丼、Hは鶏ちゃん丼を注文。
醤油カツ丼も岐阜名物なのかな。初めて食べた。
ソースでもなく味噌でもなく、醤油ダレの大根おろしがカツに乗ってる。あとキャベツと温泉卵。なかなかイケる。
トンカツよ、早く私の減った血液になってと、願いながら食べる。
おいしく食事すれば、しっかり栄養になって健康でいられるらしい。
私は割と信じてる。


高山を過ぎて、平湯に近づいてきたら、強い雨が降って来た。雷も鳴っていた。
この日テント泊予定の岳沢も、夕方ときどきゲリラ豪雨みたいなのが襲うらしい。
雨の中のテント設営になるかもと、覚悟はしてたけど、先が思いやられた。
あかんだな駐車場に着くと、地面は全く濡れてなかった。
15:20のバスに乗れそうなので、待っていたら、しばらくすると、屋根の上に白い粒が転がり始めた。
雹が降ってきた!
豆粒くらいの大きさで、当たったら結構痛そう。
そしていわゆる、バケツをひっくり返したような雨がすぐ降ってきた。
あーあ、と顔を見合わせるHと私。
そしてバスも来ない。この日はよく待たされる日だった。
雨は止んで、20分遅れてバスが来た。


上高地に着くと、ラッキーな事に地面は濡れていなかった。
平日だからガラガラかと思ってたけど、想像してたよりは人がいた。


Hのザック約20圈∋笋15埃紂ガチャ、ロープ、テントはいつもHが担ぐ。
いつもすいません。
歩き始めて、岳沢小屋まで結構な汗をかいた。
17:45 テント泊予定の岳沢に明るい内に着くことが出来た。
早速小屋でビールを買って乾杯!
テント場に移動すると、思ってたより人がいた。
テントを張って、ワンパターンだけど持って来た、生ハムとチーズとワインを飲んで就寝。


一度起きて、月が出る前にHが撮った星空の写真がなかなか綺麗だ。
天の川もくっきり写っている。
Hは重たい三脚をいつも持って行くけど、今度こそ役に立った。


奇跡!!!
この日、ここまで雨に一度も降られていない。
確かに雨は降っていたが、車の中か、屋根の下だった。
ついてる。
山に行ったら、通算7割くらい雨に降られるのに。



8/8土曜日
6時出発予定だったけど、寝坊。
二度目のアラームで起きられなかった。
テントを張ったままにして、いらない荷物はテント場に置いていく。
ハーネスを付けて出発しようとしたところ、またトイレに行きたくなった。
面倒だなあと思いながら、またハーネスを脱いでトイレに向かう。
今まで最強のテント場は笠ヶ岳だと思った。テント場と小屋の標高差は数十mくらいありそうだ。
ジャンケンで負けて、テント場からビールを買いに行った人は気の毒だった。
突然もよおして小屋のトイレに向かう事になったら、間違いなく苦行となるだろう。
岳沢テント場も、小屋まで枯れ沢を挟んで結構遠い。
結局予定より一時間遅れ、7時丁度の出発となった。


前日、Hが小屋の掲示板みたいなので、南稜の遭難者の記事を読んだ。
技量不足、というのがあったらしい。
お互いボルダリングばっかりだけど、クライミング歴7年以上なので、そうはなりたくないね。と話していた。
進めなくなったらこっそり降りよう、なんて。


ここから奥穂高岳まで、約1000m標高を上げていく。
歩き始めてすぐ雪渓に取り付く。
アイゼンなしで歩いたけど、固く締まっていて少し緊張した。
進行方向左の降りやすいところにHがランディングしたけど、雪と岩に挟まれて進みにくくなり、もう一度雪渓の上に戻った。


雪渓の終点まで行くと、雪と岩の隙間が大きすぎて、ここから取付くのは危険。
かなり深い隙間ができている。落ちたら大変だ。
30〜40メートルくらい戻って右岸の雪渓からランディングしたけど、雪はカチカチで下る方が怖くて、ちょっと緊張しながらいった。
岩壁と雪の間を進んだけど、ズボンと手に泥がついた。


岩壁に辿り着き、登り始めたけど、岩登りはやっぱり楽しい。
ここから忠実にルンゼを辿って行く。
踏み跡は結構あった。
テント場はほとんどずっと見えていて、どんどん小さくなっていく。
結構な傾斜をひたすら登っていくと、ルンゼが三つに分かれる。
その一番左を行った。
岩を登ったりしてしばらく進むと、核心部が見えてきた。
上下二つのスラブとその間にあるバンド。


スラブ状の岩壁を少し登ると、ここが核心部らしい。
こっち登りやすそうじゃない?
って左の方に私が行こうとしたら、せっかくクライミングシューズとロープとか持って来たから、ここから行こうとHが言った。
クラックが走っている壁だった。
「もう他で使うところ、多分ないから。」
それもそうだ。


クライミングシューズに履き替え、今回初登場のアプローチシューズをザックにしまった。
今までは、重たい登山靴を荷揚げしたり、担いでたりしてたけど、軽いしかさばらないのでかなり楽。
核心部らしいその壁は、ハーケンが数か所あって、垂壁に近いスラブでクラックが走ってる。
最初私がトップで行くか聞かれたけど、結局Hが行った。
中間部でHが手こずっていた。
なんとか乗り越え、私も登り始めた。
中間部にはハーケンに一つカラビナが残されていた。
そこら辺りが、
なんじゃこらー!だった。
クラック以外、持てるホールドもなく、スタンスも乏しい。
「これ、どうしたらいいの。」
思わず口に出すと、Hが左の壁に出るといいと言った。
確かにガバがあるので、なかなか届かなかったが、なんとかつかむとスタンスもないので無理やりスメアで足を上げ、切り抜ける事ができた。
テンション無しで登れたけど、トップで行かなくて良かったと、心から思った。


登り切るとハイマツの藪漕ぎが始まった。
私は藪漕ぎが超苦手だ。
かなり濃い藪で、足も密集した枝で着地できず、進もうとするとビヨヨヨーンと枝に体が戻される。
わーわー叫びながら格闘してると、Hが冷静に、
「スリングとかが枝にひっかかってるよ。何度言っても聞いてないんだから。」
す、すいません。
手がマツヤニだらけになり、後で水で洗っても落ちなかった。


藪漕ぎはわずか数十メートルだったけど、私はここが一番辛かった。
藪を抜けると目指していた、3つのそびえ立つトリコニーが目の前に。
テンションが一気に上がった。


喫を登り始め、しばらくすると見事なチムニーが現れる。
ここら辺は、めちゃ楽しかった。
その後、ちょっと緊張するところもあったけど、無事喫を超え、曲へ。
先々週行った明神岳に、数人のパーティが見えた。
あの時の明神は、私たちの貸切だった。
この日の南稜も私たちしかいない。
景だけ登らず、先へ進んだ。


その後も岩稜が続く。
ナイフリッジみたいなところを、馬乗りになって進むところもあった。
そんな無様な私を尻目に、Hは終始余裕だった。
岩稜を歩いているときは、本当に生き生きとしてる。


しばらく行くと、スリングなどがたくさん残されている懸垂下降ポイントに着いた。
高さは数メートルくらい。
なんとかクライムダウンできるかも知れないと思って私が降り始めたけど、ここをつかめばなんとか降りられるかな、と思っていたホールドが、足を乗せると動くではないか。結構不安定。
諦めて、懸垂下降することにした。


降りてから右の方を見ると、もう一つ支点が残っていた。
ここからなら、クライムダウン出来たかもしれない。


そこから先は、特に危険と感じるところもなく、ガレ場や草付を登り、時々岩場、踏み跡もあった。
前穂と奥穂の間の吊り尾根がどんどん近づいてきて、登山者もすぐ近くに見えてきた。
南稜の頭に到着、一般登山道と合流した。
登山者がたくさんいた。


奥穂山頂に12時過ぎに到着。
たくさんの人でにぎわっていた。
着いた瞬間の人の顔は、皆どこか誇らしげだ。
歓喜の声を上げる人、電話をかける人、写真を撮る人。
3190m、ここら辺で一番高い所。
そいや、ここでプロポーズした友達夫婦もいたな。まるでドラマのようだ。
素敵過ぎる。


奥穂はこれで3度目だ。すべて違う方向から登ってる。
Hは山頂ウイスキー。どんなけ酒好きなんだ。
私もキャップ一杯飲む。


着いた直後は見えていたジャンダルムが、みるみるガスっていく。
槍ヶ岳も先端が少し見えるくらい。
11時くらいまでは雲がなかったけど、急に雲が厚くなった。
1時間早く出発していれば、もっといい景色だったかもしれない。
二人の寝坊は治らないので仕方ない。


さて、後は下山。
吊り尾根は二人とも初だった。
左下に涸沢、前穂も目の前にどーんと見えてかっこいい。


紀美子平に着くと少し休憩。
紀美子平の名前の所以が、岳沢小屋のテラスのところに書いてあった。
重太郎新道を作った人の娘が紀美子さんなんだって。
若くして病死してしまったらしい。
遭難の多かった道を整備したのが重太郎さんで、重太郎さんや妻や紀美子さんの事を知れたのは良かった。
まだ幼い紀美子さんと、3人でキャンプしながら道を作ったんだって。
登山道はここだけじゃないけど、開拓した人は尊敬すべきだ。


岳沢キャンプ場に15:00丁度に到着。
7時丁度に出たのだけど、コースタイムは全くHの計画どおりだったらしい。
南稜は、めちゃ楽しかった!
確実に思い出に残る一つ!


テント場に戻ると、雪渓を上がって行く人が何人かいた。
ランディングポイントを確かめに行ったようだ。
私達とえらい違い。
着いたら速攻乾杯していた。


小屋でまたビールを買い、乾杯。
小屋のテラスには、アックスやアイゼンやロープを持った人たちがいた。
明日南稜を登るのかな。


日が沈み、星が出始めた。
小屋のトイレに行ったときに、今まで見た中のベスト5に入るくらいの長いほうき星を見た。
二人でどちらかが見てなかったことはよくあるが、これは二人で見る事ができた。
そして同じ日、奥穂高岳に別ルートで登ったクライミング仲間がいた。
同じ時間、穂高山荘で星を眺めていたかもしれない。


翌朝、起きて南稜をみると、人がたくさんいた。
一週間前に視力を検査したら私は右1.2左1.0だった。Hはもっといい。
時刻は6時を過ぎたところ。三つに分かれるルンゼの中央を行っていた。
中央を行くと結構な藪漕ぎかも知れない。


ずっと眺めていると、核心部に取り付き始めた。
私達が登ったところの左側。私が行こうとしてたところ。
時刻は7時前。昨日の私たちはまだ出発してない時間だった。
なかなか前に進んでいない。
人数が多くて、大変そうだ。
眺めているのはなんだか面白いし、気楽なもんだ。
ちょっと、不謹慎だけども。


最終日、上高地に下るだけ。
河童橋でまた上高地コロッケを買った。


下山後、温泉で汗を流した。
またいい冒険できちゃったな。
Hは2キロ体重が減り、私は2キロ増えていた。


南稜を登るに当たって、いくつかの山好きの方のブログを参考にさせていただいた。
奥穂・南稜で検索すると出てくる。
私のこのチャラい記録とは全然違い、丁寧に書いてあり、とても参考になった。
感謝致します。

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この記録に関連する登山ルート

アルパインクライミング 槍・穂高・乗鞍 [2日]
奥穂高岳南稜(重太郎新道から下山)
利用交通機関: 車・バイク、 電車・バス、 タクシー
技術レベル
5/5
体力レベル
4/5
技術レベル
3/5
体力レベル
3/5

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