風との闘い”栂池〜白馬岳”(大雪渓で下山)
- GPS
- 11:53
- 距離
- 18.0km
- 登り
- 1,549m
- 下り
- 2,144m
コースタイム
- 山行
- 6:31
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 6:53
天候 | 1日目(晴れ) 2日目(晴れ) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
■2日目 猿倉からタクシーで八方尾根スキー場 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■標高・時間帯により雪質は刻々と変化するので、状況に合わせて判断。 ■GWで多くの人が入っているので、急斜面もステップができて登りやすい。 ■旭岳はトレースがほとんどなく上部の急斜面は要注意。凍った雪面の上に薄っすら雪が乗った状態でピッケルも刺さらない。 |
写真
感想
3月にギックリ腰になりしばらく山には行けなかった。GWも腰の具合によってはどこにも行けないか・・・と思っていたが何とか日常生活には支障はなくなった。されどテントを担いで山に行けるとは到底思えず、今回は小屋泊まりでの山行を計画した。行先は白馬岳に決まったが、猿倉〜大雪渓〜白馬〜栂池のルートをどっちから入るか悩んだ。大雪渓は2〜3日目に積雪があって雪崩のリスクもあるし短時間で通過できる下りで使った方が良いか、だがもし落石があった場合下りでは気付けないし・・・いろいろ悩んだ挙句、3日に大雪渓を上って、風のおさまる4日に稜線を歩いて栂池に下る計画とした。
令和の初日昼過ぎに家を出て途中で適当に車中泊。2日に八方に着いた時間はあまりに早く、天気も良いし上に上がって景色を見ようと言うことになった。で、急遽栂池へ移動。ゴンドラロープウェイで自然園に上がりヒュッテにチェックイン。綺麗な客室で暖房完備、風呂もある山のホテルだった。
翌朝も快晴だがやはり風は強い。白馬乗鞍を越えて白馬大池で岩陰で風を避けて小休止。稜線に上がるとアゲンストの風が待ち受けていた。風がなければ素晴らしい稜線漫歩なのだが・・・景色を楽しむ余裕はない。これまで何度か歩いたルートではあるが、船越ノ頭で「はたして白馬山荘まで行けるのか、・・」ちょっと不安になる。頭の中では引き返すタイミングも考えていたが、吹き曝しの稜線上では風を避ける場所もなく体温を保つためにはともかく動き続けるしかなかった。これで雪が加わったら遭難一直線だな。数年前の遭難事故が頭によぎる。馬ノ背に上がる急斜面をこなすと何故か風のほとんど吹かないエアポケットの様な場所があった。そこでザックを下してようやく一息入れることができた。パンを頬張りポットのお湯を飲む。さて山頂はもうそこに見えている。再び風の中を進む。そして山頂。着いた〜山荘は目と鼻の先だ。これで遭難することはなかろう。長居は無用。写真だけ撮ってサッサと山荘に下る。
2日目も快晴。前日と打って変わってほとんど風はない。暖かいくらいだ。旭岳に登ってから大雪渓を下るが、半袖で上ってくる人もいた。稜線から2時間半ほどで無事に猿倉へ到着。2泊3日の山行を終えた。
さて今回の山行では、晴れとか雪とかだけでなく風は大きなハザードであると痛感した。烈風の中を積雪期の西穂独標に登ったことはあるが、行動時間の長さやエスケープの容易さが異なる。無雪期であればこの稜線上にも風を避ける場所が多少はあるが、この時期には皆無で、雪と風で進退窮まれば、数年前の遭難事故の二の舞になることは想像に難くなかった。登山天気予報ではこの日の強風は事前に分かっていたことで、前日のニュースでは「山沿いでは午後から一時的に天気の崩れるところも・・・」と伝えていた。幸い天気の崩れることはなく結果オーライではあったが、もし崩れていたらどうなっていたことやら。やはり当初の計画通りに初日に大雪渓を登って、風のおさまる2日目に稜線を歩くべきだったのかも知れない。雪崩のリスクを考えれば、それも正解ではないのかも知れないが。快晴の3日間で写真だけ見ると良い山行だったと感じるが、結果オーライの山行を続けているといつかはオーライじゃないことが起こると思った山行でもあった。山岳保険は入っているし、ココヘリにも入ってはいるが、遭難する前に回避可能なリスクは避けるべきなのだ。(TONO)
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