奥黒部周遊(高天原温泉、鷲羽岳、黒部五郎岳) - 雨、雨、やっと曇りの3日間
- GPS
- 29:41
- 距離
- 44.3km
- 登り
- 3,665m
- 下り
- 3,673m
コースタイム
- 山行
- 10:02
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 11:22
- 山行
- 7:42
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 8:37
- 山行
- 8:26
- 休憩
- 1:14
- 合計
- 9:40
天候 | 24日: 強風後雨、25日: 雨、26日: 曇り後晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2018年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
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感想
Jさん、Yさんは何度か一緒に山に登っている職場の仲間である。3人で、北アルプスの最奥地の山々、最奥・難関の温泉地へ行こうと昨年計画したが実行叶わず、年越しての再挑戦だった。
夏山の期間に、3人が揃って3日休める唯一の日程であったが、直前に台風19号、20号と続けて本土に来襲、20号は西日本に上陸して計画1日目の24日朝に日本海に抜けて能登半島西を北上の予想。となると富山周辺へも影響必至だが、通過後は台風一過の好天を期待して出かけることにした。しかし現実は...
8月23日(木)= 0日目
初日の行程、折立から高天原温泉小屋までの標準タイムは12時間半、朝有峰林道入りでは折立出発が7時位になり、本メンバーでは明るい内に着くのは厳しいと思い、前日発折立泊りとした。富山市内を午後6時に、一番大きなJさんの車1台で出発、7時過ぎには折立到着、駐車場は余裕だった。この時点で穏やかな良い天気だったが、夜中就寝中に雨が降り出し、風も強くなった。
8月24日(金)= 1日目
計画での折立出発時間は4:00だが、雨風とも強く、車中待機して様子見た。台風20号は福井沖を北上中とのこと。6時近くなり、天気は良くならないが、これより遅らせると高天ヶ原行きが危うくなる。台風は遠ざかり穏やかになると信じ、意を決して登り始めることにした。
三角点ベンチまでの、太郎平までの前半は樹林帯なので僕らに当たる風は弱い。木のてっぺんは轟々と音を立て、揺れている。三角点を過ぎると吹きさらしの稜線である。風は少しは弱くなった気配ではあり、耐風姿勢をとるまでではなかったが、木道歩きの時の横からの突風ではよろけて踏み外す危険を感じた。
太郎小屋では大勢の登山客が出発しようと、玄関先は混雑していた。風は大分収まったが雨は続いている。高天原への道は通れると確認して先を進むことにした。薬師沢山荘への下り道、数か所の渡渉点で見る限りそんなに増水はしていない。薬師沢山荘の軒を借りて一休み。ここまではペースも順調。
高天原温泉小屋への大東新道については、薬師沢山荘にも上級者向けコースとして注意書きがあった。山荘から先ず吊り橋を渡り、黒部川本流を下降する。河原のゴーロ歩き、鎖などもかかった岩場のへつり、河原を離れて山道が繰り返し、この内ゴーロ歩きはYさんがやや苦手でペースが落ちる。A沢を渡り、B沢で本流を離れて沢を辿る。そしてB沢を離れてトラバース気味の山道でB〜E沢を横切りながら標高を上げて高天原峠に達する。各箇所は技術的に難しいものではないが、長丁場の中で確実迅速に進めなくてはならない点で上級者向けであると理解できた。Yさん疲れが出て登り道もペースダウン、雨は断続的に降り続いている。こうして濡れ鼠の3人が高天原温泉小屋に着いたのは午後4時に達していた。
小屋の夕食は午後5時だという。温泉「からまつの湯」へは下り20分、帰りの登りは30分とある。暗くなったら行かないで下さいとも。宿泊リストを書いたり、まごまごしていると後50分しかない。一時は止めようとも思ったが、ここで温泉行かなかったらまた来ようと気楽に思える所ではない、行くしかないじゃないか、と再び雨具着てダッシュで温泉沢へ。着いたらほぼ4時半だったが20分近く湯に浸かり、またダッシュで小屋に戻って僕は5時には3分ほど遅刻、他2人はもう少し遅れたが、まあ許容範囲だろう。
小屋の泊り客は僕ら3人と、男女2人との2組だけだった。2人は、僕らの中では若いYさんよりさらに若いだろう。甲斐市から来て僕らより1日早く折立に入り、雲の平小屋に泊まっていたと言う。僕らが明日は黒部五郎小屋だと言うと、そちらにしようかなと言っていた。小屋の消灯は夜8時だが、その前に3人とも寝てしまった。
8月25日(土)= 2日目
夜中に度々、目を覚ますような大きな雨音が鳴っていた。朝4時起床、やはり雨。小屋の掲示板にある天気予報は、曇り後雨の降水確率50%、これと違うじゃないか。平地の天気予報なので違ってもしょうがないが、やりきれない。5時出発の計画だったが、まともな雨の間は出る気がしない。雨脚が弱まった6時前、またしても「行くしかない」で出発。
当初計画の温泉沢を登るのは止め、ショートカットになる岩苔乗越(いわごけのっこし; ずっと間違えて読んでいた)を目指す。樹林帯を緩く長々と登る道で、風は弱いが断続的に雨は降っている。次第に高山の植生に変わって行き、源流部の様相になって、霧の乗越に着く。昨日の薬師沢小屋以来で登山者に合う。小屋の2人組も追いついてきた。
ここから道は3方に分かれるが、鷲羽岳のピークは是非踏みたいとそちらを目指すことにした。水晶岳往復の案もあったが、それは止め。この上は風当たりが強いと予想して、ジャケットの下に長袖シャツを増やし、僕は手袋も着けた。それが正解で、ワリモ北分岐から上は横殴りの風で、雨が混じると顔が痛い。やや寒いが無理なく耐えられる範囲。ホワイトアウトの鷲羽岳山頂では、証拠写真撮って直ぐに下り、ハイマツの間の風の弱い所で休憩。長い下り坂で三俣蓮華小屋へ。
三俣蓮華小屋の玄関で、屋内休憩をお願いすると、2階の食堂を案内してくれた。ありがたい。食事し、落ち着いてから今日の目的地の黒部五郎小屋を目指す。三俣蓮華岳も巻き道を使わず山頂を通過する。雨ざあざあだが、今度は風は弱く辛くない。山頂からは標高差500mを、長々と下って黒部五郎小屋。3時前で昨日よりはゆったりできる。夕食時の人数は僕ら含めて10人。天気への愚痴が主な話題だった。
8月26日(日)= 3日目
夜中に雨音がしたときもあったが、4時に起きて外を見ると星が見える。概ね予定通りの5時過ぎに、初めて清々しい気持ちで出発。カールの登山道を行く。朝日を背に受け、流れを渡り、辿るのも気持ちいい。なんと言っても、雨具なしで歩いているのが快適だ。やや残念だが黒五山頂のガスは取れない。カール上縁に上がる急登でそのガスに入り込む。そして山頂へ。またまたガスだが、雨降ってないだけ御の字だ。小屋にいたソロの人が稜線ルートから登って先着していた。富山医薬大出身の薬剤師さんだそうだ。
黒五山頂から赤木岳に向けて下りていくと、前方のガスが晴れて、緑輝く峰続きに感激。振り返ると黒五山頂も晴れた。もう少し居れば良かったか。中俣乗越、赤木岳、北ノ俣岳と緩やかな起伏で、縦走と言うよりは高原の散歩道。振り返って鷲羽岳、ワリモ岳が認められると距離感を感じる。あんな遠くから歩いて来たんだなと。太郎小屋で大休憩。僕はネパールカレーを楽しみにやって来たが、品切れで残念!
最後の折立への道は、陽が照りつけ暑さとの戦いになった。2日間ぐちゅぐちゅだった靴もあらかた乾いた。下界は各地で今日も猛暑日だと言う。三角点ベンチを過ぎると最後の急降下。足が売り切れてきたYさんには試練の下り道だったようだ。Jさんは終始元気一杯だった。今回登れなかった水晶岳を、どんなルートでリベンジするか、そんな話題を話しながら、折立登山口に下り立った。
街に帰ると、僕らがずぶ濡れだった2日間もそんなに降ってた様子はない。天気のサイトで過去の雨雲分布を調べてみると、24日、25日ともに富山・長野・岐阜の三重点付近のエリアだけ局地的な降雨域であり続けたのだ。なんとも運の悪い山域にいたのだった。
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