蕎麦粒山~三つドッケ


- GPS
- 07:58
- 距離
- 15.7km
- 登り
- 1,496m
- 下り
- 1,282m
コースタイム
12:00一杯水避難小屋-13:00三つドッケ-
15:15東日原
過去天気図(気象庁) | 2012年07月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
笙ノ岩山の登り道途中付近で、オオスズメバチの襲来あり。 巣が大きくなる10月頃まで、この周辺はご注意ください。 |
写真
感想
酉谷背稜の蕎麦粒〜三つドッケが未踏破でしたので、
梅雨の晴れ間に期待を込めて、行ってみました。
ルートは川乗橋から鳥谷戸尾根を登り、背稜を経て一杯水、
三つドッケを周回してヨコスズ尾根から下山する定番ルート?
東京の最深部を周遊する、長めのハードコースですね。
朝7時前、奥多摩駅到着。
立川から乗って、1時間半近くかかります。
車内は人が少ないので、軽く朝食と仮眠。
奥多摩駅からのバスは7:02発。
平日ながら、数名のハイカーと共に、一路日原へ向かいます。
川乗橋で、1名のハイカーを残して全員下車。
私がGPSの準備をしている間に、みんな先へ行ってしまいました。
その後会うこともなかったので、川苔山に向かったようですね。
蕎麦粒山の道標に従い、鳥谷戸尾根へ。
地図を見て、最初と最後が急登だと知っていたので、出だしは体力温存。
のんびり稜線を進みます。
杉の植林は、丁度間伐を進めている最中でした。
傍らで、林業の方々がチェーンソーで作業をしていました。
ご苦労様です。
段々と自然林が多くなり、苔生した岩が目に付くようになります。
この辺りで……。
羽虫がかなり多かったのですが、
一際低音で目前を掠める、大きな虫。
チェーンソーの音にも似た、背筋の凍りつくあの羽音。
オオスズメバチ!!!!!
一昨年、川苔山でスズメバチの襲来を受けて以来、
トラウマになっています。
再び刺される恐怖。ショック反応の怖さ。
執拗に目の前を飛び回るオオスズメバチ。
恐らく斥候でしょう。明らかに、こちらを威嚇しています。
ただ、一体どこに巣があるのか、どうすれば刺激しないでやり過ごせるのか。
そんな事を考える余裕もありません。
ヤバい!!逃げたい!刺されたくない!
スイッチが入りました。
小走りで、急な尾根道を駆け上がります。
オオスズメバチは相変わらず、自分の周囲を回っています。
お願いもう来ないで〜〜〜(>_<)
どのくらい駆け上がったかわかりませんが、
スズメバチは振り切ったようでした。
息も絶え絶え、苦しいばかり。
体力を温存していたので、駆け上がる力はあったようですが、
既に足が棒のようになっています。
なかなか呼吸が落ち着きません。
でもとりあえず、刺されずに済みました。
ホッとしながらも、相変わらずハエやアブが周囲を飛び交い、
このトラウマを思い知らされます。
鈍い羽音にドキドキしながら、疲れ切った足で登り続けました。
笙ノ岩山を経て、緩やかな稜線。
途中、木々の開けた所から、川苔山が見えました。
スズメバチに刺された記憶が蘇ります。
まさに因縁です。
この襲来を避けるために、
ウェアの多くを赤揃えならぬ「白揃え」にしています。
以前刺された際は、レッグウォーマーの濃い紫部分を狙われました。
黒いところを、確実に狙ってきました。
白なら避けられると知り、
アームスリーブやウインドジャケット、ゲイターなど、
可能な限り、白にしています。
今回は、これが功を奏したのかも知れません。
棒のような足で、何とか蕎麦粒山へ。
狭い山頂ながら、川苔山が良く見えます。
ここがまた、アブだらけ。
羽虫だらけの山頂に、休息する気も失せました。
川苔山に嘲笑われているようにも思え、
早々に先へ向かいます。
酉谷背稜は、殆どのピークを踏まないので歩き易い道ですね。
周囲がセミの鳴き声で包まれます。
「ミョーキーンケケケケケケケ……」
調べてみたら、エゾハルゼミだそうです。
ブナ林に多く生息するそうですね。都会では聞く事のない鳴き声です。
アブはいるものの、気分はだいぶ落ち着きました。
木漏れ日の中、一杯水まで快適に進みます。
一杯水は、連日の雨のせいかしっかり水が出ていました。
ザックに付けたステンレスマグに、水を注ぎます。
あー冷たい!! おいしい水です。
一杯では勿体無い、二杯飲みました。
一杯なのに二杯とか、余計なことを考えながら。
非難小屋には、1グループが昼食中でした。
何やら手の込んだ料理を作っています。
テーブルの脇で相席し、こちらは手軽な食事。
リフィルのカップめん、ひるげ、コンビニおにぎり、お茶。
手短に済ませて、三つドッケへ。
藪の直登はこれもトラウマで、何となく嫌なので、
西の稜線から上りました。
途中、男性ハイカーとすれ違い。
どちらかいらしたのか聞きませんでしたが、
酉谷から来たとしたら、連泊でしょうか?
体力も回復し、軽く登って三つドッケ山頂。
羽虫の少ない快適な山頂でした。
周囲は、人為的に木が払われていて良く見渡せます。
気を切るなとの警告板もありました。
ガイドブックには、ここまでの眺望とは書かれてなかったような。
ちょっと複雑な思いですが。
それにしても、ガスが多いながらもすばらしい眺望です。
北は武甲山に大持山。あちらから眺めたのを思い出します。
先ほどの蕎麦粒山、向こうに川苔山、隣に本仁田山。
遠くに大岳山、雲のかかった御前山。
雄大な石尾根は鷹ノ巣山、七ツ石山と続きます。
雲取は、雲隠れ。
ちょっと見難いながら、酉谷山も確認。
全てが、懐かしいですね。
眺望は、広大な眺めだけではないですね。
幾つもの山を制覇していけば、こういう山並みこそ面白い。
そういうのがわかるようになって、
なるほど、富士が俗な山だとか、富士見の執着など、
それは単に「山を知らない」ということなんだとも悟れます。
高尾山は、丹沢に登ってからが面白い気がします。
同志や御坂の山々は、富士山に登ってからが楽しいかな。
大菩薩、金峰山、八ヶ岳、南アルプス。
低山の魅力は、そんなところにあるのかも知れませんね。
さて、非難小屋まで戻り、ヨコスズ尾根を下ります。
数名のハイカーが登ってこられました。
ヨコスズはなだらかな道で、三つドッケに登るには楽ですね。
三つドッケ。私はこの名のほうが好きです。
天目山は、秩父の領主が付けたような名前ですね。
三つドッケは、古く東人がそう呼んだと聞いたことがあります。
信仰の対象としての意味もあるでしょうか。
私はこちらを、大切にしたいですね。
15時ごろ、無事に日原到着。
生憎16時半までバスがありません。
バス停で一人、1時間。缶コーヒーを飲みながらのんびり。
色々あったけど、色々あるから、山登りは面白いんですよね。
スズメバチは怖かったですが、本当に刺されなくて良かった。
今度は、羽虫のいない時期に来よう(笑)
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