聖岳・赤石岳縦走
- GPS
- 33:45
- 距離
- 57.1km
- 登り
- 4,510m
- 下り
- 4,493m
コースタイム
11/4 撤収4:40〜上河内岳6:25〜南岳7:10〜聖平8:15/8:30〜小聖岳10:00〜前聖岳11:35〜奥聖岳11:50/12:15〜聖兎のコル13:10〜兎岳避難小屋14:10
11/5 撤収4:50〜兎岳5:00〜小兎岳5:40〜中盛丸山6:45〜大沢岳7:15〜百間洞テン場8:00〜百間平9:00〜大斜面下コル9:40/9:55〜赤石岳11:00/11:15〜
砲台休憩所12:00昼食12:20〜富士見平13:00〜赤石小屋13:25/13:40〜小広場(?)14:40〜椹島ロッジ16:05/16:20〜聖沢登山口16:55〜畑薙橋19:00〜
沼平20:15〜駐車場21:05
天候 | 1日目:曇り一時小雨 最高気温10℃、最低気温3℃ 2日目:晴れ 最高気温15℃、最低気温-5℃ 3日目:晴れのち曇り夕方から雨 最高気温10℃、最低気温-3℃ |
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過去天気図(気象庁) | 2011年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
東海フォレスト夏季臨時駐車場に停めました(11/7まで利用可)。 沼平のゲートへは、道路の崩落により一般車通行止めです。徒歩40分です。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
駐車場から沼平までは思ったより時間はかかりませんでした。 登山届は沼平に出しましたが、畑薙大吊橋にもポストがあります。 ウソッコ沢の吊橋はあいかわらずよく揺れて楽しめます。 ウソッコ沢小屋手前の水場は、細いですが生きてました。 横窪沢小屋から先は枯れ葉が厚く積もって歩きにくく感じました。 水呑場はかろうじて出ていますが、実用的ではないでしょう。茶臼小屋の水場も細かったです。 上河内、聖、兎と3つの登り返しがきついです。下りも急で、霜が降りていたのでスリップ注意です。 聖岳〜奥聖岳間は岩伝いです。幅が広いので怖くはないです。 兎岳避難小屋直下からは、ほとんどガレ場です。ここまでに比べれば緩めの傾斜ですが、北から縦走するときつそうです。百間平がオアシス。 赤石からの下りがガレの急坂です。砲台休憩所から赤石小屋までは平坦な巻道ですが、手摺り付きの桟道があってちょっと緊張。 小屋から椹島までは、どこにでもあるような樹林帯の山道です。下に行くほど急で枯れ葉が多く滑りやすいです(1回コケました)。 |
写真
感想
今年最後の縦走、聖岳・赤石岳です。
11/3 出発前から道路の心配が尽きませんでしたが、国道362号線の通行時間規制は無くなり、駐車場も30分
よけいに歩く程度で済むと聞いて(この30分が凶悪)出発しました。心配の種は4日目の雨だけです。
駐車場には思ったより多くの車が停まっていました。しかし、すでに出発しているのがほとんどのようで、
私の他にはもうひとりMTBで先行して行くのを羨望していました。沼平には感覚的に早く着いて、気を良くし
ていました。茶臼小屋までは6月に使っているので気が楽です。近隣の山の紅葉を楽しみながら、しかし急坂
に苦しみながら上がっていきます。前回も、這うようにして登った覚えがあります。
横窪沢小屋ではまた昼寝してしまいました。ここからは少し緩めになります。枯れ葉が足元にまとわりつく
ように積もっていました。そこへパラパラと音を立てて小雨が落ちてきました。晴れマークはどこにいったの
やら。樹林帯だし無視していると間もなく止んでくれました。「茶臼小屋水平道」からはだいぶ楽でしたが、
今日は予定以上に行程を稼げそうにありません。吸い込まれるように小屋へ入り、さっさと寝てしまいました。
1時間後、扉が開いて男性が一人入ってきました。光岳へ行くそうで、私とは反対方向です。さほど会話は
しませんでしたが、行動のタイミングが合っていたのでスムースに消灯できました。
11/4 私の方が1時間早い出発のため、起床後は土間で準備して出発しました。まだ暗いうちから歩き出すの
は久しぶりで、満天の星空が気持ちよく感じました。足元は霜が降りていて、砂礫に近いザレ道ですが少し滑
ります。草原までけっこう下り上河内岳へ登り返します。肩にザックを置いて山頂へ急坂を往復しました。
この日は朝焼けの時間が長かったような気がします。ただ、霞が多くて遠望は利きませんでした。富士山も
ぼんやりしています。
ハイマツ帯のザレ道が続きます。風が治まり、ピーカンで暑いくらいです。去年来たときは雪があったの
で、寒いだろうと思って着込んだブレスサーモが仇になってます。かといって着替えも同じなので、袖を捲
るくらいしかできません。南岳からは急な下りが長く続き、聖平で視界が開けます。
聖平小屋を覗きに行って出発。小聖岳、前聖岳は山頂への急登に泣かされました。聖の斜面は、荒川小屋
から荒川中岳へ上がる斜面に似ているように思いました。ちょうど陽射しが強くなったので、大の字になっ
て日光浴を決め込んでいると、爆音とともにヘリが通過して行きました。誤解されてもいやなので、起きて
歩き出しましたが、何度も通過していくので写真を撮ってやりました(深い意味は無い)。
広い山頂で記念撮影。39座目の百名山です。またザックを置いて奥聖岳へ下りて行きます。この尾根だけ
なぜか岩場道です。往復している間に、兎岳方面から一人登頂していきました。さて、聖からの下りがまた
急で、今度は霜が溶けたのか塗れた岩が混じっていて滑ります。しかも兎岳への登り道が見分けられず、避
難小屋も見当たらないので不安でした。見た目は岩が突き出た険しい尾根ですが、巻道と岩の段差を登る繰
り返しで、避難小屋直下からガレ場になります。避難小屋標柱で濃いガスに包まれてしまい、ちょうど兎岳
から下りてきた方と小屋に入りました。
避難小屋は一段低く建てられていて、登山道からでは屋根しか見えません。外観は変化無いようですが、
中は情報通りきれいでした。しかし板張りではないのでコンロの使用には注意が必要です。ご一緒した方は
なんと、10/29北岳から仙塩尾根を縦走してきている強者で、面白い話をたくさん聞かせていただきました。
とくにザックの中身については細かく教えていただき、次回槍ヶ岳には実践したいと思います。翌日が最終
日、便ヶ島へ下りられるとのこと。成功をお祈りします。ラジオの予報では、天気はやはり下り坂。明日は
行程を短くしたほうがいいのか、一気通貫したほうがいいのか悩ましいところです。
11/5 翌日は一緒に起床してくれて、話しながら朝食を摂りました。ここから下るには暗いと危ないので、
また私が先に出発。風が吹いていてガスっていましたが、その上には星が見えています。きっと晴れると信
じて歩き出しました。兎岳は目と鼻の先。ガレとハイマツを縫うザレ道はゆるいアップダウンで小兎岳まで
すぐでした。ガスの向こうで曙光を浴びる赤石岳が見え隠れしています。雷鳥の鳴き声がしましたが暗くて
姿は見えませんでした。しかし幸運にも日の出の後、羽が白い雷鳥を初めて見ることができました。また西
から流れてくる雲が、芸術的なまでに美しかったのも忘れられない光景でした。
とんがり帽子のような中盛丸山へは、西側を巻くように登って行くので、思ったより楽に登れました。山
頂から木曽駒ヶ岳や槍ヶ岳まで見渡せました。大沢岳の途中には大沢渡(しらびそ峠)への分岐が生きていま
した。通れるようになったのでしょうか?
ハイランドしらびそはすごく目立っていました。大沢岳の山頂はナイフリッジでちょっとスリリング。そ
こから百間洞まで急降下です。下1/3くらいはガレ場です。テン場のそばを流れる水を飲んで、小屋は遠く
から眺めるだけにしました。百間平への登りが遠目より急だったからです。下半分はガレ場の岩登り、上半
分はザレの九十九折れとけっこう苦しめられました。
ピークを越えると平坦な丘が広がり、正面の赤石岳から南アルプスの面々が一列に並んでいる絶景です。
赤石岳のコルまでは緩いアップダウンですが、崩壊した斜面の縁では瞠目しました。カメラには収まりきら
ないスケールでした。赤石岳山頂に人影が二人、荒川小屋の方へ下って行きました。コルで靴を履き直して
歩き出すと、遠目にはザレに見えていた道が、実際はガレだったのがこの山の大きさを表していると感じま
した。山頂には3人が休憩していましたが先行され、今回の山行では頂上を誰かと共有することはありませ
んでした。この日は本当にペースが速く、赤石岳で予定より2時間早く到着しています。これなら一気通貫
したほうが明日雨の中を山道を下るよりよさそうです。そう決めましたが、もう1本団子型の山頂表示があ
るのでそれも見に行ったり、避難小屋の中を覗いたりしていました。
下りはじめるころにはガスが漂着し始めていました。赤石小屋への下りが見た目通り急なわけですが、ガ
レや岩場が多かったのでペースは落ちずに済みました。砲台休憩所では陽射しが気持ちよく、つい座って昼
食にしてしまいました。すると男性が一人下りてきて、やはり椹島まで下りようか迷っているようです。沢
で水を汲み、先行させてもらいました。ここからは緩い巻道がほとんどで、立ち枯れの張り出した幹を越え
るのが厄介なくらいです。赤石小屋には何人か休憩していたようですが、私が着いたときには先行していま
した。冬季小屋のトイレが使えたので用を済ませ、小屋の中を覗くと、広くて2階も使えるようでした。
この先は樹林帯の普通の山道です。椹島から赤石小屋までを5分割して表示しており、1区分が30分のよう
です。すると2時間半ほどで下れることになり、駐車場にも早く着けるかもしれないと皮算用しながら下りに
集中しました。小広場(3/5)の手前で霧雨が手に当たるようになりました。やはり山は天気の変わりが早い。
小広場を過ぎると少しずつ急(な感じ)になり、2/5を過ぎた直後にスリップ転倒してしまいました。膝ブレ
ーキが甘くなってきています。さらに、雨が本格化したのでついでだからと、合羽とザックカバーを装備し
てしまいました。しかし歩き出すと暑くて、上だけすぐ脱いでしまいました。椹島まであと10分というとこ
ろで、たぶん赤石山頂にいた3人に追いつきました。
椹島の登山口からロッジの方へ降り、水筒やライトの準備をしてスタッフに道を聞くと、登山口まで戻ら
ないといけないということで、ロッジまで下りてきたのは余計だったことになります。スタッフの方はこれ
から畑薙まで歩くことを心配してくれたので、無駄足を踏んだ気にはなりませんでした。
さて、林道歩きでいい思い出は無い私ですが、今回は夜闇の中を5時間は歩かないといけません。まだ明る
いうちに紅葉を撮ったりしていましたが、雨はどんどん強くなるし、足は痛くなるし、目標の中の宿吊橋が
さっぱり現れず(唯一街灯の灯っていた所がそうかも)、道自体は危なくなくても落石やクマとの遭遇もあり
得るかも知れず、ナイトハイクする方々の精神力には脱帽します。息も絶え絶えに畑薙大吊橋まで来て、気
持ちが楽になるかと思ったら、知っている道ほど長く感じてイライラするのでした。沼平では下山したこと
を書き足しておきました。駐車場手前では足の裏が腫れあがったかのような痛みで、もう二度とするまいと
思いました。
駐車場は一昨日より車が増えているようでした。たぶん昨日までに入山しているのでしょう。車の中で体
を拭き、パスタを茹でて、ありったけの水をがぶ飲みすると、やっと落ち着いてきました。車中泊用のシュ
ラフで寝て、早朝に出発と思いましたが、眠りは浅く、2:30に出発してしまいました。おかげで渋滞などな
く帰り着きました。
去年の同じ時期に比べて、雪は気配すら無かったのが残念でしたが、2日晴れてくれて、いい景色を堪能
できたことでは満足できる山行でした。
コメント
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はじめまして、BBCさん。
11月11〜13日で荒川岳・赤石岳・聖岳・光岳辺りを2泊3日で行けるルートを考えていました
BBCさんのレコとても参考になりました
今年はまだ積雪は無いんですね
週末の天気が微妙そうですが、天気が 崩れ無そうなら南南アルプス縦走したいと思っています
コメントありがとうございます。
今週は天気怪しいですね。前倒しで好転することを祈ります。
私はtauさんのレコを参考にさせていただきました。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-141540.html
椹島基点の反時計回りルートです。宿泊しないのでバスは使えませんでしたが、今回出会った自転車はいい手段だと思いました。(買えませんが)
南アルプス南部は登山口までのアクセスにも注意してください。今年の台風の影響がまだ残っています。
Maieさんの記録も楽しみにしています。気を付けて行ってきてください。
最後に抜かれた3人ですw
ギリギリ天気がもって良かったですよね。
聖→赤石をこのコースは憧れます。
2泊3日は僕は無理ですが…いつかきっと!
羨ましくなるようなルートを歩かれてますね!
とても魅力的な写真をみて、また行きたくなってきました。。
BBCさんの記録を参考に、逆回りにも挑戦してみたくなりました〜。
yamaokak25さん、はじめまして。
あの時は素っ気なくてすみませんでした。もう余裕が無くて・・
yamaokak25さん達は椹島に泊まられたようですね。私も計画では3泊4日でしたが、天気が崩れる前に下りられたので、そのまま帰っちゃいました。送迎バスが魅力ですし、いい所でしたね。
またどこかでお会いできたら、語らいましょう。
tauさん、こんばんわ。
見に来ていただき、ありがとうございます。
逆回りは聖・赤石の山体を角度を変えて眺めながら迫るので、満腹感がありました。最後の林道歩きは計画の上でしたが、夜なので怖かったです。もし、歩かれるときは昼間がいいでしょう。
まだ聖沢を歩いてませんし、私もいつかtauさんのルートに挑戦したいと思います。
北岳 池山吊尾根で お会いしたijikemusiです。兎岳に行きたいとネットサーフィンしていて またBBCさんのヤマレコに来ました。
相変わらず 一日の行程が 長いですね。
BBCさんが聖・赤石を歩いておられる頃、 私も同じ日程で 田代・伝付・笊ヶ岳・老平を歩いていました。ニアミス ? でしたね。 本当によい天気でしたね。
私は 南アの主稜線で歩いてなかったのが仙塩尾根、 大沢岳-聖岳の間と 今回の伝付峠から笊ヶ岳手前のさわら島への下降点まででしたので 次は 何とか兎岳と思っていました。BBCさんのレコを参考にさせて頂きます。 兎岳-小兎の間に水場があるようですが どんな具合でしょうか? ご存知でしたら教えてください。出来れば 笠松尾根で(水を担がずにやりたいので・・) では、 またどこかでお会いするかも・・・
お久しぶりです、ijikemusiさん。
渋いところを歩かれてますね。笠松尾根がどこか分からず調べたら、これまた渋いとこですね。
すぐ道を見失う私にはまだ早いルートですが、憧れます。
兎岳-小兎間の水場は、まだ暗くて気が付かなかったんです。聖平小屋のも確認してませんし、お役に立てずすみません。
http://tozan.org/tozan/salps2002/data.html
↑古い記録ですが、小兎の水場はあまり枯れないと書いてありますので、場所がわかれば使えるかもしれません。
大沢渡から入れれば、百間洞が使えるんですが・・まだだめみたいですね。
水は重いですが、少し持って上がられた方がいいかもしれません。気を付けて行って来てください。
またお会いできる日を楽しみにしています。
早速、回答いただき有難うございました。(このコメントは自宅PCよりで、先のコメントは会社でサボりながら書きました。 こちらの名前は ijikemushiにして一字違いの同音です。)私もルーファイはあまり得意ではありませんので 最近はガーミンのDAKOTA20というGPSを持ち歩いています。 英語版は安くなって しかもカシミールの地図に自分のルートを書き込み それをダウンロードして使えるのでとても重宝しています。宣伝ではありませんが お勧めです。
教えていただいたサイト 役に立ちました。
やはり、畑薙ダムまで歩かれましたか。
兎岳避難小屋でご一緒させていただきましたYAMACHAKOです。私もその次の日、聖岳、易老度さらに北俣渡へ無事に歩くことができました。あの「芸術的な雲」は素晴らしかったですね。雷鳥には会えませんでしたが、聖岳への登りで、真近に純白のオコジョに会うことができました。感動ものでした。
またどこかでお会いできればいいですね。
YAMACHAKOさんおはようございます。
小屋では大変お世話になり、ありがとうございました。
雨には遭いませんでしたか?無事下りられたようでなによりです。
私も妙に脚が軽くて、当初のルートで歩くことができました。
OS-1のパウダーはやはりどこにも売ってませんでしたね。戴いたのを飲んでみて気に入ったら私も箱買いします。
純白のオコジョ 羨ましいですね。写真があったら見せていただきたいです。
自粛されるようなことを言っておられましたが、またどこかでお会いしたいです。
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