【八王子周遊作戦】八王子城址・堂所山・明王峠・陣場山(陣馬山)・醍醐丸・市道山・刈寄山・今熊山・秋川丘陵(雹留山)・滝山丘陵【戊64.2】
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- GPS
- 13:18
- 距離
- 49.7km
- 登り
- 2,077m
- 下り
- 2,148m
コースタイム
- 山行
- 12:52
- 休憩
- 0:27
- 合計
- 13:19
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
復:JR昭島駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
北高尾山陵:細かいアップダウンが連続する。 堂所山〜醍醐丸:非常に歩きやすい。 醍醐丸〜今熊山:アップダウン。踏み跡少ない。 今熊山〜秋川丘陵:秋川街道。交通量は少ない。(午後3時頃だからか) 秋川丘陵:非常に歩きやすい。 秋川丘陵〜滝山丘陵:滝山街道。交通量多い。 滝山丘陵:公園内は小路に注意。 |
写真
感想
最近、何かと未練の残る山行が続いた。未練を残せば再訪する理由づけになるので、それはそれで良いのだが、時期的に年末でもあるので、すっきりとした形で締めたいと考えた。また、この土日は好天に恵まれていたにも関わらず家に引きこもっていたので、それを一挙に挽回したいとも考えた。
左膝裏が痛くなったが結果には満足している。後悔はしていない。
【高尾駅〜八王子城跡】
高尾へは最も早ければ0500時には到着できる。しかし、日の出をどこで迎えるのかという考えがまとまらず、成行きに任せることとした。高尾駅に到着したのは0530時過ぎ。寒い。もう一枚着て来れば良かった。しかも、オレゴンが現在地をなかなか読まない。早速帰りたくなる。食料と暖を得るためコンビニに入る。
オレゴンがようやく現在位置を認識して0550時に高尾駅を出発。駅前のファミリーマートで肉まん等を買い、朝食とする。
最初は高尾駅の前に延びる道を歩く。肩が冷たい。肩で風を切るとはこのことか。歩いているうちに暖かくなるさと念じながら歩く。思えば、風作戦の時に比べれば寒くはなかった。
八王子城址へ至る道に入るころには空も徐々に白み始めており、山に残る紅葉の赤色がおぼろげながらも主張し始めていた。八王子城跡は心霊スポットとして有名らしいので少々気になっていたのだが、鳥居の辺りはまだ暗かったものの、日が差し込んで恐怖は感じない。心霊現象と言われるものの殆どは自らの心理状況を反映した幻影なのだろう。逆に心霊だ何だと面白がるようなのは死者を冒涜するものではあるまいか。
金子丸付近で日の出を迎える。しかし、空の際に雲があり、太陽の姿は見えない。
頂上下の展望の良い所で真っ赤な朝日の姿を拝むことができた。そして眼前に広がる大パノラマ。思わず立ち尽くす。標高400mもない八王子の小高い山から東京大都市圏が隅から隅まで見渡すことができる。初日の出とか、家から比較的近いし良いかもしれないなと思う。
【北高尾山陵】
八王子神社に敬礼の後、天守閣跡も経て本格的に北高尾山陵に入る。八王子城は恐らく堅牢な山城だったと思われるが、前田利家と上杉景勝の一万五千の軍勢に攻め立てられ、非戦闘員も含む三千では衆寡敵せず、たったの一日で落城したとのことだ。山城で姿形を残しているものは寡聞にして知らないが、復元などできないだろうか。山に聳える城というものも見てみたい。しかしそれは森林伐採しないと駄目か。あちこち歩いていると、その土地の歴史が気になる。すると民俗資料館などに興味が出てくる。学生の時分は考えられなかったが。新藤兼人監督の映画で、あたり一面山の中に農家が1軒ポツンとある所が舞台となっていたものがあるのだが、そのロケ地が東京都町田市と聞いて驚愕した。町田というと今や人口40万の、あの町田である。現在と過去は必ず繋がっている筈だが、時折、断絶しているように見える。そのような時に、心が現在と過去を結ぶものを探し求め、辻褄を合わせることを欲するのだろう。
〜閑話休題〜
富士見台に到達すると目の間に富士山が頭をのぞかせている。富士見の名に恥じぬよう富士がちゃんと見えるようにしているようだ。左手を見るとも少し高い所があって、そこも展望が開けているようだった。行ってみるとそこにも富士見台の標識が。こちらの方が展望は良かった。
以後は細かいピークの連続で名前もマジックで書かれているだけの峰々を歩く。やや急な登りの後にやや長い下りといった感じ。道については概ね木に囲まれており、時折木の少ない所や木の間から遠くが見える程度。冬は良いが、5月から10月頃の展望はどうなのだろうか。
アップダウンが続くといっても歩き始めてからそれほど経っていない。最近超えてきた幾重もの急坂を思えば特に苦にもならない。また、最近の山行ではエナジー補給に問題があると考えられたことから、早め早めに携行食料を口にするとともに時間をかけて食べることを心がける。おにぎり1個を20〜30分くらいかけて食べる。食料を多めに持って行ったこともあるが、ある程度功を奏したものと思う。
他に気になったこととしては木々が所々地面ごとえぐれてぶっ倒れている。最初は台風の影響かとも思ったが、地面が凍結したり融解したりを繰り返しているうちに地盤が緩くなって大きな木を支えきれないということも考えられ得る。いつからぶっ倒れているのかわからないから何とも言えないが。台風で倒れたとすると、さすがに放置しすぎだろう。
北高尾山陵を歩いてみての感想としては、東京近郊の山に登ってみたいけど高尾山みたいに混んでいるのは嫌だという人に良いだろう。八王子城の歴史に触れることもできるし、展望は八王子城跡と富士見台で確保。細かいアップダウンで山を登った気分にもなると思われる。そのあとに続く堂所以降の方が好みだけれども。
【堂所山〜醍醐丸】
堂所山も近くなると、遠くの景色も市街地から山々へと変わってきて奥地に来たなあと実感する。平日ということもあって全く人とすれ違わないということもある。堂所山周辺で男性単独と男女がいたくらいだ。笹が出てきたなと思えば堂所山は近い。南側と東側が森林となり、西側が開けているので、ギラギラした朝日を避けつつ、陽光を浴びた、これから歩く山々を眺めることができる。
以後は歩きやすい道がしばらく続くことになる。広くて歩きやすくて木漏れ日も気持ち良い。前回笹尾根を歩いた時にも同様のことを書いたが、山歩きに興味を持った人を教導するなら高尾山よりも奥というふうに考えている。
明王峠の茶屋は営業しておらず、こりゃあ陣馬山も同じだろうなあと思っていたら、やはり軒並み閉まっていた。前回ありつかなかった茶屋での食事にまったり浸りたいという思いと、携行食料を温存したいという思いが若干ありつつも期待はしていなかったが、やはり残念である。休日に来ないと駄目なのだろう。春あたりに、いつもの共同山行仲間で足慣らしとして歩いてみようか。
陣馬山は陣馬高原ともいわれるほど山頂部が広く開けているので人気があり、かといって高尾山のように気軽に来られるような立地でもないので、高尾山のように頂上の半分以上が人で埋まるということは無いのではないか。今回は陣馬山に近づくにつれ人と出会うようになり、山頂にも10名弱ほど人がいたが、堂所から陣馬まで出会ったのは十数名程度。休日はこの数倍人がいると思うが、空間の広さがそれを許容すると思われる。
眺めも最高に良い。富士山は先ほどの富士見台では小さく見えたのが陣馬からだと何十倍にも大きく見える。雲をかぶっていたのが残念。
陣馬山から和田峠へは急な下りで逆方向に進む山行者は苦労しつつ登っていた。こちら側から陣馬山に登る人は殆どが陣馬高原下バス停からくると思われる。和田峠よりも先は再び静かな山行となった。
【市道山〜今熊山】
八王子市最高峰の醍醐丸で少々雲の多くなった西の空を見上げつつ、五日市方面へ北上することとする。一旦ググンと高度を下げるのだが、それまでの道とは異なり、落ち葉が大量に堆積している。あまり通る人がいないということなのだろう。あるいは傍を走る林道に所々で降りれるようになっているので、そちらの方を歩くのかもしれない。林業関係者と思われる人の話し声が下から聞こえてくる。
北高尾山陵ほどではないが、何度か上り下りした後に市道山に到達する。山頂付近は北側の斜面の樹木が伐採されているので見晴らしが良い。
この山頂のように何か所か樹木が刈り払われている所があるが、これは森林再生事業の一環のようだ。戦後、人工的に杉を植林したのを改め、自然な形で森林が発生するようにということなのだろうか。周りが杉だから、結局杉が多く生えそうな気もするが。
そのまま北上して臼杵山経由で瀬音の湯ということもできたが、来た道を戻り、今熊山へ。途中、鉄塔を過ぎた辺りに突然、それまで標識になかった弾左衛門ノ峰というのが現れる。刈寄山へは市道山から東進の後、トッキリ場周辺で北上することとなっているところ、ここでも左折分岐がある。しかし、左には曲がらない。標識には左折方面は「山道」としか書いてない。刈寄山に向かっていれば「刈寄山」と書いてあるはずである。杉木立の中を下っていくと、間もなくほぼ直角に左に曲がる地点に至る。ここがトッキリ場かと思って、北上すると、今度は「刈寄山 今熊山」と「鳥切場をへて刈寄山」という分岐に至る。さっき左折した所トッキリ場じゃないのかと思いつつ、別にトッキリ場が目標ではないので、「刈寄山 今熊山」方面へ進む。しかし、上ってみた先のピークに「トッキリ場」の標識が。これはもうわけがわからない。
林道との合流点、入山峠から若干岩肌も含む、やや急な登りを登っていくと刈寄山だ。ここの山頂は広く、東屋もあるので休憩にはちょうど良かった。
刈寄山からスイッチバックで今熊山を目指す。その途上、尾根道が右側、巻き道が左側と分かれている分岐がある。尾根を上り詰めたピークにある木にテープが巻いてあり、「笹山」と書いてある。ここでも右側の尾根伝いの道と左側の下る道に分かれているが、先ほど巻き道との分岐を上ってきたので下る道を選択する。尾根伝いの道はすぐに道がなくなる。この笹山や豆佐嵐山を巻いたり巻かなかったりして行くと、道は再びなだらかとなり、木立から見える風景も里に戻ってきた感じがする。
そして、日もいよいよ傾いてきたなという頃合に今熊山に至る。ここが山頂部分だなというのはわかるのだが、表に回らないと行くことができない。山頂奥の院に参拝の後、やや下った園地から街並みを眺める。
里宮へは主に石段の下りとなるが、ここで少々左膝裏が痛むようになった。
【秋川山稜】
里に下りても人気がないのは相変わらずだ。
ここで終える場合は今熊山登山口バス停を利用。JR・京王八王子駅方面に1時間に1本ほどバスが出ている。運賃は550円也。
日没までまだ時間があるので、秋川丘陵を目指す。秋川街道を東進すると、上川霊園入口という交差点があるので、そこを左折、上っていくとトンネル前に側道があるのでそこに入る。しばらく歩けば丘陵の入口だ。
秋川丘陵の最高地点が雹止山である。山頂へは一応それらしい道があり、山頂近くには小さな祠が安置されている。
あきる野市在住、大正生まれの男性の書いたものによると、
幾度かこの周辺を散策しましたが、昨年秋六十数年ぶりに雹止山が判りました。昔の風景を覚えている私には夢のようでした。雹止山のことは子供の頃父親に教えられておりました。昔から農家では山林は田畑と同様、日常生活と切り離せない存在で、樹木は建造物や燃料に、落ち葉は田畑の堆肥にと農業を営む上に置いて重要な役割を果たしておりました。この地域の農家では毎年一月八日を山の神の日と定め、お神酒等を供え山の恵に感謝し、そして山の安全をお祈りし、山仕事は休み、山にも一緒に休養させる習慣が有りました。一月八日には父親の代わりに、お酒お米お灯明を供え、お祈りした事がありました。少年青年時代の頃のお社は本当に小さいお宮様で、道脇にポツンと建っておりました。それが現在ではこのような立派なお宮様に生まれ変わり、益々感動した次第です。
とのことである。かつて生活とともにあった雹止山は、今では辛うじてわかるほど大きく変わったのだろう。因みにこの丘陵は展望を楽しむというよりも樹木や竹林の中、木漏れ日を浴びつつ気分転換に歩くような感じである。二条城跡地から竹林を下って滝川街道に出る。
ここで終える場合は上戸吹バス停を利用。JR・京王八王子駅方面に、平日は概ね一時間に一本、土・休日は概ね一時間に二本バスが出ている。料金は四百数十円。あるいは五日市線方面に進むが吉。
【滝山山稜〜昭島駅】
滝川街道を東進するが、今度はちょっと遠い。しかも帰宅ラッシュなのか道路が混んできた。排ガスの中を歩くこととなる。秋川丘陵で終えるのが賢明な判断だろう。
すっかり真っ暗になってから滝山丘陵の近くに着いたのだが、辺りが暗くてどこから入ればよいのかよくわからない。GPSを頼りに田んぼのあぜ道などを歩いてようやく入口に到達したのだが、相変わらず真っ暗である。都内の公園といえば必ず街灯が点いているものと思っていたが、そんなものは全くない。粋がった若者が集まってギャーギャー騒いでいるのではとの心配も全くの空振りで静かなものだ。少々怖くなりつつも登るところは登って神社前で都内の夜景を堪能する。入口に適当な案内板が無かったので細かい道がまだわからない状況だったが、これは偶然にも幸運だった。その後、滝山城跡へ。街灯は無いが、広場にあるトイレだけには明かりが点いていた。わけがわからない。丘陵内に国民宿舎があることと関係あるのだろうか。こうも暗いと勝手もわからないので、そのまま歩いて拝島橋方面に出ることにする。
しかし、公園内の細かい道が闇夜では厄介で、脇道に入ってしばらく右往左往してしまった。道を間違えてしまったところまで戻って今度こそ車道に出ることができた。ライトを持っていても夜道は気を付けよう。
昭島にあるイオンショッピングモールもしくはスポーツデポにでも寄って行こうかとも考えたが、まだ自転車を1時間漕がないといけないし、さすがにもう十分だろうと昭島駅で歩くのを終えることとした。
平成23年はこれでおしまい。
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