厳冬期・槍ヶ岳(新穂高温泉〜飛騨沢滑降)
- GPS
- 10:54
- 距離
- 28.2km
- 登り
- 2,185m
- 下り
- 2,180m
コースタイム
- 山行
- 8:59
- 休憩
- 1:56
- 合計
- 10:55
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
■新穂高温泉〜白出沢出合 ・トレースはあるがツボ足のもので歩き辛いので使わなかった。今日はサンクラストでラッセルなし。 ・デブリ1箇所あり。 ■白出沢出合〜槍平小屋 ・夏道から入って適当なところから河原へ降りた。 ・先週の雨で硬いデブリ多数。登りも下りも難儀した。 ・沢沿いはまだまだ埋まり切っておらず際どい行動が多かった。 ■槍平小屋〜槍ヶ岳山頂 ・槍平小屋以降はどこでも好きな場所をハイクアップ可能。 ・飛騨沢も凍結しておらず快適に登ることができた。 ・飛騨乗越以降は相変わらず強風で雪も着いていない。 ・穂先は12月に来た時より雪が減っていたがもちろんアイゼン+ピッケル(ウィペット)は必須。 ■槍ヶ岳山荘〜新穂高温泉(スキー滑走) ・槍ヶ岳山荘からドロップするが飛騨乗越まで槍沢側を際どくトラバースしていく。滑落したら岩に激突必至なので滑走技術に自身がない人は避けた方が無難。 ・飛騨沢〜槍平までは少しモナカ気味だったが概ね快適に滑走できた。 ・槍平〜白出沢までは滑走もデブリ&落とし穴地獄。 ・白出沢〜新穂高温泉までは自動運転。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
先週は1月7日の白山の山行がきっかけでアイスモンスターが発見されたという話題で盛り上がった。
今回の行き先は槍ヶ岳だがメンバーはその白山の時のメンバー6人のうちNOZA君を除いた5人なので体力的にも技術的にも文句なしだ。
白山はどちらかというと体力重視だが槍ヶ岳は技術力がより重視される。
先週は気温が高く雨が降ったり晴れたりと山スキーヤーにとってはマイナス要素が多く今回の槍も凍結やデブリ、モナカといった難しい状況が予想されていた。
いつものように夜中0時過ぎに新穂高温泉をスタート。
トレースはバッチリだったがツボ足のものだったため利用できず、YSHR先生を先頭に独自のトレースを刻んでいく。
林道の雪は締まっていてラッセルも不要なので当然ペースは速くなる。
白出沢出合に到着して小休止していると後続の2人PTが追いついてきた。ここは先に行ってもらおう。
軽そうな細板なのでうらやましい・・・我々はラッセルがないとわかっていても厳冬期はポンツーンで頑張るしかない。
白出沢出合からしばらく夏道を進んで河原に降りていく。
期待に反して河原の積雪は中途半端でどこでも自由に歩けるという状況ではなかった。
下手にルートを取れば水流にぶち当たって行き止まりとなる。
やはりここは経験豊富な先生に先導してもらおう。
それでも岩や藪に阻まれてアスレチック状態。これは帰りも思いやられるな・・・
極めつけは左岸から押し寄せる大量のデブリだ。
やはり先週の雨の影響で大規模雪崩が発生したようで至るところでデブリが斜面を覆い隠していた。
しかも放射冷却で表面はカチコチ。
ほんと、山スキーは総合力勝負だと思う。
そんなこんなで障害物と戦いながら槍平まで到着。
冬季小屋で大休止をしたら飛騨沢へ向かう。
槍平から先はデブリもなくなり広い斜面を歩けるので精神的に楽になる。
飛騨沢に入ると先行していた2人PTが見えてきた。
気温も低く体が冷えてきたところだったので皆で少しペースを上げる。
いや、少しじゃない人がいた。大魔人さんだ。
ロケットエンジンに火が着いた大魔人さんは先行の二人をパスするとガンガン登っていってしまった・・・あんまり早く行き過ぎると待ってる間寒いですよ。
飛騨乗越まで来ると相変わらずの強風だったが東側に広がる絶景がドーンと目の前に開けた。
前回12月に来た時と違って今回は最高の天気だ。
富士山や八ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、浅間山といった名山が一望できた。
もちろん目の前には常念岳。
もう最高っす。
ロケットエンジンで早々に到着した大魔人さんは蓼科山から登る後来光を拝めたようだ。
次はもちろん穂先を目指します。
槍ヶ岳山荘の建物の影でザックを下ろしてアイゼンに換装。
多少風は強いが地獄ではない。
ポンツーンを5台並べていざ穂先へ。もうみんな慣れたもんですね。
穂先では雄大な景色をカメラに収めながら皆で記念撮影。
このメンバーで登頂できて嬉しいです。
そして大魔人さんが下りもロケットエンジン点火。あっという間に槍ヶ岳山荘へ。
さすが岩名人・・・とても穂先から降りるスピードとは思えない。
山荘へ戻るといよいよ滑走モードへ。
まずはYSHR先生が槍沢の際どいトラバースを先導し、他のメンバーが後から続く。
飛騨乗越までワープした後は夏道沿いにだましだまし滑りたかったが12月に来た時よりはるかに雪が少なく一旦スキーを外す必要があった。
しかしそこでアクシデント発生!
先生のスキーが風で流された。
運よく近場で止まったので不幸中の幸いだったが一瞬ヒヤっとした^^;
なぜ先生がいつもスキーを外さないのか理由がよくわかりました。
さあ楽しい楽しい飛騨沢スキー滑走だ。
当初はモナカ雪を懸念していたが結果的によく締まったオープンバーンを快適に滑走することができた。
もし北陸の低山に行ってたらこんな楽しい滑走にはならなかっただろう。
だが楽しい時間は長くは続かない。
滝谷出合を過ぎると最後の試練「デブリ滑走と落とし穴地獄」が待っている。
しかもこんな時に限ってストックのリングを片方落としてしまった。
穴の開いたスノーブリッジでは兄ちゃんにウィペットを1本借りて渡ったり、林道では推進力が足りないので皆さんに先に行ってもらったりとなかなか大変だった。
体感的にはかなり時間を要したように感じていたが、下山して時計をみるとまだ11時過ぎ・・・想像以上にハイパフォーマンスだった。
景色も滑りも、そしてメンバーにも恵まれて最高の槍ヶ岳となった。
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