記録ID: 1600676
全員に公開
沢登り
屋久島
屋久島ビャクシン沢〜淀川
2018年09月20日(木) ~
2018年09月23日(日)
体力度
5
1泊以上が適当
- GPS
- 27:47
- 距離
- 27.7km
- 登り
- 1,509m
- 下り
- 1,611m
コースタイム
1日目
- 山行
- 6:34
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 7:13
距離 7.8km
登り 582m
下り 317m
2日目
- 山行
- 10:57
- 休憩
- 0:08
- 合計
- 11:05
距離 12.3km
登り 680m
下り 886m
過去天気図(気象庁) | 2018年09月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー
船 飛行機
|
コース状況/ 危険箇所等 |
9/20 5:00起床→6:05テント場発→7:15ヤクスギランド入山→8:00天柱橋入渓→9:15F→12:00小雨が降り始める→13:15C1着 今日は予約したジャンボタクシーでヤクスギランドを目指す。ちなみにここのキャンプ場は1日\200で荷物を預かってくれるので利用してもいいかも。 ヤクスギランドまでの道は所々猿とか片側交互通行とかでなかなか入りにくかった。ゆっくりなら問題なし。 ヤクスギランドについた後でM2がう⚪︎こラッシュを引き起こしてた。全部出したら治ったらしいので続行して行くことに。 ランド内は看板が密にあり問題なく進める。ほとんど全てが木道の上なので、自然遺産スゲーって感じ。 天柱橋の手前で入渓し、ビャクシン沢が始まる。最初からかなり巨岩帯が続いて体力が削られる。ここから前に二人、10mほど後ろに二人のツーマンセルでの行動がこの山行での主な行動となる。 地図上のF1の場所には特に何もなく、傾斜が緩やかになるくらいから3mほどの小滝が2つあった。おそらく幅が広すぎるので滝を処理しなくても進めるようだ。それらの滝はお助けスリングで直登できる。 やがて現れるF2は少し面倒だった。下のゴルジュは問題ないが、滝がややいやらしく取り付けなかったので右岸から巻いた。ここ巻道にはなぜか酒ビンが落ちていて予備テンバくらいにはできそうであった。 そのあたりで高度計を見たが、異常に低く表示されてしまうようで、あまり信用ならない。 Coの左俣沢は苔むした一枚岩に一筋の線が流れているようで美しい。住みたい。 ちょうど天気予報どおり12時を過ぎたあたりでスコールが降り始めた。濡れの影響とゴルジュの通貨をも考えて、抜けられそうな左俣があれば探しながら行くことにする。 やがて10mほどの巨岩を二つ通過すると、南西方向に沢が向かい始める。地図に書いたゴルジュは取るに足らないほどであった。F3もなんだかよく分からない。丸太がぶっ刺さってる滝を登ったのでそれがそうかもしれない。 そうしているうちに雨も小降りになり、ナメのような一枚岩になってくる。 やがて小滝を越えれば両岸にピンクテープが付いた渡渉点に出てC1とする。場所を探したが斜めなテント場しかないので、沢の近くの一枚岩の上にテンバった。増水不可。 最初は濡れた薪を乾かしながら焚き火をしようとするが、流石に雨には勝てないで諦めた。 夕飯はM2がニラの何かを作ってM1が天気図を失敗していた。どんまい。 確かSLがコンパスを壊してM1がラテルネを壊していた。M2が焚き火中にライターを壊した。 暇なので8:30に就寝。明日は晴れるといいな。 9/21 4:30起床→6:35発→8:30登山道出会い→9:10石塚小屋→9:45発→11:10悪天により引き返し→13:15石塚小屋C2 昨日の夜からにわか雨が降ったりやんだりしていて怖かったので時折起きて水量を確認していた。ここはあまり影響を受けないらしく、あまり昨日とかわっていなかった。M2がお茶漬けを作って振る舞った。どうせやるならこれくらいだと朝から嬉しい。 朝起きて暗く、さらに小雨も降っていたので少し行動時間を後ろ倒しする。 それでもやはり雨は続いており、時折山頂方向で雷が鳴っていて怖い。ここでも地図を読みながら進む。 F4はやや遠い三段の滝で、二段目は右岸から巻いた。まあ両岸巻けると思う。 そのあとくらいからナメの連続が始まった。ナメが続く沢は数あれど斜度が高いのは珍しい。しかも両岸には屋久杉やサルスベリ、セイタカゴケに包まれた風景が広がっている。時折屋久ザルが木を揺らして木のみを取っている様子がうかがえる。甲高い鳴き声で仲間と話すのはどこの猿も同じようだ。 そうこうしているうちに、徐々に視界が開けてくる。上を覆う巨木がなくなってきて日が差すようになったのだ。 そうして現れたのがF5。ただの小さな3mナメ滝だが、あらかじめ何枚も写真で見ていたこの滝だけは忘れられない。いよいよ屋久島の沢に来たのだ。これは右岸を巻いたが、両岸いける。 その後から、まるでRPGの明るい水ダンジョンの如し風景が広がっていた。登れども登れども景色は変わらず、ただただ天国のような遡行が始まる。 そうこうしているうちに水位も少なくなってきて、いわゆるマングローブ林のような景色が広がる。楽しくてどこまでも行ってしまいそうであったがここは計画通り出渓できた。 そのあとしばらく歩いて石塚小屋につく。ここまでの道はともすればロストしてしまいそうな登山道であったが、随所にピンクテープが施されていたため快適に進むことができた。ここでも終始雨は降っている。 小屋は質素な大きい二段ベッドが二つあり、荷物を広げて宿泊準備をすることに。大体1週間に一パーティ程度が宿泊するようである。 そのあとは花之江河を目指して上っていく。道中は梯子がかかるような道であったが、しっかりと整備の手が入っているので困る個所はない。沢にかかる橋が何か所かあったため、そこに少しづつ時間を取られた。 花之江河の直前から湿地帯の様相を呈してくる。ここは日本で最も高度の高い湿地帯であるようである。 いまだに雨風は吹き荒れているが、いけるところまで行くことにする。以降は木道がメインで雨の後は滑りやすいだろう。階段などに疲弊しながら黒味岳分岐、投石岳のコルを通り過ぎる。ここからメンバーの体力が心配になってきて、なおかつ天候も悪化の一途をたどっていたのでCo1720で引き返すことにする。 コルには大きな岩があってそこでフライを張ってしのぐ。あたたかい。M1が小屋に雨具をデポしてきてしまったので僕がかすことにする。そうこうしてやっとこさ小屋にたどり着いた。 しばらく天気図を確認できていなかったので、天気図を二人でとる。まあM2も問題なくかけていた。明日はあまり変わらなそうな天候であった。悲しい。 朝起きてからテント撤収するまでと、小屋にデポするところで時間を要してしまった。無駄なところでタイムロスするような行動は控えたい。 9/22 4:00起き→6:15発→7:00花之江河→9:15宮之浦岳→10:40永田岳→11:40宮之浦岳 12:00発→15:00花之江河→16:30淀川小屋(天気図含む) 昨夜は本当に恐ろしいくらい雷が鳴り響き打つような雨が降り注いでいた。これは今日もほとんど行動できないかと思われたが朝ごはんは食べてダラダラすることに。M1が熊本ラーメンを作っていた。 6時前ごろから少し雨足が弱く鳴ってきたので急いで出発することにした。最初は全装で花乃江河まで持って行き、夏道はattack装備で行くことにした。 道中はほとんど全ての道が沢状になっていて、ネオプレーンソックスがありがたい。7時ごろよりからだんだんガスが晴れ始めて良い景色。雨も上がった。 そのまま宮之浦岳についた。この辺りはピークだけ樹林がなく吹きさらしている。けどそれ以外は笹の中なので風がかなり凌げるのもありがたい。結局永田岳まで行くことにした。 焼野を超えていくと、徐々に道が荒れてきた。永田の取り付き前くらいが一番やばかったが、北海道に比べるとマシだ。一部崩壊していてロストしたが、すぐに追いつけた。後ろ二人がへばってゆっくり行っている間に前の二人が息を整えているようなまま上を目指す。 ようやくついた永田岳は文字通り来た道が一望できた。はるか彼方に帰るべき目的地が見えるのもご愛敬。ついた後でそのままピストンで帰る。 この辺りからやはりM1がバテてきてゆっくりになる。なんと腹筋がつったようで呼吸が辛そう。Lもぶつけた膝が痛い。 またしてもついた宮之浦岳は打って変わって縄文杉から来た客でいっぱいであった。ようやく写真を撮ってもらえる。 あとはとにかく帰るのみ。疲れた体を引きずって花之江河につき、デポを回収して淀川小屋を目指す。 道中気象通報の時間が来てしまったので、再試の後ろ組で登山道上でとり、残り二人には先にご飯を作っておいてもらう。 そうこうして着いた淀川小屋はめちゃひとがいて久々の下界感がぬぐえない。キラキラ大学生パーティもいた。小屋から見える淀川の渓相がこの世のものとは思えないほど素晴らしく、一同一気に遡行意欲が増してくる。 この日はSLがカレーを作っていた。うまい。M1の再試もまあ合格だろう。静かに騒いだ後で就寝。 9/23 4:00起床→7:40 Co1440引き返し→9:20淀川小屋→12:00 F2上巻き開始→13:20道路復帰→13:40紀元杉バス停前 昨夜相談して、淀川の上流部を少しだけ遡行した後で下降し、エスケープできるところで脱出することにした。まずは早く起きて明るくなったら遡行する。 この日はM1が地図を濡らし、なおかつ予備をデポしてしまった。 最初から淀が始まり、腰までつかる。まだ気温も上がらずに水も冷たいままなのでだいぶ悲しい。そのまま上ると、小さな淀を持った滝がいくつか出てくる。M1がいきなりダイブしていた。 そのあとは巨岩が現れるとよじ登り、淀が現れると泳ぐことの繰り返し。あんなに流れが少ない箇所で、急に身の丈を大きく超える巨岩祭りになるのはどう考えてもびっくりする。 ここのF9はやや大きく、上りづらそうな滝であったので右岸から比較的大きめにまいたが、あとは滝なんてないレベルのものであった。 そのまま遡行し、淀川の中俣と右俣分岐が出てくる。中俣は合流部で二つに分かれていて、流れは少ないので見落とさないように。 斜度が出てくるあたりで引き返すことにした。あとは詰めに入り、降りるのに難儀しそうだからである。 そのあとは飛び込み祭り。水もぬるまって楽しい限りである。 小屋に再びついた後は少しダラダラして下降準備に入る。小屋には誰もいなかったが、後からワラワラ人が登ってきたのは驚いた。 小屋からの下降はいきなり淀から始まる。またしても濡れながら降りて行き、全身で屋久島を感じる。 地図には別の場所で書いたが、「すんごいスラブ壁」という30mほどの一枚岩がCo1350あたりに出てきた。この辺から10mを優に超える巨岩が出てきて難儀する。 またしても滝の情報は当てにならない。真っ直ぐに降りられる箇所が続く。 Co1295で林道から降りるエスケープ沢を確認した後、バスの時間に間に合う撤退時間を決めてさらに下降する事にした。ちなみにこの沢はOBオススメの入渓ポイントだ。 石塚小屋から降りる沢との出会いには苔玉とやらがあった。正体は不明だが、苔の塊がいくつかあった。それよりもここから始まるのが本当の「淀」で、その雰囲気が素晴らしい。波紋一つない揺蕩う水面を、胸まで浸かりながら泳いでいく。おそらくここが、淀川で一番印象的な場面であろう。 1325ポコを確認した後、巨岩のラッシュで疲弊したところが今回の核心F2だったようだ。両岸から降りてみるが、スケールが違いすぎて下降できなかった。素直に右岸から巻道を探してみる。下降では目印など無いため、迂闊に降りない事。踏み跡もあるが、大きく巻く事になるため、ザイルはあった方が安心だろう。 ここの巻中で消耗してしまったため下の枝沢から逃げる事にした。イバラもあるヤブを漕いでどうにか川上杉直前の道に出られた。 そこでバスを待ち、下山。 淀川はとにかく目まぐるしく様子が変わって驚きっぱなしだった。深い淀があるかと思えば巨岩を飛び降りたり、苔を踏む癒しがあればかなりの高巻きが必要になる。 事前情報を入念にチェックし、イメトレしておく事が必要だった。 また、地形情報が人によりばらけるため、参考程度にしかならない事にも苦労した。滝などは念のため書いておくのがいいかも。 エスケープ判断が割とキレイに決まったことは良い点だと思う。 |
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