小倉谷
- GPS
- 58:23
- 距離
- 39.9km
- 登り
- 4,568m
- 下り
- 4,104m
コースタイム
- 山行
- 8:07
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 8:07
- 山行
- 9:58
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 9:58
- 山行
- 10:01
- 休憩
- 1:21
- 合計
- 11:22
2泊目 奥の二俣の広河原
天候 | 1日目曇り、2日目曇りのち夜に雨、3日目曇り時々雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 下山時間が遅かったので平湯の森500円 |
写真
感想
昨年度2mCS滝が突破できずに敗退した小倉谷にリベンジを果たすことができた。正直しんどかった。昨年度の経験から2mCSが核心であとは大したことないだろうと思っていたが、その後の特に2日目の後半が体力的にもルート的にも大変だった。
ヤマレコを始めたきっかけは、一年前に敗退した小倉谷の同日に成功したパーティーの記録がヤマレコにあり、自分も記録をヤマレコで書いてみようと思ったから。ちょうどヤマレコを初めて一年、リベンジも達成してひとまずは沢登りの集大成になったと思う。
<1日目>
今年は曇っていたので渡渉地点までの林道歩きも昨年よりは楽で、予定よりも30分は早く着いた。ゴルジャーの要望で第一ゲートで最初の休憩をしたが、みんなが休憩中に何も言わずに先に出発したのはビビった。
渡渉地点に着いて水量の少なさに驚いた。去年は流されながらなんとか泳いで突破したが、流されたら下流の取水口までいってしまうのではないかと思ったほどの水量だった。今年はどうやっても流されることもないくらい衝撃的に少なかった。へつって簡単に突破できロープを出す必要もなかった。自分だけはあえて泳いで突破した。
その後も去年の水量では高巻かなければ突破できなかった「門」も水線を突破できたし、去年Nさんが流されそうになった飛び石ジャンプもなんの問題もない。難しいへつりで突破した地点もなんの問題もなし。予定よりも早い時間に去年の1泊目の地点へ到達。水量の違いであまりにも難易度が異なる。
その少し上から大岩の地点。去年は行きも帰りも右岸を高巻いて怖い思いをしたため、今年はきっちりと予習してきたルートで正面突破。なおリードは基本的に闘将(他のメンバーは登攀力が低いので)。最初の大岩は右側をショルダーで突破。手が悪いので少し苦労する。次の大岩は記録によっては三段ショルダーをしていたが、カム+アブミで突破し、15m滝の下に出る。ここで記念撮影し、左岸を巻くと簡単に広河原に出た。あまりにも簡単な高巻きだったので、去年の敗退時に右岸から下って懸垂で降り立ったのはいったいなんだったのだろうかと思う。
少し上の地点で幕営。他に1パーティーも来る。あまり寒くないなと思ってシュラフカバーだけで寝たが、夜中に寒くなってきたので、ダウンも着て、シュラフも出して寝た。最初から出していれば暖かく寝れたので反省。
<2日目>
7:30頃出発。途中の大岩の登りでお助け紐を出してもらう。よく見ると近くの流木に青いスリングが残置してある。昨年の敗退での下降時にひっかかって切った部分の残りである。一年間そのままで残っていた。回収しようと思ったが流木の位置が変化しており手が届かなかった。
1時間ほど行くと昨年敗退したCS滝があった。まったくもって水量が少ない。昨年はCS岩の上まで水が流れていたが、今年はいたって平和。闘将が昨年のリベンジを果たすべくリードで突破。その上の岩棚のへつりのほうがいやらしく、30mロープをFIX。Nさんが足を滑らして落ちたもののFIXロープのおかげで滝まで落ちなかった。(トポでは右巻きだったので一度滝上に降りるのが正解?)
赤いスリングの滝では赤いスリングがほとんどなくなっていたが、かわりに紫のスリングが足してあった。ここも闘将のリードで登るが思ったよりは簡単。ただし自分は滝へのへつりで苦労した。トポには懸垂5mと書いてあるが巻かなかったので懸垂はしなかった。
・40m滝では高巻きしたが、踏み跡はなく不明瞭でトポでは15分と書かれているが45分ほどかかる。(先頭闘将)
・両門の滝では最初の巻きはうまく踏み跡をたどっていけたものの、2つ目の高巻き地点が分からずに探す。トポと照合してどうやらスダレ10mまで上がってしまっていたらしく戻ると、2条7mのすぐ上にそれらしきところがあり、突破する。(先頭)
・2段40mは下の右壁が悪くリードの闘将がこの沢での一番の核心とのことで苦労していた。残置ハーケンが1つあるもののグラグラで怖い。
・上の高巻きは踏み跡があり明瞭(先頭ゴルジャー)
・30m滝は左から巻くが途中が不明瞭、運よくきれいに滝の落ち口に出た(先頭)
奥の二俣で幕営。この日は一日の行程が長く、大きな高巻きも4回もあり大変疲れた。
夜に食事準備をしているときに雨が降り始めて慌ててツエルトの中に潜り込む。ちょうどアルファ米だけ作ったところで、香るカレーを戻すお湯が準備できていない段階だった。思案して粉末の雑炊のもとをそのままできあがったアルファ米に入れて食べる。思ったよりもおいしく食べられた。
雨足が強くなってきて雷雨になった。沢近くの岩の上に置いていた沢道具一式が流されないか心配していたところ、一番沢沿いの低地にツエルトを張っていたNさんが、「ゴルジャー君、ツエルトの中に入れてください」と夜這い?をかけているではないか!
これはもしかするとやばいのか?と思い、面倒だがカッパを着て、雨の中、外に出るとちょうど闘将もカッパを着て飛び出してきた。沢は増水しており、焚火をしていた地点は完全に水没し、Nさんのツエルトも完全に沢の流れの中に浸水していた。まずは自分の沢道具を避難させ、さらに流されかかっていた焚木上の飯盒も避難させ、最後に二人でNさんの荷物とツエルトを片付けた。(自分の荷物とツエルトを放置して自分だけ避難?したNさんには衝撃です)。雨は1時間もたたずにやんだが、わずか数十分程度の雨であっという間に増水する沢の恐ろしさを目の前で見せられた。
自分は沢の近くの低地は何かあったら嫌だなあと思って焚火には遠いが高めのところに張っていたのが良かった。雨が上がると星が大量に見えてきれいだった。雨で冷えたので焚火をやり直し、体を温めてお湯をテルモスに入れてから22時頃に就寝。放射冷却で冷えるので濡れた服は着替えてダウン、シュラフを出して完全防寒で寝た。
<3日目>
朝から小雨がぱらつくあいにくの天気。6:40頃出発。最初の15m滝は左岸を登る。その後は小さな滝が多数出てきたが二日目に比べたらたいしたことはない。一か所だけお助け紐を出してもらった。どんどん沢は狭まり急になってくる。4mCSは問題なく高巻き、8m滝では少々巻き方に手こずる。水が切れる分岐で最後の水を補充し、分岐を左へ取る。上部へ行くと不安定なゴーロになりどの石も浮いているため落石に細心の注意を払いながら進む。最後はたまたま詰めた岩稜がちょうど山頂の裏手であり、きれいに山頂へ飛び出すことができた(10:40)。山頂へいた単独の方に「何時間かかりましたか?」と聞かれて、ゴルジャ―が「3日」と即答。単独行の方は一体どう思ったのだろう。
さて下山も大変だ。クリヤ谷経由でも良かったが、もと黒部小屋で働いていたゴルジャ―の進言に従い笠新道経由で新穂高に下山することに。天気が悪くガスっているため濡れた服が寒い。笠新道分岐の少し手前で沢靴からアプローチシューズに着替えた。車回収の時間がかかるので、もっとも早い闘将に先に降りてもらうために、笠新道からは各自のペースで別々に下山した。結局闘将は16:05下山で、自分は4番手で17:30頃下山。最後尾は18:30頃下山で2時間以上も差が開いた。
平湯の森で温泉に入って全身の疲労を感じ、5月の明神岳東稜の帰りに見つけた高山の台湾料理店で食べて帰宅。翌日は筋肉痛の全身を休ませて回復。ようやく一年の課題が終わった。
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