大雪山縦走(旭岳〜トムラウシ山)
- GPS
- 79:37
- 距離
- 45.5km
- 登り
- 2,373m
- 下り
- 3,310m
コースタイム
- 山行
- 8:08
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 9:08
- 山行
- 5:23
- 休憩
- 0:33
- 合計
- 5:56
- 山行
- 6:43
- 休憩
- 1:43
- 合計
- 8:26
天候 | 1日目曇り 2日目ガスのち小雨 3日目小雨のち晴れ 4日目晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト) 船
旭岳ビジターセンター駐車場は無料(ロープウェイ駐車場は有料) 旭岳ロープウェイ片道1800円 トムラウシ温泉から旭岳へ戻るにはバス3回乗り換え トムラウシ温泉〜新得役場前:拓殖バストムラウシ温泉線(予約優先) 新得役場〜富良野駅前:ノースライナー(要予約) 富良野駅前〜旭川空港:ふらのバスラベンダー号 旭川空港〜旭岳駐車場:旭川電気軌道いで湯号 *後から知ったことですが、車の回送サービスがあるらしく、4人で割るとバス代と大して変わらない値段とのこと。これを利用していれば移動日が必要なく1日早く帰れた・・・。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
旭岳〜白雲岳周辺の登山道はよく整備されている(登山者が多い)。 白雲岳避難小屋から奥の方(南方向)へ進むと、藪になっているところもある。 トムラウシ山は岩場が多く、ペンキマークを見ながら慎重に進む必要がある。 |
その他周辺情報 | トムラウシ温泉国民宿舎東大雪荘 日帰り入浴500円 (この時期は登山者用の相部屋宿泊プランもあるらしい) トムラウシ野営場 250円 |
写真
装備
個人装備 |
携帯トイレ
シュラフ
マット
チェーンアイゼン
朝食3日分
行動食4日分
携帯用バッテリー
他 通常の登山装備
|
---|---|
共同装備 |
テント(混んでいると小屋に泊まれないこともあるので必携)
浄水器(エキノコックス対策)
熊撃退スプレー
夕食4日分
鍋
ガス
|
備考 | 持って行って良かったもの:シュラフカバー(夜はかなり冷えるのでテント泊ではあってよかった。ただし男性は必要ないらしい。)、スパッツ |
感想
10年ほど前から憧れていた大雪山縦走、北海道はいろいろな面でハードルが高く、なかなか実現できませんでした。pさんから声をかけてもらい昨年計画するも直前で中止になり、今年やっと行ってくることができました。
大雪山縦走のハードル
‘程が長い
2泊3日の縦走でも往復に時間がかかるので、5日〜6日の休みが必要。
→休みが合うメンバーをそろえるのに一苦労
避難小屋が少ない
お盆期間は非常に混むのでテントを持参する必要がある。携帯トイレも必要。
→それなりの装備、経験、気力、体力が必要
5ぞ歉魴錣厳しい
トムラウシと言えば10年前の7月に起きた大量遭難事件が思い出される。
→予備日を設定。絶対無理しない。
ぅ劵哀泙怖い
→熊撃退スプレー購入(持っているだけで安心)
タ紊倭瓦突彈冓
→浄水器購入(飲み水全て煮沸するのは大変。購入してよかった)
<0日目>
昼頃盛岡を出発して八戸からフェリー乗船(17:30発)。夜中に到着のため車も乗せる。乗船してすぐ入浴し、持ち込んだ夕食を食べたが、食べている最中に前線通過の影響で船が大きく揺れるようになり、消灯を待たずに横になる(船内で買った酔い止めドロップが結構効いた)。2等室内は昔と違って一人ずつマットがあり快適、毛布はお金がかかるのでシュラフ持参。
<1日目>
5:00過ぎに旭岳ビジターセンター到着。6:00始発のロープウェイに乗る。上の天気は予報に反してガスガスの霧雨。出発後すぐに雨はやんだが、ガスはなかなか取れず、展望がないまま旭岳登頂。旭岳から下る途中で若い単独男性に声をかけられ北海岳まで同行することに(ガスで迷うかもと弱気になっていた)。縦走路を進むと花が次々現れ、特にチシマツガザクラがたくさん咲いていたのには感激した。花の最盛期は7月中〜下旬だが、雪渓周辺には春の花も多く見られた。縦走路はアップダウンが少なく重い荷物でも何とかバテないで歩くことができた。途中ガスが薄くなったりして近くの景色は多少見ることができ、白雲岳分岐を過ぎてからは緑岳なども望むことができた。小屋手前の水場周辺は花が多く、エゾノツガザクラがきれいだった。皆で写真を撮りまくったため、なかなか小屋にたどり着かなかった。
小屋はあまり天気が良くないせいかそれほど混んではおらずゆったりくつろげたが、トイレは衝撃だった(南アルプス同様ただの垂れ流し、使用済みペーパーは各自持ち帰り)。
<2日目>
予定では緑岳を往復してから縦走路を南下することにしていたが、ガスガスで展望は期待できないことと、午後から天気が崩れる予報だったので、緑岳はやめて忠別岳へ向かう。1日目より天気が悪くガスが薄くなることはなかった。長い平坦な縦走路が続き景色も見えないので多少飽きてきたが、リンネソウが多く咲いているのに感激しながら進む。忠別岳を過ぎたころから小雨が降り始めカッパを着こむ。基本だだっ広い稜線上の縦走路にところどころ藪道もあったのが予想外だった(スパッツ持参して正解)。分岐から小屋に降りる道にも背丈ほどの藪あり。小屋手前の雪渓はかなり小さくなっており、柔らかかったのでアイゼンは不要だった。周辺のお花(主にエゾコザクラ)がこれまた素晴らしかったので、なかなか小屋にたどり着かず。
小屋は狭いうえ、10名以上のパーティーが1階を埋めていたので、途中でいっぱいになり、遅く来たパーティーは雨の中テント泊になった。私たちはオランダ人の女の子3人組の隣になり(前日も同じ小屋に泊まっていた)片言の英語と日本語(一人は早稲田大学の留学生)で交流した。雨ですることもないので早めに夕飯を食べ18時過ぎには就寝した。
<3日目>
今年はヒサゴ沼避難小屋(テン場も含め)が建て替え工事で使えないため、この日は一気にトムラウシ温泉まで12時間ほどかけて下山する予定だったが、出発予定の4時時点で天気が悪いためしばらく様子を見ることにした。前日確認した予報では回復する見込みだったが、雨は小降りでも風が強めだった。小屋にいたすべてのパーティーが出発を遅らせて様子見をしており、1階のパーティー(大学生かな?)は7:00の判断で停滞を決定していた。私達はこの日の下山はあきらめて南沼まで行くことにして7:30頃出発した。
稜線に出ても風はそれほどひどくはなかったのでそのまま五色岳へ向かったが、雨はなかなかやまない。そのうち沢のように水の流れているところで全員靴の中まで浸水する。化雲岳手前の木道のある湿原はまさに「神遊びの庭」の雰囲気で感激する。そこでヒサゴ沼周辺の調査をしてきたという北海道大学の学生2人とスライド、登山道の様子などを聞く。途中あちこちに見られた土を掘った跡は、ヒグマがハクサンボウフウの根を食べるために掘ったものだということを教えてもらった。展望は望めないもののせっかくだからと化雲岳に寄る。山頂には印象的な大岩があり登ったような踏み跡もあったが崖上にあるのでかなり危険。山頂は電波が良好のため、そこで帰りのバスを一日遅らせるということを、予約をしていた拓殖バスに連絡した。ヒサゴ沼分岐を過ぎるとやっと雨が上がり、ヒサゴのコルに着く頃にはガスが薄れ青空も見られるようになった。登り返す途中から化雲岳の山頂(大岩が目印)が見えたり、ヒサゴ沼が見えたりするようになり、どんどん天気が好転していった。ロックガーデンに着く頃には完全に晴れて青空が広がり、素晴らしい景色を眺めることができ、ナキウサギも何度か目にすることができた。急坂を登り切って北沼を見下ろす場所に出ると目の前にトムラウシ山が迫っており、一同大感激。北沼は雨で増水することもなく(10年前のことがあるので少し心配だった)、分岐からそのまま山頂へ。この3日間待ち焦がれていた青空の元、のんびり山頂からの眺めを楽しんだ。
南沼キャンプ指定地は混みあっておりあまりいい場所は空いていなかったが、皆で協力して石をどけて整地して、快適に寝ることができた。ここはトイレがなく、携帯トイレブースで用を足すようになっている。私はここで初めて携帯トイレを使用した(使用済みトイレは各自登山口まで持ち帰り)。陽が落ちると一気に気温が下がり寒くなった。シュラフは全員モンベルの#3だったが、女性3人の共通意見はシュラフだけでは朝方寒く(ダウンパンツ、フリース着用でも)、カバーをかけてちょうどよかったというもの。それに対して男性はカバーなしで半袖シャツ、パンツ一丁でも大丈夫だったそうで、男女で寒さに対する感覚が違うということが改めて分かった。
<4日目>
天気は良好。この日は予備日で、2泊で下山できたら観光に充てる予定だった(フェリーが混んでいて変更ができないため)が、本当に予備日を設けておいてよかったと実感。オランダ人の女の子たちは十勝岳まで縦走する予定を変更し、私達と同じようにトムラウシ温泉に下山するとのこと。素晴らしい景色を楽しみながら、何度もトムラウシを振り返りながら下山。コマドリ沢手前でナキウサギを写真に収める。渡渉後の急坂の登り返しもなんとかクリア。尾根上はドロドロのぬかるみが続いたがこれでも整備されてマシになったそう。短縮登山口分岐からはなだらかな歩きやすい道が続いたが小ピークへの登り返しもあり意外と長い。いい加減疲れてきたころ足場の悪い急坂になり慎重に下る。林道を横切るとほどなく登山口到着!
東大雪荘は想像以上に立派で大きかった。ドロドロの登山靴やスパッツを洗ってから温泉で汗を流し縦走の成功を祝してビールで乾杯した。キャンプ場までは1kmほどの道のりだったが、途中林道を右折するところを直進してしまい途中で間違いに気づいて引き返した。キャンプ場の看板はないので要注意。キャンプ場は立派でトイレもきれい。夕食中小雨が降ってきたので急いで食べ終えてテントへ逃げ込んだ。灯りのすぐ近くにテントを張ったところ、一晩中消えることがなくまぶしかった。失敗だったと思ったが、オランダ人の女の子たちのテントに夜中キツネが入っていたずらされたらしく、明るいところだったから良かったのかも。
<5日目>
この日は移動日。小雨の降る中テントを撤収し、8:45温泉前からバス乗車、新得役場前、富良野駅前、旭川空港で乗り換えて、旭岳ロープウェイに到着したのは17:20。夕方には天気が良くなりきれいな旭岳を拝むことができた。車を回収し苫小牧へ。フェリー受付が大変混んでおり1時間以上待たされやっと乗船。大きい船のためかあまり揺れることはなかった。
翌朝八戸に到着、10:00頃盛岡に到着。
3泊4日の縦走、トータルでは7日間にもわたる今回の遠征で、一番心配していたのは天候でしたが、次々発生した台風による影響もなく、トータルではまずまずだったと思います。一番メインのトムラウシ山で晴れたのも本当に良かったです。
それから何といってもメンバーにも恵まれました。事前のトレーニングや準備も含め、皆で協力したからこその成功だったと思います。
なかなかアップされないからアクシデントでもあったのかなと思っていましたが無事に成功されてなによりです。天気は若干残念だった感もありますが噂に違わずお花がすごそうですね。いつか行ってみたいとは思いますが…やっぱりハードル高いですよねぇ、このコース。
夢のような4日間でした〜。
ハードルの高さゆえにもう二度と行くことはないかもと思いながら臨みましたが、すでにまた行きたくなりました 笑)
色々コツを掴んだので、今度は時期やコースを変えて行こうかな。
食材を背負って45kmかぁ、すごいですね。
雨にたたられたようですが、花々に癒され、ナキウサギやシマリスに癒され、思い出に残る山行になりましたね
45kmと言っても、ロープウェイ利用であまり標高差はないので。逆コースを2日で歩く強者もいました〜。
最後には晴れてくれたので、終わり良ければ全て良し!素晴らしい山旅でした。
yukicaさん 皆様
遅コメ失礼します。こんにちはmochiiです。大自然の縦走、大変お疲れ様でした。こんなに花が綺麗なんですね! チシマツガザクラは気に入りました。来年こそ北海道に行きたくなりました。旭岳、トムラウシ 最高です。スバラシイレコをありがとうございます。また(^。^)
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