御嶽山(頂上周遊)
- GPS
- 31:50
- 距離
- 14.6km
- 登り
- 1,540m
- 下り
- 1,536m
コースタイム
6:10田の原〜9:50王滝頂上10:00〜10:50剣ケ峰11:30〜12:05二ノ池本館〜12:40三ノ池乗越12:55〜13:15摩利支天乗越13:20〜13:50摩利支天山14:10〜14:35摩利支天乗越〜15:05五の池小屋
●7月25日(日)
5:50五の池小屋〜6:20継子岳6:35〜7:15四ノ池〜8:00三ノ池避難小屋〜8:45三ノ池乗越9:00〜9:35二ノ池分岐〜地獄谷上部〜11:05剣ケ峰11:45〜14:00田の原
天候 | 7月24日 晴れ 7月25日 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2010年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
トイレあり。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・温泉 「おんたけ高原温泉 こもれびの湯」 日帰り入浴:大人500円。 おんたけ休暇村内。田の原への林道途中、案内板、のぼりあり。 http://ontake-kyukamura.net/spring/index.php |
写真
感想
(文・1986marilyn)
木曽の御嶽山。
信仰登山の対象の山である印象が強くて今までなんとなく登ろうという気が起らなかったのだが、名古屋に転勤になってアプローチが短くなったこと、ふと手にしたガイドブックから信仰登山者ではなく、一般の登山者を対象としたアルペンスタイルの山小屋があることを知ったこと、同様に案外高山植物が多く、コマクサが見られることを知ったことなどから、俄然登ろうという気持ちが高まっていました。
そんな折り、ご近所?さんのmyceさんとの山行計画の話の中で御嶽山に登ろうということになったわけです。
御嶽山は幾つもの火口が集まってできていて、山頂部はとても広大です。
健脚の人なら山頂部をすべて歩いてもなんとか日帰りが可能ですが、僕は足が遅いこともあり、天候のいい日を確実に狙って山頂部の山小屋に1泊して、山頂部を嘗めまわすようにじっくり楽しむことにしました。
●7月24日(土)[田の原〜剣ケ峰〜三ノ池乗越〜摩利支天山〜五の池小屋(泊)]
今日は剣ケ峰と麻利支天山に登り、五の池山荘までの行程だ。
2時にmyceさんとお宿マリリンを出発、名古屋ICから高速にのり、小牧JCから中央道を東へ向かう。
中津川ICで下りて木曽川沿いのR19を上流へ。木曽福島の手前で木曽川を離れて県道を走って登山口となる田の原に向かう。
途中、御嶽山の全容が見えるところがあり、いやがうえにも気分が盛り上がる。
6時前に田の原の駐車場に着く。
御嶽山の巨体がこちらに覆いかぶさるように鎮座している。
6時10分に出発、広い砂利道をゆく。
しばらくすると針葉樹主体の森の中の山道に変わり、傾斜が増してゆく。
広葉樹主体の森になり、明るくなると、右手の沢が荒れて赤くなっているところに出る。
「あかっぱげ」と呼ばれるところだ。
さらに登ると森林限界となり、下草?がササからハイマツへと変わる。
御嶽山は見上げると首が痛くなるほどに聳えている。
八合目で休んでから登り出すが、ここらあたりから不調に陥り、ペースがあがらない。
またまた10〜15分歩いて5〜10分休むというパターンにはまっていった。
登山者の数がだんだん増えてくる中、富士見石、9合目と緑の斜面に延びる登山道をゆっくりと登っていく。
9時55分に王滝頂上に着いた。
剣ケ峰まではもうひと息だ。
景色はここで一変し、緑が無くなり、見えるものすべてが砂礫と岩塊だけになる。
10分ほど休憩してから砂礫の道をのろのろと登ってゆく。
10時50分、山頂直下の小屋の間を縫って最後の石段を登りつめると御嶽神社奥社、その反対側に御嶽山山頂標識と三角点があった。
山頂からは広大な山頂部とその向こうに乗鞍岳が雲の間から見えていた。
三角点のある山頂部はとても狭いのでゆっくりできない。
行動食で腹こしらえをしてから、11時30分過ぎに二ノ池に向かって下り始める。
近付くにつれて東側から見る二ノ池が実に美しい。
浅い二ノ池のほとりから二ノ池本館の脇を抜けて、サイノ河原へと北にゆるやかに下ってゆく。
荒々しい火山の山とは思えない、広々とした地形だ。
サイノ河原から緩く登り返すとサイノ河原避難小屋だ(12時40分)。
左手には麻利支天乗越から麻利支天山への稜線が、正面には崖下に大きな三ノ池が青々とした水を湛えている。
13時、麻利支山を目指して出発する。
途中、登山道から離れたところにコマクサを見つけたのでさっそく写真を採る。
いったい何十年振りのコマクサとの対面だろう。
山をはじめて間もない27年前に燕岳に登ったことがあり、その時に目にしているはずなのだがまったく記憶にない。
15分ほどで麻利支天乗越に着く。荷物はここに置いて空荷で麻利支天山に向かう。
アップダウンの少ない岩稜の左(南)下にトラバスルートが続く。
13時50分に細長い麻利支天山のピークに着く。
麓へなだらかに滑り落ちてゆく緑の斜面が美しい。
剣ケ峰の方はガスが去来して残念ながら展望は得られなかった。ピーク自体もガスに覆われ始めて何も見えなくなってきたので引き返すことにした。
麻利支天乗越に戻り、荷物を背負い直して今夜の宿である五の池山荘に向かって下り始める。
継子岳、五の池、四の池、三の池などの山頂部の景観、そして継子岳から北西になだらかな傾斜を見せる緑の山腹が実に素晴らしい。
15時過ぎに五の池山荘に着いた。
さっそく荷物を下ろし、小屋の前のベンチを陣取る。
1日の山行のあと、ゆったりとした気分で周囲の景観を楽しみながら飲む缶ビールはこたえられない。
しかし風が出てきて寒くなってきたので早々に小屋に入った。
小屋の夕食はやや質・量ともに十分ではなかったが贅沢はいういまい。
疲れもあって早々に眠りについた。
●7月25日(日)[五の池小屋〜継子岳〜三ノ池避難小屋〜三ノ池乗越〜二ノ池北分岐〜地獄谷上部〜剣ケ峰〜田の原]
入山前の予報では天気は下り坂だったがなんとか天気は持ちそうだ。
今日は継子岳を廻ってから池めぐりをしながら剣ケ峰まで登り返してから下山する予定だ。
5時50分に小屋を出発し、継子岳に向かう。
風が少し強い。はるか西には先週歩いた白山が島のように浮かんでいる。
すぐに登山道の左下の砂礫の斜面にコマクサの大群落が現れる。
こんなにたくさんのコマクサを目にするのは初めてだ。
なだらかな稜線を進むと継子岳の山頂らしくない山頂についた(6時20分)。
南には御嶽山の広大な山頂部が、北には御嶽山の北面に広がる高原、その向こうには乗鞍岳、さらにその奥には北アルプス南部の諸峰が素晴らしい景観を見せてくれていた。
6時30分に山頂を後にする。
少し下ると高天ケ原と呼ばれる平坦地になり、登山道の両側にコマクサの大群落が広がる。
つづく継子二峰と呼ばれるピークから急な岩場を下ってゆくと四ノ池に出た。
水を湛えた池はないが、火口壁に囲まれた火口の底にお花畑と湿地が広がり、その中を小川が流れる山上の別天地だ。
しばしこの素晴らしい景観に見とれたあと、三ノ池に向かう。
短い急坂を登りきると足元に青々とした水を湛えた三ノ池が広がる。
西側と南側を高い山稜に囲まれたなんだか日本離れしたような素晴らしい景観だ。
三ノ池の東側を廻って三ノ池避難小屋につく。
途中、コマクサが少し咲いていた。
ここから三ノ池の西側の山稜の中腹をトラバースするルートに向けて直登する。
20分ほどの登りでトラバースルートに合流すると左(南)にルートを採る。ガレ場を抜けて短い急坂を登りきるとサイノ河原避難小屋はすぐそこだった。
ひと休みしてからサイノ河原に下り、二ノ池新館に向けてだらだらとまた登り返す。
二ノ池の西の端を通って、一ノ池の北側の火口壁に向けて急坂を登る。
砂礫の登山道はとても滑りやすく、下りだとかなり難儀するだろう。
火口壁に登りつくと岩稜を時計と反対廻りに進んでゆく。
西側にはなだらかに麓に向けて下っていく美しい斜面の先に継母岳のピークが聳え立つ。
南西には王滝川の大きな谷を隔てて小秀山も見える。
火口壁を南側まで進むと壮絶な地獄谷の眺めが飛び込んでくる。
これだけ壮絶な谷はちょっと他にはないのではないだろうか。
いったん鞍部まで下り、剣ケ峰への最後の急坂を登りきると御嶽山神社奥社の裏側に飛び出した(11時過ぎ)。
もう一度三角点を踏んでから御嶽剣ケ峰山荘まで下りて、山荘前の休憩スペースでお湯を沸かしてラーメンで昼食を採った。
11時45分に下山を開始する。
あまりに長く感じられる下りに何度も腰を下ろして休みを取った。
振り返ると山頂付近は時折深いガスに包まれるもののまた山頂が顔を出したりしていた。
14時、ようやく登山口である田の原に着いた。
駐車場のアスファルトにへたりこんで休んでいると大きな遠雷が聞こえてきた。
おそらく真っ黒な雲に覆われていた中央アルプスからだろう。
こうして御嶽山の山中1泊2日の山旅は終わりました。
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おまけ。
田の原から県道を車で麓へ下っていく途中で「こもれびの湯」という看板が目にとまった。
行ってみると御嶽山の静かな森の中にぽつんとこの一軒だけがあった。
洗い場が3つしかない小さな温泉だが湯船のお湯の色は茶色であった。
軒下に檜で出来ている丸い桶の湯船が二つあり、すぐ脇を流れる小川のせせらぎを聞きながら、ほんとうの木漏れ陽の下で温泉につかることができて気分は最高だった。
木曽川沿いのR19に出たあと、myceさんの希望で寝覚の床に寄ってみた。
僕は2度目なので河原まで下りて、メインの岩の上まで案内した。
あいにくの雨で水は茶色に濁っていたがなかなかの景観に変わりはない。
駐車場に戻ってみると雨も止んだようなのか見上げるような高さに稜線が見える。
よく見ると針峰のようなものも見える。
それが中央アルプスの宝剣岳だと気がつくのにそんなに時間はかからなかった。
どうやら宝剣岳に突きあげる大きな谷は滑川、宝剣岳の左のピークは木曽駒ケ岳かその手前のピーク、宝剣岳の右のピークは三ノ沢岳であろうと思われる。
よく見ると虹までかかっているではないか。
R19を走っていて中央アルプスの稜線が見える=気づくことなんてそうあるものではない。
なんという幸運であろうか。
myceさんの次なる目標はこれで決まった?
最後の締めはやはり蕎麦。
信州に出かけたからには蕎麦を食わなければ帰ることができない。
蕎麦屋の看板を見つけたらとにかく飛び込むということでR19を走っていると目に入ってきたのが「玄」というお店。
お値段もそこそこするがお味もそれなりに美味しいものでした。
おしまい。
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