一ノ沢〜合戦尾根
- GPS
- 20:38
- 距離
- 27.1km
- 登り
- 2,968m
- 下り
- 2,682m
コースタイム
- 山行
- 7:20
- 休憩
- 2:28
- 合計
- 9:48
- 山行
- 9:06
- 休憩
- 1:43
- 合計
- 10:49
天候 | 2日とも雲海見事に広がる快晴ながらも初日は風強く、風速7-8m程度?2日目明け方も収まらず同程度、次第に収まる。体感気温は10℃前後。夜間5℃程度。 |
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過去天気図(気象庁) | 2024年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
穂高駅前、登山者用駐車場にて車中泊。タクシーこ予約段階では込み合っているとのことでしたが、天気予報の不調のせいか当日のの予約は少なかったようです。駐車場も前夜10時では三割ほど、朝5時でも半分ほどだったでしょうか。 下山は合戦尾根登山口よりバスにて穂高駅前に戻り、車を回収しました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
タクシー仮説乗降場より登山口までは舗装路歩きになります。 従来登山口より一ノ沢は歩きやすいですが、登山道はほぼ全域に渡って水が溢れています。靴の防水性と前日までの降水量には一考の余地があります。複数回の渡渉があり、しっかりした丸太橋がかけられていますが増水で流されることもあるようです。登山前に確認が必要になりそうです。また一部ですがルートが不明瞭な箇所があります。沢の対岸も注意するといいと思います。 胸突八丁の登りはなかなか大変です。ことに丸太で組み上げた階段は足の置き場が狭く、重心のコントロールが思うようにできないものが複数あります。傾斜も急なため簡単に疲労がたまります。整備自体はよくされており、道幅の狭い場所はありつつも危険を感じることはありませんでした。 常念小屋より常念岳はガレ場になります。ペンキマークははっきりしているのでそれを追ってゆくことになります。しかし浮石もあり、結構なサイズのものが動いたりもするので、安定した足場を見極めて歩くことになります。登りごたえがありますが、手を使う必要があるような傾斜はありません。 常念岳より大天荘まではペンキマークなどがありません。要所に案内板があり大きな道間違いをすることはないかと思いますが、ガレ場で踏み跡が不明瞭なヶ所も一部にはあるので、ルートに関する注意が必要です。 大天荘から燕山荘までは、蛙岩付近で一部ルートが不明瞭ですが、全体的にルートは明瞭です。 合戦尾根はよく整備されています。 |
写真
感想
ほとんど初めてと言って良い北アルプス山行の記録です。数年前に唐松岳に登ったことがありますが、この山域で長距離を歩くのは初めてです。不安もあり、予想通りのこともあり、現地対応したこともあり、強く記憶に残る山行になりました。
計画面
計画自体は「いつか行ってみたいリスト」として温めていたものです。都合、天候の条件さえ合えばすぐでも行きたいと思いつつ、しかし中々条件が整わずにきた計画でした。もともと2泊3日で考えていたものでしたが中々機会に恵まれなかったため、一泊で行けないか検討してみたことをきっかけに実現した山行です。計画段階では「無理ではないかもしれないが…」というもの。その時点ではそのまま置き去りとなりましたが、その後いくつかの山行を経てある時、「いまならできる」と決意しました。
それでも時間的にも体力的にもギリギリではないかとの自問もつきまといましたが、撤退刻限と判断場所を明確にしたことで不安を払拭しました。初日、常念岳山頂で3時が(それでもアウトに片足が入っていますが)刻限。2日目、大天井8:00、燕山荘10:00が刻限。燕に関しては燕山荘11:00になった時点で山頂は諦める。
結果、なんとなーく守れていないようにはなりましたがともかく、予定通りの時間に下山が間に合いました。
体力面
不安もありましたが、鳳凰山のテント泊でヤマレコ基準でのコースタイム1.0で歩けたこと、奥秩父のテント泊で10時間行動が余力をもってできたことが後押ししました。実際には、多少の余裕こそ残ったものの、やはり2泊が適当だったように思います。いくつか誤算もありました。
一つは初日の疲れ。初日の行程は地図上、机上の計算では十分に可能と思っていたものの、実際には一ノ沢胸突八丁の丸太階段にかなりやられました。階段の幅が狭く足を十分に置けなかったものが多かったため、重心をコントロールして力を使わずに登ることができませんでした。テント泊の荷物を筋力だけで上がろうとすると簡単に疲労がきます。
2つ目は自分の技術不足。4ヶ月前に赤岳に登ったきりまともに登山をしていなかったため、足首が上手に動かせませんでした。特に右足が悪く、足裏のトレーニングの成果が順調な左足との差が大きくでてしまいました。常念小屋手前では何度も足が止まってしまいましたが、本来の動きができていればもう少し余力を残せたように思うのが残念な点です。この点、2日目に気づいて修正できたこと、また、多少なりともサボらずにきた筋トレのおかげでどうにかできたので、ひとまずよしとします。
道具面
稜線にテントを張るのは2回目です。今回は設営時、撤収時ともに風がありましたが、滞りなく作業ができたことはよかった点に数えておきます。設営に関しても、夜通し風が吹く中でテントに大きな乱れがなかったこと、またフライが暴れる中でも結露が飛び散らない程度に耐風性を確保した、しっかりした設営ができたことも合わせて数えておきます。
服装面に関して適切に対処できたこともよかったように思います。気温自体は10℃あるかないか程度だったように思いますが、やはり稜線の風は冷たい。億劫がらずにウインドブレーカー、上着、ニット帽などの着脱で対処できたのはよかったことでした。反面、もう日も高くはなかろうと高をくくって日除けを怠ったため、下山後の今になって首筋の日焼けに苦しんでいることが反省点です。
総じて稜線の気候の厳しさを再確認できましたが、これは今になっての収穫です。吹きさらしってやっぱり怖いんだなあ……
行動面
道迷いなどについて、登山道上の各目印をしっかり確認しながら行動できたことは今後の自信となりました。以前、岩場のペンキ印をよく確認しないまま進んでしまった教訓を活かせたように思います。
初めて気づいた点として、稜線の強い日差しのもとではスマホの画面がほとんど見えない、ということがあります。スマホ地図アプリが機能しなくなる原因にこんなことがあるとは思わず驚かされた点です。この点、天候が良好で先行きに迷うリスクが低かったこと、また地形図とコンパスでの対処が可能だったことが幸いでした。
反面、ルートの読み込みが不十分で、東天井岳のあたりで道の方角が変わることを失念していたのは大きな反省点です。道標に助けられました。
総じて、北アルプスの登山はやはり簡単ではない、と痛感させられた山行となりました。そのひとつひとつを事前の、或いは現場での判断でこなせたことは自信に繋がりました。同時に今回の条件の良さに対する感謝が溢れます。稜線という場所の恐ろしさと厳しさが、好条件の輪郭となって立ち現れてきたような気分です。今回の山行の一応の成功を思うにつけ、背筋が伸びるような気持ちがします。
きつかった!むちゃくちゃ楽しかった!
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