白峰三山(北岳〜間ノ岳〜農鳥岳)2泊3日テント泊 広河原から農鳥岳折り返し
- GPS
- 24:02
- 距離
- 27.8km
- 登り
- 3,475m
- 下り
- 3,476m
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
帰りも同じ。※帰りは乗り合いタクシーを待った方がいいかも |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ
レインウェア
ファーストエイドキット
無線
携帯電話
地図
コンパス+笛
予備電池
着火剤
ライター
ホッカイロ
トイレットペーパ
ストック
昼食
行動食
飲料水
計画書
日焼け止め
虫除け
座布団
手袋
帽子
カメラ
着替え
コンロ
ガス
鍋
食器
マグカップ
食料
シュラフ
マット
シュラフカバー
ダウン
|
---|---|
共同装備 |
テント
朝食
夕食
|
備考 | 持って行って良かったもの 1.長袖アンダーシャツ(ファイントラック) ・・・ 汗冷え無し! 2.薄手の目出し帽(ファイントラック) ・・・ 稜線の風対策に最適 持って行けば良かったもの 1.日焼け止め |
感想
紅葉シーズンスタートのシルバーウィーク。しかも連休中は晴れ予想。『混むだろうな』と思っていたが、その通り!
9/19(土)
関東から来る先輩と久しぶりの対面を済ませ、食料買出しと夕食を済ませ、芦安温泉へ向かう。日帰り温泉もやってる旅館は『宿泊客で一杯なので日帰りはお断り』とのこと。
仕方なく芦安市営駐車場へ向かうが、21時でもう満車。駐車場係りの方が、何とか2台分を探してくれたので助かった。ビールで乾杯して車中泊。
9/20(日)晴れ
『バスは4時くらいからみんな並びはじめるよ』っていう駐車場係りの言葉を信じて3:30起床、4:00にバス停へ向かうと、既に乗り合いタクシーは長蛇の列。広河原行きの路線バス停は先客1名。5:10発まで1時間ほど待とうか。それから10分も経っただろうか?既にバス停は人だかり。駐車場係りのおじさん、ありがとう!実はこの方、駐車場を探してウロウロしている車を見るに見かね、数年前からボランティアで駐車場案内をしてくれているとのこと。頭が下がります。
バス待ちの間に朝食を済ませ、バスに50分ほど揺られて広河原に到着。トイレを済ませて出てくると、トイレ待ちの行列。早目の行動がここでも生きてます。『いいぞ!』
吊り橋を渡り、広河原山荘で水を汲む。大樺沢の登りは結構な賑わい。紅葉はもう少し先かな・・・
太陽に照らし出された北岳を見上げ、気持ちが高ぶる。
大樺沢に別れを告げ、北岳のセンターリッジに取り付くクライマーを横目に急登に掛かる梯子を慎重に上って、昼前に八本歯のコルに到着。『前回より梯子が増えている気がする』と先輩。確かに真新しい梯子が多かった。
あと少しで北岳山荘だし、行動食も少しずつ食べていたので、ここでお昼を食べずに進む。北岳山頂への分岐からトラバース道へ。1520mの広河原から1500m程登ってきた体は、かなり悲鳴を上げていたので、この下りは助かる(^^)
北岳山荘に到着し、ハイマツに囲まれ、整地が行き届いたテント場にテントを張る。早目の行動のおかげで、ここでも良質なテント場を確保できた。
ビールで乾杯し、お昼ご飯か晩御飯か分からない食事を頬張りながら山の話を沢山した。
9/21(月)晴れ
夜中に起きてトイレに向かうが、空はガスで真っ白。星空を期待していたのに残念、とシュラフに潜り込んだ。数分後、『星が出てるぞ』とトイレから帰ってきた先輩が叫ぶ。『おーーー!』思わずため息が出る。
高校で天文部だった先輩が、星座を一つ一つ説明してくれる。『あれがカシオペア、そこから弓形に延びているのが○○、その先にぼんやりしているのが昴、あっちが・・・』。20年前に星を見るため重い機材を背負って登った北岳は、台風の直撃に合い大変な思いをしたそうだ。今日は晴れてて良かったね(^^)
5:00前に起床。頭が痛い。昨日調子に乗って日本酒を飲んだのがだめだったか・・・と後悔するも遅し。今日は間ノ岳を越え農鳥岳までのピストン。テント場が2900mの高所とは言え、アップダウンは相当ある。テント内でコーヒーを飲み、ゴソゴソと支度を始めると、外が明るくなってきた。テントから飛び出し、東の方へ向かうと雲海が赤く染まっていた。『おーーー!この景色のために昨日がんばって登ったんだよね』少し右を向くと先日登った富士山が雲海から顔を出している。顔と言うより上半身が出ているようだ。さすが日本一の山だ。
朝食を済ませ、日帰り装備を背負って6:15にスタート。風が強いので、上下レインコートに薄手の目出し帽も被った。
30分で中白根山。ここから中央・北アルプスが綺麗に見えた。
7時過ぎに間ノ岳に到着。昨年の標高改定で奥穂高と並んで3位に浮上した間ノ岳。先日の富士山と合わせ1位と3位をゲット。明日2位の北岳を獲得すれば表彰台独占(笑)
眼下に農鳥小屋が小さく見えた。『膝をかばうため自分のペースで下るよ』と声を掛け、猛スピードで下る先輩。それに何とか付いていこうとがんばったが、農鳥小屋に着いた時には大後悔。もうダメ〜(>_<)
眼前には標高第15位の西農鳥岳の急登が。ボチボチ登ろう。
9:50に西農鳥岳登頂。深い深い南アルプスが姿を見せた。いつあの奥まで行けるだろう?その前に農鳥岳が待ってる!(>_<)
10:40 農鳥岳到着。本日の折り返し地点だが、疲労は折り返し地点をとっくに過ぎてる。パンとコーヒーを頂く。背中の痛みがかなり出てきた。テント持ってきてたらここから奈良田まで下るだけなのに(>_<)と後悔した。ん?待てよ、まだ北岳山頂に立ってないぞ(笑)
重い体を起こし、来た道を引き返す。西の空が黒い雲で覆われてくる。雨が降る前にテントへ逃げ込みたいが、思うようにスピードが上がらない。
昼過ぎに農鳥小屋へ到着。ガッツり食べたら眠くなって動けないからパンとコーヒーで済ませる。ここで、先輩が背負ってきた桃缶登場!昨年の八ヶ岳では赤岳山頂まで持って行ったのに出しそびれて帰りの行者小屋で食べた、『あの桃缶』である。なぜそんなに桃缶にこだわるかな?とひそかに思っていたが、食べてびっくり。目茶目茶うまい!疲れきった体に桃の甘さが染み渡る〜(^^)。『この汁はどうするの?』『もちろん飲むでしょう』『(^^)』もう説明は不要ですよね。
登山を始めて1年半。こんなに疲れたのは初めてかも。ご褒美に今まで買ったことが無いピンバッジを買う。先に並んでいた人が噂の小屋主に怒られていたので、少しビクビクしながら『ここでしか買えないバッジはどれですか?』と尋ねる。『・・・』
『農鳥小屋』と書かれたバッジを指差し、500円を払って先輩の待つ場所へ戻る。
さて、二度目の間ノ岳を目指そう。農鳥小屋から400mも競り上がっているその姿はまるで悪魔のようで、『お前、俺を二度も越えられるのか?』と言ってるようだった。アタックザックで軽快に登る老夫婦と抜き抜かれずのペースで少しずつ登る。高度計は山頂まであと100mを指している。『あと20分か・・・』、とその時山頂が見えた。気圧の関係なのか、二人の高度計が同じように狂っていたのが幸い。『トラバースできそうだけど、どうしますか?』と先輩に尋ねる。『あと100歩で着くんだからもちろん行くでしょ!』と元気な声が返ってきた。
14:08 本日二度目の間ノ岳はガスの中。ここまで来たらあとは下るだけ。
ん?目の前に見える頂は何?もう完全に疲れてます。今朝越えてきたP3065と中白根山をすっかり忘れています(>_<)
先程の老夫婦と抜きつ抜かれずのデッドヒート(?)を繰り広げながら中白根山に到着したのは15:00前。今度こそ『あとは下るだけ』です。猛スピードで下る先輩に付いて行ける余裕はもう残されてないので、マイペースで下ります。
15:30にテント場到着。行動時間は9時間15分。3000mの稜線を何度もアップダウンし、本当に疲れました。横にテントを張っていた若者は我々と同じルート9時間掛けて言ってきたと昨日言ってた。そんなに掛からんだろう?と高をくくっていたが、我々も同じ位かかってしまった。
テントの申し込みをし、ピンバッジを買ってテントへ戻ると、既に先輩がビールを飲んでいる。『待ってよ~』と心の中で叫んでいたら先輩が言い訳を始めた。『ビールを落として小さな穴が開き、中から噴水のように出てくるので、圧を抜くためには栓を開けるしかなかったんだよ(^^)』。缶を持つ手を離し、小さな穴をこちらに向ける。確かに開いてる・・・ 栓を開け、半分飲んでから穴を開けることもできるけどね、と思ったが、さすがにそんな面倒なことはしないだろう(笑)
おでんを頬張り、ほてい屋のやきとりを暖め、飲み過ぎに注意しながら本日の山行を反省する。
9/22(火)
夜中に雨が降り出す。山小屋で得た情報だと、夜中に少し降るが、明日は晴れるとのこと。その言葉通り、明け方はまたしても満天の星空。
4:00起床。昨日より頭が痛くない。
空は雲ひとつ無い快晴!先輩は凍ったテントを乾かすと言ってお湯を沸かし始めた。
昨日見損なった『朝日に照らされる富士山』を見たいので、『お湯お願いします!』と言い残して稜線の東側へ向かう。『おーーー!』昨日よりもっと綺麗な富士山にしばし見とれる。日の出まで少し時間があるので、一度テントに戻り、朝食のカップラーメンを手にもう一度富士山側へ移動。赤く染まる北岳、昨日歩いた中白根山の稜線も染まる。西側では仙丈ケ岳も染まり始めた。感動的である。
テントに戻ると先輩がまだテントを乾かしていた。『申し訳ない』と思いつつ、準備を進める。
7:30 まだ乾ききらないテントをザックに詰め、北岳山頂を目指す。
八本歯のコルへの分岐で少し休む。デポされたザックがいくつもあった。この人達は大樺沢を下るんだろうか?
難所の岩場を越え、8:35に登頂。またしても『おーーーー!』360°の大パノラマ。仙丈ケ岳や甲斐駒ヶ岳を見下ろせるとはさすがに日本2位。半時計回りに北アルプス、中央アルプスの山々、南側は昨日歩いた稜線、更に回ると今日も綺麗な富士山がそびえている。鳳凰三山も『いつでもおいで』と言っている。
二日前より赤みを増した紅葉を眺めながら、肩の小屋へ下る。昨日までのスピードは影を潜め、痛み出した右膝をかばいながら進む先輩。
9:40 肩の小屋着。振り向けば北岳山頂が『また来いよ』と言っているようだった。
草すべりのガレに注意しながら御池小屋への激下りを進む。膝は更に痛そうだ。
11:30 御池小屋着。ここは晴れているが、振り向けば山頂はガスで覆われていた。天気の神様ありがとう。御池小屋は整地が行き届いたテント場、真新しい小屋、おいしそうな食事メニューとずばらしい。ビールをおいしそうに飲んでるおじさんを見つけ、『ここでテント張る?(笑)』
ここから少しトラバースするのだが、登りが何箇所か出てくる。『もう1mmも登りたくない!』とボヤキながら進む。木橋の手前でにっこり振り向く先輩。『何なに?』、『確か、この水飲めるはず。南アルプス天然水(^^)』。冷たくておいしい軟水。ここは飲み放題だ(笑)
膝の痛みが増す先輩に、テーピングと痛み止めを差し出すが、どれほど効果があったのか分からない。それでも痛いと言わずに広河原まで下りきった。
バス待ちの列は予想通り長く、『立ち席でもいいならどうぞ』と言われるままバスに乗り込んだ。芦安でお客を降ろした乗り合いバスが何台もすれ違う。『あっちにすれば良かった。絶対座れるもんね』と口々に言うも後の祭り。疲れきった体に約1時間の揺れはきつかった。芦安の市営温泉で3日分の疲れを癒し、夫々の帰路についた。
約1年ぶりに会った先輩から色々なことを教わった。まだヨチヨチだった1年前に比べ、成長した自分の歩き方も褒めてもらえた。久々の山行なのに、こんなきついルートを選んでしまい、古傷の膝を悪化させてしまったごめんね。けど、とっても楽しく、とっても感動した山行でしたよ。今度は12月に八ヶ岳でお会いしましょう(^^)
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