マッターホルン(ヘルンリ稜)
- GPS
- --:--
- 距離
- 10.2km
- 登り
- 2,269m
- 下り
- 2,269m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト) 飛行機
|
コース状況/ 危険箇所等 |
誤った踏み跡あり、コースファインディング難しい。肩より上部の雪田が固い。 |
その他周辺情報 | ヘルンリヒュッテ |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
予備手袋
防寒着
靴
ザック
アイゼン
ピッケル
行動食
非常食
水筒(保温性)
ライター
地図(地形図)
コンパス
計画書
ヘッドランプ
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ナイフ
ロープ
ヘルメット
確保機
ロックカラビナ
カラビナ
クイックドロー
スリング
タイブロック
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感想
ヘルンリヒュッテへは、シュヴァルツゼーから2時間のトレッキングだ。正面にマッターホルン(Matterhorn 4478m)を見据えて進めば、その姿がどんどん大きくなってくる。11:00ヘルンリヒュッテのテラスに到着する。高価なカプチーノとコーラを注文して行動食を流し込む。12:00ヒュッテにデポする荷物をまとめて偵察準備を整えて取り付きへ向かう。1本目のフィックス・ロープを登り左へトラバースし、もう1本フィックス・ロープを登ると緩やかな登りとなる。「これ難しいな」と感じたら、大概そのルートは間違えている。クライミングテクニックを使うことなく、階段を上るように登れるところが正解ルートなのだ。とりあえずソルベイ避難小屋の見える場所まで登り、14:00ヘルンリヒュッテに戻ることにした。何ヶ所かで迷いそうになったが、15:30概ね順調に取り付きへ戻ることができた。
ヒュッテでは6人部屋を指定された。食事には少し早いが食堂に降りて過ごすことにした。ガイドとクライアントが顔合わせしていたり、談笑するグループがいたりと賑やかだった。食事は、スープとメインにデザートが続く。紅茶は好きなだけ水筒に詰め込むことができる。スープとメインはお代わりもできた。食後は、早々にベッドに潜り込み明日に備えた。
16日(金)、時差か緊張か03:00にスッキリと目が覚める。同室のメンバーが起き出すまでベッドで大人しくしていた。03:50装具を付けザックを持って食堂へ降り、空いた席を確保。Wake Up 04:00とボードに書かれていたが、既にパンやハム、チーズ、紅茶ポット等がテーブルに置かれている。取り急ぎ腹に詰め込んで最終的な出発準備を整えた。ガイド・パティーは早くも入り口に列をなしていた。
05:00取り付きからスタート。下見をしていたのでフィックス・ロープの状況は分かっているから不安はない。踏み跡はヘッデンで確認していたつもりだったが、早速ケルンを見逃してガレの斜面まで進んでしまった。かまわずガレを登り明瞭な踏み跡に合流する。何組かの遅いガイド・パーティーと抜きつ抜かれつしながら進んで行く。06:00少し過ぎた頃にソルベイ避難小屋が見えた。昨日の偵察が功を奏し良いペースで登って来られている。幾度か東側への踏み跡を辿りそうになるが、その度にヘルンリ稜側への踏み跡を探し出して東側へ寄りすぎないようにする。そういった踏み跡は、先の方に目をやると残置スリングを見つけることができる。クライムダウンできずに仕方なく懸垂して降りてきた証であろう。
途中のフィックス・ロープを一本登ると間もなくしてソルベイ避難小屋直下のモズレイ・スラブだった。3級程度の登りが20m程度。
自己設定したソルベイ避難小屋まで3時間をクリアしたので頂上を目指すことにした。上部のモズレイ・スラブは5m程度の短いものだった。そこからしばらくは、ヘルンリ稜を北壁寄りに登る。何組かとすれ違うようになった頃、フィックス・ロープ帯の下部「マッターホルンの肩」と呼ばれる場所に到着した。「フィックス・ロープ帯は腕力勝負」のような記述をネットでよく目にしたが、足を拾えば腕力に頼らなくても登ることができた。2カ所程かぶり気味のところがあるが、短いものなので問題にはならないと思う。
フィックス・ロープ帯が終われば氷雪面を登って頂上だ。雪田というよりも氷面で、それも固い。クランポンを確実に食い込ませて登っていった。
傾斜が緩やかになり、上方に目をやると聖ベルナールの像が飛び込んできた。その先には、それ以上に高い場所はなかった。11:00マッターホルン登頂。自己設定した6時間ぎりぎりでの登頂だった。イタリア側山頂へも行きたかったが、下山時間のことを考慮して断念した。
先ほど登ってきた氷雪面をコンテで降りていったが、傾斜が厳しくなったところで念のためスタカットに切り替えた。今から思えば、ここが核心だった。時間はかかったものの、安全を優先させて正解だったと思う。フィックス・ロープ帯は、フィックス・ロープを頼りにフリーで降りた。容易だった数メートルの登りも、切れ落ちた高度感のあるクライムダウンになると途端に難しく感じてしまう。幸い天気は安定しているし、最悪ソルベイ避難小屋でのビバークでも良しと、焦らず確実に下山する方針をパートナーと確認し合った。休憩や水分補給も十分に摂りながら集中力を切らさないように降り続け、ソルベイ避難小屋に辿り着いたのは15:00を過ぎていた。
既に10時間程度の行動になっていたが、パートナー共々体力的には余裕があり、日没まで時間もあったことから行動を継続することにした。30分程度の長い休憩の後、ルート・ファインディングを慎重にして進んだ。ヘルンリヒュッテは間近に見えているのだが、なかなか近づいてこない。そのうち、第2クロワールだと信じて下っていた場所の様子がどうもおかしいと気づいた。第3クロワールに迷い込んでいたようだ。しばらくして大量の残置スリングに出合う。朝、登りながら目にしていた残置スリングに違いない。少し先には、ヘルンリ稜側へ戻れそうな踏み跡も見つけることができた。コンテを解いて2回の懸垂でどうにか踏み跡に戻れた。そこからは昨日に偵察した区間でもあり、大きく迷うことなく下山した。20:00、時間はかかったものの無事に取り付きに戻ることができた。
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