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Yamareco

記録ID: 7197577
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

新穂高温泉→鏡平山荘泊→槍ヶ岳→ヒュッテ大槍泊→上高地

2024年09月05日(木) ~ 2024年09月07日(土)
 - 拍手
GPS
20:02
距離
42.1km
登り
2,737m
下り
2,330m

コースタイム

1日目
山行
4:00
休憩
0:20
合計
4:20
8:20
15
8:35
8:36
10
8:46
12
8:58
9:06
16
9:22
45
10:07
10:08
21
10:29
18
10:47
31
11:18
11:24
44
12:08
4
12:12
2日目
山行
8:06
休憩
1:34
合計
9:40
4:21
51
5:12
5:19
12
5:31
20
6:20
8
6:28
6:38
38
7:16
7:22
42
8:04
47
8:51
8:58
88
10:26
10:32
65
11:37
11:54
30
12:24
13:01
8
13:09
13:13
48
3日目
山行
5:40
休憩
0:12
合計
5:52
6:03
22
6:25
5
6:30
34
7:34
25
7:59
21
8:20
21
8:41
6
8:47
8
8:55
33
9:28
9:31
1
9:32
9:40
35
10:15
11
10:26
34
11:00
3
11:03
11:04
3
11:07
33
11:51
4
11:55
ゴール地点
天候 午前は晴れ、午後曇り。風穏やか。
過去天気図(気象庁) 2024年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
 登山前日から平湯温泉あかんだな駐車場利用。1日600円で計2400円。駐車場からトイレまで、距離は短いが夜間は真っ暗な階段道を進む。トイレに「クマ出没」なんて張り紙があり、肝試し感があった。
 駐車場から10分ほど歩いたところにある平湯温泉バス停から0700発の新穂高温泉行きのバス利用。空席多し。
 上高地1200発、あかんだな駐車場行きのバス利用。補助席使って満席に近い。客のほとんどは観光の方で、あかんだな駐車場で下車。土曜の昼過ぎ、あかんだな駐車場は空きわずかだった。
コース状況/
危険箇所等
【新穂高温泉〜小池新道登山口(ワサビ平小屋の先)】
緩やかな勾配の林道。
【小池新道登山口〜鏡平山荘】
急登区間なく普通の勾配。石ゴロ岩ゴロ道。岩ゴロ区間はペンキマーク見落とさないこと。危ないところなし。
【鏡平山荘〜双六小屋】
弓折分岐までは、やや勾配あり。山地図に記載の「くろゆりベンチ」から双六小屋までは緩い下り。危ないところなし。
【双六小屋〜西鎌尾根〜千丈乗越】
双六小屋から樅沢岳までの標高差200mを越えたあとは、小さい標高差の上り下りが続く。千丈乗越手前に鎖区間が3ヶ所あるが、危ない感じはしない。
【千丈乗越〜槍ヶ岳山荘】
標高差350mのキツい区間。ルート最大のヤマ。危ないところなし。
【槍ヶ岳山荘〜山頂】
行列してた。山頂も人いっぱい。前の人に引き離されても、後ろに行列できていても、慌てることなく三点支持を確認した上で、一歩ずつ進めばダイジョウブ。ペースが遅くても後ろの人は全く気にしておりません(行列の先頭で、移動行動を取らずに写真を撮る若僧にはイラッときましたが。)。
【槍ヶ岳山荘〜ヒュッテ大槍】
岩稜区間の下り。区間の半分はポールを畳んで手を使って移動。要注意区間。2日目最終盤だったこともあり非常にキツかった。ペンキマークないところありコースアウトした。
【ヒュッテ大槍〜天狗原分岐〜大曲】
勾配のある石ゴロ下り。
【大曲〜横尾山荘】
勾配緩やかな石ゴロ主体の道。
【横尾山荘〜上高地】
勾配緩やかな林道歩き。思いのほか登りあり。距離があり気持ち的にしんどい。
その他周辺情報 【平湯温泉】
初日、ひらゆの森利用、700円。露天の湯船が7つ。奥の3つはよい湯加減であったが、手前の4つはかなりぬるい。炎天下のプールよりも低い湯温の湯船もあった。長湯好きの私にはとても良かった。脱衣所のロッカーは100円戻らない方式で小さな哀しみ。
下山後、平湯民俗館にある露天利用、300円。大きな露天が一つあるだけで、シャンプー・石けん・洗い場はない。
【高山観光】
2日間、古い町並み地区をブラブラ食べ歩き。コインパーキングは安いところで20分100円が相場。精算時「6」番と「9」番を間違えた。悲しいぞ。
新穂高温泉出発。
2024年09月05日 07:53撮影 by  SH-54D, SHARP
9/5 7:53
新穂高温泉出発。
歩き始めから、しばらく林道歩き。去年、この林道を下った時は、とても長く感じたが、登りだとそんな感じはしない。
2024年09月05日 08:24撮影 by  SH-54D, SHARP
9/5 8:24
歩き始めから、しばらく林道歩き。去年、この林道を下った時は、とても長く感じたが、登りだとそんな感じはしない。
ワサビ平小屋を過ぎて渡渉あり。でも林道は続く。
2024年09月05日 09:17撮影 by  SH-54D, SHARP
9/5 9:17
ワサビ平小屋を過ぎて渡渉あり。でも林道は続く。
小池新道登山口到着。ここから山道歩き(だったと思う)。
2024年09月05日 09:22撮影 by  SH-54D, SHARP
9/5 9:22
小池新道登山口到着。ここから山道歩き(だったと思う)。
岩ゴロ、石ゴロ道が延々と続く。
2024年09月05日 09:30撮影 by  SH-54D, SHARP
9/5 9:30
岩ゴロ、石ゴロ道が延々と続く。
ここで給水。この日は水場が多く、携帯する水量が少なくてすむ。
2024年09月05日 10:21撮影 by  SH-54D, SHARP
9/5 10:21
ここで給水。この日は水場が多く、携帯する水量が少なくてすむ。
ミヤマキンポウゲかな。今回、いろんな花が咲いてたが、名前がわからず、ちょっと気になる花のみ撮影。
2024年09月05日 10:52撮影 by  SH-54D, SHARP
9/5 10:52
ミヤマキンポウゲかな。今回、いろんな花が咲いてたが、名前がわからず、ちょっと気になる花のみ撮影。
もうすぐ鏡平山荘。やや勾配あり。
2024年09月05日 11:54撮影 by  SH-54D, SHARP
9/5 11:54
もうすぐ鏡平山荘。やや勾配あり。
鏡平山荘到着。
2024年09月05日 12:11撮影 by  SH-54D, SHARP
1
9/5 12:11
鏡平山荘到着。
2日目、暗いうちから出発。歩き始めから、やや勾配のある登り。
2024年09月06日 04:54撮影 by  SH-54D, SHARP
9/6 4:54
2日目、暗いうちから出発。歩き始めから、やや勾配のある登り。
槍を眺めながら歩く。突然、滝雲が覆い始めた。
2024年09月06日 05:06撮影 by  SH-54D, SHARP
1
9/6 5:06
槍を眺めながら歩く。突然、滝雲が覆い始めた。
ウメバチソウ?
2024年09月06日 05:18撮影 by  SH-54D, SHARP
9/6 5:18
ウメバチソウ?
稜線に出た。さっきの滝雲の中を歩く。こうなると、アレを期待してしまい目をキョロキョロ。
2024年09月06日 05:29撮影 by  SH-54D, SHARP
9/6 5:29
稜線に出た。さっきの滝雲の中を歩く。こうなると、アレを期待してしまい目をキョロキョロ。
期待どおり出た!すぐ近くなのに逃げない。でも、なんかうっとうしそうで、にらまれている。お食事中のところスンマセン。
2024年09月06日 05:46撮影 by  SH-54D, SHARP
1
9/6 5:46
期待どおり出た!すぐ近くなのに逃げない。でも、なんかうっとうしそうで、にらまれている。お食事中のところスンマセン。
双六小屋見えた。
2024年09月06日 06:09撮影 by  SH-54D, SHARP
9/6 6:09
双六小屋見えた。
双六小屋到着。気温10.0℃。給水はフリー。1.5リットル携帯して進む。
2024年09月06日 06:30撮影 by  SH-54D, SHARP
9/6 6:30
双六小屋到着。気温10.0℃。給水はフリー。1.5リットル携帯して進む。
樅沢岳への登り。標高差200m、勾配あり。風は弱いながら冷たい。
2024年09月06日 06:46撮影 by  SH-54D, SHARP
9/6 6:46
樅沢岳への登り。標高差200m、勾配あり。風は弱いながら冷たい。
樅沢岳到着。去年歩いた裏銀座ルート、野口五郎岳から三俣蓮華岳を感慨深く眺める。
2024年09月06日 07:17撮影 by  SH-54D, SHARP
1
9/6 7:17
樅沢岳到着。去年歩いた裏銀座ルート、野口五郎岳から三俣蓮華岳を感慨深く眺める。
反対側、槍ヶ岳へと続く西鎌尾根が見えた。槍が遠く、手前の稜線はデコボコ。手強そうで気後れ感あり。「裏銀座とそんな変わらんやん。」と自分に言い聞かせる。
2024年09月06日 07:20撮影 by  SH-54D, SHARP
2
9/6 7:20
反対側、槍ヶ岳へと続く西鎌尾根が見えた。槍が遠く、手前の稜線はデコボコ。手強そうで気後れ感あり。「裏銀座とそんな変わらんやん。」と自分に言い聞かせる。
その後は、小さく下って登る(あったとしても数十メートルの高低差)を繰り返す。
2024年09月06日 07:28撮影 by  SH-54D, SHARP
9/6 7:28
その後は、小さく下って登る(あったとしても数十メートルの高低差)を繰り返す。
あちこち咲いてた。そのうち調べます。
2024年09月06日 07:35撮影 by  SH-54D, SHARP
9/6 7:35
あちこち咲いてた。そのうち調べます。
道がピークまで続くわけではないのでありがたい。まだまだ槍は遠い。
2024年09月06日 07:39撮影 by  SH-54D, SHARP
9/6 7:39
道がピークまで続くわけではないのでありがたい。まだまだ槍は遠い。
そのうち調べます。
2024年09月06日 08:46撮影 by  SH-54D, SHARP
1
9/6 8:46
そのうち調べます。
タカネナデシコ?
2024年09月06日 08:48撮影 by  SH-54D, SHARP
9/6 8:48
タカネナデシコ?
左俣乗越到着。手前に鏡平山荘が小さく見える。5時間前はあそこで星空眺めてた。不思議な感じ。
2024年09月06日 08:56撮影 by  SH-54D, SHARP
9/6 8:56
左俣乗越到着。手前に鏡平山荘が小さく見える。5時間前はあそこで星空眺めてた。不思議な感じ。
歩くうち、槍が近づいてきて、これが励みになった。
2024年09月06日 09:06撮影 by  SH-54D, SHARP
2
9/6 9:06
歩くうち、槍が近づいてきて、これが励みになった。
そのうち調べます。
2024年09月06日 09:24撮影 by  SH-54D, SHARP
9/6 9:24
そのうち調べます。
だいぶ近づいた。しかも、見上げる感じになってきた。頑張れそう。
2024年09月06日 09:26撮影 by  SH-54D, SHARP
2
9/6 9:26
だいぶ近づいた。しかも、見上げる感じになってきた。頑張れそう。
この先、鎖が3ヶ所ほど連続してあった。
2024年09月06日 09:33撮影 by  SH-54D, SHARP
9/6 9:33
この先、鎖が3ヶ所ほど連続してあった。
千丈乗越到着。ここから槍ヶ岳山荘までの標高差350mが今回最大のヤマ。
2024年09月06日 10:25撮影 by  SH-54D, SHARP
1
9/6 10:25
千丈乗越到着。ここから槍ヶ岳山荘までの標高差350mが今回最大のヤマ。
はるか遠くに登っている人が見える。スキーゲレンデの上級者コース以上の勾配はありそう。危なくないのか。
2024年09月06日 10:49撮影 by  SH-54D, SHARP
9/6 10:49
はるか遠くに登っている人が見える。スキーゲレンデの上級者コース以上の勾配はありそう。危なくないのか。
下から見て勾配のキツいところはつづら折れになっていた。安全に登れた。でもキツい。
2024年09月06日 11:22撮影 by  SH-54D, SHARP
9/6 11:22
下から見て勾配のキツいところはつづら折れになっていた。安全に登れた。でもキツい。
登りきった。少し足にきたが、行けそうな感じ。あとは槍まで標高差100m。
2024年09月06日 11:34撮影 by  SH-54D, SHARP
2
9/6 11:34
登りきった。少し足にきたが、行けそうな感じ。あとは槍まで標高差100m。
いざ臨む。
2024年09月06日 11:56撮影 by  SH-54D, SHARP
2
9/6 11:56
いざ臨む。
「三点支持!」を念仏のように唱えながら一歩一歩確実に進んでいく。
2024年09月06日 12:01撮影 by  SH-54D, SHARP
1
9/6 12:01
「三点支持!」を念仏のように唱えながら一歩一歩確実に進んでいく。
山頂到着。人がいっぱい。写真は順番待ち。風弱く穏やか。周囲は雲が湧き上がりつつあるが、とても眺めよい。去りがたいものがあり、しばらくボーッと過ごす。
2024年09月06日 12:27撮影 by  SH-54D, SHARP
2
9/6 12:27
山頂到着。人がいっぱい。写真は順番待ち。風弱く穏やか。周囲は雲が湧き上がりつつあるが、とても眺めよい。去りがたいものがあり、しばらくボーッと過ごす。
南向き。穂高の山々、私でも歩けるのだろうか。
2024年09月06日 12:30撮影 by  SH-54D, SHARP
3
9/6 12:30
南向き。穂高の山々、私でも歩けるのだろうか。
東向き。若かりし頃歩いた(中房温泉〜)大天井岳〜常念岳(〜蝶ヶ岳〜上高地)を写す。当時、常念岳のあの登り、とてもキツかった。懐かしく思い出にふける。
2024年09月06日 12:35撮影 by  SH-54D, SHARP
2
9/6 12:35
東向き。若かりし頃歩いた(中房温泉〜)大天井岳〜常念岳(〜蝶ヶ岳〜上高地)を写す。当時、常念岳のあの登り、とてもキツかった。懐かしく思い出にふける。
北向き。去年歩いたルート、先月登った薬師岳、やはりこちらも感慨深く眺められた。北アルプスに来て、槍の見えない眺めに違和感。
2024年09月06日 12:42撮影 by  SH-54D, SHARP
1
9/6 12:42
北向き。去年歩いたルート、先月登った薬師岳、やはりこちらも感慨深く眺められた。北アルプスに来て、槍の見えない眺めに違和感。
槍ヶ岳山荘から本日泊まるヒュッテ大槍を目指す。ヒュッテ大槍が写真右に小さく見える。この区間、岩場の下りで、非常に疲れた。ここから先はポールを畳んで進む。
2024年09月06日 13:21撮影 by  SH-54D, SHARP
1
9/6 13:21
槍ヶ岳山荘から本日泊まるヒュッテ大槍を目指す。ヒュッテ大槍が写真右に小さく見える。この区間、岩場の下りで、非常に疲れた。ここから先はポールを畳んで進む。
3日目、ヒュッテ大槍を出発。出発時の気温9.8℃。風弱く穏やか。
2024年09月07日 06:02撮影 by  SH-54D, SHARP
1
9/7 6:02
3日目、ヒュッテ大槍を出発。出発時の気温9.8℃。風弱く穏やか。
しっかり、目に焼き付けてから出発。
2024年09月07日 06:04撮影 by  SH-54D, SHARP
2
9/7 6:04
しっかり、目に焼き付けてから出発。
そのうち調べます。
2024年09月07日 06:17撮影 by  SH-54D, SHARP
9/7 6:17
そのうち調べます。
ヒュッテ大槍からの下りはつづら折れ。石ゴロで歩きにくい。
2024年09月07日 06:18撮影 by  SH-54D, SHARP
9/7 6:18
ヒュッテ大槍からの下りはつづら折れ。石ゴロで歩きにくい。
坊主の岩小屋分岐到着。槍が小さくなってきて寂しさを覚える。
2024年09月07日 06:29撮影 by  SH-54D, SHARP
9/7 6:29
坊主の岩小屋分岐到着。槍が小さくなってきて寂しさを覚える。
この辺りで勾配は緩やかになった。
2024年09月07日 07:26撮影 by  SH-54D, SHARP
9/7 7:26
この辺りで勾配は緩やかになった。
下ってきた方向を振り返る。槍も見えなくなってしまった。
2024年09月07日 07:30撮影 by  SH-54D, SHARP
9/7 7:30
下ってきた方向を振り返る。槍も見えなくなってしまった。
横尾山荘まで、石ゴロの道が続く。
2024年09月07日 08:23撮影 by  SH-54D, SHARP
9/7 8:23
横尾山荘まで、石ゴロの道が続く。
沢に木の橋が架かるが、足を置くところが平坦ではなく、安全に歩けそうな気がしない。橋の右にある石伝いに渡渉。
2024年09月07日 08:56撮影 by  SH-54D, SHARP
9/7 8:56
沢に木の橋が架かるが、足を置くところが平坦ではなく、安全に歩けそうな気がしない。橋の右にある石伝いに渡渉。
河童橋到着。12時発のバスに乗るべく先を急ぐ。
2024年09月07日 11:50撮影 by  SH-54D, SHARP
1
9/7 11:50
河童橋到着。12時発のバスに乗るべく先を急ぐ。

感想

 1泊以上の山歩きではいつも、でっかいザックを背負ってた。今まで不要なもをいっぱい詰めてたことに気づき、今回、日帰り用のザックを背負う。
 1日目、出発時は天気よかったが、鏡平山荘到着時はすっかり曇ってしまった。鏡平山荘、平日ながら賑わっている。小屋前や鏡池のベンチでコーヒー飲んだり読書したりしてボーッと過ごす。明日歩く西鎌尾根がすぐ近くに見えるが、槍は雲間から一瞬見えたのみ。残念。深夜2時前、トイレついでに外に出てみると、すばらしい星空。槍の向こうからオリオンが登っている。すばらしい構図で写真に収める。寝床に戻るが、案の定、目が冴えてしまい、よく寝付けず。
 2日目は前日に支給された弁当を食べて4時半出発。体は軽いが、弁当、ボリュームあって胃が重い。「朝食」として食べた私が悪い。歩き始めからやや勾配のある登りがそこそこしんどかった。双六小屋から先がこの3日間で一番の頑張りどころ。気合いが入る。しかし、樅沢岳から望む西鎌尾根とその先の槍を見て、「槍、あんな遠いのか」と不安な気持ちになってしまった。図面で見るのと実際に見るのとでは全然違う。歩きながら、「昨日みたいにガスかかってたら眺め悪いしピーク行かんとこ。ピークは明日でもええか。」とか、「引き返す場合は泊まれるところあるのかな」と気持ちは逃げ腰になっていた。でも、進むうち、槍が近づいてきて、これがかなり励みになった。千丈乗越に到着した時には、もうイケイケモードであった。ここから槍ヶ岳山荘までの標高差350mが今回のヤマと考えていた。今思えば、イケイケで臨めたのは好都合だった。「焦らず、ゆっくり」10分ごとのGPSアナウンスで40〜70mずつ登った。途中で一度、へたり込んで動けなくなったが、少しずつ確実に標高を上げていくGPSアナウンスはよい励みになってくれた。少し足にきたが、槍ヶ岳山荘でしばし足を休め、いざピークへ。もうイケイケである。ただ、慎重な気持ちは忘れることなく常に「三点支持」を唱えながら一歩ずつ確実に進んでいった。行列で待ち時間の方が長いが、先人の行動も参考になるので、常に緊張感を維持して臨めた。山頂は風弱く穏やかで眺めもよく最高であった。これほどの好条件で槍のピークに立てたこと、非常に運がよかった。慎重に槍ヶ岳山荘まで下って、あとはすぐそこに見えてるヒュッテ大槍まで下るのみ。この時点では心地よい疲れ。まさか、この先、これほど辛いとは想定外であった。気持ち的には既に「今日一日お疲れ様でした!」状態で、完全に緊張感が緩んでしまったらしい。岩稜区間で、途中からポールを畳んで手を使って進むようなルートで、気力がなくなっていることを自覚。事故にだけは気をつけて、焦らずゆっくり進む(ゆっくりしか進めない)。今日一日、山地図のコースタイムの8割程度で進んでいたが、この岩稜区間はコースタイム30分のところ49分を費やした。かなり消耗してゴール。激しい運動のあとに生じる食欲不振に陥り、夕食はおかずを食べきるのが精一杯。でも、夕食は洋食系で、グラスワインまで付いている。おっしゃれーな感じでとてもよかった。食欲のある中で食べたかった。小屋自体もこぢんまりしていて客数少なく私好みの小屋であった。西鎌尾根の上り下り、千丈乗越からのキツい登り、山頂への往復、ヒュッテ大槍へ向かう岩稜区間、そして人生で最も標高の高い所へ酸欠にならず到達できたこと、いずれもこれまでの経験があったからこそ今日1日無難に乗り切れたと思う。
 3日目、3時起床。きれいな星空。槍に沈む天の川を撮影。しかも、3時53分に槍の右側、はくちょう座の方向に国際宇宙ステーションが現れ、北極星の上を通過していく。これを撮影することが3日目最大のミッション。バッチリ撮れた。朝食(1回目)は4時45分から。幸い食欲回復。6月に買い換えたスマホにはタイムラプス機能が付いていて、朝食前から槍方向に仕掛けておいた。ご来光で薄く赤く染まる槍を見て、タイムラプス終了。再生してみるとすごい映像が撮れていた。しかし、前日からカメラ機能の調子が悪く、ヤマレコのログを切ってから撮影しようとしてもエラーが出てしまうし、昨日撮影した槍とオリオンの画像が残っていない。何度かスマホを再起動して、撮影できるようになったものの、ヤマレコのログを切ってから撮影した写真とタイムラプス映像が保存されない(スマホに詳しい職場の同僚によると、ヤマレコ写真はスマホ本体保存で、写真アプリで撮影したデータはSDカード保存になっており、SDカードの接触が悪かったのではないかとのこと。)。とてもショックであった。記憶の中にとどめておくしかない。6時出発。登りも下りも筋肉疲労なし。筋肉痛なし(帰宅後あり)。体は軽い。土曜日だけあって登ってくる方がとても多い。辛そうな方には、槍すごくいいですよと鼓舞して見送る。横尾山荘からの林道歩きは辛かった。長い。上高地12時発のバスに乗るべく、早く辛い状況を脱したい思いとこのあとの計画を叶えたい思いで一心不乱に歩く。ぎりぎり12時発のバスに乗れた。槍に登頂できたら、高山で豪勢に飛騨牛ステーキを食す計画であったが、昨日の夕食に触発されフレンチに変更。12時のバスを逃すとラストオーダーに間に合わないので、とにかく必死に歩いた。飛騨牛ステーキ並みに値は張ったが、前菜、スープ、メインの飛騨牛ハンバーグ、デザート・コーヒー全てとてもうまかった。満足。小さな幸せ。よい記念である。写真残せなかったのが残念。
 3日間、天気に恵まれ、こんな好条件、滅多とないような気がする。一生の思い出に残る槍ヶ岳登山となった。

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体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [4日]
新穂高を起点に奥飛騨を一回り
利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
3/5
体力レベル
5/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [3日]
槍ヶ岳 〜新穂高から双六、西鎌経由〜
利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [5日]
技術レベル
3/5
体力レベル
5/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [2日]
新穂高〜上高地
利用交通機関: 車・バイク、 電車・バス
技術レベル
3/5
体力レベル
5/5

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

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