蛭ヶ岳・塔ノ岳(焼山登山口BS〜大倉BS)
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- GPS
- --:--
- 距離
- 22.7km
- 登り
- 1,977m
- 下り
- 1,970m
過去天気図(気象庁) | 2015年10月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
秋も深まる季節ながら、太平洋に伸びる停滞前線。この1週間は晴れていても東京からは富士山の姿が見えない日が多かった。天気予報も芳しくなかったが、金曜日になって晴れが優勢となったため、2週連続で丹沢を訪れることにした。しかし当日朝の予報では再び曇り優勢の予報で、夜明けとともに見えたのはやはりどんよりとした空であった。
相模湖駅からバスで三ヶ木に出て、月夜野行きのバスに乗り換える。コンビニで買い物をする場合には三ヶ木から300mほど離れた1つ手前の桜木のバス停で降りると近い。三ヶ木バス停前には牛丼屋もあるので、朝食はここでとることもできる。朝の月夜野行きのバスは1本のみということもあり、橋本駅からのバスが到着すると多くの人が乗り換え、混雑した。
焼山登山口で降りたのは3割ほどで、思ったより多くない。集落から林道に入るとほどなく登山道の分岐が右側に現れる。しばらく登っていくと西野々からの東海自然歩道を合わせて、石畳の道となる。しかし、石畳は長くは続かず、山道となる。尾根を絡めながら高度を上げていく。焼山の手前は植林の中の急な登り。山頂に聳える火の見櫓のような立派な展望塔の足元には、忘れ去れたように壊れた祠が立っている。展望塔からは津久井湖方面も見えるが、山水画のように灰色の重い雲の色が湖面に映っている。
山頂直下で巻き道と合流するので、巻き道の意味はあまりない。焼山を過ぎると薄日が差し込むようになる。自然林の林となり、落ちて間もない落葉はいまだ色鮮やかで、踏んでも心地よい。黍殻山は巻く。黍殻山近くの水場は尾根直下から湧き出している。水量は豊富だが、あまり冷たくはない。どのくらいろ過された水なのか、少々心配でもあったが、汲んでいく。
姫次は小平地でカラマツの黄葉が美しいところである。地蔵平あたりまでは起伏の少ない道。両側に鹿除けと植生保護のための柵が縦横に張り巡らされており、考えさせられる。蛭ヶ岳への登り返しは長い階段。あと400mからが長い。山頂はガスがかかっており、遠望は利かない。眼下に熊木ダム方面の紅葉は望める。
丹沢山までは岩場も越えつつ、小ピークが並ぶ開けた稜線を歩く。晴天であればさぞやと惜しまれるが、曇天でも気持ちの良い道である。ただ、野茨の棘が登山道にも伸びているので、油断は禁物である。蛭ヶ岳の優美かつ貫禄のある山容はナポレオンの帽子(二角帽子と云うらしい)のよう。この山稜の美しい曲線を振り返ると、猟師の帽子をこの山の語源とする説が腑に落ちる。丹沢の名を冠する丹沢山のピークもガスの中であり、早々に後にする。
前週には富士山はもとより南アルプスから伊豆大島、都心まで望めた塔ノ岳も今日は機嫌が悪く、何も見せてくれず、風で追い立てる。下りは予定どおり大倉尾根をたどる。「バカ尾根」という俗称が畏敬と愛情を込めたものなのか、単純に言葉どおりなのか。下ってみた感想としては、最短アクセスがとれる、茶店や山小屋が要所にあるという2点のメリットが必要でなければ、進んで歩くコースではないと思った。急な下りと平坦地が交互に現れる。階段はよく整備されているので、一気に1000m以上下る割には、脚への負担は優しいのではないだろうか。
大倉の集落まで下ってくると、上空は青空であるが、塔ノ岳を振り返ると、やはり雲の中である。バス停には多くの人が列をつくっていたが、臨時バスも出るので乗り切れないということはない。ロングコースで不安もあったが、体力的には何とかなることが分かったので、次はぜひ青空の中を歩いてみたいものだ。
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