ぺテガリ岳ールベツネ山―1599峰―ヤオロマップ岳―コイカクシュサツナイ岳
- GPS
- 104:00
- 距離
- 35.1km
- 登り
- 3,367m
- 下り
- 3,225m
コースタイム
- 山行
- 3:25
- 休憩
- 0:15
- 合計
- 3:40
- 山行
- 8:45
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 9:20
- 山行
- 7:55
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 8:35
- 山行
- 9:55
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 10:55
- 山行
- 4:05
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 4:15
天候 | 1日目:くもり/雨、2日目:霧雨/ガス、3日目:晴れ/ガス、4日目:ガス/晴れ/ガス、5日目:ガス/くもり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
基本的に各ピークへの登りは大変だった。逆ルートでもそれは同じだと思う。 ペテガリ岳からルベツネ山の区間は踏み跡はそれなりにあってまだ歩きやすい。 cカールへの下降路は途中で不明瞭になるので帰りが注意。 ルベツネの肩への登りのハイマツは大きくなり過ぎてか、踏み跡に蔽いかぶさっていたので日高側のハイマツの根元を歩いたためかそれ程大変さを感じなかった。 1688峰へのナイフリッヂの登りも暑さもあってつらかった。 最も大変だったのはc1469コル付近からのいわゆるリンゴ畑と呼ばれているミックスの藪で、踏み跡もなく笹と灌木が多くなって、特に1599峰への登りで疲弊した。 1599峰からP1569への稜線が一番大変と言われていたが、朝一番で元気なうちに臨んだのと、涼しかったので黙々と歩けた。ただ、平坦に見えた稜線だが偽ピークの連続で参った。 P1569から下りで楽になると思っていたが、ヤオロマップ岳の登りの途中まで藪がしつこく続いていてまだあるのかといった感じ。その後岩稜になるが、岩峰がいくつも出てくる。 ヤオロからコイカクへのハイマツの藪も以前より大変な印象だった。ここのハイマツは凶悪なハイマツだ。要は切られた枝が槍のように当たってくるので、実際この区間で合羽のズボンが破かれた。それまでの区間の自然なハイマツは伸びてはいるが、たなびくのでまだ優しいハイマツだった。 |
写真
感想
13年前にHYMLの坂口さんと山内さんがこの区間を縦走した山行記録を拝見して、いつかは自分もと藪山山行を重ねて経験を蓄えてきました。不確定要素が多々ある中、不安よりも期待と使命感みたいな物の方が勝っていて、落ち着いて望めました。
札内川ヒュッテに車をデポして、タクシーに神威山荘手前の登山口まで送ってもらう。加藤一二三似の優しいおじさんだった。ニシュオマナイ川を渡渉して、200名山狙いの横浜の男性とご一緒してゆっくり歩く。尾根越えの泥壁が滑って、重荷で難儀した。山荘には一番乗りだったが、後から山から降りて来た人達で満杯の夜だった。
隣に寝た東京の山学会の方は停滞して渓流釣りを楽しむそうだ。もう少ししたら、そうゆうゆったりした山行も楽しみたいものだ。その方から4人の同山学会の方々が逆行でコイカクからペテガリへ向かっていると聞かされて励みになった(結局会わなかった)。霧雨の中、翌日の好天を信じて出発。
この縦走はカメの歩みに徹すると決めていました。
展望のないペテガリ西尾根を黙々と歩き、P1305辺りから雨は止んだがガスの中。ペテガリへの最後の急登をゆっくり登り樹林帯を抜けてくると、風が強く寒くなってきた。この辺りで日帰り組とすれ違い天気予報を教えてもらう。13日はまずまずだが、14日は今日と同じになるとのこと。少し弱気になってルベツネまでの往復
の事も考えた。防寒装備に着替えてペテガリ頂上へ。日高側からの強い風の中、ガスで展望ない。
Cカールへの下りは低いハイマツの藪に薄っすら踏み跡がある。c1535コルの降り口には小さなピンテがあって、穴が空いているようだった。そこから続く急な小沢筋を下るが、途中で不明瞭になる。適当に下ってカール底に出る。これが失敗だった。
カール底はガスに包まれ、時折ナキウサギの鳴く声が響く位で静かな別天地だった。テン場は3か所位で、1つ以外は草が生えていた。水場への踏み跡は明瞭で、途中から右の方へ下ると割とすぐ。おいしい水が十分に湧き出していた。
テン場は静かで快適だったが、夜半に数時間大風と雨がテントをたたいた。ゴーゴーと風の音が遠くから近づいて来てテントに当たる。それが何度も繰り返された。大気の入れ替えだなと冷静に判断できた。夜明け前に外を見ると十勝側の街明かりがきれいだった。今日は好天だ。
十勝平野に朝日が昇るのを見てから出発。カール壁で踏み跡が分からなくなり、下降点に続く沢筋に入れなかった。急な壁の藪漕ぎでやっとこさ下降点よりだいぶ上の稜線に出た。のっけから体力と時間を浪費した。ルベツネの肩への登りは、ハイマツの背丈が高くて大変とのことだったが、逆に伸びすぎたハイマツが踏み跡に蔽いかぶさっていて歩けず、日高側のその根元を歩くと割と楽だった。ルベツネの肩に登ると目の前に1839峰やヤオロマップ岳がそびえていた。ルベツネ山頂までの稜線の先には1688峰が続き、振り返るとペテガリ岳とその右奥に神威岳。左には東尾根上にポンヤオロマップ岳が並んでいた。ルベツネ山頂までは高低差があまりないように見えたが意外に時間が掛かった。平坦な山頂からは1688峰の向こうに、1599峰からヤオロマップ岳へと続く長い稜線と、さらにその先に1839峰からシビチャリ山へ下ってゆく稜線が半円を描くように並んで伸びていた。
ルベツネ山からはナイフリッヂの稜線の急下降で、踏み跡も見当たらない。藪があるから怖さはないが、逆ルートからはかなり大変な区間だろう。1688峰までの登りはナイフリッヂの上アップダウンが多く、気温も上がってつらかった。下りに入ると幾分楽になるものの、c1459コルが近づくと当にリンゴ畑と呼ばれる踏み跡もないすごい藪で、1599峰への登りに入ると歩くスピードがさらに落ちた。この時点でヤオロマップ岳は諦めて1599峰をテン場にすると決めて、体力と水の節約に努めた。cカールの登りでの消耗と気温が上がったのが敗因だ。途中からガスが掛かってきて涼しくなった頃に1599峰に到着。頂上は一帳程のテン場だった。
夕方から小雨が降ったので、雨水を集めて飲んだ。コップ一杯にも満たない虫入りの水だったが正に天からの恵みの水でおいしく感じた。その夜は穏やかで、疲れもあってか不思議によく眠れた。
朝までにさらにコップ半分ほどの雨水が取れたのでそれを飲んで出発。1l程の水でヤオロの水場まで行かなければならない。p1569までが最悪区間と腹をくくり、4時間掛かってもいいと言い聞かせる。次第にガスが取れてきて、目指すヤオロマップ岳までの稜線とピラミダルな1839峰も顔を出してきた。左には大きなルベシベ山が最後に姿を現してくれた。ルベツネ山から眺めた限り、割と平たんに見えた稜線だったが、アップダウンが多く偽ピークの連続にうんざりした。ただ、朝一番で疲れがないのと、この後メットから水滴が落ちる程のミストを含む涼しい風が日高側から常に吹いてきて喉も乾かず救われた。 昨日のリンゴ畑から1599峰への登りの方が大変に感じた。P1569を超えると楽になるだろうと予測していたが、ヤオロの登りに入ってもまだ藪は続いた。岩稜になり始めるとやっと藪から解放されるも、今度はガスの中、岩峰の偽ピークが次々と現れて疲弊した。
ガスの中ヤオロのの頂上に到着。。やったぞと安どした。テン場には1張のテントがあった。テントの主は水くみ中のようで、後を追って十勝側の水場へ下りてゆくと途中で2人の学生さん風の人達に出会う。下まで行かないと水が取れないと聞く。彼らもコイカクまで行くとのこと。実際、上の水場は細すぎて取れず、下は良く出ていた。冷たくておいしい水をがぶ飲みして生き返った。背中も軽く、一気に戻る。
4lの水を背負ったザックはずっしりと重くなったが、気持ちは軽くコイカクに向けて出発。ガスで展望はない。ヤオロとコイカク間の藪は4年前に比べて歩きずらく感じた。切られたハイマツが槍のように当たって来て、実際ここでついに合羽のズボンが破られた。凶悪なハイマツだ。それまでの区間の自然のハイマツは大きく伸びてはいるものの優しいハイマツだった。コイカクへの最後の長いハイマツの登りに耐えて頂上のテン場に到着。水は十分あるし、明日は下るだけなので安心して眠った。
翌朝もガスに中。コイカクの夏尾根の急登をゆっくり下り、後はコイカクシュサツナイ沢の河原をのんびり歩くだけだが、慢心からかやや増水した函を巻かずに通過しようとして全身ずぶ濡れになり、落ちが付いてしまった。さらに、札内川ヒュッテに着くと釣り人に車に安否確認の張り紙が貼ってあると言われ、5日間も置きっ放しだったので当然でしょうねと苦笑した。
スゴイ山行を成し遂げました。記録を読んで感涙にも似た想いで読ませてもらいました。貴重な記録です。いつかは行きたいと思っている困難なコースです。
tannayさんありがとうございます。
私にとって目標の山行の一つでした。
他の方の参考になればとアップしました。
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