オンベ松尾根から大日岳、ダイクラ尾根へ
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- GPS
- 32:00
- 距離
- 20.7km
- 登り
- 1,970m
- 下り
- 2,143m
コースタイム
2日目 御西小屋5:20〜6:30飯豊本山6:45〜8:15宝珠山8:25〜10:40千本峰11:10〜13:30飯豊温泉〜14:30梅花皮荘(9時間10分)
天候 | 10/8 晴れのち時々雪 10/9 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2011年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
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コース状況/ 危険箇所等 |
オンベ松尾根、ダイクラ尾根とも昭文社地図では点線コースですが、草刈もされていてほとんど登山道といっても差し支えありません。足元は両尾根とも少々悪いので十分注意。 |
写真
感想
10年ぶりの飯豊山、今度は紅葉の時期に行くと決めていたものの、ここぞというタイミングがなくてなかなか行けなかった。ようやく実現できたものの、天気予報がこれでもかというほど大外れで、初日は一時吹雪にみまわれました。それでも2日目は快晴で、眺めの良いダイクラ尾根から飯豊の風景を満喫できたので良しとしますか。
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10/8(土) 晴れのち時々雪
夜行バスで会津若松に到着。すぐに磐越西線の始発に乗り、新潟県に入ったところ、日出谷駅で下車した。ちなみに磐越西線は7月の新潟豪雨で線路が宙ぶらりんになったせいでまだ復旧しておらず、津川どまり。
予約していたタクシーで実川の林道奥まで入ってもらった(6430円)。タクシーの運ちゃんによると7月の新潟豪雨は凄まじかったらしい(自分がちょうどグルジアの山にいた時だ)。阿賀野川は水が貯まりすぎて全く流れず、そこへ実川の激流がこれでもかというほど流入したため、集落が水没するのではと気をもんだそうだ。阿賀野川の水が流れなくなったのを見たのは初めてだそうだ。
林道ゲートで偶然にもキノコ取りに行くという地元の方にピックアップしてもらって湯の島小屋まで入れた。林道あるき2時間半を省略できたのは大きかった。この日は10時間行動でヘッ電も覚悟だった。地元の方は趣味でマイタケを取っているそうだ。先週来た時に発見したマイタケが小さかったので残して、今日もう一回取りに来たそうだ。「他の人に取られてたらショックだよなぁ」とのん気に話していた。マツタケとかナメコも取れるらしい。天然物はかなりのうまさだそうで、聞いているだけでヨダレが出てきた。
登山口近くでおろしてもらい、すぐに登りにかかる。登り始め、あし沢の橋を渡るまでは足元がかなり悪いので注意。渡ってすぐオンベ松尾根に取り付くがかなり急峻で滑るので下りのときは要注意である。しばらく登ると傾斜は緩くなり、道も安定する。
昭文社の地図ではこのルートは点線だが、実際は草刈もされているようで整備は思ったより良い。危険箇所は最初のあし沢と大日岳直下の細い稜線だけである。標高の低いところから割と景色も見晴らせて、長い林道歩きがなければもっと人気のコースかもしれない。
早川の突き上げは高山帯の鞍部でここから森林限界上の稜線歩きになる。まるで私のためにつけられた地名なのだが、早川という沢も近くに無いし、謎の地名だ。見晴らしは良くこのあたりの紅葉はとても綺麗だった。でも北のほうから真っ黒い雲が攻めてきていて牛首山手前でガスに入ってしまった。山頂で昼飯を食いながら休憩していると雪も降ってきた。風も強くてホワイトアウトになってしまった。気温が急激に下がっている。急いで帽子をかぶり手袋を履いて冬装備に切り替えた。
時折アラレがカッパを叩きつける最悪の天候の中、大日岳を目指す。幸い本当にひどい天候だったのは30分くらいだった。大日に取り付くと雪はやんだ。山頂直下の細い稜線は高度感抜群で、転落したらタダではすまない。ここは十分注意。
飯豊連峰の最高峰、大日岳(2128m)は残念ながら一面のガス。まぁ10年前は快晴だったのでよしとしよう。ここから先は登山道で、一度歩いたことのある道でもあるので、なにはともあれホッとした。寒いのですぐに御西岳に向かい、まだ十分明るい3時ちょうどに御西小屋に到着した。驚いたことに小屋は建て替えられておりとても綺麗になっていた。
小屋は既に15人くらい先客がいて、自分がついてからも更に10人くらい増えた。ぎゅうぎゅうというほどではないが結構な混雑で飯豊の人気のほどが伺えた。偶然隣になった宮城県の2人パーティの方に焼酎をご馳走になった。なんと大クラ尾根から10時間かけて登ってきたそうだ。山の話も盛り上がってしまい、他の人がみんな寝てしまうまでずっと話しつづけていた。久しぶりに山小屋で楽しい時間を過ごした。それにしても小屋で楽しい語らいがあるのは何故か必ず東北の山だ。東北の人とは波長が合うのだろうか。
そういえば余談だが、昔秋田の湯沢から来た人と栗駒の小屋で2人だけだったことがあった。日本酒飲まされすぎて潰されてしまった。あのおじさんはすごかったな。私が死亡するのを見届けてからも不満そうに一人でずっと飲んでた。懐かしい。
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10/9(土) 快晴
今日もホワイトアウトだったら何のために飯豊くんだりまで来たのかわけがわからなくなるところだったが、朝は見事なまでの快晴。ご来光もバッチリだった。広い稜線をのんびり歩いて飯豊本山に到着。ここも2度目の来訪で前回はここでご来光を拝んだ。朝早くから結構な人出だ。昨晩は本山小屋は30人以上でぎゅうぎゅうだったそうだ。
大クラ尾根はやはり点線コースなので気を引き締めて下る。足元はやはり悪いがオンベ松尾根と同じくらいの程度。滑落の危険があるのは宝珠山前後だけで、それほどでもなかった。しかし登り返しも多いので体力は必要と思う。オンベ松コースでは1人しか会わなかったが、こちらはもう少し人気があり、5人(何故か全員単独!)とすれ違った。大クラを登りで使うとはとびっくりしたが、話を聞くと思ったほどきつくないようだ。
この日は雲が全く湧かず、気温も低くてとても快適な稜線歩きを楽しめた。特に石転び雪渓の全貌を眺められるのはこのコースならでは。北股岳の秀峰ぶりもすばらしい。ただ紅葉は少し早かった。あと1〜2週間ほど後がちょうどいいかも。
尾根の消失するところで玉川の吊橋を渡る。玉川は素晴らしく澄んだ水で岩も白くてとても涼しげだ。秋なのにこの水量は凄まじい。春の雪解けの時期は更に凄まじいことになっているだろう。
秋は路線バスが飯豊温泉まで入らないので、梅花皮荘(かいらぎそう)まで4キロほど歩いて14時半に到着。バスは16時なのでそれまでゆっくり温泉にはいった。梅花皮荘の温泉からは眼下の玉川とその向こうの飯豊稜線が素晴らしい。
バスで小国駅まで出て米坂線で米沢に到着。山形新幹線の乗り継ぎ時間まで、駅前の料理屋で芋煮定食とビールで打ち上げにしました。天気はちょっといまいちだったものの今回もいい山旅だった。
コメント
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初めましてff97181さん。
芋煮のにおいがこっちまでたちこめてきそうです。
ずーと憧れている、飯豊連峰縦走。今年も鹿児島にいる
山友達と計画していましたが、ボツに
ff97181さんのレポを見て楽しませて頂きました。
いつか、どっかの山小屋で酒でも・・・
gamaoさん初めまして。
山でなくて芋煮の方に反応されましたか(笑)。
飯豊は本当にいい山ですので是非登ってください。まずは初夏の残雪たっぷりの季節が楽しいと思います(ヒメサユリもありますし…)。
ほんと、いつかどこかで御酒もご一緒させていただきたいですね。
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