(広河原BS)→北岳→間ノ岳→農鳥岳→(奈良田BS)
- GPS
- 56:40
- 距離
- 29.1km
- 登り
- 3,444m
- 下り
- 4,143m
コースタイム
新宿駅 1000
↓ 特急スーパーあずさ11号
甲府駅 1128 1200
↓ 山交タウンコーチ
広河原BS 1356
↓
広河原山荘 1420
【DAY-1】 10/31 (月)
広河原山荘 0617
↓
第1ベンチ 0729
↓
第2ベンチ 0816
↓
白根御池小屋 0907 0930
↓
小太郎山分岐 1156 1250
↓(小太郎山への途中で引き返す)
肩の小屋 1331
【DAY-2】 11/1 (火)
肩の小屋 0720
↓
北岳 0818 0854
↓
北岳山荘 1007
↓
中白根山 1057
↓
間ノ岳 1233 1401
↓
農鳥小屋 1507
【DAY-3】 11/2 (水)
農鳥小屋 0544
↓
西農鳥岳 0639 0649
↓
農鳥岳 0725 0737
↓
大門沢降下点 0816
↓
大門沢小屋 1041 1051
↓
早川水系取水口 1253 1312
↓
下山口 1350
↓
奈良田第1発電所 1428
↓
奈良田温泉BS 1459 1705
↓ 山交タウンコーチ
身延駅 1834 1913
↓ 身延線・各駅停車
甲府駅 2032 2108
↓ 特急スーパーあずさ36号
新宿駅 2236
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
1.大門沢小屋の下で沢を渡った所が判り難い。黄色いペンキに従って沢沿いに行くのではなく、上の赤テープの所に登山道がついている。 2.紅葉の雑木林は、居り場で踏み跡が判り難いが、赤テープやペンキが適度な間隔であるので、焦らず集中していれば、迷わないと思う。暗くならないうちに通過するのが無難 |
写真
感想
【DAY-0】 10/30 (日)
相変わらず1週間の周期で週末になると天気が崩れることが続いているが、ココを逃すと、登山バスや山小屋が営業終了してしまうし、そもそもが冬山になってしまうので、ラストチャンスにかけ日曜日から白峰三山に出かけることに決めた。日曜の天気が良ければ、白根御池小屋まで登るつもりだったが、雨の予報だったので、登るのは止めて広河原山荘までの移動日に充てることとした。ゆっくり起きて、新宿で1000発のスーパーあずさに乗車。甲府に着いた頃には、すっかり曇天となる。5人しか乗っていない広河原行きのバスに乗る。途中で芦安温泉に行くカップルが降りてしまったので、広河原まで行ったのは自分を入れて3名のみ。バスは、紅葉真っ盛りの南アルプスの中を走って行く。広河原に着く頃には、小雨となり、合羽を着て広河原山荘へ向かう。野呂川に架かる吊橋手前に、「大樺沢ルートは台風の影響で通行止め」と張り紙が出ていた。最近台風が来た記憶はないのだが、修復に時間がかかるというか、今年は修復する気は無いのだろう。次に来る時までには、修復していてほしいなどと思いながら、吊り橋を渡って、ひっそりとした山荘に着く。宿泊手続きをして、紅葉の広河原を散策する。雑木林が綺麗だ。広河原から大樺沢上部に北岳が見えるはずなのだが、今日は雲の中で見えない。前に来た時も、北岳は見えなかった。広河原からの北岳には縁がないようだ。本日の宿泊は自分のみ。シーズンオフの平日に登る人はやはり少ない。山荘の人によると、明日は午前中は小雨(山頂は雪?)だが、午後から天気は回復するらしい。食事を終え、明日の好天を祈りながら、早々に床に就く。
【DAY-1】 10/31 (月)
朝、目が覚めると、すでに雨は上がっていた。山荘の人の話でも、天気は回復するらしい。今日は、肩の小屋までなので、ゆっくり食事を終え出発する。山荘横が登山口で、紅葉の雑木林の中を登って行く。大樺沢ルート分岐には、ロープで通行禁止がしてある。次第に陽が射してきて、紅葉が輝く。青空も広がり始める。急坂を登って行き第1ベンチに着く。さらに急坂を登り第2ベンチに着く。「あと20分で急登終わり」の手書きが嬉しい。鳳凰三山の観音岳の眺めが良くなって来る。北岳は、まだ雲の中だが、青空が広がり始めているので、北岳が見えるのも時間の問題だ。やがて急登が終わり、雑木林の中の少しなだらかになった道を行き、白根御池小屋へ着く。すっかり青空が広がり、遂に北岳山頂や八本歯のコルも顔を出す。ここから見ると、山頂まですぐに見えるのだが、昭文社の地図では3時間以上かかる。山荘は、冬支度の荷下げ中で、丁度、ヘリで荷物を運んでいる所だった。「あのヘリだったら、広河原から1分だろうな」などと思いながら、広河原山荘で作ってもらったおにぎりを一個食べて休憩する。山荘の名前のもととなった池は、綺麗な池ではなく緑色に濁っていたが、池の向こうに見える鳳凰山は、なかなか良い感じを出していた。ここからは、北岳へ直登する道と、二俣経由て登る道とがある。昭文社の地図では、時間に大差はないようだが、山荘の人によると、直登コースの方が早いらしいので、予定通り直登コースを採る。直登コースは、地図には「草すべり」とあり、背の高い木が無く、鳳凰山の眺めが良い道だ。夏には高山植物が咲き乱れるらしい。ヘリの荷下げを見たり、北岳や鳳凰山を眺めたりしながら、ゆっくり登って行く。青空と白い樺の木の対比が良い。やがて高嶺越しに地蔵岳のオベリスクが見えて来ると、鳳凰三山らしくなる。ボーコン沢の頭越しに富士山が見え始めると、小太郎山への分岐は近い。小太郎山への分岐直前で白砂の甲斐駒ヶ岳が引き締まった感じで見えて来て、オオッと思う。分岐まで来て尾根に出ると、仙丈ヶ岳が大仙丈沢のカール、小仙丈沢のカールを見せる。ここで、富士山を見ながら、残りのおにぎりを食べ小休止する。時間があるので、小太郎山まで行ってみることにするが、尾根の反対側に出た途端、いままでの無風のぽかぽか陽気とうって変わり、物凄い寒風がヒューヒューと吹いて来る。それでも我慢して、しばらく行ってみたが、あまりにも風が冷たいので、1/4くらい行った所で引き返すことにする。この辺りから見る甲斐駒ヶ岳は、白砂の山頂がきりりと引き締まって、実に格好が良い。鋸岳は、本当に尖って見える。縦走路に戻り、しばらく登ると肩の小屋に着く。標高3000mとある。肩の小屋から見ると北岳には、昨日の雪(広河原は小雨だったが、山頂は雪だったらしい)が貼りついているが、アイゼンが必要なほどではない。今日も、宿泊者は自分のみ。山荘は冬支度中で、スタッフ5人とも11/3には山を下りるとのこと。山荘のストーブで温まったり、外に出て写真を採ったりする。冷たい風が吹いているので、のんびり景色を見ながら音楽を聴くとまではいかなかったが、美しい景色を見ながら聞く名曲は良いものだ。やがて日没の時間となり、雲に霞みながら沈んでゆく夕陽を見る。雲の無い日没も良いが、オレンジ色に染まる雲に沈んでゆく夕日も良いものだ。
【DAY-2】 11/1 (火)
御来光に合わせて外に出る。東の空はすでに茜色に染まり、富士山や奥秩父山塊(東アルプスとも呼ぶらしい)が、そのシルエットを見せている。やがて太陽の最初の光が見え、どんどん陽は上って行く。北岳も赤く染まる。今日は、八ヶ岳にも雲が無く、広い山裾を見せている。仙丈ヶ岳や甲斐駒ヶ岳も赤く染まる。遠く、恵那山、中央アルプス、北アルプス、高妻、火打・妙高、日光連山も見える。槍・穂高、立山・剣、白馬は白く輝いている。中央アルプスに、朝陽を浴びた南アルプスの影が映る壮大な夜明けだ。鳳凰山の向こうには、瑞牆、金峰山、甲武信、国師から雲取、大菩薩まで見えている。富士山の麓には、御坂山塊、天子山塊が見える。御来光を満喫し、朝食を食べ、出発する。今日は、農鳥小屋までの短い行程なので、十分に時間に余裕がある。寒くなければ、山頂でゆっくりして行くつもりだ。肩の小屋から北岳へは急登だが、景色がとても良いので、写真を撮りながらゆっくり登って行く。8時18分、誰もいない山頂に着く。間ノ岳や農鳥岳等のこれからの縦走路が見える。いつかは行ってみたい塩見岳も間ノ岳の右手に顔を出している。仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳、鳳凰三山の眺めは圧巻だ。中央アルプス、北アルプスも素晴らしい。コピーしてきた「百名山パノラマ案内」と見比べ、一つ一つ山を確認して行くと、その時のことが思い出されてくる。もっとゆっくりしたかったのだが、風が冷たいので、下ることにする。立派な北岳山荘が、間ノ岳との鞍部に見える。冷たい風の中を北岳山荘まで下り、登り返したところが、広い山頂の中白根山だ。振り返ると北岳が、なかなかに凛々しい。目指す間ノ岳には、一昨日の雪が貼りついている。少し休憩する。まだ冷たい風が吹いているものの弱まってきている感じだ。間ノ岳に着く頃には、風もほぼなくなり、快適なぽかぽか陽気となる。相変わらず山頂には誰もいない。というか、今日これまでにすれ違ったのは1名だけだから、やはりシーズン終わりの平日は静かだ。ここでも、コピーしてきた「百名山パノラマ案内」と見比べ、山を確認して行く。北岳が凛々しい。これから向かう、農鳥岳、西農鳥岳の縦走路も良く見える。塩見岳からの縦走路も見える。いつか通ってみたい縦走路だ。遠くには、懐かしい荒川三山と赤石岳が見える。誰もいない静かな山頂で、名曲を聴きながら、季節外れの暖かい日差しを浴びて、贅沢な時間を1時間以上も過ごす。
山頂を満喫し、農鳥小屋へ下る。小屋は、すぐそこに見えるのだが、1時間ぐらいかかった。富士山や中央アルプスの眺めが良い。間ノ岳や農鳥岳、西農鳥岳はすぐそこに見える。ここも宿泊者は自分だけ。小屋番のおじさんはぶっきらぼうだがとても親切で、早々に、寒いだろうからとコーヒー(インスタントだが)を飲ませてくれたた。いままで山小屋で、コーヒーを入れてもらった記憶はない。夕食のおでんは、「全部食べていいよ」との言葉に甘えて全部いただいてしまった。夕食後、暖かい気持ちで恵那山の横に沈んでゆく美しい夕日を見る。間ノ岳が赤く染まっていた。おじさんが、炬燵の槇(?)を一晩持つように足してくれて、「寒いから炬燵に足を入れて寝なよ」と言ってくれたので、快適な一夜を過ごすことができた。おじさんによると、今年は例年よりも10度ぐらいは暖かいらしく、こんなに雪が降らなかったことは四十数年間で初めてのことらしい。やはり、異常気象か。おじさんの勧めで19時頃に、甲府の美しい夜景を見てから眠る。
【DAY-3】 11/2 (水)
今日は行程が長いうえに、下山路が判り難いという噂を聞いていたので、焦ってパニックにならないよう早めに行動を起こす。営業終了間近で食事が無いというおじさんに、朝食にインスタントうどんを作ってもらい、日の出前に小屋を発つ。西農鳥岳への途中で御来光を拝む。今日も素晴らしい朝日が富士山の横に登る。朝日に染まった間ノ岳が印象的だ。中央アルプスには、南アルプスの影が映える。西農鳥岳までは、ほとんど直登が続き、縦走3日目なので、足も疲れ結構きつい。西農鳥岳との標がなかった(見落とした?)ので、二つあったピークのどちらが西農鳥岳なのかわからないので、両ピークとも踏破した。この2つのピークからは、平らな農鳥岳の上にちょうど朝日と富士山が見える。西農鳥岳から、農鳥岳はすぐそこに見えるのだが、歩きにくい岩稜帯を大きく下って岩場を登り返すことを数回繰り返すので時間がかかる。ようやくたどり着いた誰もいない農鳥岳で、北岳、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳などの最後の眺望を楽しむ。時間も早いので、ゆっくりしていたいのだが、明るいうちに奈良田に出たいので、早々に農鳥岳を発つ。後は、下るだけだ。広河内岳に向かう縦走路を、荒川三山や塩見岳を見ながら下って行く。アルペンムードにあふれた気持ちの良い道だ。
大門沢への下降点手前からは、これから下る大門沢がはるか下に見える。相当急な下りが予想される。下降点には、鐘がある。コーンと澄んだ音がした。塩見岳に別れを告げ、大門沢に下降しはじめる。最初は、鳳凰山や富士山が見えている中を下って行くが、やがて樹林帯に入る。葉が落ちた木々の間から時々、富士山が見える中を下って行き、鬱蒼とした樹林帯を越えて大門沢小屋に出る。水を補給したかったのだが水場は枯れていた。少し戻って沢沿いの道に出る。ここでランチ。この後、沢を渡った所で道が判り難く、黄色のペンキ矢印に従って沢に沿って少し下るが、人が通った気配が無い。おかしいので沢を渡った所まで戻って、良く観察すると、黄色の矢印とは別に赤テープが少し上にあるのを見つけ、登ってみると、そこが登山道だった。あの黄色の矢印は、無い方が良い。この後、何度か手作りの橋で沢を右左に渡り、ペンキや赤テープを目印に下って行く。雑木林に入ると、落ち葉で踏み跡が判り難くなるが、適当な間隔で赤テープや石にペンキでマーキングしてあるので、焦らず注意深くたどって行く。明るいうちに、ココを通って、本当に良かったと思う。GPSは持っているので、トラックバックすることはできるけれども、この寒い夜にビバークはしたくない。雑木林の紅葉は美しく、太陽に輝いて素晴らしいのだが、ゆっくり堪能する心の余裕が無かったのが少し残念だ。それでも何枚か撮った写真の紅葉は綺麗だ。とにかく、集中して下って行き、やがて右から沢が合わさるところに出ると、早川水系取水口が左手に見え、初めて安心して大休止する。取水口の標高が1300mぐらいなので、1800mぐらいを一挙に下ったことになる。おまけに、道に迷わないよう集中していたので、とても疲れた。バスまで時間は十分にあるので、周りの紅葉を初めてゆっくり鑑賞しながら休む。取水口からは、何度か吊り橋を渡り舗装された林道に出る。林道をゆっくり下って行き、奈良田第1発電所のところで、広河原からの道に出る。右折して、奈良田方面へ向かう。立派な橋を渡って少し行くと奈良田のバス停に出る。次の身延行バスまで2時間以上あったので、温泉に入ろうと思い、町営奈良田の里温泉へ行くが、水曜定休で入れない。トホホと思ったが、バス停の近くに日本秘湯を守る会の温泉(白根館)があったのを見ていたので、そこに向かうと、日帰り温泉OKとのこと。「町営温泉よりも良かったかもしれない」と思いながら露天風呂と檜風呂に入って寛ぐ。
1705定刻通りのバスで身延駅に出ると、事前にyahoo駅スパートで調べていたにもかかわらず、甲府行きの特急は先の台風の影響で運休中とのこと。「前にもyahoo駅スパートで似たようなことがあったぞ。駅スパートは使えないな!」と思いながら、各駅停車で甲府に出ることにする。電車まで時間があったので、身延駅前の食堂でほうとうを食べる。美味かった。甲府からは、特急「スーパーあずさ」で新宿に出て帰る。家に着いたのは11時過ぎだ。やはり南アルプスは遠い。でも、素晴らしい。
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