霞沢岳のバカ尾根 西尾根バリエーション!
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- GPS
- 11:17
- 距離
- 11.2km
- 登り
- 1,738m
- 下り
- 1,569m
コースタイム
2日目:6:00幕営地〜8:20岩壁〜9:20霞沢岳山頂〜10:15岩壁〜11:40幕営地14:00〜14:45西尾根取付〜15:30釜トンネル入口
天候 | 1日目:晴れ 2日目:超快晴! |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・釜トンネル入口(中ノ湯)には、長野県警の登山相談所が設置されていました。 ・釜トンネル内はライト点灯していて快適でした(時期がずれると非常灯しか点かない?) ・雪は少なめです。尻セードが出来ないくらい。 ・西尾根取付のみトラロープがありました(以降、危険箇所でも一切ロープ・鎖はありません)。 ・尾根は赤テープが適宜あります。 ・ヤブがありますがトレースも頂上までついており道迷の危険はありませんでした。 ・樹林帯では、細い立木が両手で掴める範囲あり、登り降りには有効です。 ストックを使っている方もいたけど、ストックは使いにくいんじゃないかと。 ・入山者が29〜30で4パーティー。29入山の方達がラッセルしてくれてました。助かりました。。 ・頂上手前の岩壁は教+くらいか? ただ雪が付いているのでイヤらしい。斜度もあるのでロープを出しました。 ・岩壁前後にはナイフリッジ。雪は柔らかいですが注意は必要かと。 ・携帯電話はau、docomoとも2,000mまで利用可能(以降は未確認)。 ・バリエーションルート初級レベル(岩壁部のみ) ■1日目(1,520m〜2,000m幕営地) ・1,520m 国土交通省砂防事務所の分岐を曲がり、建物手前の尾根より取り付きます(電線の下。トラロープあり)。 トレースがありワカンは未使用。取り付き直後の尾根でアイゼン装着。 ・2,000m平坦地で幕営。取り付きからここまで、ずっと登りが続く。 幕営適地は1,950m、2,000m、2,050m付近にあります。 ※一番広いのは2,050m ■2日目(2,000m幕営地〜霞沢岳(2,646m)ピストン〜1,520m) ・ちょっと厳しめの登りだしのあと2,100mで尾根合流 そこから先の樹林帯は雪量が減ります。 森林限界を抜けると雪庇と谷のリッジ。 ・2,500m核心部岩壁 正面の直登ルートを選択。30mロープを使用。 ・頂上付近はハイマツ帯。頂上手前は雪稜ただし薄く見えている状態。 ・2,646m頂上! |
写真
感想
今年の年末年始山行はいろいろ迷った。
いろいろ検討したが、天気のいい山に行きたい思いが強く、30〜31は北アルプス南部は晴れ予報だったので日程はそこで決定。仕事が29までだったのでベストタイミングだった。1泊でいけるバリエーションという観点で選んだ「霞沢岳西尾根」と決まった。
正月の上高地は初めてなので、どんなモノかと思っていたが、まず釜トンネルの入り口。長野県警山岳救助隊が詰めており、入山パーティーをチェック。細かい計画を提出した。タクシーでも聞いたが、既に2,3パーティーが同じルートに入っている模様。やはり年末年始だな〜〜。。このマイナールートに。という事でラッセルはなさそうな感じ。
釜トンネルは暗いながらもランプがつけてあり、ヘッドランプは点けなくてもOK。トンネルを出るとすぐ焼岳が見えるが、曇っている。おくの穂高もガスが多そうな感じ。まぁ明日さえ晴れてくれれば全然OKよ。
15分程度歩くと、西尾根の取付への分岐だ。何人か分のトレースがキッチリついていた。西尾根には無理矢理取付く感じで、急斜面を登る。トラロープも張ってあった。
最初はアイゼンなしで登っていくが、すぐに急登になり装着する。2万5千分の1地図で事前に分かってはいたが、、この尾根は相当に急だ。思わずタイトルに霞沢岳のバカ尾根と付けてしまうほどに!(笑) とにかく傾斜的に休まるところがほとんど無い。途中大正池を下に見たが、エラく急角度で真下に見下ろす感じだ。さらに倒木が至るところにあり、くぐったりまたいだりが大変だ。まぁそれこそがバリエーションルートなのだが。そういうわけで案外ペースが出なかった。
途中心を癒されたのが、ダイヤモンドダスト(もどき?) 実物を見て説明を受けたことは無いので判断出来ないが、夕日にあたりキラキラ輝く様子がそれを彷彿させた。そのあたりを過ぎて大岩があるあたりの急斜面で、初めての対向パーティーに出会う。4人組みでほとんどラッセルだけで終わった、との事。稜線はすごい強風。時間の都合もあり、岩壁で引き返したそうだ。ラッセルのお礼を言い別れた。
その後、赤く染まる穂高が見えたが、樹林越しのためいい写真は撮れず。明るいうちに幕営準備をしたかったが、テントを張り終わったのは陽がとっぷり暮れてからであった。
今回自分は、距離も標高差も大した事ないからとタカをくくって重めの食事。おでん丸ごととか、レトルトカレーとかを持ってきた。さすがに重かったな〜。ただ冷え切った体におでんはすごく効いた。いつも通りウイスキーを飲んだ後、4時起床として20時過ぎには就寝。ここで一つトラブル。ISUKAのシュラフマットがエアー漏れを起こした! 補修材は持ってきていたが、こんな場所でゆっくり抜ける穴を見つけるのは困難。結局おしりにカイロだけ貼りそのまま寝た。夜中はマイナス15℃を下回り、さすがに圧がかかるおしりやかかとは寒かった。帰ったら風呂に突っ込んで場所探して穴補修だ。。
翌朝天気は期待通り快晴だ。さすがに冷え込みが厳しい。ピストンなのでテントをそのままでスタート出来るのはうれしいが、出発準備をしているうちに足の指先は感覚なし。冬山で一番寒さを厳しく感じる瞬間だ。とはいえ、その後すぐに急登が始まるのでそこまでの辛抱だ。前回の八ヶ岳でヌルい撤退劇を演じているので、今回はピークを踏む、、そう決意しスタートした。
ヘッドランプをつけて歩き出すと、いきなりすごい急登。アックスを刺して登る。そこを過ぎるとすぐにテントが2張り。他の2パーティーのようだ。既に出発しているようで人気はない。皆ワカンは置きっぱなしにして出たようだ。昨日のラッセルしてくれたパーティーにはホント感謝だ。尾根を上がり高度を上げていくと進行方向左後方には西穂高山荘の明かりが見えた。さらに明るくなると、左側の樹林越しに穂高がくっきりみえる。しかも徐々に赤みが増し、最高のモルゲンロートではないか! ただ、ここは樹林帯なのでどうあがいても撮れない。木に登ろうかと考えたくらい、キレイな光景だった。背後には焼岳が姿を現すが、こちらも樹林帯越しだ。ごちそうを目の前に手が出せない状態で、やきもきした気分だった。
その後4人パーティーと2人パーティーがハーネス準備等をしている間に抜き、本日幕営組の中では先頭になった。このあたりが一番寒く感じた。頬を動かしてないと固まるような感じ。鼻の中もすぐに凍るような感覚だ。樹林帯が低くなり森林限界が近くなるあたりで、ナイフリッジ状の地形が増える。青空をバックに撮ると最高の作品になる。その後、おそらく昨日のパーティーが引き返したポイントであろう岩壁がリッジ越しに見えてきた。上部は岩むき出しで迫力がある。「ロープ使いましょう」という事で、潅木をビレーポイントに。3人で1本ロープなので、二番手(ロープを手繰ってちょっと危ない登りになるポジション)に岩に強いt-kinjou。ラストshin-wとして、自分がリード。ランニングビレイは取れなくもないが、危ない岩場で小細工するより、早く安全地帯に着きたかったので一気に20mちょいを登った。頂点には潅木と残置スリングがあり、ビレーポイントに利用。後続を迎え入れた。この吹きっさらしのピークが今回一番寒かった。2パーティー6人が寒い中待っているので、極力てきぱきとギアをしまい進んだ。正直ロープ出さなくてもすんだな、と思ったが一つ間違ったら、、的な場所ではあったのでしょうがない。後続もロープを使っていたようだ。
その後再びリッジ地形があるが、それを越えると安全な幅広い尾根道。しかも超がつく快晴! 穂高や乗鞍に八ヶ岳、遠く富士山に白山までもくっきりと見える眺望であった。ゆるい斜面を登りきると霞沢岳山頂。標識があとちょっとで隠れるくらいの雪だ。K1、K2ピークをはさみ明神岳、穂高方面がくっきり。焼岳もここから見る形は秀逸だ。4人パーティーとも頂上で合流。記念写真をお互い撮った。驚いた事に川崎の山岳会の人達だそうだ。我々3人も神奈川なので中々の偶然もあるものだ。最高の景色を楽しみ、体が冷え切る前に我々は下山開始。4人パーティーはテントで大晦日の宴会をやるそうだ。その後2人パーティーともすれ違い岩壁の下りに到着。30mロープで懸垂には足りないため先頭t-kinjouでロープ付でクライムダウンさせるが時間がかかりそうだ。微妙な場所に降りそうだったが、懸垂に切り替えた。思ったとおり核心部を通過出来ずこの登山で一番危ないクライムダウンをした。その後もう1ピッチ念のため懸垂で降り通過完了。
あとのくだりは早い早い。尻セード出来るほどの雪量はさすがに無いが、あっという間にテン場到着。その先も楽なもので登りの苦労がウソのようだった。
今回は冬期北アルプス初のバリエーションルートであった。1泊2日という中にさまざまな要素が凝縮され、この時期めずらしいのではと思うほどの好天にも恵まれ充実した山行なった。来年、好天が続く予報が出たら縦走もしてみたいな〜と思いました。
余談だが、帰りの中央道はウソみたいに空いていた。20:30過ぎには海老名到着。明日(1/1)から実家に帰ります。
■北ア、厳冬期バリエーション?
12月30日より1泊2日で霞沢岳を目指した。
ニュースによると年末年始の上高地は、1,000人程の入山者を予定しているとのこと。
しかし、西尾根で出会ったのは、往路ですれ違った2パーティ(5人)、同一日程で2パーティ(6人)。
2011年締めくくりは、静かな雪山山行となった
厳冬期の北アは初めて。しかもバリエーション。
「山と高原地図」なんて役立つはずもなく、1/25,000地図と数少ない山行記録で
ルートを想定した。また、北アの天気予報をギリギリまでチェックして判断となった。
総合すると、ラッセルの覚悟は必要だけど、釜トンネルにも近く距離も短く
尾根も明瞭。前日の天気予報も晴れで、短期決戦なら行けるんじゃないか、ということで決行となった。
■初日。穂高のアーベントロートは樹林の隙間から。。。
タクシーを乗り継ぎ、釜トンネルに入る。雲は多いが、青空の方が多い晴れだった。
梓川沿いを歩き、最初の分岐で右折、国土交通省の管理事務所手前で取り付く。
初日は、2,000mにある平坦地を目指す。
取付きから平坦地まで高度差は500m程で大したことは無いが、距離も2km程しかない。
取り付き後のすぐに、両手を使って登る急傾斜面が出てくる。アイゼンを装着し、
急斜面や岩場では木々や笹藪を掴みながら、登る。
途中、大正池や穂高を眺められる場所も無いことは無いけど樹林の隙間からとなり、不満が残る。
ずーっと単調な登りが日没間際まで続いた。
展望が無い山道は、堪えます。。
■2日目。厳冬期の穂高連峰を正面に!
4時起床。前日サボった水つくりを済ませ6時に出発。
幹は細くなるものの、相変わらず樹林帯の登りが続く。ジャンクションピーク(1/25,000地図で1,779mの尾根との合流)以降、
南側も視界が開けてくるが、2,500m付近までは、樹の隙間から見える程度で面白い景色では無い。
しかし、2,500m付近で森林限界を越えた後。ここから、今回山行の醍醐味、ビューポイントが詰まっていた。
ナイフリッジの連続となり、待ちに待った展望が一気に広がる!
さらに、今日は予報通り(期待以上、雲の無い)の超晴天。
リッジ通過は緊張感があるものの、自然と左右の景色に目が行ってしまう。
核心としては草付きの程良い岩場もあり、霞沢岳まで緊張感と景色を楽しみながら登る。
最後は、ハイマツの広く緩い斜面を抜け霞沢岳頂上部にたどり着いた。
山頂は、純白の穂高を正面に。焼岳や乗鞍岳、ずっと白い山景色が続いていた。
行動時間は短いものの、素晴らしい天候に恵まれ、ピークにも立つことができ
2011-12年の冬山シーズンの山行として、満足行く山行となった。
■備忘録
やっちゃいけないこと。
ウィスキーお湯割りの再加熱。フランベになる。
霞沢岳西尾根ダイジェスト
あけましておめでとうございます
昨年は雪山登山で色々とお世話なりました。
本当にありがとうございました。
今年もよろしくお願い致します
2011年最後の登山お疲れ様でした。
厳冬期の北アルプスって自分には想像の世界でしかないです
そこに挑んでいくstkさんには憧れますね。
まだまだ自分は雪山は初心者の中の初心者。
これから色々と覚えて行くことが沢山あります。
今年もstkさんのレコを楽しみにしています。
どうも、あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします^
s-onoさんも去年はついに雪山デビューでしたね〜
中々この魅力はとりつかれたら止められませんよ〜
今年もお互い安全登山でいきましょう〜
stkさん、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
素晴らしい山行ですね
登頂の日にこんなに天気に恵まれるなんて、本当に
羨ましい。
霞沢岳西尾根は何年も前から狙ってはいたのですが、
沢渡からタクシーに乗らなければならないのが、面倒
でなかなか行けずにいました。こんなにも素晴らしいと
ころなら是非行かないといけないですね
どうも、あけましておめでとうございます〜
今年もよろしくお願いします。
30〜31日に晴れる情報があり、思い切っていってきましたが、まさかこんな
霞沢岳はやや独立した山容なので、周りの眺めが最高ですね!
沢渡の池尻に停めてタクシー呼べば案外楽ですよ^
オススメです
あけましておめでとうございます。
今年も皆様の素敵な山行を楽しみにしております。
そして今回も素晴らしいですね!
行ってみたいなぁ。。
誰か連れてってくれないかなぁ。笑
青空の下、雪の白さと北アの素晴らし峰々の写真を堪能しました
最近冬の焼岳もちょっと気になるこの頃。。。
きれいですよねぇ。。
PS 2月から大阪に転勤することになりました。
東京山ライフ満喫中だったのでいまだショックから立ち直れていません。。
明けましておめでとうございま〜す
といいつつ、え〜〜!
ここ最近の山のハマリっぷりからすると、やっぱりショックですよね。。心中お察し申し上げます
けど、西には氷ノ山、石鎚山、それに大山とか興味ある山もたくさんあります。ぜひtamaさんにレポートしてほしいです^− 北アルプスも東京からいくよりちょこっと遠いくらいですよ!
最後になりましたが、今年もよろしくおねがいしますね〜
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