トラブル続発;八ヶ岳(赤岳-横岳-硫黄岳)
- GPS
- 27:25
- 距離
- 21.7km
- 登り
- 1,671m
- 下り
- 1,696m
コースタイム
4/3;赤岳鉱泉6:15-6:35中山峠-6:45行者小屋-6:55阿弥陀岳北稜分岐-7:55稜線-8:30赤岳8:45-9:15地蔵の頭-10:10三又峰10:15-10:30横岳10:35-11:40硫黄岳12:10-12:20赤岩の頭-13:05赤岳鉱泉13:35-14:30美濃戸-15:00駐車場所-美濃戸口17:10-20:10自宅
*行動詳細は、感想に記載
天候 | 4/2;晴 4/3;曇後晴、朝の内無風後北西の風 |
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過去天気図(気象庁) | 2011年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・美濃戸口には有料駐車場有り(経営者の異なる2駐車場が隣接) |
コース状況/ 危険箇所等 |
・諏訪南ICから美濃戸口の間にはコンビニが無い。 ・横岳はトレースが判らなくなっているところが有った。 ・横岳では日影は凍って居る上、岩が出ている。 ・縦走中、雪質等色々な足場の条件を経験できる。 49年前前を振り返りながらの年寄りの感想は、”感想”欄で |
写真
感想
<山行の動機>
2月下旬の山行の為に、足慣らしとして2月にゆく予定だったが、本来の目的の山行にドクターストップが掛かったため延期していたら、様々な事があり、とうとう4月に入ってしまった。
しかし、折角計画したので、49年前の同時期(1962/3/3〜4)の単独縦走(硫黄岳→横岳→赤岳→阿弥陀岳→御小屋尾根→赤岳牧場)と比較してみたくなり、出かけてみた。
<行動記録、感想等>
4/2(土)
・16時頃までに赤岳鉱泉に着けば良いので、ゆっくりと自宅を出発。幸いガソリンも制限無く入れられたので、東北大震災以来初の補給を行って中央道へ。
・中央道からの八ヶ岳が綺麗で、明日も天気が良いことを祈る。
・美濃戸口で八ヶ岳山荘の責任者らしき人に、2W車での美濃戸までの走行可否の教えを請うた。車を見ながら「行けるだろう。行ってみてダメだったら戻ってくれば良い」との回答。
・専門家の回答を簡単に真に受けて、美濃戸への道を入って直ぐに結構傾斜のある斜面が有り、少し入ったら後戻りも出来ない。そのまま60〜70m柳川まで降りることになってしまった。どうせ降りたのだからと、試しにそのまま登って見たが、200m位行ったらスタックし、にっちもさっちも行かない。氷の上に融けた雪や、水があるのと、左右で雪(氷)の状況が異なり、一度スリップして止まったら坂道発進は不可能。
やむなくバックで柳川迄戻る。この状態では美濃戸口迄の坂も上れないので、このまま柳川のほとりに駐車することにする。(近くの沢にでも行くのか、既に4台の駐車有り)
・美濃戸への道は単調な道路歩き。残っている雪は腐っていて滑って歩きにくい。泥水で汚いが、所々車の轍の跡に土が出ている所は歩きやすいので選んで歩く。
・1962年の時には、振り返ると南アルプスが良く見えたのに、何も見えない。約50年の間に木も生長したのだ。
・美濃戸には沢山の車が入っていた。
・美濃戸からも道路歩きが続くが、一般車が通行できない事もあり、轍の部分にも雪が残っており、日向は雪が腐っているので歩きにくい。
・アイゼンを使った方が楽そうなので、13:50に着装する。自分では、結果的に良かったと思う。
・堰堤広場を過ぎて北沢に入ると、川の流れの周囲の雪が溶け早春の雰囲気の中、白樺の中を背に陽を浴びてのどか。心も和らいでピクニック気分になる。
・漸く、硫黄岳や横岳が見えてきたが、どうも1962年のイメージと違う。木がずいぶん多い?
・大体コースタイムで赤岳鉱泉着。なかなか立派で大きい小屋に驚く。
大広間もベットが一杯で一カ所しか開いていないという。
・部屋は既に10人以上到着しており、2グループになり、色々話をしているが、皆さん山ドップリで経験も多く、詳しそうな話ばかり。こちらは黙って拝聴して居るのみ。
夕方には”スイス生まれの埼玉育ち”、みたいなことを言う外人2人や、日本の女性同伴のフランスのガイド等も入ってきて、国際色豊か。
・夕食後\100払って明日のお湯をテルモスに買う。翌日縦走から戻って判ったが、水は入口で無料だった。もったいなかった。
・消灯は21:00で、ベットの両側共に偶々開いているのでゆっくり身体を伸ばせるし、この夜の同室者は鼾もなく、今迄山小屋で経験した事が無い程の静かな夜だったのだが、いつもの山小屋のようにいつまで経っても眠れない。結局朝まで殆ど眠れなかった。
<4/3(日)>
・設定が悪かったのか、腕時計の目覚ましが鳴らない。まだまだと思っていたが、時計を見ると5:30、慌てて朝食を食べながら、準備を始める。
・荷物を預けられると言うので、風雪対策品やツェルト等不要品をデポする。
・朝の内は無風で、寒さも厳しくないので、オーバーズボン、手袋は使用しないで出発する。
・中山峠へは幅50cm程のトレースの立派な道になっており、アイゼンが適度に効いて歩きやすい。峠手前はジグザグのけっこう急な登りがあり、疲れる。
・中山見晴台の表示があるが、曇天でもあり先も急ぐので、覗かずに通過。
・中山峠からの下りは、あっという間に行者小屋。ここも赤岳鉱泉と同じ経営者だけあって大きな小屋である。
・文三郎尾根の表示が無いが、小屋から150mくらい登った所で、阿弥陀岳北稜との分岐があった。
・分岐を過ぎて、文三郎尾根に入ると、直ぐに登りになり、ひたすら直登。傾斜も結構急で、下りはグリセード向き?
・ゆっくりだが、休まないで歩くと少しづつ先行者を追い越す。
・稜線へのトラバースの辺りで、手が冷たくなってきたのでインナー手袋着用。又ストックをしまってピッケル使用。
・稜線に出たら、風が少し出て来たので、野球帽から目出帽に代える。その時に眼鏡の右が落ちたのか、その後で左玉を拭いているときか、右玉が無くなっている。眼鏡無しではここから引き返すしか無いと、必死で玉を探すが、雪の上では見つかりようがない。目をこらせば何とか見えるので、眼鏡無しで出発。
・赤岳直下の岩場の間の登りは、更に傾斜がきつく下りの登山者はへっぴり腰の人もいる。
・頂上には残念ながら誰も居らず。D300Sは今回初使用の保温カバーでセルフターマーが設定出来ないので、仕方なく予備カメラのμを使うが上手く行かない。もたもたしている所へフランスのガイドと女性がアンザイレンして着いたので、記録写真を撮ってもらう。
・頂上小屋は未だ雪の下。つい先日まで営業していた天望荘を通過。風力発電機が一台だけ回っていた。
・地蔵尾根の下りは結構きつそう。ここを下るなら横岳に行ったほうが楽なような気さえする。
・地蔵の頭から先は、極端にトレースが少なくなる。今日も先に一人行っているか、それとも初めてか?と言う感じ。
・年寄りの冷や水と言われないように、2倍くらい時間をかける位のつもりで、慎重にゆっくりと行く。
・日の岳から鉾岳への佐久側のトラバースは、急な雪面が下まで続くので、高度感もありピッケルで滑落対策をしながらゆっくりと行く。
・鉾岳の西側を巻く所は、岩と氷がミックスした場所で、アイゼンの効きを確かめながら行く。
・石尊仏迄来れば三又峰迄は危険箇所はない。
・硫黄岳側から、鉾岳に直登したようなトレースが有ったが、そのまま反対側には降りられないので注意が必要であろう。
・三又峰に二人の登山者が居り、横岳頂上と勘違いし、寄り道してポーズを取った上で写真を撮って貰う。親子?の様なお二人は、杣添尾根のピストンとのことで、年配の方はこの辺に詳しそうであった
・若い方の登山者が、空荷で横岳まで行くという。広い尾根を1,2分遅れで横岳頂上に到着。改めて記念写真を撮って貰う。49年前はこの辺りに小さな小屋が有ったはずだが、今は代わりに横岳の表示は立っているだけ。
・横岳の下りも西側のトラバースがあり、一寸緊張する。一カ所だけ佐久側の下りの最後2m位が傾斜がきつく、前や横向きではスリップの危険があり、後ろ向きに前爪を効かせて下った。
・横岳から硫黄岳への大ダルミ迄は、思っていた以上に下る。途中硫黄岳山荘が雪に埋まっていた。全然記憶がないが、ここら辺りに硫黄岳石室が有ったはずである。
・風も段々強くなってきて、寒くなってきて、目が滲みるように痛く、涙が出るのは益々酷くなる。何とかゴーグルを出さないで我慢する。
・鞍部のケルンの脇で風を少し避けながら、今日初めての水を飲み、氷砂糖を食べる。
・頂上までは雪が大部少なくなっている様子なので、アイゼンを外す。
・硫黄岳へは緩い登りだが、赤岳側から見ていた時に、幾らも無いと思っていたよりは登りがあり、疲れと風もあるので思いのほか時間が掛った。
・硫黄岳頂上で軽い食事をし、300mmを出してパノラマ撮影。残念ながら雲とヘイズが多く、鮮明な写真は撮れなかった。
・再度アイゼン着装して下山開始。
・赤岩の頭迄は、眺望も素晴らしく、気持ちの良い下りで写真を撮りまくる。
・赤岩の頭からは結構な急斜面が続く。シラビソ林の中で展望も殆ど無いので淡々と下るしかないが、ジグザグ部分で、下りの人がショートカットしているヶ所が多く、気分転換で時々は自分も利用する。
・赤岳鉱泉で、デポした荷物を詰め込み、出発準備する。車をどうしようかと気にしながら準備していたら、300mmズームを氷った床の上に落としてしまった。(帰って確認したらフィルターが割れていた。どうやらレンズは大丈夫そう)
・堰堤広場迄は、陽を浴びながらゆったりとした下りで、他の登山者に道を譲り、のんびりと歩く。
・だんだんのんびりにも飽き、いつもの事だが、こんなに登ったかなと思う程下りが続く。
・コガラらしい鳥があちこちに居るが、車のことが気に掛かり、レンズを交換して待つ気になれない。
・装備を仕舞って、登れるかトライしてみるが最初の坂の頂部近くでスタックしてしまう。左右で雪質が全然違う為。坂道発進できないので、バックで100m近く戻るも、道路に敷いた丸太の影響もあり、バックもスタック。何とか駐車場所まで戻る。諦めてJAFに依頼する為に美濃戸口迄登り、通ずるようになった携帯で、JAF呼ぶ。
・JAFから借りたスノーソックで、ゆっくりと自力で登る。2段目の急坂の最後1m弱に段差がありスタックしてしまったので、牽引してもらいこの段差を越す。最後の坂はスノーソックで登りきれた。
・JAFの話では、毎年ここでスタック救援要請があるという。(ノーマルタイヤで進入したつわものも居るとのこと)。地元の人は自分の経験だけで言うので、気をつけるようにとのアドバイスが有った。
・中央道は、談合坂SA-小仏トンネル付近で17km渋滞。眼鏡が無いため車間距離が掴めず、疲れた。
走行距離;350km(往復)
写真(特に山頂での証拠写真)も沢山撮れて、49年前と逆ルートだったが、昔の写真が何処で写したのかも判別出来た。厳しい風も覚悟していたが、幸いまあまあの天候であり、色々なトラブルも有ったものの、昔を懐かしむ楽しい山行であった。
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