宮之浦岳 巨樹を巡る山行
- GPS
- 16:56
- 距離
- 34.4km
- 登り
- 2,137m
- 下り
- 2,136m
コースタイム
- 山行
- 4:57
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 6:37
- 山行
- 8:10
- 休憩
- 1:48
- 合計
- 9:58
伊丹ー屋久島間は直行便があるので往復直行便を選択。登山初日は宮之浦港4時発のバス利用で、「山中1泊」予定のため「素泊民宿」利用としました。
飛行機にはガスボンベを持ち込めないので、事前に宿の方に問い合わせたら、「以前宿泊していた方が登山の後で残していったボンベがいくつかあり、使ってもいい」とのことだったので、使わせてもらうことにしました。
天候 | 7日は「晴れ」、8日は小雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
飛行機
島内はバス便の乗り継ぎ |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所はほとんどありません 荒川登山口から大株歩道入口まではトロッコ軌道内の木道 大株歩道入口からは「登山道」。植生保護のため木段が多く、タフです |
その他周辺情報 | 登山バス乗車券を購入すると、「YAKUSHIMA」と焼印された木札を頂けます この木札を島内の観光施設で見せると特典がある場合があります |
写真
感想
7日の朝、バスは宮之浦港発4時。前日早めに寝たのですが1時過ぎに目を覚まし、そこから厳しい下痢。2時過ぎにようやく落ち着いたものの、ウトウトした後 3時にスマホのアラームで起きだしました。
ちなみに島内の路線バスは「屋久島交通」がメインで乗降自由の「1日〜4日券」があるのですが、4時発のバスは「まつばんだ交通」で、この券は使えません。
約40分で屋久杉自然館に到着。ここから登山バスに乗り換え荒川登山口に向かいます。「運賃1000円+環境保全協力金1000円」です。ちなみに登山バスは「屋久島交通」と「まつばんだ交通」の両社共同運行で、「1日〜4日券」の対象外です。
荒川登山口には5時半ごろの到着。真っ暗でヘッデン頼りですが、大株歩道入口まではトロッコ軌道に敷かれた木道歩きなので危険はありません。
小杉谷集落で安房川を渡る頃、東の空が朝焼け。ヘッデンなしでも足元が見えるようになります。
大株歩道入口のトイレは浄化中の上澄水を流し続ける特殊なタイプ。ほかで見たことはありませんが、多雨で水の豊富な屋久島に適したものなのかと納得しました。
ここまではマアマアのペースだったのですが、ダメです。前夜の体調不良が原因の「シャリバテ」だと思いますが、歩が進みません。
まずウィルソン株の前後、それから縄文杉の手前でガイドに引率された縄文杉ツアーの団体さんに次から次へと追い抜かれます。団体さんは翁杉(倒壊)、ウィルソン株、大王杉、夫婦杉、などで写真撮影を兼ねて小休憩を繰り返すのですが、自分にとってはギリギリの休憩でした。大株歩道入口から縄文杉まではコースタイムもキープできていません。
縄文杉の先の高塚小屋で行動食でエネルギーチャージ。下山してこられたご夫婦に伺ったところ新高塚小屋泊で朝4時半出発で登頂後高塚小屋まで下りてこられたとのこと。このタイム参考にしながらコースプランの変更を考え始めました。
新高塚小屋到着は12時20分過ぎ。
当初の第1プランは11時前に新高塚小屋通過し、軽身で山頂ピストン後 新高塚小屋泊。第2プランは12時前に新高塚小屋を通過し、永田岳経由で鹿之沢小屋泊とし宮之浦岳は翌日登頂の2山プラン。それも叶わない第3プランが新高塚泊で翌日登頂。
第3プランは翌日早朝発で時間がタイトなのが難点ですが、朝からの体調不良を考慮すれば「やむを得ない」と判断し体力回復のため早めの休憩としました。まずは「食べる」こと。インスタントラーメンを無理やり食べ、ひと眠り。16時ごろにアルファ米のピラフも作りましたがその時は半分程度しか食べられませんでした。
目覚めたのは3時。雨の音がします。心の声が「やめようよ」「昨日しんどかっただろう」「真っ暗で雨の降る中を歩いて道迷いでもしたらどうする?」「雲取と剱でも撤退しただろう」と囁きます。もう一方の自分は「ここは島、リトライは結構しんどい」「昨日頑張ったから最低限の第3プランはキープできている」「歩きだしてから判断してもいいのではないか」と奮い立たせます。
様子見を兼ねてトイレに行ったところ、ちょうど出発する方がいました。天候のメドなど伺い少し安心。小屋の中では雨音はしましたが実際に外に出てみると霧雨程度で風もおだやか。木の早枝から大きな水滴が落ちており、それが原因で大きな音だったとわかりました。
まずは歩きだしてみてから判断することにし、3時半過ぎにスタート。
ガスガスで先は見通せませんが、コースはよく整備されており、昨日の鬼門だった「木段」は「道が間違いではない」という証で、却って安心です。ただ、難敵は「広場」。日中であれば休憩適地なのですが、平石岩屋と平石では「出口」を探すのに手間取りました。明るくなった下山時には「なんでここがわからなかったのか?」と思うほどです。時折ロープがかけてありましたが、足場の岩(花崗岩)はあまり滑らず登り下りとも使うことはありませんでした。
焼野三叉路は6時ごろでしたがまだ真っ暗。ようやく白みかけたころに山頂到着。先行のお二人ともここでお会いできました。眺望もないため、記録写真を撮ってすぐ下山。
順調に下りましたが出発が早くて眠くてしょうがありません。新高塚小屋で短い仮眠の後、パッキングを済ませて小屋を出たのは9時を過ぎていました。15時の登山バスに乗るためには10時には小屋を出たかったので、まず一安心です。
山頂から高塚小屋迄の下山時に登ってこられたのは2人だけ。雨のせいか、縄文杉ツアーも少なかった気がします。
ツアーガイドの方が「沖縄の写真は『青』ばっかりだけど、屋久島の写真は『緑』ばかり」と言っているのが聞こえました。それがいいんです。スカッと晴れておらず、前日は海まで見えたという山頂からの眺望は「ガスガスのガッスガス」。霧雨の中の屋久島登山は、むしろ「屋久島らしい」登山になったのかな、というのが感想です。
9日はフライトまで時間があったので白谷雲水峡を散策する予定でしたが、目覚めたら7時半。バス出発まで40分程度しかなく、乾かすために部屋中に広げた荷物をパッキングする時間的な余裕も気力もなくあえなく断念。観光に切り替えました。
おせっかいですが教訓をいくつか
●標高差の割にはタフ。木段が多くきちんと足を上げないといけないからだと思います
●ボンベは機内持ち込み不可(宅急便も不可)で、空港売店でも販売しているが、宿に相談する手もあり
●宅急便は鹿児島から船便となるため、海が荒れると止まる。各社のサイトで確認の上 十分に余裕を見ておくこと(当初着替えなどは宅急便利用予定でしたが、台風接近で受付中止になった)
●土砂災害で道路・登山道が通行できなくなっている場合があるので、観光協会などに確認するのがベター。(11月5日に問い合わせたら「淀川登山口は現在通行できない」と観光協会に言われました)
●トレペ必携。大株歩道入口までのトイレは紙常備ですが、その後の高塚小屋と新高塚小屋に紙はなく、「汲み取り式」なのでティッシュは不適
●コンビニはないと思います。宮之浦にはAコープがあり、飲料等の購入に利用しましたが、11月から営業時間を短縮しており「19時まで」でした
●バスの両替機は「千円札(旧札)」のみ対応。2千円以上の高額紙幣だけでなく新札もダメなので、旧札を無造作に使わずバス用に確保しておくのがいい。新札しかなかったら、運転手さんに相談です
また、屋久島交通の「1日〜4日券」は支払いの面倒はありませんが、割安になるかどうかはよく判断のこと。
もちろん、交通系ICカードなんか使えません
●伊丹からは直行便があるが、プロペラ機なので2時間近いフライトになる。屋久島空港では荷物検査後の搭乗待合室にはトイレがない
●鹿児島からは船便もありますが、飛行機より欠航のリスクは高いとのこと
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