鳴滝山・東山 〜若桜町糸白見から周回〜
- GPS
- 07:56
- 距離
- 11.4km
- 登り
- 1,108m
- 下り
- 1,097m
コースタイム
- 山行
- 7:00
- 休憩
- 0:59
- 合計
- 7:59
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
林道から鳴滝山まではほぼ道はありません。沢の石の上やその近くの山の斜面を這い上らなければならないのでそれなりの覚悟で歩いてください。糸白見川林道から鳴滝山までのGPSログが細かく震えていることからこの上りの苦労を察してください。 鳴滝山から東山を通って終着点(始発点)林道脇までは稜線および尾根で快適に歩けます。ただし、落ち葉や枯れたネマガリタケを下手に踏むと滑るので注意しましょう。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ジャンパー
ズボン
靴下
サポーティングタイツ
グローブ
日よけ帽子(キャップ)
登山靴
サブザック
トレッキングポール
昼食(シリアルバー+サラダチキン+吹雪まんじゅう)
行動食(飴)
予備食(羊羹他)
飲料(お茶500mL+水1L)
地図(地形図)
iPhone(GPS+カメラ)
iPad mini
サブバッテリー
カメラ
携帯電話
腕時計
ラジオ
剪定鋏
ヘッドランプ
手拭い
ティシューペーパー
|
---|---|
備考 | 昼食にスープ春雨を食べようと、コッヘルバーナーセットも持って行ったが、時間の都合で使わなかった。 |
感想
先週の週末は天気がイマイチ良くなかったので、山を歩くことなく、砂丘の丘を少し歩いた程度であとは家で過ごしてしまった。今週末は良い天気に恵まれたので、以前から構想していた「東山(とうせん)」登頂をおこなうことにした。
東山は鳥取県で3番目に高い山だそうだ。けれども、登山道が整備されていないようで、山と渓谷社新・分県登山ガイド[改訂版]30『鳥取県の山』にも取り上げられていない。けれど、ネットで調べてみると歩いている人がいないわけではない。ただ、その半分ぐらいは雪山の時期の登山だ。無積雪期の登山でメジャーなのは南の智頭町方向から尾根を辿って歩くコースだ。そちらのコースが高低差も小さく無難な感じはするが、北側の鳥取市からやって来る私はできれば北の若桜町から上る周回ルートを選びたいと思った。ただ、私の体力と経験値からコース長は10km程度に抑えたい。…なんてことを考えると、ちょうどよいコースが見つからない。糸白見川上流から鳴滝山へは、国土地理院の地図上では点線が示されていて歩ける道があるようだが、そこを歩いたレポートは探すことができなかったので、きっと廃道になっているのであろうことが予想できた。けれど、かつて道があったのなら、少しは痕跡があるんじゃないか、そこを歩くことができれば鳴滝山と東山に登頂して10km程度のコースが設定できるぞ、と考えた。そこで、東山から下りたあたりの林道脇に車を停めて、そこを起点とする周回コースを歩くことにした。
朝起床したのは8時頃だった。けれどもそれから朝食を食べたり支度をしたりしていたら、家を出たのは9時過ぎになっていた。そして、車が目的地店に着き、歩き始めることができたのは10時をとうに過ぎていた。順調に歩ければ10km程度の道程であれば6時間ぐらいだろう。難航したとしても暗くなるまでには下山できる時間だろう。そう思いつつも万が一に備えてリュックの中にはヘッドライトも入れておいた。
最初は糸白見川沿いの林道を歩く。緩やかな登り道でウオーミングアップにはちょうど良い。30分余りで登り口(であるはずの場所)へ着いた。糸白見川の一番上流の分岐の少し上流地点だ。地図ではここから点線が南方向へ伸びているのだが、登山口の表示も、道らしきものも無い。やはり今や正式な道は無いんだ。けれど、地図に従って歩いてみよう。
地図の点線通りに歩くと、谷筋沿いに鳴滝山へ向かうことになる。林の中は下草がそれほど茂っていないので難なく歩ける。また沢も、水があまり多くないので、足場に気を付けながら歩いて行くことができる。ただ、問題なのは時々現れる小さな滝だ。ここは沢を這い上がるわけにはいかない。周りの斜面もかなり急だ。しかしその急な斜面を灌木の枝や笹を手に掛けながら四つん這いで這い上がって行かなければならない。所々、「もしかしたらこれがかつての道なのかなあ」という所はあるものの、すぐに途切れてしまう。そうだ、沢沿いの道は雨が降ると良く崩れるんだ。GPSで場所と方向を確認しながら時間をかけて鳴滝山へ向かう。かなり上って沢が枯れた辺りになると、傾斜もきつくなり、体力的にも辛くなり、足取りが重くなった。水分が足りないのか、塩分が足りないのか、それとも糖分なのか…。「体力の限界」という言葉が脳裏をよぎる。けれども、ここで引き返してこの沢沿いの斜面を下るのは辛いし危ない。稜線へ辿り着けば何とかなるはずと、気力を奮い立たせてやっとのことで登り切った。一歩ずつでも進めば必ず目的地にたどり着くことができることをこの1年間の山歩きで学んだ。それを実践できた。
けれども鳴滝山山頂に着いた時には13時半を過ぎていた。急がないと明るいうちの下山が間に合わないかもしれない。山頂で温かいスープでも食そうと、リュックにはバーナーとコッヘルと春雨スープとドリップコーヒーパックを入れていたが、そんなことで時間を費やす余裕は無さそうなので、あんこの入った饅頭とサラダチキンをかじって早々に東山方向へ向かった。
鳴滝山から東山への稜線歩きはアップダウンも少なく比較的歩きやすい。時々森の中で方向を見失うことがあるが、GPSで確認すれば進むべき方向がわかる。それでも、東山までは約2時間を費やしてしまった。鳴滝山までの上りで体力を消耗して、少々の休憩では歩行のペースが上がらないのだ。
東山に到着したのは16時前だった。急いで下山しないと日没になってしまう。けれどもエネルギー補給もしておかなければ躯体が思い通りに動かないかもしれない。行動食のシリアルバーをかじり、スープにするつもりで持ってきた水をペットボトルに移し替えて飲んだ。
あとは、尾根を下るだけだ。ペースを上げて進めるだろうと思っていた。しかし、体力の消耗は予想以上に大きくペースは上がらなかった。足許に転がっている枯れたネマガリタケ(クマザサ)のパイプがカラカラと音を立てて足を滑らせる。杉や灌木の枯れ枝が足に絡まってこけそうになる。ジオグラフィカの音声ガイドが100mごとに標高を知らせてくれるが、歩いた体感時間の割には標高が下がっていない。かなりの傾斜のある尾根をどんどん下っているはずなのに。とにかく、暗くならないうちに車を置いているところまで歩かなきゃ。腕時計の針を見ると、1時40分、…あれ、おかしいぞ、もっと遅い時間のはずだ。再び腕時計をよく見る、…秒針が止まっている。買ってまだ半年程度しか経っていないのに電池切れ?これSOLARじゃなかったっけ?SOLARはデジタル時計部分だけなのか、やっぱし格好だけのなんちゃってアウトドアウオッチAmazonで\1,490に信頼性を求めるのは酷なことなんだろう。まあ、ジオグラフィカが定期的に時刻を教えてくれるので、それを頼りになるべく無駄足を踏まずに下山しよう。
東山から糸白見川までの稜線ルートは踏み跡が付いている。標識も「←東山」とか「糸白見→」とか、要所に付けられている。よく探せばピンクのマーキングも付けられている。尾根伝いの道で薮も薄く展望の良いところも多いが、ほぼ一本調子の下り坂だ。ここを逆に登るのも辛いだろうなぁ。反時計回りルートにして正解だった。
尾根を下りながら、木の根元辺りで微かに動くものに気付いた。見ると、体にまだらの模様の入った小鹿が身を潜めて震えている。親鹿が狩りに出かけて一人で親の帰りを待っているのだろうか。驚かさないように静かに写真を一枚だけ撮ってその場を離れた。
林の中をかなり低い角度で太陽の光が差し込んでくる。夕暮れが近づいてきた。焦る、焦る。けれども、とにかく下へ下りるしかない。あまりよそ見をせずにとにかく下りるのを急いだ。そして午後6時過ぎにようやく出発点の林道脇の車のところまでたどり着くことができた。最近山の事故がニュースでよく報道されるので、家族は私の単独での山歩きに不安を抱いている。心配かけてしまったかもしれない。朝もう少し早く出かけるべきだったなぁと反省。携帯電話が圏外でなくなったら早々に下山の連絡を入れよう。色温度の下がってきた(3000Kぐらいかな)夕暮れの日差しを車に受けながら帰路を急いだ。
コメント
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katsuharaさん こんばんは。 若桜 山ボーイと申します。
三倉富士・弁天山・遠見山・・・あたりを歩かれた頃からレポートを見させていただいております。今回も若桜側にこだわっていただきありがとうございます。
今回はかなりのチャレンジ(無謀・笑)だったと想像します、上部林道からの半ヤブコキに激登り・東山からの下山道の長いこと長いこと・・・お疲れさまでした。
登りの点線は全く存在しておりません、林道をもう少しがんばって上部林道へのカーブから1053への尾根を登るのがベストかな。
このルートが歩けたら若桜の山はどこでも歩けますよ(笑)
何となく以前の私を見ているようで・・・今後の山歩きレポート、楽しみに見させていただきます。・・・そうそう、来週末は氷ノ山でしょうか、頑張って(学生さんか)ください。夏山開きで私も登ります。
山ボーイさん、コメントありがとうございます。全くおっしゃる通りで、無知が故の無謀な登山でした 。自分の体力と(危機回避)能力の限界を思い知らされた感じです。
今、ジオグラフィカのGPSログ集計を見てみたら累計高度が1,217mありました。最低高度502m,最高高度1,384mなので、これは厳しい山行きだったなとあらためて思います。
今週末は県高校総体で、また生徒の後をついて氷ノ山を歩いてきます。
県内にはまだまだ気になる山がたくさんあります。どれも登山道があるのかないのかわからないような山です。無理せず安全に気を付けてぼちぼち登ってみたいと思います。
山ボーイgongenさんともどこかの山ですれ違うかもしれませんね。お互いに健康と安全に気を付けて山を楽しみましょう 。
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