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Yamareco

記録ID: 130010
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無雪期ピークハント/縦走
富士・御坂

フジサンへ。

2011年08月26日(金) [日帰り]
 - 拍手
GPS
12:40
距離
15.3km
登り
1,605m
下り
1,593m

コースタイム

4:30駐車場-5:10富士宮口新五合目-5:50新七合目-(途中30分間お喋り、20分間昼寝)-8:50九合目-9:20九合五勺-10:10富士宮口山頂-10:45剣が峰-11:40吉田口・須走口山頂浅間大社奥宮前-12:00昼食-13:10御殿場口山頂銀明水-13:30下山開始-17:10富士宮口新五合目
天候 曇り〜晴れ〜雨
過去天気図(気象庁) 2011年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
富士宮口新五合目は、マイカー規制がある日があります。詳細は静岡県公式ページ等で確認出来ます。平日でもとにかく車多いです。
コース状況/
危険箇所等
金曜朝4時頃の時点で、500台分の新五合目駐車場は一杯、Uターンして路駐(上り側車線、カーブ、柵のある場所は駐車NGとの事)の指示を受け、空いてる場所まで下ると新五合目から1km地点でようやく空きがありました。
登山道は全般に溶岩で砂ぼこりっぽいですが、滑りやすい箇所等もなく道も良く整備されてるので比較的登りやすいです。が、途中プチ岩場ぐらいの場所(何とか手を使わない程度)や、段差の少々大きなトコもあります。何と言っても人が多いので、離合をスムーズに心がける事が大事かと思います。
9合5勺からは少々急坂です。剣が峰直前の登りはザレてて滑り易い箇所があるので、登りやすいフェンス側を通行するのが良いと思います。
全般に歩行技術的には難しくはないのですが、標高が高く距離も少々長いので、高山病と天候変化(雨、風、雷等)への対応は十分考える必要があります。
予約できる山小屋
八合目池田館
黎明
2011年08月26日 04:44撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
8/26 4:44
黎明
ブルドーザーがブル道をザーッと整備…
ショベルカーでしたね。
2011年08月26日 09:51撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
8/26 9:51
ブルドーザーがブル道をザーッと整備…
ショベルカーでしたね。
迫力の火口
2011年08月26日 10:33撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
1
8/26 10:33
迫力の火口
いつもの
2011年08月26日 11:19撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
1
8/26 11:19
いつもの
空に浮かぶ山頂
2011年08月26日 12:44撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
1
8/26 12:44
空に浮かぶ山頂
日本最高所(の近く)から見る海
2011年08月26日 13:07撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
8/26 13:07
日本最高所(の近く)から見る海

感想

「山高きが故に貴からず」という諺があります。
諺の意味は置いといて、実際の山でも高い=価値が高い、難易度が高い、とは限りませんし、低山には他にはない低山の魅力があります。

ですが、やはり高い山には、日常を離れた世界というか、人を惹きつける
何かがある様な気もします。どっちやねん。

週末を迎え、木曜朝から登る元気はちょっと出なかったし、天気予報を見るとどこも芳しくない様子でした。今回は気分のノリもボチボチだしノンビリ過ごそうかと思っていました。ですが、木曜半日を部屋片付け等して過ごしていると、山バカ、とまではとても成れていませんが、山愛好家の血が段々騒いで来てしまいました。

金曜早朝から日帰りで行くとしたらどこか…8月も終わる前に夏山を満喫するに相応しい場所…自宅からアプローチがし易い場所…候補として、聖岳や丹沢山が思い浮かびました。が、降水確率が30〜40%に届きそうだし、思い付きで行くにはちょっとリスキーです。

そんな時、アノ山が思い浮かびました。暫く登ってない最寄の山の1つ。
人が多すぎて待ちとかになるのがイヤなので夏は避けていましたが、
天気予報がこんなだと、却ってそこそこ少なくていいかもしれません。
しかも金曜午前中は晴れそうです。

どんな山に行くか、この先どんな山行プランに繋げるか、そういうのはどうも
無意識下でもこれまでの山行と照らし合わせて何かしら思ってる様です。
自分に問うてみると、高山テン泊に備えるには、もう少し訓練がしたい、高度
順応もしておきたい、北岳に登ろうにもバテて「北岳のふもとに来ただけ」では、
笑いも取れるか怪しいものです。

それに登拝で御嶽に登ったとなれば、次は、もっと身近なトコにも玄関開けたら
眼前にそびえてる霊山があるじゃないですか。アプローチも自宅から1時間程度と
容易です。もう条件満たしまくりです。

という訳で、訓練を兼ね、今回は水5kgを持ちパックウェイト13kgで
行ってみました。2007に登頂以来、2008に8合目で敗退してますが、
自分の体力的な進展度合いを見極めとくにも丁度良い感じです。

うっかりまた寝付けず、睡眠時間殆ど取れませんでしたが、早朝4時頃
富士宮の登山口に着きました。道中、真っ黒な空の高い角度に、星の様に
各合目の小屋の明かりが順番に灯っていました。これからアレを辿って
登るんだな、と、大きな冒険をする前の様な気分になってきます。

鹿なんかが顔を出すツヅラ折りの道を車でひたすら上り続けると、登山口
約1km程手前から、急に路上駐車の車の列が大量に出てきました。早くも
ヤな予感ですが、上まで行ってみました。500台ものキャパがある駐車場は
早くもフルで、Uターンして路上に停めて下さい、との指示。
早速訓練の距離が1km、標高にして約100m程増えました。

車中でちょっと仮眠してから行こうかと思いましたが、周囲の、テンション
上がりまくって若者の集団が「フジサーン!」等叫んでる場所でどうも寝付け
そうになかったので、スタートする事にしました。但し、ゆっくりめペースで
行こうと思います。

天気は幸いにして悪くありません。空が段々白んで来ていて、雲のシルエット
が浮かびあがり出してます。夜明けの瞬間は何とも言えません。

5合目に着くと、雲海が眼下に広がっていました。
愛鷹山が雲から顔を出し、その奥には伊豆の天城山が見えています。
雲ははるか彼方まで続き、向こうの方にはその中から立ち上がるモンスターの
群れの様に、湧き上がってる雲があります。黎明時の何かのイベントの様にも
見えました。

トイレを済ませ、まずは、登山口へと踏み出しました。
ここに初めて来たのは高校の林間学校ででしたが、つい昨日の様なあの時から
かれこれ20年近くの月日が流れています。あの時の自分は、20年後の自分が
まさかこうして同じ場所から山頂を目指すとは思ってもいませんでした。

道は非常に歩き易く、火山石を踏むジャリジャリした音を立てながら登って
いくと、段々明るくなって来ました。その内、宝永山のモッコリした膨らみの
上に、太陽が眩しく顔を出しました。ご来光は地平線の彼方から登るトコを
見たい気がしましたが、これはこれでアリとしときます。

寝不足もあるので、高度順応はしっかりしながら登ろうと思いました。
登ってる人を見ると、老若男女、山経験者から明らかに超初心者まで、
とにかくこれだけのバリエーション豊富な登山者が居る山もそうあるものでは
ありません。それだけ幅広く愛されてるという事でもあるし、ここから
今日、登山をはじめるきっかけになっていく人も沢山居るのでしょう。
何だか「ガンバレ」とそっと応援したい気分になります。

急ぐ旅でも無し、今日は登るのにフーフー言っていっぱいいっぱいだった昔と
気分を変えて富士山の雰囲気を徹底的に味わいたく、道中、上から降りて来た
おじさんと立ち話をしました。岩手から来られている、という事で、去年岩手に
出張で3ヶ月行った話、震災の復興の話、岩手山や早池峰の話等で盛り上がり、
30分近くも話し込んでしまいました。高山病で参って下山中、との事でしたが、
終始満面の笑顔で話をされていて大変若々しく元気そうな様子だったので、御歳
75と聞いてとてもそうは見えず驚きました。

おじさんと別れ、歩を進めて行き、次は8合目上の鳥居下で丁度良い岩があったので
腰を下ろし、高度順応を兼ねたうたた寝を決め込む事にしました。暫くマッタリ
していると、横に座ったのは大阪から来られているご家族でした。昨日来て
天候不順だった、今日は天候に恵まれて嬉しい、と言った様な話をされてました。

某漫画の受け売り以前に同じ事を感じますが、山で会う山好きな人も好きです。
そういう人らと山の話をするのも楽しいひと時です。皆嬉しそうに話をします。

荷物は重めですが、程良く涼しく風もあるのでキツくもなく、ゆっくりめながら
順調に登れてます。9合目を過ぎると、上の方からショベルカーが下りて来ました。
周囲の人がその様子を見守っていると、踏まれて道が荒れた所の砂をすくい上げ、
また地面をならしていました。その様子を目を輝かせてみている子供達。微笑ま
しい光景です。

途中の石段では、名前は分かりませんが、鳥が道先案内の様にピョンピョン跳ね
ながら目の前を登って行きました。

9合5勺からはラストスパート、「胸突き八丁」の語源にもなってる通り、
ちょっと急な上りになります。4年前は須走口でしたが、死にかけゾンビの
ようになりながらヘロヘロと登っていた自分でした。
今周囲を見ると、同じ様にヘロヘロになって動かなくなったかと思うと
暫くして思い出したかの様に少しダッシュで登りまた止まる人達がそこ
ここらに居ました。
今思えば、高度順応も不十分なのですが、標高高くて傾斜急なのに、動く
ペースが早すぎてすぐ息上がってるのと、大股歩き過ぎるのと、etcetc、
理由が良く分かる気がします。その横を、挨拶と同時に声をかけながら、
申し訳なくもスルスルっと先に登らせて頂きました。

山頂へ着くと、昔は霧で何も見えなかったおハチが今日はハッキリ見えました。
火口の200m絶壁なんかが中々壮観です。今日は、山頂だけでなく、ホントの
最高所、剣が峰まで行ってやりますとも。何年越しかのリベンジ達成です。

神社の社務所に入ると、同じ会社の人と激似な山ガールが居ました。
当人にしか思えないけど、でも当人は山登りそうなタイプの人に見えなかったし、
声かけてみるべきか迷い、また挙動不審者1名になってました。
背丈なんかも違う気したし、やっぱ他人の空似だったかも。

お鉢がある山は、これまで岩手山や御嶽でも行ってきました。今日のお鉢は
距離は長いものの、アップダウンの少なさと道の通り易さに関して言えば楽
そうでした。
剣が峰前の急坂のザレ箇所を回避しつつ上り、測候所の階段を上り剣が峰に
着くと、いろんな国籍の人で賑わってました。人も10数人程度とあまり多く
なかったので幸いでした。
皆、達成感と登頂の喜びでこぼれ出た様な満面の笑みを浮かべ、それぞれの
写真のフレームの中に納まっていってます。きっと帰ってからも写真を見ては
ニヤニヤするのでしょう(?)。

お鉢を巡っている最中も、単独の人なんかと話をしました。初めて来た方も
多い様です。富士山は天気も変わりやすく曇天の日も多いので、今日は天気が
ここまで良くてラッキーです。(おかげでまたもや日焼けもしましたが…)

火星かどこかの様な雰囲気の景色の中、須走口・吉田口の山頂に着きました。
4年前はここまで来といてガスと強風でお鉢全く見れてませんでした。
バッジを買った後、裏手の広い場所へ行き、コッヘルとストーブを取り出し、
昼飯を作りました。気圧低いので、低温沸騰ラーメンが出来そうですが、
違いがよく分かりませんでした。
お鉢から目の前の火口、そして向こうの剣が峰を見ながら昼ご飯を食べて
いると、なんだか感慨深いものがありました。

雲の上に浮かぶ島の様なお鉢の残りの部分をぐるっと周り、下山に取り掛かる
と、少し小雨がパラついてきてしまいました。
下りになると、おっかなびっくり下ってる人が非常に多数でした。今でこそ
何でもないわずかな段差ですが、登り始めた頃は同じ様に、足置きの場所が
分からず、少しのザレでもどれぐらいで滑るか分からず、腰を下ろしたりして
恐々と下ったものでした。

8合の下まで下ると、ちょっと雨降りの度合いが強くなって来たので、
レインコートを出し着ました。周囲を見ると、若干ですが雨具無しの人も
チラホラ。高山は特に天候の変化が一番ネックだと思うのですが、低体温症
なんかが話題になった後でも、完全には浸透しきれてないのでしょうか。
ちょっと心配にはなりましたが、小屋も人も多く見通しも良く、へばってる
雰囲気の人も居ない様だったのでその場は一安心でした。

新7合まで降りてくると、流石に荷物重かった事もあってか、足ガクガクして
来ました。ただ、日頃の山行の賜物か、膝は笑ってなく、生まれたてのバンビの
様な足取りとまでは行ってません。座っておにぎりを食べ、15分程休憩すると、
シャッキリ回復して歩ける様になりました。足がパンプしてた様な感じでした。
周りの人らもここまで来ると結構しんどそうでした。

4年前は、最後の樹林帯の下りでほとんど日も暮れ、ライトは持ってたけど疲れで
足がもつれて転び、泣きたくなる様な気持ちになったもんでした。

途中で休んでると、道の脇のガレの隙間に、ドリンクの空きビンが捨てられて
たのが目についたので、拾って帰りました。自然の雄大さと景観を楽しみに
来てる、そのシーンの中にゴミが置かれているのは相応しくもないし美しくも
ないと感じるので、一般登山道付近で、自分の余裕が許す限りはなるべくいつも
拾っていく様には心がけています。

今回は下山してもまだ余裕がだいぶありました。丸一日山に居て、高度のある
場所まで行って来ると、小冒険旅行の様な感じさえして、やり遂げた感があり
ました。山慣れして出来る事が増えてくると段々それは当たり前化してきて、
中々普段の山行では大きな達成感を得る機会は少なくなっていってた部分も
あった様な気がしますが、今回は結構満足感が高い山行が出来ました。

初心者っぽい人も多く、でも皆変に騒ぐでもなく、大きな山を一生懸命
登ってる感じでしたし、登頂の時は嬉しそうでした。

5合目駐車場から車まではまだ1kmほどあります。
雨もいつしかザーザー降りになっていましたが、心地よい疲労感に満たされて
歩けました。2400m程の高度があるので、周囲も良くみるとそれなりの花が
咲いているのが目に着きました。ホタルブクロ、チシマギキョウ(?)なんかが
多かったです。雨の匂いというか森の匂いというか、そういう優しい感じの
匂いの中、車へと向けて帰路に着きました。

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