北鎌尾根(槍ケ岳)
- GPS
- 29:55
- 距離
- 45.3km
- 登り
- 2,730m
- 下り
- 2,707m
コースタイム
- 山行
- 8:32
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 9:27
- 山行
- 10:15
- 休憩
- 1:27
- 合計
- 11:42
- 山行
- 6:54
- 休憩
- 0:42
- 合計
- 7:36
天候 | 1日目:晴れ 2日目:晴れ 3日目:曇のち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【水俣乗越〜北鎌沢出合】 乗越からの下りは急斜面で始まり、向かって右側にある踏み跡を辿るとクネクネ道で少し歩きやすくなる。 出合はテーブル上の巨石が目印になると思います。 ※当日は既にテントが張られていたこともあり、すぐに出合が分かりました。 【北鎌沢右俣〜北鎌のコル】 水が豊富で沢登状態(時期・年により異なると思います) 大きな石のよじ登りが果てしなく続く。 所々、赤テープが配置されているがコルを目指せば大きく迷うことはないと思われる。 (夜間・ガス時は難儀すると思う) クライマーズホイホイの分かれ道は把握できた。 進行禁止を知らせる岩への×印は確認出来なかった。 コルの約50m下まで水は出ていた(時期・年により異なります) コルは思っていた以上に狭かった。 2人用テントでは2張りが限度と思う。 【コル〜独標】 独標は直登せずトラバース。 コの字は一段下に足を置く箇所がある。 残置ロープがあるチムニーから稜線へ上がった。 チムニーの先にはスラブがあるが乾いてあればフリクションが効いて問題なく登れると思う(雨の日は大変だと思う) 【独標〜北鎌平】 基本、稜線を歩くようにしました。 踏み跡は数種類あり、選択するのは自分である。 私はP14の登りでルーファイを誤り、大変な思いをすることになってしまった。 とにかく岩が剥げやすく、且つ浮石が多い。 【北鎌平〜穂先】 意識して左側を登るようにした。 特に傾斜が強いという印象は持たなかったが、頂上直下のチムニーは当日一番難易度の高いチムニーであった。 (北鎌尾根にはチムニーが数か所あった) |
写真
感想
念願の北鎌尾根を歩いてきました。
【初日】
完全防寒着で身を包み沢渡駐車場にスクーターを停めたのは4時少し過ぎ。
なんと、なんと、物凄い行列が出来ている。
余裕で始発バス(4時40分)に乗れると思っていたのに・・
結局、バスに乗車するまで2時間30分待つことに。
恐るべし紅葉シーズン。
この時点で当初予定していた今晩の野営地を北鎌のコルから出合への変更を強いられる。
上高地から横尾までは物凄い人の数。
しかし、登山者の98%の方が涸沢方面へ向かう。
お陰で槍方面の登山路は寂しいこと。。。
大曲を右折し水俣乗越へ向かう。
この道、中々の急登です。
水俣乗越では暫し休憩を取りつつ、アミノ酸を注入!
誰か居ないかな〜と下を覗くが居る訳もなく・・
ヘルメットを被り天井沢へ向けて急坂を下る。
すぐに踏み跡のある右側へ移動しクネクネ道を下る。
思いのほか急下りは長かった。
途中、間ノ沢出合で水を汲み、更に歩を進める。
ゴーロ帯をいい加減、嫌になった頃に北鎌沢出合に到着!
程よいスペースを見つけツエルトを張る。
コンビニで買ったオニギリを頬張り18時30分頃に就寝。
【2日目】
この日、出合で野営したのは私を含め5組と思われる。
私以外は皆、パーティー。
その私、完全に熟睡してしまい出合を出発したのは6時少し前。
出合で野営した中、最後の出発となってしまった。。。
(5時出発を予定していたが・・・)
北鎌沢右俣の至る所に大きな石、そして急斜に沢の水。
手足を使いながら登るが朝から一気に体力を奪われる。
途中、クライマーズホイホイの分かれ道を見つけたが、コルを目指せば誤ってホイホイへ行く可能性は低いと思います。
※暗闇、又はガスってコルが見えない時は嫌かも・・
コルには倒れ込むように到着。
既に先行パーティー(3人)が休まれていた。
さあ、ここからが北鎌尾根のスタートだ。
早い時間ではあるが気合を入れる意味合いでアミノ酸を注入する。
コルから独標基部までは踏み跡が明瞭。
有名な逆コの字も一段下がった箇所に足を置ける事もあり、落ち着いて対応する事が重要。
その後も特に問題なくP13へ到達。
P13を下りP14へ登り返す箇所で致命的なルーファイミスを犯す。
誤ってザレザレな急斜面を登ってしまい、気がついた時には中間地点にいた。
もう、軟な岩と浮石で登るも降るも出来なくなり、少しでも動くと小石と一緒に谷底へ引き込まれそうで完全な蟻地獄状態。
ただ、不思議と焦る事も恐怖を感じる事もなかった。
冷静に周囲を見渡し約5m下に大きめな石があるのを確認。
ズルズルと滑り落ちて、この石に向かってライダーキックをかまして止まる他に方法はない。
もし、キックが決まらなかったら谷底まで落ちるであろう。。。というマイナスイメージは全く湧かなかった。
下界と違い、知らぬ間に山ではポジティブシンキングなのか⁈
その3〜40分後、無事にP14に立つ。
自分の判断ミスにより、時間と体力を無駄に使ってしまったが、今後の教訓にします。
恐らくルーファイミスを犯したのはP14のみだけだったと思う。
有名な「諸君、頑張れ」のプレートを見つける事は出来なかったが、
頂上直下にある2番目のチムニーを登り、祠の裏から穂先へ辿りつけた。
ピークに着いた途端、こみあがる興奮を抑えきれず無意識に大きな声で「ヤッター、ヤッター!」を連発していた。
その晩は縦走を祝して槍ヶ岳山荘へ素泊まり。
(金欠人の私にとって大奮発)
【3日目】
昨晩の段階から雨がかなりの確率で降るのは判っていた。
夜明けと共に上高地へ向けて下る。
途中、大曲へ着いた時には無事に帰還できた喜びで標識にハグしたい衝動に駆られる。
槍沢小屋から先で雨が降り出し、雨具を着る。
その後、家に着くまで(スクーター運転)一度も雨具を脱ぐことはなかった。
【総論】
自分に足りないモノを痛感した3日間であった。
特に筋力(太もも)・心肺機能の低さは我ながら呆れかえるレベルである。
険しい山では誤魔化しが効かない・・・
そして最後に。
北鎌尾根は2年掛りで計画&準備を進めてきた。
ヤマレコでは諸兄の北鎌尾根レコを一字一句、見逃さず読み返し参考にさせて頂きました。
この場を借りて御礼申し上げます。
遂にやりましたね。槍沢へ下るまで天候に恵まれ何よりでした。
紅葉シーズンは思わぬところで時間を取られますね。コルでのビバークが北鎌沢になり、核心日の穂先到着に影響したみたいですが、無事で何よりでした。
写真を拝見しても、思い出せない箇所もあり、自分がやった時は一杯一杯だったんだなと改めて思いました。
何はともあれおめでとうございます。
Pinballさん、こんにちは。
やっと縦走する事が出来ました。
正直な所、私は北鎌で撮影する余裕が全くあリませんでした。
Pinballさんの撮影枚数の多さは余裕の表れと察知致します。
Pinballさんの山行記録が大変参考になり、この場を借りてお礼を申し上げます。
一生忘れられない山旅となりました。
junさんっ!! お出かけの気配が出現したのでどこかなぁ…と、思ったら
なっ何と 北鎌
北鎌からの槍登頂、誠におめでとうございます。オトナだって、やるときはやる!!
ライダーキックの一件は、肝を冷やしたのでは?ご無事でなによりです。どんな状況にあってもあせらずに、常に冷静に判断して次の行動に移ることができてこそ、と思います。オトナの経験値のたまもの、とお見受けいたしました。
北鎌尾根から見る、鷲羽、水晶…すばらしいです。鷲羽から見る北鎌もまた、すばらしかった…去年夏の女一人旅を思い出しました。
しかし。この山行の核心部が沢渡だったとは…
大きな仕事をなさいましたね おつかれさまでした
andyさん、気配を消して出かけたんですが。。。
鼻が利きますね!
鷲羽から見る北鎌は見事ですよね〜
実は2年超しで北鎌を計画していました。
(ライダーキックは計画外でしたが・・・)
幸い天候に恵まれ、周囲の山々を見渡せましたが、
景観を楽しむ余裕は全くなかったです。
紅葉時期の沢渡、激混みはハンパないですよ!
北鎌縦完走おめでとう。
積み重ねた計画が狂うと一寸心配ですね。
要は穂先に無事につけば良い訳ですが。
迷ったら稜線へだったですね。
「ここはトラバースしたと思う」の画像
この険しい稜線を登れば確か"諸君頑張れ"に
出会いたかもですね。
向かって右手稜線の岩目はしっかりしてますが
向かって左手稜線の岩目は逆目になっているので
大変に危なかったです私も死ぬかと思いましたよ。
兎に角良かったです。これからも危険予知を働かせ
安全第一でお願いします。
mamedeさん、こんにちは。
経験者の言葉、身に染みます。
"諸君、頑張れ"のプレートは探してもない訳ですね。
これからも身の丈にあった安全第一の登山を続けていこうと思います。
ありがとうございます。
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