記録ID: 1835146
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積雪期ピークハント/縦走
塩見・赤石・聖
荒川岳・赤石岳・聖岳 GW縦走
2019年04月27日(土) ~
2019年04月30日(火)


- GPS
- 80:00
- 距離
- 34.7km
- 登り
- 3,900m
- 下り
- 3,885m
コースタイム
1日目
- 山行
- 8:15
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 8:15
9:15
495分
椹島ロッジ
17:30
千枚小屋
2日目
- 山行
- 10:50
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 11:00
3日目
- 山行
- 12:40
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 13:00
4日目
- 山行
- 5:50
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 5:50
7:10
350分
奥聖岳東尾根Co2680
13:00
椹島ロッジ
1日目:
4/27(土)曇りのち雪 畑薙第一ダム(730) 椹島ロッジ(915)千枚小屋(1730)
助手席で完全に寝落ちしながら、零時過ぎにダムバス停に到着しC0。GW初日だが予想に反して誰もいない。翌朝5時過ぎくらいにようやく車が集まってくる。眠気眼をこすりながらテントから出てみると20人ほどはいただろうか、しかしほとんどが釣り師、山屋はわれわれとMILLETのザックにニット帽を被った単独のお兄さんだけであった。そうこうしているうちに、クラクションを鳴らしたバスが到着。一杯になった一便バスに乗り、釣り場の話に耳を傾けながら椹島ロッジへ。ロッジは数年前に赤石沢を遡行して以来だったが、例のリニア工事が着工し、ロッジ周辺には足場が組まれ、美しい芝生は背の高い土砂に完全に埋もれていた。リニアには美談ばかりではないと何だか寂しい気持ちになる。
千枚小屋尾根上の夏道をいくが、しばしば林道と交錯し、アップダウンする夏道の頭上に延びていたりして途中見下されている気分になる。しばらく愚直に夏道を行っていたが、ちょくちょく顔を出すこの平坦な林道の誘惑に負けた。Co2000を超えたくらいから雪が出てきたのでスノーシューに履き替え、景色の変わらぬだらだらした林道に辟易しながら、やっとの思いで千枚小屋へ。千枚小屋はとてもきれいで快適。
2日目
4/28(日)晴れのちガス
千枚小屋(530)悪沢岳(830)荒川小屋付近(1250)赤石岳(1630)
夜中の音を鳴らす風はすっかり止み、快晴登山日和となる。この先好天が続かないと予測し、大聖寺平ではなく今日中に赤石岳まで乗越すことにする。小屋から上の雪は締まっており、アイゼン、ピッケルで出発。昼前には湿雪に。アンチスノープレートを付けていない足元は下駄になった。この日は昨日と打って変わって暑く、直射日光が小麦色に肌を焼いてくれそうだ。稜上は荒沢岳以降岩稜帯が良く出てくる。岩稜帯を巻くかたちで、急な斜面を下ることもあった。一箇所固いところはバックステップで対応。それ以外は基本稜線を歩く行程だが、本州の山としては珍しく見渡す限り誰もいない。10連休だともっと別のところに行くのかな、人がいないのはそれはそれで良い、などと思っていると小赤石に差し掛かるあたりで天気が崩れだし、視界100~200程度、気になる風となる。悪化傾向で行動不能になる前にと、疲れた体に鞭打ち赤石避難小屋に到着。赤石岳避難小屋もとてもきれいで快適な小屋。
3日目
4/29(月)曇りのちガス
避難小屋(510)百諒拭640)兎岳(1225)聖岳(1630)奥聖岳東尾根Co2680(1810)
天気予報的に明日は低気圧直撃ということで今日中に核心部を突破することに。長時間行動になることが予測できたが、突破しなければ閉じ込められる恐れが高かった。午後崩れると読んでいた天気は出発時は晴れ。出発前に鍋のお湯を捨てに外に出向いたが、風強く、鍋蓋が逆さまに鍋に嵌って取れない。寒さもあっていらいらしながら、鍋ごと逆さまにしたところ、鍋蓋が宙高く舞って、谷底に転がっていった。鍋は小池氏の父親が愛用していたもので、1カ月前に譲り受けたものだという。ばつの悪さが尾を引くなか、ゆっくり反省する時間もないので出発。百諒燭泙任亮侈未蓮▲▲ぅ璽鵑サクサクと小気味良く決まりとても楽しい。滑落したら止まらない斜面だろう。大沢岳あたりからは視界100−200で、兎岳への登りは夏道が出ており、えっちらおっちら九十九折に歩く。兎岳ピークでは既に気になる風。兎岳を下り、稜上をいく矢先、コル上で単独行者に出会う。聖から下りてきたところで今日は兎岳避難小屋までだという。ほとんど悪天行動となっていただけに、一人で強いなあと感心しながら、同時にトレースがあることにほっと一息。・2796に上がる急斜は雪壁登り、落ちたらどこまで行くかわかないので場合によってはザイル出す必要ある箇所。両足を蹴りこみながら急斜を幾つか登り切ると漸く尾根に出た。視界はここから100くらい。早くも達成感が湧き始める。ファンタジー映画さながら、尾根の先に見える白いポコに勇者の小剣が刺さっているのではないかとすら期待を覚えてしまう始末。しかし一向にピークは見えない。視界がない分それらしき地形が見えると期待値が高まり裏切られるの繰り返しだ。4〜5回繰り返しようやくピークに到着した頃、体はすっかり伸びていた。この時点で12時間行動。時間的にも視界的にも不良のため聖平小屋へ逃れることも検討したが、奥聖先へもトレースが続いていることと気温的にそこまでシビアでないため突っ込むことに。最近マイ行動食として定番化しつつあるコンビニのカリカリ梅(某漫画の仙豆に匹敵する回復力)を食して出発。奥聖先の雪稜は、思ったより細く、一部はナイフリッジとなっていた。視界もないし悪天ナイフリッジなんて聞いてないよと思いながらここまで来れば足を動かすしかない。あまりの疲労に詳細は思い出せないが気力で突破。もはや感覚の世界であった。細い稜線上を超え、ようやく樹林帯となったCo2680でテント泊。2週間前にも仙丈ヶ岳で13時間行動していたが、今日のためのとても良いトレーニングになっていたようだ。
4日目
4/30(火)曇りのち雨
Co2680(710)椹島ロッジ(1300)
ナチュラルゲットアップで起床。
尾根を下って椹島ロッジまで。Co2300からは出合所小屋跡に向かって下る。
最後は雨に濡れ、下着が濡れて椹島ロッジまで。
計画貫徹。
4/27(土)曇りのち雪 畑薙第一ダム(730) 椹島ロッジ(915)千枚小屋(1730)
助手席で完全に寝落ちしながら、零時過ぎにダムバス停に到着しC0。GW初日だが予想に反して誰もいない。翌朝5時過ぎくらいにようやく車が集まってくる。眠気眼をこすりながらテントから出てみると20人ほどはいただろうか、しかしほとんどが釣り師、山屋はわれわれとMILLETのザックにニット帽を被った単独のお兄さんだけであった。そうこうしているうちに、クラクションを鳴らしたバスが到着。一杯になった一便バスに乗り、釣り場の話に耳を傾けながら椹島ロッジへ。ロッジは数年前に赤石沢を遡行して以来だったが、例のリニア工事が着工し、ロッジ周辺には足場が組まれ、美しい芝生は背の高い土砂に完全に埋もれていた。リニアには美談ばかりではないと何だか寂しい気持ちになる。
千枚小屋尾根上の夏道をいくが、しばしば林道と交錯し、アップダウンする夏道の頭上に延びていたりして途中見下されている気分になる。しばらく愚直に夏道を行っていたが、ちょくちょく顔を出すこの平坦な林道の誘惑に負けた。Co2000を超えたくらいから雪が出てきたのでスノーシューに履き替え、景色の変わらぬだらだらした林道に辟易しながら、やっとの思いで千枚小屋へ。千枚小屋はとてもきれいで快適。
2日目
4/28(日)晴れのちガス
千枚小屋(530)悪沢岳(830)荒川小屋付近(1250)赤石岳(1630)
夜中の音を鳴らす風はすっかり止み、快晴登山日和となる。この先好天が続かないと予測し、大聖寺平ではなく今日中に赤石岳まで乗越すことにする。小屋から上の雪は締まっており、アイゼン、ピッケルで出発。昼前には湿雪に。アンチスノープレートを付けていない足元は下駄になった。この日は昨日と打って変わって暑く、直射日光が小麦色に肌を焼いてくれそうだ。稜上は荒沢岳以降岩稜帯が良く出てくる。岩稜帯を巻くかたちで、急な斜面を下ることもあった。一箇所固いところはバックステップで対応。それ以外は基本稜線を歩く行程だが、本州の山としては珍しく見渡す限り誰もいない。10連休だともっと別のところに行くのかな、人がいないのはそれはそれで良い、などと思っていると小赤石に差し掛かるあたりで天気が崩れだし、視界100~200程度、気になる風となる。悪化傾向で行動不能になる前にと、疲れた体に鞭打ち赤石避難小屋に到着。赤石岳避難小屋もとてもきれいで快適な小屋。
3日目
4/29(月)曇りのちガス
避難小屋(510)百諒拭640)兎岳(1225)聖岳(1630)奥聖岳東尾根Co2680(1810)
天気予報的に明日は低気圧直撃ということで今日中に核心部を突破することに。長時間行動になることが予測できたが、突破しなければ閉じ込められる恐れが高かった。午後崩れると読んでいた天気は出発時は晴れ。出発前に鍋のお湯を捨てに外に出向いたが、風強く、鍋蓋が逆さまに鍋に嵌って取れない。寒さもあっていらいらしながら、鍋ごと逆さまにしたところ、鍋蓋が宙高く舞って、谷底に転がっていった。鍋は小池氏の父親が愛用していたもので、1カ月前に譲り受けたものだという。ばつの悪さが尾を引くなか、ゆっくり反省する時間もないので出発。百諒燭泙任亮侈未蓮▲▲ぅ璽鵑サクサクと小気味良く決まりとても楽しい。滑落したら止まらない斜面だろう。大沢岳あたりからは視界100−200で、兎岳への登りは夏道が出ており、えっちらおっちら九十九折に歩く。兎岳ピークでは既に気になる風。兎岳を下り、稜上をいく矢先、コル上で単独行者に出会う。聖から下りてきたところで今日は兎岳避難小屋までだという。ほとんど悪天行動となっていただけに、一人で強いなあと感心しながら、同時にトレースがあることにほっと一息。・2796に上がる急斜は雪壁登り、落ちたらどこまで行くかわかないので場合によってはザイル出す必要ある箇所。両足を蹴りこみながら急斜を幾つか登り切ると漸く尾根に出た。視界はここから100くらい。早くも達成感が湧き始める。ファンタジー映画さながら、尾根の先に見える白いポコに勇者の小剣が刺さっているのではないかとすら期待を覚えてしまう始末。しかし一向にピークは見えない。視界がない分それらしき地形が見えると期待値が高まり裏切られるの繰り返しだ。4〜5回繰り返しようやくピークに到着した頃、体はすっかり伸びていた。この時点で12時間行動。時間的にも視界的にも不良のため聖平小屋へ逃れることも検討したが、奥聖先へもトレースが続いていることと気温的にそこまでシビアでないため突っ込むことに。最近マイ行動食として定番化しつつあるコンビニのカリカリ梅(某漫画の仙豆に匹敵する回復力)を食して出発。奥聖先の雪稜は、思ったより細く、一部はナイフリッジとなっていた。視界もないし悪天ナイフリッジなんて聞いてないよと思いながらここまで来れば足を動かすしかない。あまりの疲労に詳細は思い出せないが気力で突破。もはや感覚の世界であった。細い稜線上を超え、ようやく樹林帯となったCo2680でテント泊。2週間前にも仙丈ヶ岳で13時間行動していたが、今日のためのとても良いトレーニングになっていたようだ。
4日目
4/30(火)曇りのち雨
Co2680(710)椹島ロッジ(1300)
ナチュラルゲットアップで起床。
尾根を下って椹島ロッジまで。Co2300からは出合所小屋跡に向かって下る。
最後は雨に濡れ、下着が濡れて椹島ロッジまで。
計画貫徹。
過去天気図(気象庁) | 2019年04月の天気図 |
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アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
稜線上では全天で泊れるテンバはなさそう。 |
写真
感想
久しぶりの長期山行。大きい山に行きたいなと思って計画したが
息つく暇もない思いのほかシビアなレベルアップ山行となった。
GW前半の不安定な天候を考えれば満足のいく結果。
まったりした山もいいが今回みたいな山も挟む必要あるなと思った。
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