憧れの冬季谷川主脈 白銀の稜線歩き


- GPS
- 16:00
- 距離
- 19.6km
- 登り
- 2,014m
- 下り
- 2,354m
コースタイム
- 山行
- 4:46
- 休憩
- 1:01
- 合計
- 5:47
- 山行
- 8:18
- 休憩
- 2:05
- 合計
- 10:23
天候 | 1日目 快晴後曇り 2日目 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2025年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
①大宮駅〜越後湯沢駅 上越新幹線ガーラ湯沢行き:5720円 ②越後湯沢駅〜土合駅 JR上越線水上行き:420円 ③谷川岳ヨッホ〜天神平 ロープウェイ往復:3000円 ※冬季は縦走の片道利用でも往復料金でしか購入できないそうです(おそらく下りの片道はOK?)。サイトには書かれていないので、縦走する方は注意です… https://tanigawadake-joch.com/ ■復路 ①平標登山口〜越後湯沢駅 南越後観光バス湯沢駅前行き:760円 ②越後湯沢駅〜大宮駅 JR上越新幹線東京行き:5720円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◯オジカ沢ノ頭直下の登り かなりの急斜面です。夏道は南側の斜面に鎖がありますが、雪庇が張り出しているため尾根を慎重にクライムアップしました。 ◯大障子ノ頭直下の下り こちらも岩場の急斜面。雪は十分に付いており、慎重にクライムダウンしました。 ◯万太郎〜東俣ノ頭 やや幅の狭い尾根。警戒していましたが、ナイフリッジという程ではありませんでした。 ◯雪庇について 各所に存在します。風向き的に南側に向かってできるので、基本的に右側(北側)かつ植生のあるところを歩くことを心がけました。 ◯雪質について 稜線上は基本的に風で締まっており、肩の小屋〜平標までアイゼンで歩けました。吹き溜まりは時々踏み抜きましたが、ワカンを履くほどの頻度ではなかったです。平標山〜松手山コースの下山は雪が緩み、踏み抜き地獄でした。 |
その他周辺情報 | ■江神温泉 https://egamionsen.com/ |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
マフラー
ネックウォーマー
バラクラバ
毛帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
アイゼン
ピッケル
ビーコン
スコップ
ゾンデ
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
水筒(保温性)
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
ヘルメット
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感想
12月の天神尾根から眺めて以来、憧れていた冬の谷川主脈。いつかは歩きたいと機を狙っていましたが
・飛び石連休前半の天気がいいこと
・夏に一度歩いて危険箇所を把握していること
・直近の記録から、稜線の雪が締まっていると予想されること
・避難小屋はあてにならないため、雪山テント泊の十分な経験を積んでいること
上記4点の条件が揃ったため、今しかないと有休をとり決行に至りました。
至るところにある雪庇、ダガーポジションでの昇り降りなど緊張する場面もありましたが、白銀の峰々に囲まれ最高の山旅を楽しめました。
やっぱり上越国境はいいですね…今シーズンは厳しいかもしれませんが、今度は白毛門~巻機を歩いてみたいと思います。
■3/20(木) 天神平~肩の小屋~大障子の頭と万太郎のコル(幕営)
大宮から新幹線と上越線を乗り継ぎ、土合駅へ。ロープウェイにはチケット待ちの長蛇の列ができていた。30分くらい並んでようやく購入。天神平でアイゼンを履く。快晴でオキトマの双耳峰が良く見える。せっかくなら西黒尾根を登りたかったけど、昨夜のドカ雪直後に急斜面を登るのは危険と判断し、無難に天神尾根を選んだ。結果として体力も温存できたし、今回はこの選択で良かったと思う。
順調にトレースを辿り、12時ごろ肩の小屋に到着。想像通り、稜線の雪は風で良く締まっていた。しばらくはアイゼンで歩けそうだ。小屋の前には数人の登山者が休憩しているが、主脈方面に歩き出そうという人は誰も居ない。ノートレースをたった一人で歩く不安もあるけど、憧れの稜線を歩ける高揚感の方が強かった。
13時33分、オジカ沢の頭に到着。直下の登りでいやらしい急斜面があり、クライムアップした。雪は締まっているのでピッケルもアイゼンも良く効いてくれた。南には爼倉、進む先の西にはわずかに雲のかかる万太郎、振り返れば茂倉、一ノ倉、谷川。四方を白銀の峰々に囲まれ眩しいくらいだった。さらに西進すると、たっぷりと雪を蓄えた阿弥陀沢の眺めが素晴らしい。まるで雪の中に包まれているような気分だった。
14時36分、大障子避難小屋に到着。記録で見た通り、小屋に雪が吹きこんでいて使えそうにない。そろそろ幕営してもいい頃だけど、大障子ノ頭直下の危険個所を今日中に通過したいので先に進む。大障子ノ頭に着き、ここから鞍部まで急斜面の下りが続く。慎重に恐る恐るクライムダウンした。ここでも雪は良く締まっていた。
万太郎直下の鞍部に平らな箇所があり、整地して幕営する。北側に風よけを作るも夜中に南風に変わり、バタバタとテントが揺られた。煩くてなかなか寝付けないので、眠い目をこすりながら、仕方なく南側にも風よけを作った。テントに戻るとかなり静かになっていた。重労働の甲斐があり、ようやく眠りについた。
■3/21(金)幕営地~平標登山口
3時半に起床。5時半に出発。今日も快晴で、既に東の空がオレンジに染まり始めていた。
万太郎直下の広い尾根をつづら折りに登り、中腹辺りで日の出を迎えた。歩いて来た白銀の稜線が陽を受けて輝き、言葉にできない美しさだった。万太郎の頂に立つと、勇ましいエビス大黒、雄大な仙ノ倉が見えた。
小休止を済ませ、東俣ノ頭に続く細尾根を進んだ。ここは警戒していたけどナイフリッジという程ではなかった。東俣ノ頭から毛渡乗越に下る途中、3人パーティとスライドした。これまで誰とも会わなかったので、少し緊張の糸が緩んだ。
毛渡乗越からキツイ登り返しを経て、9時7分、エビス大黒ノ頭へ。ゴールの仙ノ倉が目の前に迫ってきた。振り返ると、万太郎と東俣ノ頭の間に谷川がバッチリ見えた。もうあんなに遠くなったのか。たった一人でノートレースの雪稜を歩けたことが誇らしく、残り短くなった山旅を寂しく思った。
エビス大黒避難小屋まで下り、急登を経て仙ノ倉山に登頂。ここまで来れば人も多いので安心だ。山頂に居た男性に写真を撮ってもらった。どこか見覚えがあるなと思ったので聞いてみると、年始の仙丈ケ岳でお会いした方だった。まさかこんなところで再会するとは思わなかった。主脈縦走や上越国境(朝日~巻機)の話、仙丈以降にやった山行の話など、色々なことをお話しできて嬉しかった。
男性と別れ、緩やかな道を歩いて平標山へ。ここまでの景色も素晴らしかった。下りは松手山コースを行くも、昇温で雪が腐り踏み抜きだらけ、かつ湿っていて重いのでひどく苦労した。体力的には下りが一番しんどかった気がする。
下山後はバスで越後湯沢駅に行き、駅前の銭湯で汗を流した。それから近くの中華居酒屋に入り、ビールとチャーハンと油淋鶏をいただいた。疲れた体に、濃いめの味付けがたまらなく美味い。少し奮発しすぎたけど、頑張ったので今回はいいやと思えた。
新幹線で大宮に向かい、在来線を乗りついで神奈川の自宅に帰った。
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