穂高岳、槍ヶ岳



- GPS
- 28:24
- 距離
- 37.5km
- 登り
- 4,149m
- 下り
- 4,152m
コースタイム
- 山行
- 7:45
- 休憩
- 1:41
- 合計
- 9:26
- 山行
- 7:50
- 休憩
- 2:26
- 合計
- 10:16
- 山行
- 4:58
- 休憩
- 2:36
- 合計
- 7:34
天候 | 7/30:曇り時々雨、7/31:晴れ午後はガス、8/1:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
例年8月でも雪が残ることの多い白出沢は、今年は完全になくなり、アイゼンは不要となっていた。 穂高・槍間の稜線の岩場の状況は、広く紹介されているとおり。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
食器
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
テントマット
シュラフ
ヘルメット
|
---|---|
共同装備 |
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
GPS
ポール
テント
|
感想
槍と穂高に登りたい、大キレットを越えたいというJさんのリクエストに応えて山行を組んだ。Jさんとは去年剱岳に登って技術的に問題なし、体力的にも標準的な2泊3日行程なら大丈夫だと思った。
Jさんの車で金曜の夕食後に富山を出て、午後10時頃に新穂高の登山者無料駐車場に入った。明け方2時頃目を覚ますと、ザァザアと雨が降ってるではないか。え〜っ天気予報に雨なんかあったっけ? 携帯で天気情報サイトを開いて雨雲分布を見ると、中部地方ではここ北ア南部周辺と岐阜県南部の恵那、中津川辺りだけに降ってると判明。雨雲は次第に東に動いていく予報になってはいるが、止むまでは時間がかかりそうだ。当初出発予定の4時では未だ雨足が強くて出かける気にならず、5時過ぎて少し弱まり、薄明るくもなって来たので、意を決して出発した。
このルートで雨が降ると心配なのは、白出沢を渡る重太郎橋が増水すると渡れなくなることだ。穂高平小屋に着いた頃には大分小降りで歩くには気にならないが、なかなか完全には止まない。白出小屋跡から白出沢沿いの道に入ると下山してくる人に会うようになり、様子を聞くと大丈夫だとのことで前へ進む。橋まで行って見ると、万一流れに落ちると流されて助からないだろうと思う水量だが、橋自体は水に浸かってはいなかった。
断崖のトラバース路を抜け、鉱石沢で水を汲んで急登の尾根を越し、荷継小屋跡から白出沢上部の斜面を登り出すと、漸く雨が上がり、笠ヶ岳など遠望も効く様になった。本当に雪が無く、ガレ場登りとなる。ピッケル・アイゼンが要らなくて荷物は減らせたが、アイゼン雪渓歩きの方が僕は楽しいし、Jさんにも経験させてあげたかったとは思う。
白出沢が緩く左に曲がっているところを抜けると白出しのコルまで一直線、穂高岳山荘があそこだと分かるようになる。そこから未だ標高差500m以上、これが長いのだ。辛抱、辛抱で小屋に到達、途端に人口密度が増えた。Jさんも頑張った。まだ大丈夫な様子。
小屋でテント場申し込んで確保、一休みしてさて、どうしようか。辺りはガスっていて、奥穂高登頂に適した状況ではない。しかし後になってどうなるかも分らないので、取り敢えず登っておこうと、テントは張らずに奥穂山頂を目指した。小屋直上の鎖場の列に並び、その短い難場を抜ければ普通の山道。山頂直下まで来て雷鳥に出会えたのは良かったが、ほぼ同時に雨がパラついてきた。山頂に着いて写真を撮ったら直ぐ下りよう。
駆けるように下って行ったが、雨もどんどんまともな降り方になって行った。眼下に小屋が見える所まで来たが体はずぶ濡れ、ここで岩場の渋滞。しばし辛抱の後小屋に逃げ込んだ。ほどなく雨は止み、1時間後の午後4時にはガスが晴れて涸沢や前穂北尾根が見渡せるようになった。ちょっとくやしいな。
2日目は星空の下で起きて朝食、撤収中に常念岳から上るご来光を迎えた。パッキング済ませて先ずは涸沢岳へ。槍ヶ岳がドーンと出迎えてくれた。「Jさん調子はどうですか?」「足が痛いですね。」昨日の標高差2000mの登りは応えたという。
さて涸沢岳からが岩場ステージの始まり。連なる鎖、梯子を登っては下り、登っては下りる。岩は乾いているし、Jさんの足取り手さばきも見ていて不安はない。北穂南峰付近で軽いルーファイミスがあったが、順調に北穂の北峰に到達。Jさんによると、まともな荷物を担いでの本格的岩場は初めてで、朝早くからいきなりで緊張したと。いやいやこれからが本番ですよ。
大キレットの道も、僕には過保護と思えるほどに、鎖だけでなく要所ではごつい足場などでしっかり整備されていて、局部的に際どいところは殆どない。ただキレットの高低差は大きく、岩場が長く続く。北穂から大きく下ってA沢のコル、ここから長谷川ピークを越えてキレットの最低コルに行くんだと言うと、Jさん「えっ、ここで底だと思ったのにまだ下るんですか」と少しがっかり。この後南岳への登り返しをしっかり登って来たが、南岳小屋のベンチでうつ伏せ、心身両面使い果たしたようだった。
南岳から槍の肩までは一ヵ所僅かに鎖場があるが、もう殆ど歩くだけの消化試合。それでも中岳と大喰岳はそれなりの登り返しで、ガスって展望もないし、今日も行程長いなと感じてくる。大喰を過ぎればまもなく飛騨乗越、少し登り返すと槍ヶ岳山荘のテン場に達する。今日も良く歩き、良く攀じりました。
ところで、この縦走路韓国人の登山者が大変多かった。二、三十人のツアーパァーティーもあれば数人の小パーティー、テント泊の人達もいる。こちらもアニョハセヨ〜を連発してすれ違った。海外からの登山客は歓迎だしコミュニケーションも楽しいが、彼らはストックにゴムキャップを付けないのに気が付いた。途中登山路が穴だらけの所もあったが彼らのせいの様だ。山を管理する立場の人はどう見ているのだろうか。
槍の肩のテン場は小屋から場所指定で、番号札を確保したら荷物は小屋横にデポして槍の穂先に登ることにする。昨日の奥穂と同じようにガスっているが、ともかく登っておくしかない。穂先へ行き来する人は多いが、上りと下りのルートが分けられているので、滞りなく鎖場、梯子を伝って山頂に到着。足元の山荘が漸く見えるくらいで、遠くは何も見えないので、証拠写真を撮って早々と引き揚げてきた。小屋前まで下りて来たらガスが薄くなり、穂先も見え隠れするではないか。昨日と似たパターンだな。雨が降らなかっただけ良いか。
テントを張って夕食を作っている間に、すっかり晴れて青空になってしまった。テン場からは穂先は見えないので、二人で飯椀を持って小屋前まで見に上がった。いっぱい取り付いているのも良く見えるなぁ。もう一ぺん行きたくもなるが、僕はもうワインが入ってるので止めよう。明日朝に期待。
3日目、午前4時起床で直ぐ支度して穂先を目指す。登りルートは混んではいない、ヘッ電でマークを追って攀じ登る。山頂先着15人位いただろうか。後から大分増えたが溢れはしなかった。ご来光は大天井辺りからか、ちょっと地平線の雲がうるさかったがやっと晴れの山頂に巡り合え、朝日を受ける周辺展望は素晴らしいの一言に尽きた。
これでもう思い残すことはない。テントを畳んでひたすら下るだけ。飛騨乗越からガレ場の下り、その下はお花畑でなかなか綺麗、灌木帯になり、樹林帯になり、標高2200mの水場で一息。槍平小屋ではちょっとのんびりコーヒータイム。右股沿いの緩い道になり、滝谷を渡り、堰堤工事の白出沢を渡ると林道末端に水場があって最後の休憩。後は穂高平小屋でも休まずに、ほぼ正午に新穂高の登山センターに戻ってきた。
それが問題だ(笑)
Nishidenさんのレコが上がってないなと思っていたら穂高〜槍のテン泊でしたか。
ヤマレコ仲間のみなさんとよくかぶりますが、大キレットも自分の今年の計画(槍ヶ岳は無しで1泊2日)に入っているんです。北穂から下りるか南岳から登るか決めかねていますが、登るほうがよさそうですね。でも、南岳新道を上がるのもつらそうだし(3年前に下りる時そう思いました)、白出沢も登ってみたいし、テン場の混み具合も気になるし、う〜ん、迷う。
僕はキレット越え3回目ですが、過去2回は北からでした。1度目は南岳新道から日帰り、2度目小屋泊まり1泊、そして今回テント2泊と皆違って皆楽し、でしたから、redsさんも気軽に、その内両方やったら良いんじゃないでしょうか。
ま、コース悩むのも山の楽しさですね。
Nishidenさん、ガイド山行ごくろうさまでした。僕はだいぶ前に南から北へ縦走しましたが、涸沢岳、北穂ととても怖かったです。ジャンや馬の背よりも緊張した記憶があります。ところで幕営装備でこのルート、Jさんはたいしたもんですね。redsさんもぜひ楽しんでください。チカ
南岳新道から日帰りって、普通なら南岳小屋まで1日工程なのに驚きです。
自分としては南からというのは南岳、北からというのは北穂高のつもりだったのですが、確かに北側に南岳、南側に北穂高ですね(笑)
ルートをあれやこれや悩んで楽しんでます。
テント一式、ガスコンロとコッヘル、夕食・朝食材料は全て僕が担いでいたので、Jさんの荷物は小屋泊まり+シュラフ、マット分位です。でも疲れたとは言いながら最後までしっかり歩いていたし、岩場で不安なことはなかったので、たいしたもんには違いないです。
南岳は槍ヶ岳に付属する山の最南端だし、北穂は穂高連峰の最北端なのでそれぞれ合理性があって、この二山だけ並べると南北逆転しているのは仕方ないでしょう。
東京の池袋に行くと東口に西武デパート、西口に東武デパートと訳わからないことになっているのとは違うでしょう(笑)
単に北から、南から、と言えば山の名前じゃなくてキレットから見た方角を指していると取りますよね。穂高連峰で西穂-北穂間を縦走しようと言うなら、西から、北からと言って問題ないですが。
さて南の北穂からか、北の南岳から行くか、いっそのこと横尾本谷を詰めてはどうですか。
http://www.yamareco.com/modules/yamainfo/rtinfo.php?rtid=2264
これは東から、になりますね。
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