【槍ヶ岳】初めての登頂は北鎌尾根から



- GPS
- 80:25
- 距離
- 43.4km
- 登り
- 3,128m
- 下り
- 3,128m
コースタイム
- 山行
- 5:57
- 休憩
- 1:02
- 合計
- 6:59
- 山行
- 10:51
- 休憩
- 0:02
- 合計
- 10:53
- 山行
- 6:59
- 休憩
- 0:01
- 合計
- 7:00
天候 | 晴れ、ときどき曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
基本はホールドの脆さをテンションかける前にしっかり確認すること。コースの半分以上はそれらの脆さが大半そう見受けられた。 独標からP2への道のりは基本は稜線直上するルートが良い。 ※我々はトラバースしてしまったことを悔やまれる; |
写真
岩はちょっと踏んだだけの衝撃で落下してしまいそうで、脆い。
後続者に被害がないように、落石させないよう登らなくてはならない。慎重に進むべし。
姿を表して登頂する瞬間の自分の目線。
「お邪魔してすみません!」
でも 槍 ヶ 岳 は こ れ が
初 登 頂 な ん で す よ ♪笑
僕の物資事情で前日ビバーク時の夕食は、
小さなパン2つと水250ml、そしてCLIFBAR3ぶんの1。
極限の緊張と空腹は爆発。
極上のカレーを3分でたいらげます。
そして、これでご馳走様とはいかず、
装備
個人装備 |
ザック★36L/PAC-03(ateliere-bluebotlle)
【行動装備】 ■ザックカバー(red/GREGORY) ■ドライバッグ(13L/EXPED) ■サコッシュ(cmfl/ateliere-bluebotlle) ■ハイカー財布(yelw/ateliere-bluebotlle) ■ナイフ(OPINEL) ■ランタン(SOLAR PUFF) ■バッテリー(iPhone/単4) ■応急処置セット(Deuter) ■タオル(nanotowel/SeaToSummit) ■食料 [ 4000 calorie ] ■水2.5L(PLATYPUS) ※2Lの水は現地調達 ■ケトル0.6L(TRANGIA) ■ガスストーブ(PRIMUS P114) ■ガス燃料(PRIMUS 110) ■防水マッチ 1箱 ■コーヒードリッパー(UNIFLAME) 【着用】 SHELL(top/bottom) □レインレインスーツ/-ThunderStorm-(blu/MAMMUT) MIDDLE(top) □ソフトシェルJKT/-vaporJKT-(wht/Phenix) □パーカーJKT/-Pile hoodie-(olv/AndWander) MIDDLE(bottom) □ソフトシェルPNTS/-LIZARDPNTS-(blu/HAGLOFS) BASIC(top) □ドライTシャツHS/-intense-(blk/HAGLOFS) BASIC(bottom) □ドライボクサーP(blk/UNIQLO) SOCKS □ハイカーズソックス/2finger(gryblue/ateliere-bluebotlle) BOOTS □ミドルカットブーツ/-ROC LEGEND-(pur/HAGLOFS) 【収納】 EXCHANGE ○ハイカーズソックス/2finger(brown/ateliere-bluebotlle) ○ドライTシャツLS/-intense-(org/HAGLOFS) ○ドライTシャツLS/-thermozip-(blu/TNF) ○サンダル(blu/MUJI) 【環境装備】 ★時計/ProTrek3000 (blkorg/CASIO) ★サングラス/sports ver (UNIQLO) ★ビーニーキャップ (blue/HAGLOFS) ★バイザーキャップ (blk/CAPO) ★クライミングHFグローブ (BLACKDIAMOND) ☆ヘルメット/VECTOR (BLACKDIAMOND) ☆スリング/120[x2] 60[x3] (Rocteryx BLACKDIAMOND) ☆プルージックコード/60(Elderid) ☆ATC/xp (BLACKDIAMOND) ☆安全輪付カラビナ (BLACKDIAMOND) [x2] ☆カラビナ (Rocteryx BLACKDIAMOND)[x5] -------[ 住居装備 ]------- ■テント/ハイライト (BLACKDIAMOND) ■シュラフ/ポリゴンネスト 6x4 (finetrack) ■エア枕(Mont-bell) ■スリーピングマット(EVERNEW) ■テントシューズ(Mont-bell) ■ULダウンJKT(UNIQLO) ■ULダウンPNTS(Mountain Equipment) |
---|---|
共同装備 |
■共通の登攀装備<br />ハーネス
環付カラビナ×2
カラビナ×5(うち2枚はシューズとグローブ用)
スリング(60cm×3
120×3)
プルージックロープ×1
ATCx1
ビレイ用グローブ<br />■遠藤さんの登攀用具<br />50m10径ロープx1
カムx10
etc<br />■自分<br />50m8.7径ロープx1
|
備考 | ロープは50mを1本あればよかった。カムは5発でよかっただろうか。 |
感想
■「そもそもの計画があった」
当初の計画では一般ルートで槍ヶ岳へ登り、
西稜ルートで大槍小槍からアプローチ。
のちに大キレット、東稜(ゴジラの背)、涸沢、前穂高(五、六)
から行くという至れり尽くせりな予定でした。笑
が、しかし。ギア準備ができても、体調の調整はそうそう
上手くいかないこともあります。
「そんな日もありますよね」
全ては、軽い相槌から始まったような、
この旅の壮大なルート変更だったのです。
■「西穂高から歩いた、奥穂高の、あの高度感」
忘れられる筈もない。身体が記憶しているのだ。
行ったことのある人ならわかるだろう。
行ったことない人は技量を身につけてぜひ安全に行ってほしい。
あれを1日で行ってしまったのだ。
ある人は若さで。ある人は技量で。
そこには確かな絆が生まれたように感じずにはいられなかった。
今回、その絆を元に、計画にもなかった、槍ヶ岳 北鎌尾根ルートへの
情熱が向いてしまったのだ。
調べてもいないが確かな装備と信頼関係があっての計画変更となった。
■1日目「pͪoͣnͬpͣoͥnͭpͣa͡inͥと、眠さMADMAX」
遠藤隊長のまさかのpͪoͣnͬpͣoͥnͭpͣa͡inͥで体調不良。私は眠さMADMAXな状態。
これで当初の計画にずれが生じ、徳澤園へ着いたころ、
ババ平でテント宿泊のち、「北鎌尾根ルート」の案で合点。
このとおりに実行する。
■2日目「独標を目前に気力が削られ、贅沢景色でビバーク」
早朝4時にキャンプ地からスタート。
北鎌コルからの取り付きを目指して右又の沢から直登。
沢の途中には豊富な水があり、登りながらゴクゴク美味しく給水。
コルの手前100mで左に進みすぎて、垂直になっていく草登りコースに注意。
※不本意にも草を掴みながら登って行った。
そこからやや右に無理くりトラバースして、安全にコース修正する。
コルの少し先にたどり着き、大休止をとって、先へ向かう。
コースの途中は不安定な岩や木をよじ登りながら進む場所もたくさん見受けられた。
独標へ着くも、気力がコルの登りで削られた模様。
さらには周囲の雲の形がスーパーセルへと発達する傾向を観測。
時間と周囲状況から判断をして、独標手前でビバークを決定。
この日独標のアーベンロートを堪能。初めてブロッケン現象を見る。
この日は19時をもって遠藤隊長のテント1張りで就寝とした。
■3日目「ロープワーク。稜線上での初対面。運命の登頂」
二人で1張りに眠ったことで多少なりとも暖かく体を休めることは
できたようだ。脳は眠れず、こればかりはしかたなし。
気温。これは朝、床下が一部凍っていたので一度は氷点下に達したようだ。
テントから何組かのパーティーを見送り、我々は独標を右にトラバースして先を進んだ。
この先は穂先までところどころに古びたハーケンやシュリングが残置してあるのがうかがえる。
巻いたとこをあがってすぐのとこは一段フットテラスに足を置き、
進むといいだろう。頭上の岩にザックを引っかけないように進むのだ。
独標を越え、直登するペアのシルエットが逆行で写って
かっこよく見えたのをよく覚えている。
この先からしばらくトラバースを繰り返すように進む。
2回ほど念のためにロープで確保してもらいながら短い距離を進み、
前日に教えてもらったいくつかのロープワークを実践できた。
そしてP10あたりでまさかのShinyaさんと初対面。
というのも僕らはTwitterで2年ほど前から山の話題で
いくつか会話の交流をもっていた仲だ。
この旅の前日も何度か合流を計らっていたが、別行動となっていた。
それが偶然の重なりでやっと対面できて、合流することになった。
山が僕たちを呼び集めたのだろうなと思う。
ここからは3人での行動となる。
我々と違い、Shinyaさんはこのルートへの想いがあって
入念な調べと情報があった。どうやら基本はここ12点あるピークを直登するルート
がいいらしいのだ。確かにトラバースはかなり下降するはめになっている。
なので、高度と技量に自信があれば迷わず直上を基本にルートファインディングをしてほしい。
北鎌平をひとつ越えたころ、穂先はガスに覆われる。
そして私はどうしても大便がもよおしてしまう。
不本意ながらもここで済ませる。
※ティッシュは持ち帰りました;
ふんばり、格闘すること10分ほど。どうにか勝利。
するとどうだ、ガスが晴れたではないか。
自分のお腹と空がなにかつながるものがるのではないかと、
くだらない妄想さえしてしまう。
実にラッキーな状況に好転したのだ。
ここからは緊張感抜群のアルパインクライミングに突入。
腕時計の高度計は3000mを示した。ここから180mの壁をあがるのか。
そう覚悟した。ルートは楽しいクライミング要素がたっぷり。
パーティーは僕らの他に3組。人工落石を起こさないように慎重に進む。
高度計は3080mをさしたとこで、ルートの核心部と対峙する。
右のトラバースか、左のチムニーか。どちらも通過した形跡があった。
が、左の方が明瞭であった。目印は「穂先は近い」というレリーフが
進んで右手の岩壁に打ってある。高度計はあと100mを示していた。
少し癖のあるチムニーの岩ふんばってよじ登ってすこし進み、穂先を見上げる。
どうも騒がしい。ていうか人たまりが見えてくるではないか。
おかしい。あれは天国の登山人か?
(いや、自分が絶命した瞬間なんてないはずだ。)
すこし混乱するが、冷静に考えてみる。
どうやら気圧の影響で100mちかくもズレていたようなのだ。
そしてついに槍ヶ岳を登頂。
標識で記念撮影する位置の右からひょっこりと上がってくるような恰好だ。
先行していた二人を頂上で見つけると、3人で肩を組んでお互いを称賛して
喜びを思いっきり分かち合った。
見下ろす光景は一般ルートから長蛇の列。
西陵ルートからの垂直登攀。
そして、我らが辿った、、、
北鎌尾根のルートはガスって見えませんでした。笑
記念撮影をすませて下へ降りると、槍ヶ岳山荘の混雑具合が見て伺えた。
どうやら当然、テント場も小屋泊の枠もない。
殺生ヒュッテに急ぎ、なんとか3人でまとまって張れる場所を確保。
小屋のご飯LOは15時。私と遠藤さんはここぞとばかりに先日の
不足エネルギーを摂取。まずはカレーライスを5分でたいらげる。
具だくさんで大変まんぞくしたのですが、こんな嬉しい日は
2食目をいただいても好しだろうということで、
駆け込みで牛丼を注文。大変に満足しました。
その後は途中の思い出を振り返っては、3人で語りながら、
余韻を味わっていました。
18じ時近くまで高齢者山岳会とだんらんしながらも
食堂をあとにし、テント場へ戻った。
Shinyaさんはツェルト装備だったがこの日はどうやら冷えそうだった。
ツェルトを張ってみたが、風がたちそうな気候だったのだ。
やはり北アルプスの森林限界はツェルトだときびしそう。
ということで荷物はツェルトに移動させ、私のBDハイライトで共に寝ることに。
このときダウンパンツ、ダウンジャケット、テントシューズの
フル防寒仕様に着替える。
1張に二人で寝るからとても暖かいです。
風を何度か強くなりましたが、それほど影響はなく寝れました。
とちゅうの夜中、空を見上げた時に見た満点の星。
忘れもしない。心のシャッターにとらえておきました。
■4日目「逆さ槍と紅葉三昧のまったり下山」
はじめての槍ヶ岳。はじめての殺生ヒュッテ。
はじめての槍が直下で見れるテント泊の朝。
全てが「はじめまして」だから、全てが眩しくて
それはもうもう楽しくて、充実感に溢れている。
朝起きてテントのファスナーを開けると、
燦々と降り注ぐ太陽とくっきりとした空のもと
槍ヶ岳がむかえてくれる。
そんな時間がいとおしいと感じながら、
僕はさいきん夢中になっているドリップ珈琲を淹れる。
ずっと遠くで見ていた、あの、とんがりの矛先が目の前で
僕だけに微笑んでいる。昨日はあの裏側から、あの北鎌尾根から、
はじめての槍ヶ岳を登ったのだという充実感をもう一度かみしめた。
朝からにやける。たまらなかった。格別の珈琲タイムだ。
テントの撤収までをすませると、小屋にむかって深く礼をして、
僕らは「逆さ槍」が見れる天狗池へむかった。
途中数か所にある給水ポイントの飲料水がうまかった。
是非飲んでみてほしいものだ。
メンバーはそれぞれ基本は単独行であるせいかスピード感あって、
全てのCTを圧縮することができた。
そんなことで、慣れたスピードで歩を進めていくとあっという間に
「天狗池」へたどり着く。
これがかの有名な絵。素晴らしい眺めだった。
あまりの素晴らしさに何分そこにいただろうか?
1時間は大袈裟にしても長く居たきがする。
氷河公園も綺麗に紅葉していた。
槍さまはずっと静かに僕らを見守ってくれいた。
いつかまたここに立ち寄りたいと思った。
そうこうしていると、徳澤園での食事時間が迫っていた。
はやくあの美味なチャーハンとカレーとソフトクリームが食べたい。
そう思って進むもなんだかんだで遠いと感じるのが不思議であった。笑
僕ひとりではなし難かったことだと改めて思った。
いつもは単独だった自分。好きで単独をやっていたわけではないのだ。
一緒に行く人がいればそれに越したことはない。常にそう思っていた。
孤高になりたいわけでもなく、ただてっぺんから未だ見ない景色を見たい。
それだけだったのです。
山と仲間と師の存在に感謝して、2015年のシルバーウィークの思い出深い山旅は
こうして終わりました。
最後までご一読頂いた方、ありがとうございました^^
先月に北鎌をやりました。
初登のワクワク感や北鎌のらしさ・魅力がレコ、写真からも滲み出てますね~。
Shinyaさんは徳澤で会話交わした方かと。無事リベンジ果たされたようで良かったです。
hatsuさん> はじめまして、こんにちは!なんとShinyaさんとお会いしてたんですね!これまたおもしろい巡り合せだったことかと思います。笑 Shinyaさんの想いはとても強いものでした。なんせ右又から駆け上がって、そのままてっぺんに立ったほどに^^私のふわふわした感想文を読んでいただけて嬉しい限りです
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