変化あって面白い・渡渉・登攀・藪漕(鶏冠山〜甲武信岳)
- GPS
- 14:32
- 距離
- 17.7km
- 登り
- 2,053m
- 下り
- 2,061m
コースタイム
- 山行
- 6:22
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 7:02
- 山行
- 5:55
- 休憩
- 1:34
- 合計
- 7:29
こういう時は「目利き」と「感」だけが頼り。
天候 | 22日、薄日射す中、時々ガス。西の風。 23日、ガス交じりの曇り。南の風。 ※木賊山からの甲武信岳への暗部だけ、強烈な霜(写真参照) |
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過去天気図(気象庁) | 2015年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰路はその逆。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
前半、所々に道標こそあるものの、基本的には鶏冠山〜木賊山のルートは山と高原地図はおろか国土地理院の地形図にもルート記載がないルートです。 チンネのコルまでは普通の登山道。 第1峰から始まる岩稜地帯は、表妙義の表面をごわごわさせた感じ。 高度感はそれなりにあって、手かせのしっかりした3点支持であれば問題なく通過できます。(何と言ってもトータルの時間が少ないのが良い) そもそも公共機関での入山なので、予想通りP2177を過ぎた辺りの小ピークで幕営になりました。(ギリギリ1張り分確保) 水も食料も十分な上に、倒木の崩壊したチップ上に設営したので、下からの冷え込みも全くない上に、フカフカで超寝心地よかったです。 その先、幾つかの小ピークはシャクナゲの群生を藪漕ぎする展開。 踏み跡失い、当然ながらルートファインディングの目利きはかなり必要。 その時の状況の応じたリボン・ピンクテープはその時は有効であっても植生の具合によって変わるので過信は禁物です。 鶏冠尾根は岩稜地帯を超えて、木賊山までの稜線は尾根向き右側(つまり右肩下がりに)になったらルートをロストしていると考えて良いです。 --- 一般道ついては、整備されているとはいえこの時期全般的に落ち葉で隠されているので高巻のトラバース肩には注意が必要です。 GPSロガー2台で入山しましたが、岩峰地帯を越えてから狭険地帯では役に立ちません。(2台ともデータが飛びました。) テープも直近に付けられた目新しいモノは宛てになりますが、状況が刻々と変わる上に、先行者の枝返しを食らうので隊列を組めません。よって各自のルートファィンディングのテクニックはかなり要求されると思います。 |
その他周辺情報 | 窪平BS下車。 花かげの湯。 http://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/sight/tour/spa/2012-0724-1042-53.html アフター。JRホリデービュー山梨車内で乾杯。 |
写真
装備
個人装備 |
ザック(アルパイン50L)
靴(ファイブテンガイドテニー)
シュラフ(ULダウンハガー#0)
ヘッドランプ(1)
予備電池(GPSとヘッテン用)
コンパス&高度計&時計
保険証(1)
飲料(2.5L)
ティッシュ(1)
アイゼン(10本爪)
携帯電話
雨具(ピークシェル上下
防寒着(ULダウン1・フリース3・ウィンドブレーカー下)
スパッツ(1)
手袋(岩稜用・一般用・防寒用)
替え衣類(1)
非常食(2)
コンロ(1)
ガスカートリッジ(2)
コッヘル(鍋)(1)
医薬品(1)
ラジオ(1)
カメラ(1)
ネックウォーマー
毛帽子
地図(地形図)
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感想
この前の「厄憑いた」「にが苦しい山行」経験から、私自身の”感を取り戻す”のと、いわゆる”厄祓い”を兼ねて計画し行ってきました。
お隣の徳ちゃん新道でCT6時間なのでまあ、3割増し位か。
と目論んでおりましたが正にその通りでしたが、思った以上の強力なシャクナゲのヤブに体力の消耗度を見込み違いが大きく、歩調が進みませんでした。
そのような時に日没を迎え、数メートル先が見通せない上に、幾通りもの踏み跡が乱雑する尾根は目利きが効かないと直ぐにルートをロストするので、P2177地点を超えた小ピークでビバークと相成りました。
”にわか造り”とはいえ獣道の気配もなくビバークポイントはマコトに心地よく、こう書くと誤解されそうですが、”睡眠に至っては稜線上のテン場よりかなり快適”でした。
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この鶏冠尾根ルート。
取り付き。
最初の取り付き点からチンネのコルまでは結構明確な踏み跡があって、どちらかというと体力勝負の感が強いです。
岩峰。
岩峰については第1峰と第2峰は表妙義相馬岳付近もしくは不帰キレットの第1峰。西穂からの間ノ岳付近に相当する感触です。(共に時間が超短いのでその辺はラクです。)
第3峰だけ上部のラインが見て取れず、何とも言えませんがクライマーさんなら楽しめるもしくは身体ほぐしにちょうど良い位なのでしょうか。
ここの核心はこういう岩峰より、実に地味ですが奥穂からの下りにあるウマノセのようながっつり切れたったナイフリッジが結構な具合であって、廻りにヒトも居ない分、踏み外せばダレにも気づかれない恐怖があります。
ヤブ。
ヤブですがシャクナゲのヤブでも実は所々高巻きになっていて、実際に最近踏み外して滑落したと思われる明確な跡も散見しております。
ルートロストも2人で4つの目でみて、疑いある時には直ぐに声を掛け合って補正して進んでいきましたが、それでもルートロスを5回ほどやらかしてしまいました。
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ヤマに入るという事は、本来こういう「自然との向き合いを肌で感じ」て、「五感をフルに活用し」、「第六感のなずべき感性を研ぎ澄ます」のが醍醐味だと思います。
この山行で”自身の失いかけた感性”を取り戻し、今後の計画からもしっかりした自然への共感と感性。良き素晴らしい感動を得ていきたいと思っております。
最後に、ヤブ漕ぎの達人でもある相方さん。私の鶏冠尾根の計画にご相伴頂きありがとうございました。
テント装備であのシャクナゲの藪を歩かれたんですね。ご苦労様です。
小生、昨年7月に鶏冠山に登りました。両側が切れ落ちた稜線を歩いた記憶がなかったので、自分のルートと比較すると・・・
grandemolaさんが相方を連れ戻されたピンクリボンのルート(右下がり)を僕は歩いていました。2177ピークへは左上がりに登り詰めました。第3岩峰以降で登りつめたのは2115ピークと2177ピークのみで(バンダナのあった場所もピークだったかも)、他は展望のない巻道ばかり歩いていました。
過去ログもかなりの数を見てますが切れ落ち稜線の写真は初めて見ましたので、他の方の参考(切れ落ち稜線はルートロスなので戻ること)になるかと思いコメントさせていただきます。
昨年のログです↓
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-482362.html
こんにちは。
まず、装備面ですが「テン泊装備」だったのは私の計画はそのまま稜線伝いに大弛峠へ。(大弛峠からバスでJR塩山)
相方さんは25日(水)までお休みなので、そのまま繋げて金峰・瑞牆・信州峠・JR清里へ。
というプランで各自入山したので、2名共々にテント泊装備っていうことだったんです。
実際には入山の時間が時間だったので、首尾上々上手くいけば稜線上の水師のコルもしくは富士見の北尾根位で、順当で甲武信岳小屋のテン場。
処が、現実はそうも甘くなく、思った以上に足が伸びず、P2177越えの先でビバークになりました。(ですから最初からテントで寝込むつもりはなかった事はご理解下さい。)甲武信岳小屋さんにも立ち寄った際にお話はしております。
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夏の暑い日の中で、木賊山まで水1Lというのは私的には超・スーパーマンです。私の課題は「飲んで出す」(笑)。でして、飲まずに40代の前半に飲まずにそのまま数日居て、虚血性脳梗塞やってからマジに水分は多く摂るようになりました。
まあ、そんな訳でこういう涼しい季節でないと水取りが難しいヤマへは行かないのですっ(苦笑)
さて、本題ですが、正に良い御指摘を頂きました。
昨年のレコを拝読させていただきましたが、序盤の写真22位から37位まで一部違うけども同じ所なのに、全然雰囲気が違うんですねぇ。(ホントに参考になります。)
49の写真。相方さんが多いにウケていた所で、この木がポイントなんだねぇ。とか。
おそらくや、68の写真のピークをそのままトラバースしながら最後にピーク越えたような気がしています。(ガスに巻かれていたので遠目のリボンやテープに気づきませんでした。)
74の写真。そのポイントもそのまま一旦右へ突き進み。崩落地へ着き当たり、一旦戻して左上に登り返しています。
同じようなところというか、状況(晴天・雨天・ガス・雪)によって違うのでしょうけども、こういうルート。面白い&危険と棄権のバランスが難しいですよねぇ。
例のナイフリッジの部分ですが、追加の写真を足しておきます。ログが飛んでいるので、ヤマレコのデータベース「みんなの足跡」から挿入しておきます。
ちょっと言いにくいのですが、そのナイフリッジの付近に真新しい(エンジ色の)マーモットの帽子が切れていた右側に引っかかっており。良く目を凝らして探したのですが・・・。単なる落し物。として思いたいです。
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