イブキ谷(イブキグラ谷)
- GPS
- 20:28
- 距離
- 12.4km
- 登り
- 1,536m
- 下り
- 1,499m
コースタイム
- 山行
- 11:07
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 11:07
- 山行
- 7:29
- 休憩
- 0:37
- 合計
- 8:06
天候 | 1日目 曇後晴、晩 一瞬雨ぱらつく。 2日目 曇時々晴れ、標高1500m以上はガス。麓は快晴。 |
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過去天気図(気象庁) | 2016年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 星の湯。 堺市美原区のR309沿いバリュー。 |
写真
装備
個人装備 |
寝具
行動食土曜昼、日曜朝昼
非常食1日分
ハーネス
ハンマー
登高器
下降器
ハーケン数枚
環付カラビナ 3
カラビナ数個
ヘルメット
合羽
グローブ
沢靴
ザック
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
携帯、スマホ
時計
タオル
ナイフ
スリング類
たわし、ハーケン回収時の落下防止道具、
コッヘル
|
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共同装備 |
8mm40m 1 YK29
ジャンピング 1 chuki
リングボルト 4 chuki
キリ 2 chuki
四合炊飯盒 1 chuki
タープ 1 mommom
ツェルト2〜3人用 1 chuki
ツェルト2人用 1 YK29
米4合、サラダスパ(300g)、高野豆腐、人参入千切大根、粗挽ソーセージ、マヨネーズ、醤油 1 chuki
土曜晩飯のオカズ各1000kcal程度 3 tatsuyay,mommom,YK29
8.1mm50m(第一候補のロープを忘れた際の予備) 1 chuki
アブミ 2 chuki
防水デジカメ、レンズ水滴取り 1 chuki
前泊用テント(4〜5人用) 1 chuki
リンクカム 1 mommom
トライカム 3 chuki
ボールナッツ 3 chuki
フレンズ 2 tatsuyay
バーナー、ガス缶 1 mommom
バーナー、ガス缶の2セット目 1 chuki
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感想
※遡行図は後日。
・出発まで
初めてイブキ瑤魴弉茲靴燭里 いつやったのか正確には思い出せないが、遅くとも2007年以前であることは確か。
雨で中止したり、紀伊半島が雨予報で他の地方がマシそうなら行き先を変えたり。
2010〜2013年頃は、二人目の子供に手がかかったり、仕事で出稼ぎに行ったり等々で、お山の遊び自体、あまり行けてなかった。
日が長めの時季に毎年計画していたのが、今回、雨が降らない予報のまま出発日の夜となり、「あ、とうとう行くのかぁ」という感じ。
心のどこかで、行きたくなかったのかもしれない。「憧れの女の子の嫌な部分が見えてしまうかもしれない」「家を建てる迄は夢がまんちくりんやけど、建て終わって住み始めたら単なる現実になってしまう」…、そんな感じやったのかも。
いつも通り、tatsuyayさんに迎えに来てもらうが、準備が完了しておらず約15分 待たせてしまう。いつもながら すんません。前夜までに用意しときゃええんやけど、なんかいつもギリギリまで準備が残っていて、モノを探し回ったりして、時間ばかりかかるんや。これに関しては、15年間、成長なし、進歩なし。
mommomを迎えに行くと「眠たい眠たい」と言いながら車に乗り込んでくる。
「阪高で行くのがエエのか、近畿道で行くのがエエのか」、費用と時間の差はどうやったかなぁとはっきりしないまま阪高に乗ってしまって、あれ、近畿道のほうがETC割引きいたら安かったのかも とか思たりするのも進歩が無い。ETC割引って ややこしい。シンプルな価格設定にしてほしい。
南阪奈道葛城ICから下道で、R309の名柄の信号のローソンで買い出しを終え、俺が運転代わってR168の猿谷ダムの昭和館にブチあたって右に曲がってスグで道路工事の警備のオッチャンに止められる。おっちゃんは携帯の写メの時刻表を見ながら、「次は1時20分から20分間通れます、その後いくつか通行止め時間帯があり、最終的には5時になれば通れます」と言う。この時、確か、、、夜中12時過ぎやったと思う。オッチャンは「待っとくもんや」と思てはったみたいやけど、道の駅大塔まで戻って、そこで寝ることにした。別車で来る河ちゃんにはMessengerで合流場所変更(猿谷ダム堰堤→道の駅大塔)を伝え、道の駅でテントを立てて寝る。寝静まった後、何時か忘れたが、道の駅に若者軍団が来て、花火しまくりの音で目が覚めてしまう。う゛〜〜、わんっ。
・7/2(土)
YK29が着いた気配がしてテントを出ると、やはりそうやった。たたんで、猿谷ダム堰堤Pに向かうつもりが出来立てホヤホヤの猿谷トンネルに入ってしまい、堰堤を通り過ぎたので高野辻ヘリポートにtatsuyayさんの車をデポし、そこからはYK29の車1台で湯又へ。篠原から湯又に向かう途中、すごい崩壊地をならして通れるようにしてるところがあった。
湯又に着き、「蛭につかれないように」というYK29にならってアスファルト舗装の道に店ひろげて着替えてると、車が2台やってきて、急いでモノをどける。中ノ川を遡行後、七面山登山口下山するために車をデポしに来たそうで、デポ帰りにも会って話していてYK29の知り合いらしい。
地獄谷沿いの林道が右岸から左岸に渡るところに車が4台ほど停めてあった。そこから川床を歩いても良かったが、時間短縮のため、川の右岸に残ってる林道跡を最後まで歩く。
アメ止まりの淵は、2005年夏に来た時と比べると、随分と砂利で埋まっていて、水深が浅くなっていた。この滝は左岸踏み跡から簡単に巻く。しばらく川原歩きの後、桶側ノ滝。
まぁそれにしても、こっちは遡行図を描いたり、写真を撮ったりしながら、のんびりいってると、後の3人は、ぴゃーっと行ってしまい、どんどん置いていかれる。というのが この二日間やった。
で、カラハッソウ谷遡行時は桶側ノ滝から随分と下流にバックして、笹を漕ぎながら巻いたなぁと思い出していた。
桶側ノ滝の釜も随分と砂利で埋まって以前より浅くなってるように見えた。
お三人さんは既に撮影会を終えたようだったが、俺はmommomにモデルになったりしてもろて、写真撮影後、どっから登るか考える。
右岸側で水流から数m離れたところの岩盤の斜度が緩く、ヌメヌメしているように見えるが、たわしでこすりながら行けば登れるようにも見える。で、「ここ登るわ」ちゅうと、YK29が「ボク、巻きルート探してるんですけど。」ってゆうてはるけど、まだ見つかってないようなのんで、滝の水飛沫もかかるし待ってると寒いので、俺含め皆に合羽を着てもろて、mommomにビレイしてもらって、一応、荷揚げの段取りを打ち合わせて、登り出す。実は、この時、tatsuyayさんが20mロープをザックに入れてるとは知らなかった。知ってたら、それを荷揚げ用としてひきずりながら登ったと思う。そんなに長く登らずに支点を取るつもりやったので、この時は、支点を取り、ロープをいっぱいまで引き上げた後、リードクライマー側のメインロープの余ってる部分を垂らして荷揚げに使うという段取りにしていた。
ぬめぬめの岩はタワシで磨くことで、スタンス確保できるが、剥がれそうな岩に対しては、たわしは役に立たない。剥がれそうなのを下の人に当たらないように放り投げていく。爆弾除去班にでもなった気分。一箇所、右から左に大きく一歩、トラバるところがあり、そこは、手を持つところもイマイチで、緊張を強いられたが、それ意外は さほど悪くはなく、順調に数mのぼり、そうすると、どういうわけか知らんけど、わりと太めの白い残置ロープが垂れてた。残置ロープを見ながら、もう3mほど登って、しっかりした木で支点を取り、ビレイ解除のコール。ロープを一杯まで引き上げ、次は、荷揚げ用にロープを放り投げる。二回目のロープダウンでうまく下まで届いた。が、ザックを引き上げてもひっかかってしまう。5分弱がんばったが上がってこないので、荷揚げロープをフィックスして、セカンドクライマー用のロープで懸垂して、ザックを取りに降りていく。…と、tatsuyayさんがザックを背負ったまま上がってきて、ひっかかっていた荷揚げのザックを外してくれた。落石などのことを考えると、かなり危ない状況だが、コール以外、瀑音で声が通らない状況やったので、トランシーバーでもなければ、これは仕方なかったのかも。で、俺のザックを受け取り、tatsuyayさんに「荷揚げなしでもいける?」と訊くと「いけそう」とのことなので、後の下の二人にも その旨を伝えてもらい、皆、登る。最後のmommomだけビレイで、あとはフィックスをプルージックかアセンダー。
その後、残置を少したどって、あとは踏み跡をたどれば楽勝で落ち口に降りれた。
次の斜瀑は水線沿いにいくのは大変そう。水量すくなければなんとかなるかな。YK29が泳いでとりつこうとしていたが右岸側から まともに行ってて、全然無理。左岸側から泳いでいって、途中で右岸側に移るのがよさげに見えるが、今日の水量では無理かもしれない。ここは右岸側から15分で巻けた。
次の斜瀑には左岸側にトラロープがかかっていた。YK29がトラロープで行こうとしていたので、「んじゃ、俺は水線で」と水につかってへつろうとしたが、ざっくごと反転水流にもっていかれ、「ぐるぐーるまーわーるー」状態になった。ザックを別にすれば、水線から行けるかもしれないが、時間がかかりそうなので、トラロープで行くことにした。
その後、懐かしのカラハッソウ谷出合。出合から見た光景は、以前、訪れた時の水量より随分少なかった。桶側ノ滝は以前より水が多い気がしたけど、なぜか、カラハッソウ谷出合の光景は水が少ないように見えたのが不思議やった。
出合から しばらく川原歩きで、結構ながめの淵が出てくる。ココはスノーケルの出番やーってことで、メットをザックに装着し、YK29からフローティングロープ15mを借り、スノーケルとゴーグルを使って泳ぐ。淵の幅が一番狭くなってるところで一旦立つ。でも、もう少し奥に行かないと水から揚がれないようやったので少し、奥に行って突っ張り気味で流されないように耐える。んで、右岸側に揚がれそうやったので、ゴーグルで水中のスタンスも確認しつつ、這い上がろうとするが、無理だったので、一旦、ザックを降ろして、右岸側の岩の上に置き、それから再度トライすると割と簡単に水から揚がれた。
で、後続に「ちょっと待ってー、上登れるか見てくるー」っちゅうて、淵の奥の2m滝を右岸側から簡単に越えてみると、ばーーーんと、くの字滝。落ち口からシューっと水が空中に射出され、その水が岩面にあたってハネ返ってる滝。かっこいい。ちょっと直登のイメージは湧かなかったので、周りを見回すと、右岸側が10mほどは上がっていけそうに見える。その後は 上がってみないと分からない。で、下に下りて「行ってみなわからんけど、いけるかも」と伝えて、フローティングロープを投げて、3人のオッサンを1人ずつ地引網漁で引き上げる。で、そこ登っとって、と、mommomとtatsuyayさんに登ってもらうが、見えなくなってるので、待ってー といって、追いつく。ズルズルで嫌らしいので、8mm40mを出し、1ピッチ目は俺リードで登るというか、斜上し、よさげな木があるとこでピッチを切る。次は、YK29が「皆さんに行かせてばかりだと うんちゃらかんちゃら」とか言って、先頭いかせろというので、俺ビレイで、YK29がセカンドピッチのリード。荷揚げは無しで登れるとのことで、そのまま登ってもらう。次はフィックスをタイブロックでmommomが登る。結構、立ってるところを登ってるようで、なんか割りと大変そう。
次がtatsuyayさん、なんかブツブツゆってはる。すんなり登れない様子。「荷揚げしたらー?」と言ってみるが、そのまま登ってはって、「だいぶ時間経ってるなぁ。この調子だと、黒滝下のテン場まで今日中に辿りつくのは無理かも。」とか考えてると、ザザザ〜っと音がして、小さい落石があったりして、パっと上を見ると、tatsuyayさんが落ちてきていた。もちろん、フィックスで、ロープマンで確保しているので、止まってるんやけど、8mmロープということもあり、だいぶビヨーンと伸びた様子。「怪我は無い」とのことで一安心。「なんで落ちたん?」→「スリップした」とのこと。んーー、スタンスが外傾してるとかなんかな。よくわからんけど、「荷揚げしてもらお」→「はい」とのことで、YK29に「荷揚げしてー」ゆーと、「分かりマシた」とのことで、荷揚げをしてもらう。その後も、かなり時間をかけて、途中、YK29が「シュリンゲ出しましょか」とかゆうてたけど、tatsuyayさんは「えーわ」とのことで、ロープ登高しかないかなぁと思って、「あぶみをロープに繋いで登れば普通のロープ登高より楽ちゃう」って思って、tatsuyayさんに その旨を伝え、ザックを開けてアブミを探すが見つからない(mommomに持ってもらってたことに後で気づいた)。仕方ないので、「アブミ無いのでロープ登高で。」ということで、ロープ登高をしていたが、「フィックスしてんのー?ロープ伸びるー」(tatsuyayさん)とのことで、なんかめっちゃ苦労してて、結局は登れはったけど、どうやって登ったのか、よく分からない。
さて、最後のフォローの俺。コールがあり、セルフを外して登っていく。フレンズみたいなのが二つはさまってたので回収する。
で、tatsuyayさんが苦労してた、この場所、いったい、どうやって登ったのか。。。階段登りみたいには登られない。んーー、わかんないなー。あ、右に大きめの割れ目があるから、これが崩壊しないと仮定すると、クラック登り風に、腰の位置を上げられるかも。ってことで、右手も左手も右のクラックにかけて、体重を左に振ると、わりとエエ感じに身体を固定でき、足でワシャワシャして、ちょっと上にあがった。が、左奥にある立ち木には手が届かない。あれに手が届けば、なんとかなりそうやけど。無理やり、ずりあがって登ると、なんとか その立ち木に手が届き、足がどこにも着かず、ばたばたしたが、1分ほどバタバタしてると、なんか、ひっかかるところがあったのか、上にあがれて、ほっと一安心。この2.5mほどのクラック直上区間を除くと、あとは苦もなく登れた。YK29や その次に登ったmommomから登り方について一言アドバイスがあれば、tatsuyayさんが ここまで時間と体力を費やしてしまうことはなかったと俺は思っている。
YK29がビレイしてくれとる地点に着くと、YK29が「mommomが先を見に行ってくれて、行けそうってゆうてはる」と言う。「あー、そーなん」と素直に先へ進む。どこから、あの、くの字滝の上に降りるかというのがポイントになるわけやけど、最初、YK29やmommomが降りようとしたルンゼが、もしかしたら、落ち口の上側に出れないかもということで、もう少しトラバって、最終的には、懸垂下降なしで、沢床に降りた。皆さんのルートファインディングのたまもんでんな。まぁ、でも、最初に降りようとしたルンゼから降りても、行けたかもしれない。この、くの字滝の右岸巻き、2ピッチで、11:10〜12:50、と、結局1時間40分かかった。
その後しばらくは、さほど苦労せずに、泳ぎやシャワークライムを楽しんで登れる。とにかく濡れ濡れ。ゴーロもあって、息が上がりながら登ったりするが、濡れ濡れで暑くはなく、止まると寒い。
さて、13時半、簾状12m滝の下に着く。俺は、早くテン場に着きたいゆうこともあるし、身体は濡れ濡れで止まると寒いぐらいなので、「右岸巻きが簡単そうやな」と見ていたが、YK29とmommomがシャワークライムを主張する。まぁ、ほなそれで、と突っ込んだのが運の尽き?! 最初はビレイなしで、YK29が左岸水流際からシャワークライムで登り、あと3mほどで落ち口というところで、「ザックが邪魔」と、滝の水流中の階段状のところにザックを置く。んで、mommomさんが「ロープを出してもらいましょかねー」というので、「そうですねぇ」ってことで、YK29にロープを垂らしてもらうように言うが、落ち口を抜けても、なかなか合図が無い。YK29が途中で置いたザックは、自然落下で落ちてきた。落石ならぬ、落ザック。下で待ってる、俺含め三人は滝の水飛沫をまともに浴びてて、身体が冷えきっている。「支点作るのに苦労してんのかなぁ」と想像してると、ようやくロープダウン。「フィックスしたか?」と訊くと、「長さ足りるから全員ビレイします」と言う。とても、3人分は無いように思えたので、「むりむり、フィックスして」とフィックスしてもらうが、ここでも、また、待ち時間ありで身体が冷えきる。ようやく「フィックスしましたー」ということで、次は俺がプルージックで登った。ロープマンmk2を使いたかったが、金属部が変形したせいか、ロープにセットできなかったのだ。今回は さほど苦労せずに、但し、ズブ濡れになりながら、落ち口まで出ると、YK29が落ち口の際に座っていて、その上は淵になっていて、足がつかない。側壁ぬるぬるつるつるで登れないので、淵の奥に泳いでいって、斜瀑の横に這い上がるしかなさそうに見える。支点をどこにとってるのかと観察すると、側壁の上のほうの立ち木に支点をとっていたので、YK29は一旦、上までは上がって、立ち木に支点をとって、ロープの流れをよくするために、滝の落ち口に降りてきたように見える。しかし、、、。で、YK29に「あそこいけたん?」と訊くと「いけますよ」というので、「ほな、次登ってもろて」といってから、淵を泳ぐ。が、斜瀑の水流右際にとりつけない。水中にも適当なスタンスが無い。数分苦労していると、後ろからYK29が「空身で行ったらいけるんちゃいます?ボクは空身で行けました」と言う。「あーー、そっかー」とYK29にザックを預ける。この間にmommomは既に落ち口まで上がってきていて、俺が取り付きで苦労してるのを見てたみたい。ザックなしでリトライすると淵の奥に這い上がれた。で、フローティングロープで、荷揚げをしていく。この間に、mommomは立ち木の支点にとったロープでロープ登高を試みていた。ツルツルの側壁で足は頼れないのに、なんか固定点を一箇所でロープ登高をしようとしてるように見えたけど、あれは、いったいどうやろうとしていたのか。。。「フローティングロープでひきあげるでー」とmommomに声をかけ、「わかりました」というが、タイブロックを解除できないらしく、「解除できないから登ります」といって登り続行。だが、この後、少しして、解除できたということで落ち口に降りてきていて、そのときには既にtatsuyayさんが落ち口まで登ってきていて、狭い狭い落ち口に三人が寄り添うようなことになっていた。その後、淵の奥からの俺のフローティングロープでtatsuyayとmommomをひきあげ、YK29は振り子懸垂でツルツル壁をトラバって、ようやく この滝終わりとなった。トップが登り始めてから約45分かかっていた。思ったよりは早かった。YK29が「最初からビレイしてもらって登るべきでした」という。が、そうすれば、マシな結果になったかどうかは、、、分からない。とにかく、あまり遅い時間までは遡行を続けたなかったので、その旨を伝え、先へ進む。
しばらく、ゴーロや川原歩きの後、次の30mは右岸ルンゼから巻いて、簡単に落ち口へ。だが、ここではYK29が巻き始めで釜の横にメットを忘れたのに気づいたらしく、少し登ってから、また取りに戻っていた。
次は前衛滝のある、30mほどの滝、右岸側もよく観察するが、一段登った後もヌルヌルで嫌らしそうということで、いったん、前衛滝を懸垂(YK29のみ飛び込み)で降り、左岸側を一旦あがってから、壁の切れ目を探して、下流側にトラバっていく。「ここかな」というところで、皆が追いつくのを待ち、mommomさんに「ココどう?」と訊くと、一瞬、「え?わし?」となってたが、「わかりました」と快諾してくれて、mommomリード。あまり落石もなく慎重に登っていったが、ジグザグに登るところの支点とりが間隔あきすぎて、最後のフォローは直上せざるをえなかった。YK29もtatsuyayも「よーこんなとこ登ったな」と言っていた。俺が一番最後のフォローで回収しながら登ったが、最後ということもあって、トラバースの箇所が大変いやらしかった。この左岸巻きは、最後の最後は懸垂なしで沢床に戻ったのだが、トータルで2時間かかったので、二日間で一番時間をかけた巻きになった。一日目の核心は、くの字の滝右岸巻きの2ピッチ目と、この2時間かけた巻きやったと思う。
その後、俺疲れて、よーいかんわー、という4m淵をYK29がツッパリで取り付くシーンがあったり、まー、まだ泳ぐ泳ぐ。濡れ濡れ。んで20mほどの滝を右岸巻きで18m懸垂で降りた後は、よーやくゴーロ続きとなり、少しで伏流となり、ありゃー、テン場あるんかいやと思う。高度計では、どんどん黒滝直下に近づいてるようで、「これ以上あがってもマシなテン場ないでー」ってことで、十分(標高差20m)引き返したところの水流があり、ゴーロの合間の砂利の平らなところがあるところをテン場とした。
テン場では、mommomさまに苦手科目の克服ということで、焚き火着火担当を任命したが、苦手意識を増大させただけに終わった。
それ以外は、結局、火は点いたし、ゴハンは美味しく炊けたし、おかずも美味しくて腹一杯ということで、言うことなしの夜になった。お酒は、俺は、久米仙を500ccほどしか持ってきてなかったのだが、ちょっと足りなかったか、いや、あれぐらいでよかったのか。。。YK29はガラス瓶のコーヒー、ビンの清酒、どおりで荷揚げで重かったわけだ、、、自分がどんなに軽量化のため、泡盛をビンからペットボトルの容器に移し替えてきても、これではな、と思った。
mommomとtatsuyayさんはタープの下、砂利の上で寝て、YK29と俺は、タープのしたにも入れたが、焚き火の近くの平らな岩面の上で寝た。
・7/3(日)
4時起きの予定やった。3時半頃、雨のせいか目が覚めたが、同じく目覚めたYK29が焚き火の番をしてくれるというので、薪を組みなおして、火を点け、あとは頼むとシュラフカバーにもぐりこむ。明るなってきたなぁと思い時計を見ると4時半過ぎ。「もー4時半過ぎてるー」とtatsuyayとmommomを起こす。(なんで、YK29は起こしてくれなかったのか。。。いや、自分で勝手に起きるべきか)
で、朝は、昨夜のオカズの残りのソーセージを入れたオジヤとか、YK29にもらった粉末のスープとか。あぁだこぉだゆうてたが、結局出発時は俺の準備完了が一番おそかった。
きじうちもしつつ、苦しい苦しいゴーロ登りを続けて、40分で黒滝直下に。凄いクラや。大劇場という感じ。撮影会を終え、さて、どこから登るか。噂の左岸ルンゼを皆で覗きに行く。「んーーー、チョックストンやねぇ」
「もうちょっと楽そうな、あの尾根状地形から登ってみまへんかー」「うんそうしよう」ということで、登っていくが、最初に取り付いたところは、すぐに切れているので、一旦もどって、もう一つ下流側のリッジからとりつく。あまり悪くはなく、ロープを使おうかなんて思いもしない感じで、まあそれでも、斜度はきついので、時々休憩さしてもらいながら立ち木の生えたリッジで高度を上げていく。途中、見通しがよくなり黒滝や、周りの風景が見えて、それよりなにより、風が抜けて、爽快。
しばらくリッジを上がり、tatsuyayさんが、このバンドはどうかというが、まだ早そうなので、やめで、もう少し上がったとこのバンドで、俺とtatsuyayさんは、リッジをそのまま上がったが、mommomが「このバンド行ってみてもいいですか」というので、「どーぞどーぞ」と行ってもらうと、その後、「ここから降りれそう」というので、俺とtatsuyayさんは一旦もどって、そのバンドからmommomを追いかけた。若干、下流側に戻り気味で降りていくと、懸垂下降はせずに沢床に降りられた。巻き時間は1時間10分で済んだ。あとは、まぁ、どんだけ時間かかってもヘッデン下山にはならんやろう…とホっと一息。沢床を少し下流側に降りて、落ち口を撮った後、遡行再開後すぐ、30m滝。右岸、左岸、両方から巻けそうだったが、ルンゼっぽいところは左岸のほうが近かったので、「上がってからが遠回りかも」とも思ったが、左岸巻き選択。ルンゼからリッジに出て、少しすると、ガスっていたが、ガスなければ見晴らしがよさそうな場所に出て、そこから落ち口へ向かって、簡単に落ち口へ。20分ほどの簡単な巻きやった。
あとは、基本癒し渓。若干いやらしいところもあったけども、今までと比べればなんてことない。シャワークライムを繰り返し、標高1740mで水が切れ、獣道っぽい踏み跡を辿って、奥駆道に出る。
「中尾の分岐が もう少し先やと思うんすけど」とmommomが言う。が、よく見ると、分岐の案内板がスグそこにあるやんかー。ちょうど、中尾分岐のところに詰めあがっていたのだった。おめでとう。完璧です。もくろみどおりです。
中尾分岐で いつものごとくプレモルをプシュっと開けたYK29を荷物の見張り番ということでデポし、tatsuyayさん、mommomと俺の三人で明星ヶ岳ピークへ向かう。ガスで視界が効かず、風もキツくて剣呑な雰囲気だったが、三人の若者が居たので、勇気を出して(?!)シャッター押下をお願いして、登頂記念撮影をした。
中尾の下りでは、二箇所、どっちに降りるべきかと迷った箇所があった。一箇所は、標高1450〜1400m付近。ここは尾根が曖昧になる。まぁでも、最終的に選択する下のほうの西向きの尾根が分かっていれば、結論としては迷うことはないと思う。もう一箇所は、想定外に一瞬道を外れたところで、道の上に八木アンテナがあるところ。ここはアンテナのある場所から下で黒いケーブルが露出しているのだが、アンテナからしばらくは、このケーブルに沿って降りたほうが降り易いと思う。俺が先行してて、ケーブルをまたいで、そのままの流れで進んでいってたら、尾根が曖昧になり、下方向を見て、右に尾根が出てきたので、トラバースして その尾根にうつって下山を続けた。
あとは特に困ることなく、歩き易い道で、中尾から、休憩込で3時間10分で湯又まで降りれた。
高野辻ヘリポートに戻ると、tatsuyayさんの車のワイパーに地元警察のメモが挟んであった。
その後、俺の財布が見つからず、お三人さんをプチブルーにしてしまったが、帰宅後、飯盒の中から出てきて、一安心。
・まとめ
一日目の巻きは、特に二つの滝の巻きが大変やった。二日目の巻きは、黒滝も、その上の滝も、ラッキーなことに簡単な左岸巻きとなった。中尾分岐に詰め上がれたし、中尾もさほど苦労せず降りられたし、ゆうことなし。バテ気味で お三人さんを待たせた時間が結構あったのは悪かったけども、まぁ、紆余曲折の後、入渓し、前評判ほどには苦労せず、泳ぎも楽しめ、焚き火もばっちり、、、いい二日間でした。
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