空木岳、南駒ヶ岳、宝剣岳、木曽駒ヶ岳 - 伊那側からの周回 -


- GPS
- 25:37
- 距離
- 43.5km
- 登り
- 4,148m
- 下り
- 3,615m
コースタイム
- 山行
- 8:36
- 休憩
- 1:43
- 合計
- 10:19
- 山行
- 8:05
- 休憩
- 1:37
- 合計
- 9:42
- 山行
- 3:31
- 休憩
- 1:52
- 合計
- 5:23
天候 | 8/16:曇り一時霧、8/17:霧後晴れ、8/18:晴れ時々霧 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
全て整備された登山道で山中では迷うところはなかった。 宝剣岳以外も空木岳〜島田娘の稜線の随所に岩場、鎖場あり。 |
写真
感想
30年前の冬にロープウェイ使って木曽駒に登ったのみの中央アルプス、絶対登りたかった空木岳に、南駒も寄って木曽駒へつなぐ三日山行を組んだ。台風7号が関東、東北、北海道に被害をもたらしたが、中部地方には影響少ないとの観測で決行した。
1日目: 空木岳の池山尾根には、往復ルートなら、あるいはタクシーを奮発すれば標高1360mの林道終点まで上がれるのだが、今回は標高900mの駒ヶ根高原スキー場駐車場に車を置いて出発する。駐車場から駒が池方向に少し戻れば、ここからの登山道入り口があったのだが、この時はわからず、先へ進むと古城公園経由で空木岳登山口へと言う案内板があって、これに従ったら延々と林道を歩くことになり、標高1150mで漸くショートカットの山道に入った。
林道終点で止めてある車を若干恨めしく思いつつ、ここから純粋に山道となる。登山ポストもここにあった。一登りでタカウチ場、ここで池山を通る「登山道」と巻く「遊歩道」道に分岐し、僕は遊歩道を行った。途中一旦合する地点に水場が整備されている。遊歩道からは池山小屋は見えない。
樹林帯をひたすら登り、標高2200mから上に大地獄、小地獄と称する難所がある。樹林帯の中に露出した岩場で、鎖もかかっているがさほど高度感のあるものではなかった。
標高2550mで再び分岐、左は避難小屋のある空木平へ行くが、僕は右の尾根筋を行く。森林限界を越え、視界が開けるが、霧も出ている。駒石でボルダリングして、一登りで駒峰ヒュッテ。そこから空木岳山頂は目と鼻の先。ハイ松などの緑の割合が多く、それに花崗岩の白が映える、登っても美しい山だ。ここまでは空木岳往復日帰りの人、駒峰ヒュッテ泊りの人にかなり会った。
空木岳から南に向かうと、翌朝戻るまでは孤独の旅となり、赤梛岳を超え、南駒を目指す。時たま霧が晴れてそれらが見えるが、また直ぐ見えなくなる。摺鉢窪の下降点にザックをデポして南駒を往復、崩れやすいガレ場を下りて摺鉢窪カールの末端に避難小屋。着いてみたら僕一人、孤独の一夜を過ごすことになる。
2日目: 台風7号は茨城県沖から午前中に東北沖を北上すると言う。摺鉢窪の中はガスながら穏やかだったが、稜線に出ると西風が強い。行動できないほどではないが、帽子を飛ばされない注意は要る。昨日来た道を戻って赤梛岳、空木岳へ。ここまで霧と風の苦行だったが、空木山頂にいる間に陽が射し、霧も切れ切れになってきた。以後は風も弱まり、楽しい展望の山歩きとなった。
空木岳から山頂直下の鎖場をこなし、行く手下方に木曽殿越の山荘が見えてくる。え、あんなに下るの? 空木山頂からだと360mの落差、大きく下れば次は大きく登ることになる。東川岳、熊沢岳、桧尾岳と細かくアップダウンで、何か所か鎖場も交えてピークを越えて行く。桧尾岳からまた200m下り、後は概ね上り基調で濁沢大峰、島田娘、極楽平、いつしかまた霧に包まれた。
さてこの先に控えるは宝剣岳、いつ雨が降り出してもおかしくない空模様、それだけが気がかりだったがなんとか大丈夫。岩場はここ以外のアルプス一般道のものと同様、鎖、足場で整備されているが、南側からのルートは一旦下りがあったりして、地図で見る印象よりも長々と鎖場を楽しめる。祠を伴う山頂の岩にも攀じ登り、後は気を抜かずに宝剣山荘へと降りるだけだが、この北側の岩場はずっと短く高度感もない。
宝剣山荘からは緩い山道で中岳を越えて駒ケ岳頂上山荘のテント場で本日行動終了。テントを張ってからポツポツと雨が降り出し、夜の間中降ったり止んだり、時にはテント外壁に泥跳ねが出来てくる強さだった。
3日目: 朝に晴れていれば木曽駒山頂に上がってご来光という目論見だったが、5時の時点で未だ雨が降っている。のんびり構えて朝食を作っていたら、5時半過ぎて突然朝日が射した。そそくさと食べて外に出ると山頂方面は未だ霧の中。でもきっと晴れてくるだろうと登っていくと、頂上目前にしてさっと晴れ、宝剣も綺麗に見えた。頂上に着いて二つの神社を巡っている間にまたガスに巻かれ、しばらく待ったがもう晴れてこなかった。絶妙のタイミングだった。
雨が止み切れなければさっさとロープウェイで下りてしまおうかとも思ったが、初志貫徹で伊那前岳経由の下山路を行くことにした。テントを畳んで出発、中岳の巻き道を通り宝剣山荘へ、乗越浄土から千畳敷への分岐を過ぎて伊那前岳に向かうと、途端に人がいなくなる。この後林道に出るまでは登ってくる二人PTに一度会っただけだった。時にはガスるが、晴れれば右に千畳敷のカールや宝剣岳、左には木曽駒方面を望む展望の尾根道だ。こっちに来て良かった。
伊那前岳を過ぎて八合目からはどんどん下る道となり、樹林帯に入って展望はお仕舞い。相当急坂が続くと予想していたが実際そうでもなく、苦しまないで下り続けることが出来、五合目過ぎて清水平のオアシスで顔を洗って一休み。そこからものの20分で蛇腹沢登山口、最後の林道歩きで北御所登山口のバス停に到着、全行程を終えた。
結局ロープウェイは使わず、千畳敷のカールにも踏み込まず、空木岳山頂と木曽駒エリアの賑わい以外は静かな山旅で中央アルプスの主脈縦走を楽しむことができた。ただ二日目の工程、摺鉢窪から木曽駒テン場までは、GPSトラックデータで見る限り累積登り標高差は2000mを超え、感覚的にもそれに反しないタフなものだった。
Nishidenさん、こんにちは。
レコを拝見する限り、全体を通して非常に充実した山行であったことがひしひしと伝わってきます。
駒石にやっぱり登っちゃうところ、猿を撮っちゃうところなんてNishidenさんらしさ満点で笑っちゃいました。
ところで次のシーズン、空木を滑りませんか!?
(スキー場からの長いアプローチになりますが)
「充実した山行」と見てもらえたのが嬉しいですね。自分でもそう感じてますので。
未だお盆の期間中で、混むところはいやだなと思い、賑わう筈の木曽駒絡みながら静かそうなルートをつなぎ、上手く行きました。唯一木曽駒のテン場が混むのを心配してましたが、台風も近づいて敬遠されたか、ガラガラでしたから。
駒石にも、宝剣の頂上岩にも、攀じれる限りは上がらなきゃと、行ってきましたよ。猿には今年は本当によく出会います。
さて空木岳のBCスキーですか? ヤマレコのレコでは皆無ですね。ヤマケイオンラインに6月の記録がありましたが、登りほとんど夏道で、空木平のみの滑走、これ見る限り僕は「う〜ん」ですが。もっと雪が残る時期だと大地獄、小地獄の通過がいやらしそうですし。
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