裏岩菅 〜〜〜なだらかな尾根伝いの散歩道〜〜〜
- GPS
- 32:00
- 距離
- 20.4km
- 登り
- 1,986m
- 下り
- 1,990m
コースタイム
9/25 5:50幕営地出発―6:40烏帽子岳―7:10蟹の横這い―8:05裏岩菅山―9:10蟹の横這い―9:55烏帽子岳―(幕営地にて休憩・撤収)11:20出発−13:10傘帽子山手前幕営適地―15:10発電所貯水池小屋―(途中で雨に)−15:40雄仙閣
天候 | 9/24晴れ後曇り、9/25晴れ後一時雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年09月の天気図 |
アクセス | 切明温泉に車で |
コース状況/ 危険箇所等 |
コースはほぼ刈払いが行われたばかりでとても歩きやすいです。但し熊の生息域なので夜間の行動は控えた方が良いと思います。 |
その他周辺情報 | 切明温泉「雄仙閣」に入りました。下山してすぐ入れるのも魅力です。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
タオル
ツェルト
ストック
カメラ
|
---|
感想
いつかは行ってみたいと思っていた切明温泉から裏岩菅山。破線ルートだったのだが最近ヤマレコの山行記録を検索してみると、今年登山道の刈払いが行われ快適に歩けるというので行ってみた。
雄仙閣の駐車場に停めさせていただいた。ここから発電所への橋を渡り発電所の建物の左側に登山道があった。発電所の貯水池の小屋までは比較的整備された道。その後間もなく普通の登山道に。直ぐにお助けロープが3本続く、滑り易い急斜面となる。数日来の雨でロープが無ければとても登れそうな気がしなく、大いに助かった。
標高1400m過ぎから刈払いの気持ち良い道となった。暫くは森に阻まれほとんど景色は見れなかったが、1780m付近のアップダウンの少ないところで最初の目印の傘帽子山が見えてくる。間もなく1回目の幕営適地となるが先へ進む。ここから裏岩菅まで刈払いの人達のものと思わる焚火跡が5〜6か所あった。なぜどこも念入りに焚火の木組みがされているのか不思議だったが、思いつくことは一つ。クマ除けのため朝まで火を焚いていたのだろう。
傘帽子山は東をトラバースして迂回するが、その真東付近でキジに3m位で遭遇、まずオスが飛んで逃げて、その次にメスがあまり飛べず登山道を走るように去っていった。大きなニワトリのような立派な体格で、飛ぶ際の羽音が半端なかった。
行く手にやっと烏帽子岳が見えてくる。この辺から烏帽子岳山頂直下まで根曲がり竹(所謂熊笹より太く高さが高い)の鬱蒼とした藪で高さは3m位、あまりに密集していて中にはいっても地に足がつかない程だ。従って景色は良くない。
その後の傘帽子山南の痩せ尾根は踏み外せば大変なことになるので、今回のルートでは一番緊張した。ここでこの日ただ一人の対向者に会った。岩菅からで切明に下るという。
そうこうして今日の幕営地に着いた。登山道から枝道があり5張以上張れる場所があることに後で気が付いたが、登山道の少し広い場所にテントを張った。時間は2時前だが、時間の割には登りがきつく早めに休めてちょうど良かった。幕営後水場を探しに行ったがダメだった。テント広場から50m位は根曲がり竹の間に踏み跡らしき部分があり、ところどころ竹を折ってマーキングしたが、その先は密集した竹藪。こんなこともあろうと水は十分持ってきたので安心だ。
ワインを楽しみながらおつまみを作って・・・。少し早めに夕食にして・・・。烏帽子岳はすっかり深いガスに覆われている。クマのことが少し気になったので、ゴミはテント内に入れてから寝た。一晩中風の音がひどかったがテント場の周りはコメツガの林になっていてほとんど風は吹かなく快適だった。「明日雨だったら下山、風だったらとりあえず烏帽子岳まで?・・・クマが活発な夜明け前はテントを出ないで・・・」などと考えているうちに眠ってしまった。
朝4時ごろ「バリバリバリッ」で目が覚めた。直ぐ近くに熊が来て根曲がり竹を漕ぎ分けている。襲われるかも・・・。「バリバリッ・・・バリッ・・・パリ・・・」良かった、去っていったようだ。もう眠くはなかったが明るくなるのを待って、食事して出発だ。
昨夜の風が嘘のようないい天気だ。テントを出ると佐武流山付近から日の出が始まりそうだった。烏帽子岳を少し登り始めたところでもうちょっとで日の出となったが、もう少し上で拝もうと思って進んだら、ずっと根曲がり竹の壁に遮られ、烏帽子岳頂上直下まできたらすっかり日は登っていた。昨日の対向者が烏帽子の急斜面は大変だったといっていたが、確かにここをテン泊装備で下るのは結構辛そうだ。
そうこうして山頂に、付近はなだらかで何十人も休めそう。周りの景色は、北の苗場山から右回りに佐武流山・白砂山、遠くに燧ヶ岳、・・・南側に浅間山、横手山、四阿山、西側は焼額山の向うに妙高・火打。晴れてはいるもののあまり遠望は利かない。
少し南側に移動すると裏岩菅方面が良く見える。地図上の距離でも6kmある。実際は曲がりくねっているので10kmくらいあるはずだ。(これを書いているときに調べて)でもずっときれいに刈り払われた登山を見ると、自然と足が前に動く。
有名な「蟹の横這い」は高さ5mほどの岩場だがスタンス・ホールドが多く苦労せず通過できる。ここから裏岩菅の山頂直下まで根曲がり竹の壁が続いた。そのせいか山頂についたら360度の絶景に一層感激した。西側には雲海の向うに北アルプスも見える。しかも白馬岳から穂高岳まで全部。前日まで雨のためもあり、くっきりとはいかなかったが。天気は薄曇りで少し風が吹いている。
さて帰ろう。烏帽子岳の手前で対抗者に会ったが、彼は今にも走りそうな勢いで挨拶だけで通り過ぎて行った。まだ9時過ぎだというのに切明からもうここまで来たのだろうか?背後を見ると裏岩菅はガスに覆われていた。それで焦っていたのだろうか?
烏帽子岳に来たら苗場山はガスの中だった。数日前のてんくら予報では今日はC評価だったから、大儲けだ。烏帽子の下りはそこそこ急だが、滑るようなところは無く安心して下りれた。
テン場に帰り、休憩してから撤収。食料も水もほとんど無くなったので荷物も軽い。軽快に下山だ。傘帽子山を巻いたところで、後は下るだけなのでホッとした。テン泊の最後の下りはいつも疲労困憊だったのだが、前回の剣・立山からハイドレーションシステムを使っていて、今回は特にその効果を実感できた。15〜20分おきに立ち止まって給水すると、ほんの1〜2分しか止まっていないのに結構疲れが取れる。
天気は暑くなったり曇ったり。例のお助けロープ3連を通過すると、発電所の貯水池はもう近い。登山口の手前30分程で雨に。ザックにカバーして、レインウェアの上だけ羽織って下りたら雨はほぼあがった。
登山口の雄仙閣に着いたら直ぐに温泉に入れるのもうれしい。お風呂からは中津川の河原が見える。そういえば河原の温泉は自分でスコップをもっていって掘るのだそう。自分で掘った温泉も気持ちいいだろうな。
それにしても烏帽子岳―裏岩菅ルートはアップダウンが少なく、尾根伝いで景色も良く、更に1.5〜2.0m程度の幅で良く刈払いされて、土の山としてはとても楽しいコースだった。唯一の問題は熊だな。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する