SEA TO SUMMIT 栂海新道(親不知駅→犬ヶ岳→朝日岳→雪倉岳→白馬岳→小蓮華山→栂池自然園駅)


- GPS
- 21:35
- 距離
- 50.0km
- 登り
- 5,063m
- 下り
- 3,335m
コースタイム
- 山行
- 4:28
- 休憩
- 0:16
- 合計
- 4:44
- 山行
- 8:28
- 休憩
- 1:18
- 合計
- 9:46
- 山行
- 9:09
- 休憩
- 0:57
- 合計
- 10:06
天候 | 1日目:晴れのち曇り 2日目:晴れ時々曇り 3日目:晴天・雲海 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
東京駅→糸魚川駅:北陸新幹線はくたか 糸魚川駅→親不知駅:えちごトキめき鉄道 日本海ひすいライン 親不知駅→親不知登山口:国道8号線の路側帯歩き 【帰り】 栂池自然園駅→栂池高原駅:ロープウェイ・ゴンドラリフト 栂池高原→長野駅東口:アルピコ交通特急バス 長野駅東口→バスタ新宿:夜行バス |
コース状況/ 危険箇所等 |
【道の状況】 親不知駅→親不知登山口:国道8号線沿いを進む。途中に道の駅がある。洞門内が狭く、大型車の通行もあるため轢かれないよう注意が必要。 親不知(日本海)→黒岩山:概ね歩きやすいが、全体的に登り返しがとても多い。痩せ尾根や細いトラバースなどもあるので油断はできない。 坂田峠→金時坂の頭の区間は特に急傾斜で体力を削られる。 途中に小ピークの他、シキワリの水場、白鳥小屋、黄蓮の水場、栂池山荘、犬ヶ岳、北又の水場などがある。 黒岩山→さわがに山:木道や湿原が現れるようになり、景色を楽しめるようになる。 さわがに山→長栂山:下りは少なくなり、徐々に標高が上がっていく。引き続き池塘や木道が多い。 長栂山→吹上のコル:朝日岳が近づく。引き続き池塘や木道を楽しめる。 吹上のコル→朝日岳:ハイマツや石の多い道となっていく。 朝日岳→水谷のコル・朝日小屋:木道や段差を下る。やや細く急な箇所があるので転倒注意。 朝日小屋・水谷のコル→水平道分岐:「水平道」といいながら、実際には上り下りを繰り返す。細いトラバースもあり、安全な道ではない。 木道の表面が凍結して滑りやすかった。 水平道分岐→雪倉岳:ザレ気味の道を行く。上り始めてから遠い。新潟県側の斜面をトラバースする箇所が暗闇ではわかりにくい。 雪倉岳→三国境:避難小屋付近まで下って登り返す。浮石が多い。 小蓮華山や白馬岳の景色を楽しめる。 三国境⇔白馬岳:白馬大池から白馬岳への登山道に合流し、登山者が一気に増える。浮石が多い。 三国境→白馬大池:引き続き浮石が多いが、とても眺めがいい。途中に新潟県最高峰の小蓮華山がある。 白馬大池→栂池登山口:大きめの岩の上を歩くことが多い。白馬乗鞍岳より先、天狗腹の木道を除いて傾斜があるので転倒注意。 栂池登山口→栂池自然園駅:舗装路 【水場】 シキワリの水場、黄蓮の水場、北又の水場、朝日小屋など。 ※水場の状況が変わりやすいらしく、直前に確認した方がよい。また、黄蓮の水場は水源が遠いと見られるので、浄水器あったほうがいいと思われる。 【山小屋】 白鳥小屋、栂海山荘、朝日小屋、白馬大池山荘など。いずれもテント場あり。 ※白鳥小屋・栂海山荘は無人で、寝泊まりだけする場所と考えた方がよい。 また、道中に雪倉岳避難小屋があるものの緊急時以外使用不可の為、計画には組み込めない。 【売店】 朝日小屋、白馬大池山荘、栂池ヒュッテ、栂池高原など。 【お手洗い】 栂海新道登山口→国道8号線沿いの公衆トイレ 白鳥小屋→トイレブースのみ 栂海山荘→ダイレクトな「キジ場」がある。紙などは無い。 朝日小屋(外)→紙無し 白馬大池山荘→よくある山小屋の有料トイレ |
その他周辺情報 | 飲食・土産物店は栂池登山口付近や栂池高原駅付近にある。 日帰り温泉やコンビニは付近に無い。 (栂池高原駅付近の温泉は閉業) |
写真
装備
個人装備 |
薄手ベースレイヤー
タイツ
ズボン
靴下
化繊インサレーション
雨具
サンバイザー
着替え
靴
ザック
昼ご飯
行動食
固形燃料
コンロ
コッヘル
ライター
ヘッドランプ
予備電池
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
セームタオル
ストック
テント
テントマット
シェラフ
|
---|---|
備考 | 浄水器、携帯トイレ、トイレットペーパーは無いと困る場合がある。 |
感想
前から気になっていた栂海新道へ。
内陸から海を目指すのも夢があっていいのですが、それよりも海から山頂を目指したいという気持ちが勝り、どうにか2泊3日でも行けそうなので親不知へ向かうことにしました。
<当初の計画>
・栂海山荘のホームページによると日本海から吹上のコルまで約18時間、しかも健脚の時間表示になっていて意外とコースタイムの短縮にはならないと書いてあるため、標準タイムの1.0倍で計画した。
・帰りを考えると長野駅に出たいが、今年は大雪渓を通れないので栂池自然園へ下りることにした。
・公共交通機関で完結する計画だったが、ちょうどいい夜行バスの便を取れず、朝の新幹線で向かうことにした。
・親不知駅9:12着のため、初日に栂海山荘まで行くことは難しいと考えて白鳥小屋泊まりとした。
・2日目も距離が長く、朝日小屋テント場泊まりとした。
・3日目は最終一つ前の長野駅行きの特急バスに乗りたいので、15:00過ぎには栂池自然園駅着とした。
・シキワリの水場は涸れていることがあるとのことだったので、朝日小屋まで水汲みはできない前提で出発時に全3Lを持つことにした。
<1日目>
北陸新幹線の糸魚川で降りる登山者は10名弱くらい見かけたのに、親不知方面へ向かう電車に登山者の姿は無かった。
親不知駅を降りて国道8号沿いの車道歩きは洞門が核心部で、大型トレーラーも通行する。
それほど交通量は多くなかったのが幸いしたと思う。
登山道に入ってからは、とにかく急登と登り返しがキツかった。
この日は三日間で最も行動時間は少なかったのに、一番疲れを感じた。
開始時刻が遅かったので白鳥小屋泊まりとしたが、体力的にも栂海山荘を目指さなくて正解だったと思う。
標高が低いので行動中は汗まみれになったが、外気温がそこまで高くなかったのはよかった。
<2日目>
初日に続いて登り返しに苦しめられる。
栂海山荘を越えると見通しも良くなり、さわがに山を越えると湿原が現れるようになったが霧で景色の良さは半減してしまった。
結局、朝日岳を過ぎて朝日小屋へ辿り着くまで霧になってしまったが、日の入り前には晴れたので再び朝日岳山頂へ登ることにした。
朝日岳山頂からは雪倉岳や白馬岳、雲海に浮かぶ剱岳や毛勝三山など申し分ない夕暮れの景色を楽しむことができた。
親不知の海沿いから登り始めて、ようやく目標の白馬岳が見えてきた点もよかった。
<3日目>
2日目のテント受付時、朝日小屋のご主人から栂池の大混雑について注意喚起があったので、出発を大幅に前倒しすることにした。
水平道はトラバースも多く、木道も表面が凍って滑りやすく、おそらく今回最も危ない道だったと思う。
そして雪倉岳が遠い。登り始めても山頂へ着く気配が無い。
雪倉岳避難小屋へ差し掛かるあたりで空も明るくなっていき、三国境で主稜線に合流する頃には青空が広がっていた。
白馬岳や小蓮華山からの景色は見事で、後立山連峰や剱岳、富山県市街地は勿論、遠くは槍穂高連峰もくっきり見えた。
東側には二段の雲海の上に頸城の山々や浅間山、南アルプス、富士山、八ヶ岳などが浮かんでいた。
白馬大池から栂池自然園駅に下りるまでも晴れていて、絶好の登山日和だったと思う。
<反省点>
・夜は朝日小屋付近で木道の表面が凍る程度に冷えたが、行動中は暑くなるので薄手ベースレイヤー+ウィンドシェルでちょうど良かった。日中も日が当たれば暖かく、ベースレイヤー1枚で歩けた。
・夏を過ぎて暑さも多少和らぎ歩きやすい気候だったのはよかった。いい時期に歩けたと思う。
・朝日小屋テント場の夜はスリーシーズン用のシュラフでどうにか寝られる程度だった。これより冷えるなら着込むか冬用シュラフになると思った。
・登山口付近に自販機+缶回収箱もあったので、出発前に水分補給できた。
・浄水器、携帯トイレ、トイレットペーパーを持っていないとタイミング次第で困る可能性がある。
・猿倉に降りられないことや紅葉の時期も重なって、栂池方面は人が多く、バスに乗れない心配があった。このため時間の余裕は無かった。
(実際に最終の2つ前、14時過ぎのバスの時点で既に臨時増発便が出ていたが、万が一乗り切れなかったらと思うと恐ろしい)
・3日目の出発を早めた結果、朝日小屋→雪倉岳までの景色を楽しむことは叶わなかった。(暗闇)
・JR大糸線やタクシー利用など、予算と時間があれば特急バスにこだわらなくても帰ることはできたし、もう1泊あれば余裕がある気がする。
・栂池高原に日帰り温泉が残ってなかったため、長野駅からカーシェアで入浴施設へ向かうことになった。(八方の湯も考えたが、バスの残席が不安だったので選ばなかった)
<全体的な感想>
とにかく登り返しがキツく、健脚向きという栂海新道ですが、装備面を含めて計画の立て方が易しくはないと思いました。
そして進んでもなかなか後立山連峰の主稜線は見えてこない点も、先の見えなさを感じさせている気がします。
それでも、霧の晴れた朝日岳の山頂からは白馬岳がようやく見えたときの感動は忘れられません。
ちょうど後立山連峰の山々が夕日に照らされ、一方で反対側の富山県の市街地は雲海という絶景であったことも大きいのですが、ようやく目標が見えて確実に進んでいることを実感できたことに心が動きました。
ぜひ登りでの踏破をお勧めしたいです。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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実は自分もいつかはと考えていて、時期に悩んでいたので、とても参考になりました。
相変わらずの健脚に驚きますし、丁寧なレコにも頭が下がります。
また、唸るような山行記録に期待させて頂きます。
夏は暑さとの闘いと聞いていたので秋にしました!
凍結した木道だけは厄介でしたが、この時期にして正解だったと思います!
景色・達成感とも間違いなく心に残る山歩きとなりました。
ぜひこの素晴らしい縦走路をお楽しみください!
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