30年越しの越後三山制覇 - 八海山、中ノ岳、越後駒ヶ岳


- GPS
- 24:27
- 距離
- 53.8km
- 登り
- 4,006m
- 下り
- 4,046m
コースタイム
- 山行
- 3:22
- 休憩
- 0:42
- 合計
- 4:04
- 山行
- 6:59
- 休憩
- 1:09
- 合計
- 8:08
- 山行
- 10:44
- 休憩
- 1:21
- 合計
- 12:05
過去天気図(気象庁) | 2015年10月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
屏風道の4合目から千本檜小屋まで、千本檜小屋から大日岳への稜線コース、五竜岳から御月山までが鎖場がいずれも鎖場が連続する破線ルート。手掛かり無く足場も滑りやすい所が多いので鎖に頼るが、腕力握力を切らさないことも重要。五竜岳-御月山間の鎖場以外、中ノ岳-駒ヶ岳間は笹で足元が見えにくい場所、足場が細く踏み外してはいけない場所、滑りやすい急坂多し。 |
写真
感想
金曜日代休になって三日間使えることになり、紅葉山行を考えた時に、越後三山を思い起こした。37年前の10月中頃、枝折峠から越後駒ヶ岳、中ノ岳と進んで避難小屋に泊まったが、夜から降雪、朝には積雪で八海山どころではなく十字峡に下りた。それ以来の懸案であったことを思い出したのだ。そこで、三山制覇を是非やりたい、どこから登りどこに下りるか、車で行くかバスも使うか、何通りもルートを考え悩んで、さらに直前に天候推移も加味して以下の様に実行した。
10月2日: 前日木曜日から日本列島を通過する低気圧が940hPaの爆弾低気圧となり列島は大荒れ、金曜日は新潟中越でも雨のち曇りの直前予報。なので初日は午後だけの半日行程にした。
六日町から下山予定の十字峡に車で上がり、登山センターの横に自転車をデポ、八海山屏風道の二合目の駐車場に回って丁度正午。漸く雨も上がったようで登山開始とする。駐車場から先ず屏風沢に少し下りて渡渉してから登り始める。ここが増水時には注意とあり、人力で渡るゴンドラも設置されている。確かに増水気味ではあったが、ここで高を括って石を飛び越えた着地でスリップ、見事にドボンしてしまった。大きな支障はなかったが、靴中は三日間びしょ濡れで終始することになる。
四合目の清滝までは普通に樹林帯の山道。四合目の水場は往復に5分くらいかかる。この先鎖場が現れ、結構連続する。この区間は登り専用、下山禁止になっている。未だ濡れてて滑りやすく、泥付き岩場もあり、慎重且つ鎖を頼るべきはしっかり頼って登って行く。次第に下界の景色、滝と紅葉、峨ヶたる稜線の眺めが楽しめるようになり、稜線の山小屋が見えるとほどなく小屋に着く。薬師岳の山頂を往復して今日は行動終了。
営業小屋の千本檜小屋と八海山避難小屋は隣接していて、千本檜小屋は素泊まりで寝具持参だと二千円(小屋の布団使うと千円増し)でこの位ならとストーブもあって快適な小屋泊まりにした。自炊も客室内で、折り畳みのテーブル上で火器を使うことができる。水も小屋で貰えるが煮沸して飲めとのことだった。十数人の登山ツアーのグループで小屋は満杯になったが、夕食後は騒がしくはなくゆっくり眠ることができた。
10月3日: 朝5時半にはランプが要らない明るさになって出発。八海山稜線は小屋と大日岳の間「八ッ峰」が核心部。岩場の稜線ルートとトラバースルートが並行していて、当然稜線ルートを行く。ここの岩場はアルプスの岩場とは大分趣が違う。先ず岩質が礫岩で、既に丸まって角のない石をセメントで固めたような状態。滑りやすく確実な手がかり足がかりが得にくい。アルプスの岩場は基本的にできるだけ登り易いラインを引いた上で危なければ鎖を架けるなどしていると思うが、ここは修験道として厳しい岩場にひたすらダイレクトに鎖を架けていると感じられる。従って鎖がなければフリーで登ることが殆ど不可能、思い切り鎖にぶら下さがざるを得ない場所が大半である。それが延々と続くので腕力を使い切らない注意が要ると感じた。
大日岳から八海山の最高点の入道岳を経て五竜岳までは展望が利いて楽しく歩ける道。越えて来た八ッ峰も今居るあたりも錦秋の盛り、これから目指す中ノ岳、峰続きの駒ケ岳も見えてくる。魚沼盆地も眺められる。さてだんだん、五竜岳から先の、中ノ岳手前の御月山までの稜線が、狭い痩せ尾根でとても深いことが解ってくる。
五竜岳から最低鞍部のオカメノゾキまで400m下り、御月山へ600m登り返し、最後に中ノ岳へ300m登る。道は明瞭であるが、途中細かい登り下りがあり、圧倒的に急坂が多く、木の根のジャングルを越えたり、そして断続的だが長い鎖場がある。地図上の距離以上に体力と精神力を使うルートである。
御月山を登りきると破線路は終わって一安心。中ノ岳の斜面がまた良い秋色をしている。ちょっと下りて祓川の水場。水は細いがしっかり流れている。この日あわよくば駒ヶ岳まで行ってしまうことも考えていたが、ここの時点で正午を過ぎたので中ノ岳泊まりと決断した。そうすると水は明日の分までたっぷり必要で、4リットル汲んだが、時間的には余裕でじっくり登ればよい。中ノ岳避難小屋へは下半分は溝中の暗い山道、上半分は笹薮の中の道でいずれもほとんど急坂。
中ノ岳避難小屋には13時半に到着。この時先着者1名で、16時頃までに3人ほど到着したが、15時半に来た1人は5人組の先着で一人が疲れて遅れていると言う。その1人は17時半過ぎ、薄暗くなって到着した。さらに18時過ぎて暗い中6人組がやって来た。5人組も6人組も八海山からの縦走で、5人組は女人堂からで僕より1時間程度遠い所からではある。このルートは単純に体力だけでなく、難路を歩き続けられる技量も必要で、それが揃わないと大人数のパーティーでは遅れることになりがちだろうと思う。
37年前に僕が中ノ岳の避難小屋に1泊したことは確かであるが、今の小屋がその時の小屋と同じかは定かでない。記憶の限りでは前は二階は無かった様に思うので、建て替えられているのではないかと言う気がする。寝ている横に出しておいたラーメンをネズミにかじられてしまったのが当時の苦い思い出だった。なお、この小屋では雨水を300リットルほどのタンクにためており、ほぼ満水状態だった。特に注意書きはなかったが煮沸して飲むべきものだろう。
10月4日: 前夜半から風が強まり、轟々と音を立てていた。山に入る前の天気予報では土日共晴れ時々曇りであったが、前夜の中越地方の予報では寒気の影響で明け方まで雨の所がある、になり、朝になったら昼ごろまで雨の所がある、とだんだん悪くなってしまった。
ともかくも駒ヶ岳を目指そうと、暗い中4時出発。風は強いと言えば強いが、夜中よりは弱まったようで歩くには支障はない。最初は霧で打たれると濡れて来るが、その内雨も降って来た。完全雨中仕様で頑張って歩く。中ノ岳-駒ヶ岳間はメインルートだとは思うが、それにしては道が細い。笹に隠れて足元が見づらく、滑りやすい。踏み外すとヤバい所も随所に、荷物は軽いが暗い中ではなかなかスタスタとは歩けない。駒ヶ岳まで4時間CTを3時間で行きたかったが、3時間半かかって霧の駒ケ岳に到着。明るくなってからの戻りは3時間だった。
中ノ岳の小屋に戻って一息。荷物をまとめて後は十字峡へと下りる。雨は止み、霧も薄くなったが展望は利かない。急坂は多いが、駒ヶ岳の道と比べると整備されたまともな山道で大分歩き易い。37年前は雪にびびってここを降りたが、それ以外コースについての記憶は残っていない。ひたすら歩いて中ノ岳から3時間で十字峡に到着。
十字峡の登山口で終わりではない。八海山の麓まで約20kmを自転車で戻るのだ。しゃくなげ湖畔の道は案外起伏があり、ダムを過ぎると一気にダウンヒル、小川で三国川を右岸へと渡り返し、桂山の麓を回って上原まではほぼ平坦。ただここまでで荷物のせいでかなりお尻が痛くなった。上原のA-Coopに荷物をデポして、八海山を目指して緩くはあるが登り返して行く。左に折れる山口からだんだん傾斜が増し、スキー場への道と分かれてセミナーハウスまでまともなヒルクライム、その先二合目までは激坂があるので自転車もデポした方が得策、しばし歩いて駐車場に帰還。自転車と荷物を回収して、六日町駅近くの「湯らりあ」で入浴して富山へ帰った。
コメント
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ニシデンさん、越後三山制覇おめでとうございました。
初日のドボンは災難でしたね・・・その靴で歩き通すのはちょっと嫌かな(笑)
残雪期に越後駒、滑りに行きませんか?
なるほど、4月になったらシルバーラインが開通するんですね。
候補にしておきましょう。
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