初雪山 -境川からの北尾根ルートのコラボ山行-
- GPS
- 11:55
- 距離
- 19.0km
- 登り
- 1,677m
- 下り
- 1,667m
コースタイム
- 山行
- 9:47
- 休憩
- 2:08
- 合計
- 11:55
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
装備
個人装備 |
BCスキー一式
クトー
アイゼン
ピックストックを含む。<br />又は雪山登山装備一式
スノーシュー(わかん)
ピッケルを含む。<br />所有者はビーコン
スコップ
プローブ
|
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感想
富山県と新潟県の県境に境川という二級河川があるが、かつて渓流釣りでよく入山していた。釣りの合間に見上げた白鳥山や初雪山が白銀に輝いていてとても素晴らしく、いつか登りたいと思っていた。今回、この境川からのアプローチで初雪山に登る好機をニシデンさんが与えてくれた。このルートは『山スキールートガイド99(酒井正裕)』でも絶賛されており、北陸周辺の中級山岳BCで、最高ランクが与えられている。ちなみに体力レベルも最高ランクだったので、多少の不安を覚えながらの参加となった。
はたして、林道からの取り付き(寝入谷出合)は、いきなりヤブコギのシートラとなった。重いわ、木枝にスキー板がひっかかるわ、の状態で標高差200mほどを担ぎ上げると、雪が繋がり始めた。その後、シール登高に切り替えて順調に登高する。カズミさんははるか前をスノーシューで登り、ニシデンさん、チカさんのシール登高もいいペースだ。ボクもすこし遅れ気味だったが、その後4時間、標高差にして1000mほどをマイペースでシール登高していたら、1430mあたりでウインドパックされた急斜面のトラバースとなった。
ニシデンさんやチカさんがBDウィペットで確保しながら巧みにトラバースしていくのを見ながら、きわどい斜面でシールが滑ったりエッジが空振りしないように祈った。もしここでシールが滑って、かつ初動の滑落停止に失敗したら、もう数百メーターの滑落は止められず、最低でも大ケガは免れないし、へたすると死んでしまう。ボクのクトーやシール登高技術では危険度MAX状態だった。これまでの雪山登山の経験からは、このような危険度ではロープでの確保があったが今はない。そこで慎重にバックしてウインドパックされた斜面を避け、反対側にある少しデブった斜面をシール登行したあと、心が折れてニシデンさんに一旦、敗退宣言した。
チカさんから、もう頂上近いのでアイゼンに換装して登ろうよ!という提案があり、のろのろと了解した。近くの木にセルフビレイをとって、アイゼンに換装してスキー板をシートラし、BDウィペットを最短(カーボンウィペットは68僂砲覆襦砲砲靴謄瀬屮襯▲奪ス状態で直登した。スキー板では硬かった斜面もアイゼンでのキックステップでは良く効き、直登でもほとんど危険度のない登りとなったが、すでに脚が逝ってしまっていたので、この直登はつらかった。しかし、チカさんのフォローはとてもありがたかった。その後、またシール登高に戻して初雪山ピーク1615mを踏むことができた。山頂では1時間以上待たせてしまったカズミさんが、キムチ鍋を作ってくれた。温かさが身に染みた。
なお、下りのスキー滑降は上記のスキーガイドブックどうり最高の斜面だった点、および、いまの季節の登行ルートが、寝入谷出合よりも1本東側の尾根のほうが良い点に関して、ボクからは説明を割愛します。
クマ
初雪山。栂海新道の白鳥山や犬が岳からよく望め、その名に恥じない綺麗な山容、しかしいつ何処からでも麓から遠い山。北陸で山に登り、山を知ると自然と憧れになる山なのだ。クマさんからは初雪山なら遠征して来ると言われ、チカウさんとも行きたい山の話題で出てくる山で、今回計画する運びとなった。無雪期は南の越道峠からの登山路が開かれたが、積雪期は西から大地山を経るものと、北尾根から。最近は西からの記録の割合が多いが、スキーで楽しいのはこちらだろうと北を選んだ。心配は境川の林道の状況と、取り付き標高が低いので残雪少なく藪になることだ。3月12日にmakkuronekoさんがこのルートで登っていて、林道は大丈夫の様だ。下部の残雪は3週間で減ってるとは思うが。所要時間はmakkuronekoさんのはあまり参考にならない。
林道歩きはデブリ越があるにはあったが、殆ど問題なかった。滝渕の発電所からしばらくで寝入谷の橋を渡り、取り付こうとする尾根にテープを見つけた。切り込み隊長チカウさんが木の根、木の枝を伝って攀じ登っていく。予想の内だが予想の上限位の辛い藪だ。こういう時には長いスキーが短く畳めたらどんなに良いかと思う。あそこまで行けばきっと楽になる、いや未だだった、を繰り返し、やっとスキーを履いても良さそうな所に出た。ここまで林道から標高差180m、1時間10分ほどの格闘だった。
漸くシールで歩き出し、硬い雪に間もなくクトーを付けて進む。次第に尾根は幅広く、気持ちの良い樹林歩きになって行く。934mの標高点では正面に堂々と初雪山山頂の姿が現れて一気にテンションが上がる。遠くから見ていた印象よりも、稜線に雪庇を纏った、近くからの眺めは鮮烈だった。
しかし今日はカズミさんの強いこと。雪はほとんど沈まないのでスノーシューに比べたスキーのメリットがない。重量分がデメリットであり、スキーでは斜登行でもスノーシューが直登できる斜面ではその差がさらに大きい。でもそれ以上にカズミさんは軽快に登り、遥か先に行ってしまった。
標高1400mから、初雪山山頂部の肩に上がるところ、ここがスキーヤーにとって最大の難所だった。カズミさんはピッケルを出したものの難なく超えて行ったそうだが、軽く表面が氷結した急斜面。クトーは刺さるが斜登行をかなり鈍角にしないと刺さったまま滑って後退していく。クトーだけに頼るとそこが崩れれば滑落だ。蹴りこめばエッジは立つので、絶対落ちないぞとの気合で僕は切り抜けた。後続はシートラのツボ足アイゼンに切り替えた。これはラッセルで大変だったとは思うが安全策には違いない。
1480mから上は安心な状態になり、右手には初雪山-大地山間の長い稜線に行違う人が見える。登り詰めるとそこは1595mの三角点ピーク、この先はほぼ平坦になって300m先にアンテナのある山頂、何人かの人の中にカズミさんもいる筈だ。
さていよいよ山頂へ、歩き出すと間もなく、カズミさんがやって来た。僕を認めて迎えに来てくれたのかと思ったら、しびれを切らしてもう下りようとしてた様だ。後2人もいずれ来ると、山頂まで戻ってもらい、待つことにした。一旦ガスがかかったがまた晴れ、朝日岳方面の眺めが素晴らしい。
もうやっちゃおうか、とカズミさんと缶飲料を開けて乾杯、カズミさんがキムチ鍋を仕立て終わったところで4人集結となり、ランチタイム、記念撮影大会と楽しんだ。居合わせた人に、「ヤマレコのNishidenさんですか、kazumiさんですか」と聞かれる一幕もあった。
この北斜面の滑降は本当に素晴らしい。1595mでシールを剥いで滑り出したが、直下の斜面はシュカブラと右手の雪庇に注意しながら凌ぎ、登りの難所は左に逸れたら深雪快適斜面だった。その下1141mまでの広々とした斜面は、滑って止まっては振り返り、う〜んマンダム、の世界だった。さすがにここではスキーが速く、所々でスノーシューのカズミさんを待つが、切らした息が落ち着くころには追い付かれて遅滞を感じなかった。ツリーランに入っていくがこれも快適快走が続き、912mを過ぎて下っていくとさすがに雪が重くはなって来た。
標高700mで僕らの登路より右、東の方に逸れ、上で会った二人組のカンジキのトレースを辿る。彼らは僕らより後に出発し、僕らが藪と格闘している間に隣の尾根から先行していたのだ。標高500m辺りで植林と思われる杉林に入り、横滑り多用ながらも標高400mの雪切れまでスキーで下りることが出来た。残り標高差100mほどがシートラの藪道下りとなったが、朝の登りより格段に楽して林道に下り立った。
幾つかの苦労に報いる以上に素晴らしい山とスキーだったので、また是非登りたいと思う。この次は取り付きももっと楽にできるだろうし。
そのロマンチックな名前、気品溢れる山容からヤマやの端くれとしてずっと憧れていたが、なかなかチャレンジする機会がなかった初雪山。今回クマさんとNishidenさんの計画があがったので(しかも境川コース)、早速同行させてもらった。
個人的な事情で約1ヶ月半ぶりの山行であるので、実は体力に不安を感じていた。旧知のIMPメンバーなのでそこは勘弁してもらうことにして、代わりに藪漕ぎ隊長をしようと取り付きからシートラして乗り上げた。藪をかき分け、時には枝に顔を直撃され、モンキークライムをこなし、なんとか少し広いところに出た。雪もつながり、ここからシールハイク。緩い斜面の疎林を稜線をたどり気持ち良く登った。
途中でクトーを装着し、暑いので汗をかきかき進むが、kazumiさんは予想通りガンガン先行し、男性陣は後塵を拝することになった。山頂手前の氷結した部分はウイペットを使い慎重に進み、なんとかクリア。その後は山頂まで100m程度、絶景を堪能しながら登った。
山頂が目視できるところまで来たら、kazumiさんが手を振って激励してくれた。女神様が待っていてくれるので百人力だ。最後はクマさんと二人並んで山頂ゴールした。なんと山頂ではサプライズ、女神様がキムチ鍋を作って待っていてくれた。疲れた身体にこれがまた美味しくて、2杯ぺろっと食べさせて頂いた。ごちそうさまでした(kazumiさん、寒い中1時間半待たせてしまい、本当に申し訳ありませんでした)。
帰りの山頂直下の神経を使う斜面はNishidenさんの絶妙なルート選びで、スキー滑走で危ない場所はなかった。そこからは最高のスキー滑走。特に標高1400からの大斜面は歓声をあげながらシュプールを刻んだ。まさに山スキー向けの山である。その後も疎林の中をつぼ足のkazumiさんと前後しながら、ツリーランをエンジョイ。途中の標高800くらいから東の尾根(先行のかんじきペアに聞いたルート)を下り、登りで使った藪漕ぎを避けることができた。
本日のコース、長い林道歩きや藪漕ぎ、氷結斜面もあったが、そこは多少辛いことがないと喜びも少ないのだろう。快適なスキー滑走と女神様の美味しい鍋がすべての疲れを癒やしてくれた。最高の復活山行となった。同行の皆さん、どうもありがとうございました。
《反省点》
標高900くらいの緩斜面で、クトーがあまり効かない状態だったので、クライミングサポートを下げようと悪い態勢から無理をした。逆ハの字に足が開き、腕力で支える状態になってしまった。面倒くさくて、おしりを谷側におろしてスキーを谷側に向けようとしたら、そのまま滑ってしまい、結果的に7〜8m滑落した。怪我がなくてよかったが、同行のみんなに心配をかけてしまった。大反省。なめて、安易なことをしないように今後注意が必要だ。
初雪山はずっと憧れていて、でも行く機会に恵まれなくて。
今回はIMPでの山行とあって心強いし、楽しみでもありました♪
BCの男性陣に交じって、ひとりスノーシューでのハイク。
迷惑かけないようと心配でしたが、なんとかついて行くことができてヨカッタ(*^^*)
登り始めの籔はスキー隊にとっては地獄でしたよね。
いつも思う、ワタシには山スキーは無理だと・・・
そんな根性ないもん ! ! だから、いつもホントに尊敬します。
籔を抜けてからは急登が続きましたが、登りは強いよスノーシュー。
自分のペースで淡々と登らせていただきました。
振り向いたら、3人が見えなくなってましたが、山頂で待ってたらいいか
と安易な気持ちでひたすら山頂目指して、一足お先に登頂。
絶景にしばらく写真撮ったりして楽しんでいましたが・・・
待てど暮らせど、3人が来る気配もなく、不安に・・・
なにかあったんだろうか?お腹空いてたはずなのに、食欲もどこやら
下山しよう ! ! と下り始めてすぐにデジカメないことに気づく
あちゃーー ! ! また登り返し山頂へ、無事にカメラ発見
で、また下ったらすぐにニシデンさんの姿 ! !あぁー、ヨカッター
クマさんとチカさんも近くまで来てるからと山頂で待つことに
ワタシは3度目の登頂(笑)
疲れ切ってるであろう二人にお鍋を作って待ちます
あ・・・でも急にお腹空いて、ニシデンさんと先に食べてたのは内緒(笑)
下りはサクサクと行きたいところでしたが嫌らしい下りもあり、スノーシューでは
ムリと判断。アイゼンに付け替えました。持って行っててヨカッタ ! !
急登続きで下りは尻セード祭りだなぁ〜と楽しみにしてたのに・・・
雪が緩んで重くなってて、お尻では滑って行かなかったぁ( ;∀;)
優しいスキー隊が所々でワタシを待ってくれてて涙出ました、ホントです
長時間の山行でしたが、終わってみれば楽しい思い出に♪
写真見返して余韻に浸っています。
下山後にクマさんとガッチリ握手(*^-^*)
みなさん、ホントにお疲れさまでした。
コメント
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皆さん、お疲れ様でした。きつい登高だったようですが楽しまれて何よりです。
ここんところちょっとお疲れモードだったのでこの魅力的な山行には参加しませんでしたが、やっぱり初雪山は行ってみたいので今月中には何とかtryしてみたいものです。藪漕ぎと山頂直下のアイスバーンは気になるところですが。
あ”〜キムチ鍋がないのが一番残念だ。
最後の花はキクザキイチゲ(菊咲一華)ではないでしょうか?
レッズさん、もし今度このルートから登るなら、僕たちが最後に下りて来た尾根の直ぐ西の沢状のところ、ここはまだ雪で埋まってました。ここから412m標高点辺りの緩いところに上がるのが良いかと思います。この取り付き方は「山スキールート99」でも遅い時期のものとして示唆されています。但し同書で適期は4月中旬までとなっていますよ。
レッズさん、牡蠣美味しかったでしょう?
初雪山はソロではおススメしません
どなたかと行ってくださいね
今度ご一緒するときがあれば牡蠣持ってきてください
牡蠣キムチ鍋作ります
みなさんお疲れ様でした。
金山岩も十石山も登頂の瞬間にガスってましたが原因はNishidenさんだったんですね(笑)
初雪山、若干賞味期限切れだったようですが、来年は厳冬期に是非行ってみたいです。
さんちゃん、まいど。
そう言えば、前日の金剛堂山も、ニシデンさんがガスを連れてきてホワイトアウトですよ(笑)・・・たまりませぶん!
クマ
Sanchan♪
まさかのNishidenさんガス男疑惑?
そうだったのかーーーー
おかしいと思ったのよね
Nishidenさんが来たら、急にガスが来たの
ワタシが追い払ったので(笑)クマさんとチカさんが来る頃には晴れてました
クマさん♪
>たまりませぶん!
ちょいちょいオヤジギャグ(さぶいギャグ?)入れてきますよね
キライじゃないですよワタシ(笑)
チカさんと行った去年の白木峰、今年の大滝山、大門山、皆良い天気でしたよ。さんちゃんとは良いときも悪いときも色々あったじゃないですか。クマさんとは去年の焼岳、今年の猫岳、前日の金剛堂山、みんなガスに巻かれているなぁ。ガスの相性があるのかな。今回はチカさんとクマさんとも一緒になったからあの程度で済んだと。
ところで、動画アップしたので見てください。
おっと、
ニシデンさんがレコをモーチミーディア化!
(ネーティブ発音によるmultimedia)
すばらしいです。
でも、2本目が非公開となって見れないよ〜
ボクも遅れないようにしないとね!
クマ
なぜか片方だけ非公開になっていたのを直しました。
自分のをアクセスすると非公開でも見れちゃうのでわからないんですね。
レンズに雪が付いたか少しボケてますが、スキーの楽しさは伝わるかなと。
レッズさん、サンちゃん、souさん、コメありがとうございました。初雪想像以上に良かったです。
ニシデンさん、ビデオ楽しかったです。何回も見ましたよ。どうもです。
約12時間行動とはかなりハードだったんですね。
取り付きから藪で苦労してる所とかスノーシューのかずみさんが先行される所とか白鳥山のことを思い出します(笑
稜線に出てからは景色も雄大だしすごく楽しそうですね
機会があれば行ってみます!
お疲れさまでしたっ
ちなみに山頂でmi-bou(山中山岳会の方)さん達と会われてますね。
souさん♪
souさんならサクサクと行けそう
ワタシは大地山からの稜線もそそそられたので次回はあちら側から
登りたいなぁ〜と思いました
今回ビックリしたのは、登られてた方のほとんどがヤマレコユーザーだったんですねぇ
すごいわぁーーー
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