白峰三山・白根南嶺縦走
- GPS
- 21:20
- 距離
- 33.0km
- 登り
- 2,996m
- 下り
- 3,677m
コースタイム
- 山行
- 7:23
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 8:23
- 山行
- 10:06
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 11:06
広河原6:40-二俣8:40-八本歯のコル10:45-北岳山頂11:48-北岳山荘12:40-中白根山13:20-間ノ岳14:12-農鳥小屋15:03-農鳥小屋テント場15:13-(休憩・テント設営)-水場往復15:46-16:28
8月15日(土)
農鳥小屋テント場4:13-農鳥小屋4:30-西農鳥岳5:10-農鳥岳5:45-大門沢下降点6:22-広河内岳6:56-大篭岳8:18-白河内岳9:14-笹山北峰10:33-笹山南峰10:57-奈良田湖吊り橋15:17-駐車場15:37
天候 | 8月14日(金) 曇り時々小雨、農鳥小屋付近は晴れ。 8月15日(土) 快晴、稜線は冷たい西風の弱風・強風。標高の低いところ(おおむね1500m以下)は蒸し暑い。 |
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過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
・バスは2台出ていたが、多くの人が座れず。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・広河原-北岳-北岳山荘:大樺沢には残雪はあるものの雪の上は歩かない。登山者多く、高山植物多し。 ・北岳山荘-間ノ岳-農鳥小屋:間ノ岳までピストンする人多し。 ・農鳥小屋-農鳥岳-大門沢下降点:危険箇所なし。 ・大門沢下降点-広河内岳:踏み跡明瞭で分かり易い。 ・広河内岳-大篭岳:このあたりまではルート明瞭で迷うところは少ない。 ・大篭岳-白河内岳-笹山:ルート分かりづらいところ多し。特に白河内岳までは比較的平坦で濃霧時に方向を見失い易いと思う。マーキングやペイントは少ない(ほぼない)ので、ケルン(石積み)を頼りに歩くとよい。白河内岳からは一旦樹林帯に入り笹山北峰で一度森林限界を越えるが、笹山南峰は樹林帯のなか。樹林帯の中の登山道は狭いがマーキングがされていて分かり易い。登山者はほとんど見掛けない。 ・笹山-奈良田:1900m近くを一気に下る。危険箇所はないが傾斜が急なところが多い。柔らかい土で膝にやさしいのは有り難い。奈良田に近付くと標高が低いので暑さを感じる。 |
写真
感想
当初奈良田から白根南嶺を周り大門沢に下るルートを考えていたが、白根三山をとさらに白根南嶺を縦走して奈良田に降りるルートでも1泊で何とかできそうだと分かったので実際に歩いてきた。
初日は5時前に奈良田の広いほうの駐車場に到着。スペースには空きが目立ち少し拍子抜け。始発のバスの乗るべく準備をしてバス待ちの列に加わる。天気は曇りで蒸し暑い。定刻よりも大分遅れてバスは奈良田発。何とか座れたがよく揺れるので眠れずに広河原到着。バス停を見ると北沢峠方面は長蛇の列ができていた。トイレも入れそうにないので広河原山荘のトイレを利用することに。こちらは空いていた。
北岳は6月末に歩いて以来なので特に目新しさはなかった。が、全開と比較して大きく異なったのは天気で、曇天で今にも雨が落ちてきそう。実際に二俣を過ぎた当たりで雨脚が強まったのでレインの上下を着ることに。が、これは失敗で10分もすると雨は上がりその後雨は降ることはなかった。八本歯のコルの手前にある木製のハシゴ地帯はこの日は濡れていて滑り易く慎重に通過する。八本歯のコルに上がっても相変わらずのガスで何も見えない。足下の花だけが楽しみだった。途中で重いザックをデポし、広河原から5時間ほどかけてようやく北岳山頂に到着。山頂には多くの人がいたがガスで展望ゼロなので写真を幾枚か撮って退散。ザックを回収して北岳山荘に向かう。天候はガスだし回復の見込みもなさそうなので、真っ白の中の縦走もつまらないと思い北岳山荘にテント泊することも少し考えたが、そうなると明日の行程が大変キツイというか、多分奈良田まで下れなくなるので栄養補給のみして歩き始める。天候は大崩れもないものの晴れることもなく中白根山と間ノ岳を通過。間ノ岳は百名山であるためか、北岳山荘からピストンで目指す人が多かった。間ノ岳を過ぎ農鳥小屋への下りに差し掛かると、何故かこのエリアは良く晴れていて小屋までよく見通せるし、奥にある農鳥岳もよく見える。が、見えてもなかなか小屋は近付かない。15時少し過ぎて小屋に到着、受付を済ませて小屋からは離れたテント場にテント設営。このテント場は時折強い風が吹くため設営にも少し難儀した。水は小屋でも買えるとのことだったが折角なので水場まで歩いてみることにした。往復30分とのことだったが、掛け値無しでこの時間かかる。標高差で小屋とは100mくらいあるから、道は良くてもサンダルなどでの往復は不適と思った。夕方以降は2800mのテント場らしく寒いくらいになったが、幸い雷雨などなく、小屋からも離れているため静かなテント場だった。
2日目。この日はコースタイムで11時間超の長丁場なので日の出前から行動する。テントは幸い結露せず乾いていた。4時を回った頃にテント場を離れ、小屋でトイレと身支度を済ませて行動開始。歩き始めて10分ほどはヘッドライトが必要だったがそれ以降は明るいので不要に。西農鳥岳を過ぎたあたりの日の出時刻を迎えたが生憎雲が多くて日の出を見ることはできなかった。農鳥岳に着くとここまでピストンしてきたらしく、農鳥小屋方面に戻る登山者がいた。天気は快晴だが冷たい西風が強く、レインのジャケットは脱ぐことができない。時折無風地帯に入ると暑く感じるが、そういったエリアは限られていたのでこの先もずっとジャケットは着たままだった。大門沢下降点の下降点まできてもこの日は誰ともすれ違わない。下降点にて休憩しつつ栄養補給。冷たい風に長時間晒されたためか、体の調子があまり良くない。足が昨日の疲れもあってなかなか先に進んでくれない。が、ここで大門沢に下ってしまっては今回の目的を達せないのでゆっくりでも確実に進むことを念頭に広河内岳方向に進む。以前白根三山を縦走した時に何故かこの広河内岳だけはピストンしていて、その時のイメージとして塩見岳がよく見えるというものがあったが、果たしてそうであった。そしてここからは自分にとって未踏のルートになる。広河内岳までのルートは分かり易くマーキングも十分だったが、ここからはかなりそれが怪しくなる。まず岩のマーキングが少なくなる。広河内岳を出てしばらくは見られたように思うが徐々に少なくなる。この日は天候抜群で当たりを見渡せたから問題なかったが、ガスが出ている日などはあまり歩きたくない印象を持った。マーキングをを拾いつつ無事大篭岳到着。この先はさらにルートは怪しくなり、ペイントのマーキングは皆無になり、所々に見られるケルンだけが道しるべになる。登山者の姿は前後左右どこにも見られず、お盆休みの好天の土曜日とは思えないくらいに静かだった。何度かルートを間違えつつも白河内岳に到着。相変わらず風が強いのでジャケットは着たまま。風を凌げるような場所がないので休憩も吹きさらしのままでするしかない。西側には塩見だけどそこから延びる蝙蝠尾根が見えており、次は是非ここを歩きたいと思ったがいつになることやら。白河内岳から先は少し下りになるが、このルートも分かり難かった。相変わらずマーキングはないのでケルンを追うしかなかったが、これとて時折なくなるので先を見て歩けそうなところを繋いでようやくケルンを発見するようなこともあった。繰り返しになるが、ガスの濃い日は歩きたくない。下りはその後も続き一旦樹林帯の中に入る。この樹林帯のルートの入口も分かりづらくて見つけるのに少し時間がかかってしまう。この樹林帯に入れば中には樹木の枝にテープが付いていてこれをたどれば良かったが、登山道そのものは人が一人通れる程度の幅しかなくかなり狭い。それでもテープで行く先を示してくれるのは有り難かった。樹林帯を抜けると笹山北峰へ少し登る。ここでようやく登山者に会う。イヤに軽装だったがどこかの小屋の関係者かもしれない。ここで休憩後に笹山南峰を通過し、いよいよ奈良田に向けての大下降が始まる。約1900mもあるが、既に6時間以上歩いてきたのでペースの上げようもなく、転倒に気を付けて歩き始める。下降を始めてすぐに3人パーティが登ってきた。今日は笹山あたりにテントを張るのだろうか。こちらはとにかく下るのみ。登り返しもなくとにかく下るが傾斜が急なところが多く楽をさせてくれない。時折テントを張れそうなところも現れ、歩くのが嫌になりつつあったので、そのまま泊まってしまおうかとも考えることもあった。標高を下げるに連れて次第に気温が高くなっていくのが感じられ、この日の前半は寒くて仕方なかったのが嘘のように思われた。全身汗まみれになり、足も棒のようになってペースはかなり遅く、休憩も30分に1回程度取らないと暑くてやってられないようになってきた。ようやく奈良田に近付いたと思ったらジグザグで標高を落とし、ダムのそばに出てきてその後に吊り橋のたもとに到着。ここからはアスファルト歩きをこなして無事駐車場に到着。行動開始から約11時間かかったが何とか歩ききることができた。
今回の白根三山+白根南嶺の縦走は、コースタイム的には1泊2日で十分歩けるが、標高の高い箇所が長く続くため、天候による影響を受けやすい。初日は盛大なガスに見舞われ何も見えない中での歩きとなったが、その状態が2日目にもたらされたらかなり難儀したことだろう。また、白根南嶺の区間は登山道の整備状況が必要最低限であり、ペースを上げることが難しかった。朝早出して正解だったし、もう30分くらい早くても良かったくらいだと思った。
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