黒部五郎岳〜薬師岳


- GPS
- 32:00
- 距離
- 36.8km
- 登り
- 2,990m
- 下り
- 2,990m
コースタイム
- 山行
- 8:06
- 休憩
- 0:41
- 合計
- 8:47
天候 | 1日目晴れ、2日目曇り〜晴れ〜曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
富山駅5時発折立行富山地鉄バス事前予約(3400円)約2時間 帰路も同じくバスで富山駅へ、ほくほく線越後湯沢経由帰京 |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所、道迷い箇所はありません。 |
写真
感想
2012年8月10日(金)晴れ
富山に前夜入りし、翌朝5:00発の富山地鉄バスに乗り込む。念のため事前予約しておいたが、途中の電鉄有峰口からも10数人ほどの乗車があり、ほぼ満席の状態。料金はちょっと高くて片道3400円。約2時間掛けて折立に到着する。テント泊や朝早くマイカーで入山したハイカーが先行しているので、途中、複数のパーティーを追い越すことを想定して出発。暫くは急な登りが続き、次々と先行パーティーを追い抜く。ツアー客からは「急行通過します」との掛け声。最近マナーが向上したとすれば良い傾向である。1時間ほどで視界が開けて小さなピークの上に到着し小休止。日焼け止めを塗り、軽い朝飯。左に薬師岳、右に有峰湖が見える。再び小さなピークを過ぎると、一旦少し下り、そこからは緩い登りが続くが、周りは灌木も疎らな草原となり、視界が開けて気持ちがよい。勾配が更に緩くなると、遠くに太郎平の小屋まで見通せる草原となり最後は木道を登り切って太郎平へ到着。ここまで休憩は1回のみで、まだ9時を回ったばかり。当初の計画では初日は薬師岳のピストンであったが、明日から天候が悪化する可能性があること、時間的に余裕がありそうなことから、黒部五郎岳のピストンに気持ちは傾く。小屋の受付で相談すると通常往復8〜10時間とのことだが、ここまで2時間余りで登ってきた脚力なら7時間で行けるのではとのアドバイス。受付を済ませて、8800円(夕食と弁当付)を払い、右手の登山道を進む。黒部源流方向との道を分かれ、最初の太郎山のピークをから少し下ると、北ノ俣岳への長い登り。息が上がるが周りの景色で心を癒しながら進む。一面のお花畑を過ぎると北ノ俣岳に到着。左後方の薬師岳、右前方の水晶岳〜赤牛岳の稜線、そして前に続く黒部五郎岳への稜線、どれも美しい。ここまで1時間余り歩いたが、頂上はやや風が強いので更に先へと進む。一旦少し下って、岩が露頭した赤木岳を越えたところで小休止。先行するハイカーが何組か見えるが目指す黒部五郎岳はまだ遠い。ここから最下部の中俣乗越を過ぎ、更に小ピークを越えると勾配はだんだんと急になってきてジグザグの登り。山名の所以か途中からゴロゴロしてくる。やがてザック2〜3個のデポを見つけると、そこが黒部五郎岳の肩であることを知る。眼下に大きな黒部五郎カール、その向こうに三俣蓮華岳、更に遠くにゴツゴツした稜線の穂高が見える。先客に倣ってザックを置き頂上を目指すと10分ほどで到着。意外に頂上は狭く、お決まりの祠は無い。下界から見え難いので信仰の対象にならなかったのかもしれない。だんだんとガスが湧いてきたので長居はせず下山開始。肩から下り始めると直ぐにガスの中。岩陵で道を間違えないように慎重に進む。帰りはどちらかと言うと下り傾向なので行きよりは楽と思ったが、既に疲労がかなり溜まっており数度の登り返しが足に堪える。しかし、夕食の17時には十分時間があるので無理をせずに進む。登り返しもきつかったが一番堪えたのは、北ノ俣岳からの長い下り。行きは気が付かなかったが、土の斜面に石がごろごろあり、疲れた足のコントロールが覚束ない。最後は木道に救われたが、足がパンパンの状態で太郎平小屋に辿り着き、受付で名前を告げる。疲れで掠れた声しか出ない。今朝、受付を済ましているので、寝場所は入口に近い段上の端。布団1枚のスペースは頂けるようだ。食事は帰りが遅くなると思われたのか、2ラウンド目の17:45とのこと。荷物を整理してから売店でビールのロング缶を買い(700円)、小屋前のベンチで本日の記録と明日の行程を確認しながら喉を潤す。明日10:30の折立発のバスも念のため予約(何とか携帯電話は繋がった)。寝場所で1時間ほど本を読みながら横になって休んでいると食事の呼び出し。2ランド目は、10人程度しかいない。一緒の席になったハイカーと軽く談笑しながら定食風の食事を済ます。高山で炊いたご飯はボソボソで実のところ苦手である。カレーライスの方が喉を通りやすいが贅沢は言えない。みそ汁の味もいまいちだが、水分補給と思いおかわりを一杯。19:00に明日の弁当を貰い就寝。
2012年8月11日(土)くもり〜晴れ〜くもり
人のことは全く言えないのだが隣の客のイビキが止まらない。熟睡するには至らず、何回も目を覚ます。それでも1時過ぎにトイレに立って以降、3時半過ぎまで目が覚めなかったようなので、その間は寝たのであろう。直ぐに起きて寝具を畳む。1階に下り小屋の主人にお礼を言ってから、ヘッドランプを点けて出発。いつものように先頭バッターである。月が見え隠れしているので天候はもうひとつのようだ。木道を進むと下りとなり、薬師峠テント場の明かりが見える。テントの横を取り過ぎるが、出立する人はまだいないようだ。ここからは沢筋の登り。遠めで見た以上の勾配がある。昨日の疲労の蓄積により、足運びは思わしくない。沢の流れが途絶えても暫く涸れ沢を登ってく。次第に勾配が緩くなると薬師平となり木道を通過するが、再び緩い登りとなる。下山するパーティーとすれ違うころには空は白み始めヘッドランプを外すが、完全にガスの中に入り視界は悪い。既にスタートしてから1時間を過ぎたので、休む場所を探しながら進むと薬師小屋まで15分との標識あり。きっと10分だろうと思って更に登ると10分も経たないうちに小屋に到着。こじんまりした綺麗な小屋である。既に朝食が始まっているようで中の客と目が合ってしまう。そのままやり過ごし小屋直上まで登って休憩。昨夜太郎平小屋で貰った弁当を空けると予想に反して散らし寿司。朝から食べるには喉を通り難いが、腐敗を防ぐ配慮であろう。半分だけ食してから先へ進む。この先は風が強く視界も悪いが、幸い踏み跡はしっかりある。避難小屋に到着する頃には、かなり体が冷えて来たので雨具を着て進む。頂上イメージが湧かないまま稜線左のトラバース道を疑心暗鬼に進んで行くと祠が見え頂上に到着したことを知る。祠の中には小ぶりな金や石の薬師如来像が沢山納めてある。残念ながら景色が全くないので直ぐに下山開始。太郎平から登ってきたと思しきハイカー何組かとすれ違う。途中、ガスも切れ、風もなくなると途端に暑くなる。雨具を脱ぐためにザックを下ろすが、休みは取らず太郎平まで下り切る。小屋前のベンチで残った弁当を食べながら普段よりは長い休憩をとる。この頃になると晴れ間も覗いている。バスの時間まではまだ3時間あるのでゆっくりと下って行くが、それでも大方のハイカーよりはかなり早いらしく、何組か追い抜く。途中の小ピーク(1934m)でもゆっくり休む。この辺りを過ぎるとお盆休みの土曜日のためか続々とハイカーが登ってくる。すれ違うほどの道幅はないので、その度に立ち止ってやり過ごす。ほとんどのハイカーからは気持ち良く一言二言お礼があるが、仲間内の話に夢中で一言もないパーティーは頂けない。やり過ごす時間は意外とバカにならない。結局、折立まで登りとほぼ同じ時間を要したが、バスの時間には余裕を持って帰着。荷物を整理してから一休みし、バスに乗って帰路に就く。
追記
初日の太郎平以降は、追い越すハイカー、すれ違うハイカー共に比較的少ない静かな山旅であった。一方、折立から薬師岳の範囲は、土日ともなると相当な人手のようである。最近、1人や2人組のテント山行が増えているように見受けられる。小屋、テント場共に相当な混雑であったと思われる。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する