あこがれの、西穂ー奥穂を縦走(さらにキレット越え)


- GPS
- 104:00
- 距離
- 28.9km
- 登り
- 1,960m
- 下り
- 2,597m
コースタイム
- 山行
- 1:10
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 1:10
- 山行
- 8:40
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 9:50
- 山行
- 5:40
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 6:10
- 山行
- 7:10
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 8:30
- 山行
- 0:50
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:50
天候 | 8/12;PMは霧。 8/13;AMは晴れ、PMは霧。 8/14;AMは曇り時々晴れ、PMは霧。 8/15;AMは霧、曇り、PMは雨。 8/16;前日夜から朝方まで雨、のち曇り。 |
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過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
帰り;上高地ー>(バス、電車)−松本ー(JR)−>四国 |
コース状況/ 危険箇所等 |
1)西穂ー>奥穂;「自分的難易度」は、★★★★☆。鎖は多数設置されている。またペンキマークも多数あり。対向者も多いので、すれ違い時が要注意。浮石が多いので落石も要注意。長時間コースなので、体力も必要。 2)大キレット;「自分的難易度」は、★★★☆☆。鎖多数あり。浮石による落石に要注意。1)よりさらに対向者が多いので、すれ違いにも要注意。 3)穂高岳小屋ー>北穂;「自分的難易度」は、★★★☆☆。涸沢岳からの下り、鎖場、ハシゴが多い急下降部分が要注意。3回目ということもあり、1)、2)よりはやや楽だった。 ※詳細は、「感想」、「写真」の項をご覧ください。「自分的難易度」とは、あくまで私の個人的な判断です。各自の岩稜歩きの実力にて、難易度はかなり左右されます。(ちなみに、独標ー西穂の「自分的難易度」は、★★☆☆☆) |
写真
装備
個人装備 |
ヘルメット
手袋(軍手)×3双
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感想
【山行No 613】
* 山登りを始めた、まだ20台のころ、山仲間より「奥穂から西穂のルートは、学生時代に行ったが、なかなか面白かったゾ」と聞き、そのうち行ってみよう、と思った。だがその後、ほかにも行きたい山、行きたいコースが沢山ありすぎて、ついつい延び延びとなっていた。
・・でも年も取ってきたし、そろそろこのコースも行かないと、と思い、ようやく今回、縦走を果たすことができた。さらにこちらもなぜか未踏だった「大キレット」も、ついでに縦走でき、満足な登山となった。
1)8月12日(入山)
・四国からだと、西穂高の小屋にその日のうちに入るのが少し難しいので、前日は名古屋でビジネスホテルに泊まり、この日に名古屋から高山経由で西穂高山荘へ向かう。午後に山荘に着いたが、天気はどんよりしており、明日の縦走は少し心配だ。夕食時に山小屋の主人(気象予報士)より、「明日、明後日とも、曇り時々晴れ、午後は霧だが雨の可能性は少ない」と聞き、安心した。
・今日の泊り客は70人ぐらいか?30人ほどが明日は縦走するらしい。
2)8月13日(西穂ー奥穂縦走)
・昨日、小屋の人に聞いたら、「縦走する人はだいたい4時には出ます」とのことだったので、今朝は3:30起床で、4:00発。まだ外は暗くてヘッドランプが必要だが、空には星や月が出ていて天気は良さそうだ。それに早くも、ヘッドランプを付けた登山者の列が独標へと向かっている。
・西穂山荘ー西穂高岳;独標あたりで日の出。朝焼けがきれいだった。登山者も前後にぞろぞろといて、先頭が遅いために行列となった。西穂までのルートは昨年秋にも歩いているし、特に問題はない。(自分も含め、ほぼ全員がヘルメットは着用)
・西穂高岳ー赤沢岳;西穂高岳には6:30着。山頂は混雑しているので、隣の「P1ピーク」にて一休み。気温15度。その先から本格的な縦走が始まる。まず最初は15mほどの鎖場を下る。大したことはないが、西穂山荘の主人によると、「今シーズン、この付近で滑落事故が起きた」とのことだった。その後も数個の鎖場を下り、コルへ。コルからは少し登って、7:10赤沢岳着(標識なし)。
・赤沢岳ー間の岳;赤沢岳からは、少しガラガラした岩稜帯を下降し、次のコルに降り立つ。間の岳の登りは、ガラガラしたガレ場の登りから始まり、足元が不安定。気を付けてたつもりだったが、自分の足元から落石を、1回起こしてしまった(登山道側ではなく、飛騨側に崩れていったので良かったが・・)。他の人の足元からも石が落ちる場面があり、ここは要注意ポイントだった。その先、少し登ると、間の岳の山頂(ここも標識なし)。ここまでは昨年秋にも来ている。
・間の岳ー天狗岳;間の岳の先、鎖場3本の下りがあり、そのあとやや緩い岩稜をゆく、再び下ってコル。コルからはいわゆる「逆層スラブ」の急な登りが始まる。鎖がついているので鎖を頼みに登るが、足の置き場も少ないし、結構、頑張って登った。ここがこのコースのポイントの一つ。逆コースだとよけいに難しそう。スラブを登り切れば天狗岳の山頂。山頂は結構広く、標識もある。対向者も増え、大勢の人が休憩していた。
・天狗岳ージャンダルム;天狗岳から、小さなコブ2つを越え、下りにかかり、狭いコルへ。天狗のコルには標識あり。ここからジャンへの300mほどの登りとなる。幅が広めの岩場歩きが続く。そろそろガスが出てきて視界は少なくなった。ペンキマーク頼みで登るが、標高差があるし、疲れも出てきた。標高3100mを越え岩稜帯を少し行くと、急に、ガスの中にジャンダルムが見えてきた。ジャンダルムは、西穂側からだと、手前の小さなコルから登る道がついていて、軽く10分程度で山頂につけた。時刻は11:10。あいにくのガスで展望はないが、岳人のあこがれであるジャンダルムに登れて満足。記念写真を撮ってもらう。ほかの人も順番に記念写真を撮っていた。
・ジャンー奥穂高岳;地図上では、ジャンから奥穂は距離にして1kmもないが、この先は以外と厳しかった。まず、ジャンの取りつきから表示に従い、ジャンの中腹部を鎖頼みで巻いてゆく。その先も鎖がついた急な下りが続き、100mほど下る感じ。「ロバの耳」ピークを巻きつつ行っているはずだが、霧で視界がなく、「ロバの耳」がどこかは、良くわからなかった。急な下りを続け、ようやくコル。そこから再び登りにかかると、最後の難所、「馬の背」が眼前に現れる。写真で見た通りのナイフリッジで、鎖はついていない。最初20mほど登り気味で岩稜の背を進み、さらに傾斜が緩くなってからも30mほど、細い岩稜が続く。ここが「逆層スラブ」とならんで、核心の一つと思った。逆コースだと下りになるので、よけいに難度は高いだろう。ここを登っている際、後ろを振り向くと、ちょうどジャンダルムが、ガスの中から姿を現していた。「馬の背」を過ぎると、すぐ、人だかりがしている奥穂高岳山頂に到着。時刻は12:40。ようやく西穂ー奥穂縦走を果たし、一安心。所要時間も、西穂山荘から8.5時間程度で、自分としてはまずまずか。
・このあとは通常ルートにて穂高岳山荘へ下る。最後のハシゴ場は登る人が途切れないため、下る人が行列となり大渋滞。20分以上も待たされ、参ったなあ。ビールが待ち遠しかった。13:50穂高岳山荘着。
・穂高岳山荘は、今日はすごく混雑しており、あてがわれた部屋は、6畳で12人(1布団に2人)詰め込まれた。あとで小屋の人に聞くと、この日は約400人が泊まった、とのこと(定員は250人らしい)。夕食も5回戦まであった(自分は3回戦目)。夜は、疲れているはずだが、寝返りも満足にできずに眠りは浅かった。
3)8月14日(奥穂小屋ー北穂ーキレット越えー南岳)
・今日は行程が短いので、小屋で朝食をとり、5:50穂高岳山荘発。さすがに少し筋肉痛だ。外に出ると上空はどんより灰色で、飛騨側も低い雲海が出ていて、天気は昨日よりは悪そう。キレットを越えるまでガスが出なければ良いが、と思いつつ小屋を出る。
・涸沢岳ー北穂高岳;これで3回目のルートだが、前の2回はともに天候不良(1回目は霧、小雪、2回目は霧、雨、風)だった。今回初めて天気もまずまず、視界もある状態での縦走。涸沢岳から中間部分へと下る部分は思いのほか急で、ハシゴや鎖場も多く、少々緊張しながらも、岩稜歩きを楽しんだ。最低部より先は鎖場も少なく、意外と早く北穂高岳山頂に到着した。
北穂高岳の山頂に着くころには、青空が出て視界も良くなり、槍ヶ岳、北ア中央部や、眼下の大キレットの眺めを楽しめた。考えてみれば、北穂高岳の山頂を踏むのは5回目だが、無雪期では今回が一番、眺めが良かった。
・大キレット;北穂高岳山頂からいきなり、200mほど急な下りが続き、鎖やハシゴが多い。落石を出さないように注意が必要。その後、難所と言われる「飛騨泣き」の岩稜帯をゆく。厳しいといえば厳しいが、鎖が、これでもか、というぐらい設置してあり、快適に乗り越えた。さらにその先の長谷川ピークの登り、下りも、鎖場が多い、割と厳しめの岩稜帯。いずれも適度な緊張感のある、快適な岩稜歩きができた。
長谷川ピーク以降は平凡な岩稜帯を少し行き、南岳へと取りつく。このころからガスが湧いてきた。鎖場やハシゴもあるが、登りなので特に問題なし。
結局、3時間程度で大キレットを通過。全体に気持ちの良い岩稜歩きだった。
・南岳小屋には12時ちょうどに到着。まだ槍ヶ岳まで行けないことはないが、稜線にはガスが出てきて視界もないし、もともとが今日は南岳までと考えていたので、ここで泊まることとする。ここは小さな小屋で、水も不足気味の場所だが、建て替えてまだそれほど立っていないようで、清潔で良い小屋だった。宿泊者は30人程度と少なく、ふとん1枚で1名。午後は昼寝などしてのんびりできた。
4)8月15日;南岳ー天狗原ー槍沢ー明神。
・もともと今日は、西から低気圧が近づき、天気は下り坂の予報。朝起きると、外はガスで視界はほとんどなし。予定の天狗原コースにて、雨が降る前に早めに下ることにする。5時に南岳小屋発。
・南岳を少し過ぎたところの分岐より、天狗原コースをゆく。最初は横尾尾根の最上部で、結構急な岩稜が続き、ハシゴや鎖場もある。高度を下げると岩原状となり、まだガスで視界が良くないのでペンキマークを頼りに下る。
・天狗池には6:50ころ到着。想像では池の周りに残雪とお花畑が広がっているイメージ(八方池のような・・)だったが、実際は岩原で、花はほとんどなし。また池も、八方池よりはだいぶ小さくて淋しい。当初展望もなかったが、一時的に槍の穂先が見えたのが収穫。
・さらに進むと、花がだいぶ出てきた。花の写真を写しながらゆく。
・7:40 槍ヶ岳からの槍沢ルートに合流し、一休みする。上り下りの人が多い。またこのあたりから、雲の下にでて視界が開けてきた。
・その後は整備された登山道を、花を眺めながら軽快に、大曲、槍沢ロッジ、横尾と進み、12:10に徳沢着。
・本来は徳沢の小屋に泊まるつもりだったが、予約していなかったこともあり、徳澤園、徳澤ロッジとも、まだお昼の時間なのに、「もう予約で満員です、泊まれませんヨ、明神までいったらどうですか?」、との冷たいあしらいに会った。雨も降ってきたのにガックリきた。
徳澤あたりはハイキング客や観光客も多いので、登山者は優先されないようだ。予約してなかった自分も悪いのかもしれないが、残念!
・雨の中、傘をさして約50分歩き、ようやく明神の「明神館」に到着。ここも1Fは昼食をとったり休憩したりしているハイキング客が多く、泊まれるのか?不安だったが、申し込むと案外すんなりと泊まれることになり、一安心した。まずはビールを飲み、自分にご苦労様という。部屋は2段ベットで、最後まで満員にはならなかった。風呂もあり、汗を流す。夕食は6時からで、さすがに上高地に近いせいで、食事内容もなかなか豪華だった。またまたビールを飲んでしまった。夜は外は雨模様だったが、ぐっすりと眠れた。
5)8月16日(帰路)
・明神館で朝食をとり、小雨が降る中、8時に明神を出発。たまたま同室だった人と話しながらのんびりとゆく。9時前に上高地 着。
・5日間の長い山旅が終わった!天気も、稜線ではそれほど悪くなく、念願の「西穂ー奥穂」コースと、「大キレット」コースを、無事踏破でき、充実した登山だったなあ・・
お疲れ様でした。やっぱジャン、ロバの耳、馬の背ってオモロイとこ満載ですもんね‼
ぼくらも明神→奥→西行く予定やったんですけど体力不足と雨で断念しました〜(≧∇≦)
toshizoさん、おはよーございます。
さっそくのコメント、ありがとうございました。
今回、長年の宿題が片付いて、うれしいような淋しいような感じです。
私は、ロープを使うような本格的なクライミングはできませんが、今回のコースは、言われる通り、「きつい」というより「面白い
toshizoさんが行かれた明神岳のルートは、雑誌の写真ぐらいでしか知りませんが、クライミング技術があれば楽しいルートだろうなぁ・・と思いました。
ジャンにキレットと岳人憧れの難ルート
お疲れ様でした
自分も機会があれば行ってみたいと思います。
アルプスは楽しめたようで、
涼しくなったらまた四国の山
ご一緒しましょう
ueharuさん、コメントありがとうございます。西穂ー奥穂ルート、ジャンダルム、大キレット、いずれも昔からのあこがれでしたので、今度、無事に踏破でき、スッキリしました。いずれも、期待以上に楽しめました。ueharuさんの実力なら、いずれも十分楽しめますヨ。天気の良い時に、ゼヒ行ってみてください。
また、四国の山にも、一緒に行きましょう☺️
こんにちは!
てっきりジャンダルムにはもう何度も行かれてるんだと思ってましたが初めてだったんですか?
体力的に厳しい西穂高岳からの縦走お疲れ様でした!
天候がイマイチってことですが、それも幻想的な景色が見られて良かったかも?
日本で他にない岩稜続きで、季節や天候で違った表情を見せてくれるこの稜線は何度行っても楽しませてくれます(^^♪
なにより、長距離縦走無事帰還おめでとうございます!
nekojigenさん、コメントありがとうございます。
同じ四国に住んでいる身なのでお分かりかと思いますが、
四国から信州へは遠いので、信州に行くのも、私の場合、年1−2回です。
(JRを使って、数日間の日程で行くので..)
ですから、穂高も各峰合わせて、5−6回しか行ってません。
ジャンダルムと西ー奥縦走は、以前から憧れでしたが、ちょっと自分には実力的に難しそうに思っていて、延び延びにしていました。
でも今回、初めて挑戦し、「超困難」でもなく、十分楽しい岩稜歩きが楽しめました。
このレベルなら、もっと若いときに行っておいても良かったな、とも思いました。
「まだまだこのレベルなら行ける」という自信もつきましたので、あと1回くらいはジャンに登ってみたいな、と思ってます。
ヤマレコで四国の山友が出来たので乗り合わせて行くと経費も疲れも人数割りです♪(笑)
なので、隔週ぐらいのペースで本州通いです(笑)
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