木曽駒ヶ岳・三ノ沢岳【秘密の花園を有する中アの秘峰と濃ケ池】
- GPS
- 32:00
- 距離
- 16.5km
- 登り
- 2,171m
- 下り
- 795m
コースタイム
桂小場10:27-12:13大樽避難小屋12:25-14:06西駒山荘
◆7月25日(水)
西駒山荘5:23-6:05濃ヶ池6:13-7:20木曽駒ヶ岳7:30-(宝剣山荘で休憩)-8:28宝剣岳8:29-8:58三ノ沢岳分岐-10:05三ノ沢岳10:26-11:40三ノ沢岳分岐-12:06千畳敷
天候 | ◆2012年7月24日(火) 曇り時々晴れ 15:00〜17:00ぐらいまで雨 ◆2012年7月25日(水) 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
新宿6:50-9:52伊那=高速バス 伊那9:52-10:12桂小場=タクシー \3,800 ◆7月25日(水) 千畳敷-しらび平=ロープウェイ しらび平-菅の台=連絡バス 駒ヶ根-新宿=高速バス |
コース状況/ 危険箇所等 |
《7月24日・火》 ●桂小場→大樽避難小屋=階段が一つもなく歩きやすい登山道です。 ●大樽避難小屋→西駒山荘 =両手両足を使う岩も出てきますが全般的に整備された道です。毎年夏に中学校の集団 登山に使われるだけあって整備されています。ゴミも一つも落ちていませんでした。 《7月25日・水》 ●西駒山荘→木曽駒ヶ岳=歩きやすい登山道です。濃ヶ池への道も大丈夫です。 ●木曽駒ヶ岳→宝剣山荘=巻道も含めて歩きやすい登山道です。 ●宝剣山荘→宝剣岳 =鎖は新しく支点もしっかりしているので落ち着いていけば大丈夫です。 ●宝剣岳→三ノ沢岳分岐 =こちらの方が危険です。三点支持とバランスを崩さないように用心してください。 ●三ノ沢岳分岐→三ノ沢岳分岐 =ハイマツ帯を歩くので長袖長ズボン、できれば手袋も。大きな岩が後半に出てきます。 今回の三ノ沢岳への行程はmegoodさんの直近の記録を参考にさせていただきました。 ありがとうございます。 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-209223.html#pagetop |
写真
感想
◆木曽駒ヶ岳
2004年11月中旬以来二度目の登頂。そのときはロープウェイでピストン。泊まる必要もないのに宝剣山荘に泊まった。木曽駒ヶ岳の山頂は、高曇りで他の高山帯の様子を見ると頭上100m未満のあたりを黒と濃い灰色の雲がところどころでさらに上空に向かって渦を巻き上げながら流れていた。この世の果てというか終わりを連想させる空模様であった。翌日は霰が降っていた。顔に当たって痛くゴーグルの必要性を痛感した。今回は木曽駒ヶ岳のみならず中央アルプス北部の魅力的な自然に触れることができ満足いくものであった。
◆クラシックルート
伊那地方では明治30年ごろから生徒たちの集団登山が開始されたとのこと。そして大正2年にあの悲劇的な中箕輪高等小学校の11名の尊い命が奪われた遭難事故が発生した。稜線上の遭難現場に「遭難記念碑」は設置され、「慰霊碑」でも「殉難碑」でもなく「記念」の言葉の中に、決して事故のことを忘れ得ないようにという思いを込めたそうである。木曽駒ヶ岳から降りてこられた方と少し話をしたが目的はやはりこの「遭難記念碑」にということであった。「遭難記念碑」は木曽駒ヶ岳を仰ぐように設置してある。
◆西駒山荘
この場所に山小屋があれば、遭難はなかったのにということから事故の2年後、大正4年に建設された。石室は建設当時のまま宿泊棟として今も使われている。来年、建て替えをするそうで今年10月上旬まで営業して来年1年間はお休み。再来年から営業再開とのこと。石室はそのまま残すそうである。この日の宿泊客は自分と同じく神奈川県から来られた男性、そして建て替えのため測量に来られた方2名の計4名であった。いろいろお伺いするも細かいことは測量の結果をみて決めるそうで今はまだ何も決まっていないそうだ。
小屋の管理をされている宮下さんは35歳。信州大農学部のOBで愛知県のご出身。代々信大農学部の寮生が小屋番をされていたが人がおらず宮下さんがこの10年ぐらい管理をされている。建て替え後も宮下さんが管理を継続されるとのこと。
昭和42年に千畳敷にロープウェイが架かってからは毎年の宿泊客は200名〜300名ぐらい。ちなみに燕山荘の定員は600名、槍ヶ岳山荘の定員は650名、西駒山荘は40名。大赤字らしい。
泊まった日には夕方の民放のニュースで10分〜15分ぐらい西駒山荘の特集が放映されていた。
◆中アの秘峰・三ノ沢岳は山頂直下に秘密の花園を有する
三ノ沢岳を初めて意識したのは2005年7月、空木岳に行くため、千畳敷から極楽平に上がり、主稜線を南下しているときのことであった。端正で三角錐の美しい山容は常に縦走路の右手にありその姿は疲れた時の癒しになってくれた。
その後、2009年6月下旬に登頂を試みるも諸般の事由により宝剣岳に転進。やっと今回その頂に達することができた。
これだけ見事な山容をもつ三ノ沢岳は「二百名山」にも「三百名山」にも「花の百名山」のいずれにも名を連ねていない。よってこの日、平日でもあり私に代表される単独中年オヤジのパラダイスかと目論んでいたが敢え無く崩壊。多くの登山者で山頂なども大賑わい。女性が多くいらっしゃった。強烈なハイマツを抜けると最後、山頂直下に決して広くはないがお花畑が現れる。苦労のあとのお花畑は心が癒され洗われる思いが(私でも)する。ご婦人方皆さん一様に感動されていた。眺望にも優れる三ノ沢岳にはこれから多くの登山者が訪れその魅力に触れ、秘峰ではなくなるのだろう・・・。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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三ノ沢岳のお花畑、見事ですね
秘密の花園であってほしいというお気持ち
よく分かります。花で有名になりすぎると
保護が追いつかない弊害もありますし・・
難しいトコですね
お花の名前、黄色いのは、シナノキンバイ・
白は、ハクサンイチゲのような気がします。
記録を楽しみながら読ませて頂きました。
三ノ沢岳、晴れているとすごくきれいな稜線なんですね。
晴れた日を狙ってまた行きたくなりました。
平日なのにすごい人に私もびっくりしました。
行列ができる三ノ沢岳なんて!
そのうちハイマツも通りやすくなりそうですね。
navecatさん、こんばんは!
三ノ沢岳は縦走路から離れていて、しかも往復すると時間がかかりますから、スルーされやすい不遇な山ですよね
私も越百山まで縦走した時にあの山容が気になりつつも、分岐からの道のりを見て断念してしまいました
でも、それからずっと登りたいな〜って思ってるんです
木曽駒もロープウェイを使ってラクラクでしたから、今度は桂木場から狙ってます
宝剣もあの岩の上には立ってないから、また行かなくては…
って、なんだ?中アには残した宿題が多すぎるぞっ!
naveさん、お疲れ様でした。1976−1977年頃に
夏場、冬場に登りました。昨日の昼飯は憶えていませんが、昔登った山々は記憶にあるんですね。
三の沢岳は、木曽側から、山学会の仲間と冬に登っています。ベースまで行けず途中でビバークしました。宝剣は中央陵を確か2回、これは春と夏。木曽コマは冬だったような記憶が。このルート参考にさせていただきます。お泊りになった小屋って、テンバあるんでしょうか?
すみません、Webで調べればわかるんですが。
ビールの写真は、ミリオンさんの影響?
帰ってからの日記のアップのために、生中 1杯で我慢して頂いて申し訳ない
さぞ、 飲みたかったでしょう。
ちなみに、お恥ずかしい質問ですが、『石室』って何なのでしょうか?
いろんな山に同じ呼び名の場所がありますよね?
何て読むのかしら?いしむろ?
今回も花の名前、ありがとうございます
本当ならきちんと調べてだすべきなのですが、、、
しかし、三ノ沢岳に向かう稜線上に遠くからも人影がよく見えました。
お互い様なのでしょうが。
ただ、戻って来られる方々皆さん、「感動した」「良かったよ〜」と
で、私も戻るすれ違いのときに同じことを言ってました
なんとも言えませんがそれにしても見事な山でした
事前に三ノ沢岳の稜線のこと、拝見させていただいていたので良かったです。どうしても未踏区間はイメージ先行になってしまうので。何を見てもハイマツのことは書いてあるのですが、どうしても花が綺麗!ここにばかり目がいってしまいます。ですので、8割ハイマツは言語明瞭意味明朗で妙な期待を抱かず良かったです。歩きながらこれ(ハイマツ)がmegoodさんの記録に書いてあったことかと思いながら突っ込んでいました。
雨ですと本当に大変だったと思います。ハイマツもそうですが、岩の部分は距離は短くとも晴れていても「えっ どっちかな」という箇所もありました。
また機会をみてあの稜線に足を運んでみてくださいね。やはり魅力タップリです。
それから濃ヶ池も土砂の堆積は尋常ではありません。近い将来存在を消す可能性も大です。
是非、お早めに! 「ねこ登山会」ですか・・・
三ノ沢岳、チェックを入れてますね
やはり目立ちますよね〜
分岐といえば以前、石碑のような感じの道標があったのですが
なくなってました
間違えて2,3分ですが南下してしまいました
宿題、多いみたいですね でもその分、楽しみがありますね〜
私は南ア南部に残しています。8月はその宿題を終わらせるつもりです
スゴイ山行履歴ですね
尊仏の夜が楽しみです
西駒山荘はテント不可です
仰るように昨日の昼食は覚えていなくても・・・
よ〜くわかります
ビール の写真、、はい!millionさんの(悪)影響です
ビールを小屋で注文しながらこれでmillionさんに怒られないで
済むとホッとしています
本当は酔いつぶれた山行記録を求められていらっしゃるようなのですが
他県にお邪魔しますとなかなか・・・
navecatさん、こんばんは。
M的なコメントですが、最後の写真「中生」は「1杯だけ」
ということは日本酒は無限大でしたか。
65の写真、いいですね。そそられます。
山へのコメントが書けないので、もう少し後ににようと
思ったのですが、サッカー見ながら してたら
「投稿する」ボタンを押してしまいました。ポチ
今 な感じです。
『石室』に関しましてシラフのときに山行計画の方にまとめました。ご確認ください。
それから写真も貼付しておきました。
下山後すぐのことですから 一杯で十分です
下手をして前後不明瞭に陥って帰れなくなると大変ですから
その分、家で飲んでますんで大丈夫で〜す
ご報告いたします
◆7月24日(火) 西駒山荘
缶ビール(350ml)=1本、カップ酒=2本
◆7月25日(水) 明治亭
中生=1杯
※自宅に戻って・・・
ハイボール(500ml)=3本、缶チューハイ(350ml)=2本
いよいよ、オリンピック開幕ということで飲む機会も増えますね
分岐から稜線沿いに登山道が頂上まで見えるのですが、意欲をそそられます
写真がへぼくて申し訳ないのですが、実際に目にしますと凄くイイです
こんにちわ
勉強になるレコありがとうございます、
お天気にも恵まれて最高でしたね。
うらやましい光景です。
少ないお酒の量でもきっと大満足でしょ(>_<)
メタさんチームの8月中ア大縦走の端っこを歩くと
いった感じのコースでしたね
大縦走は北上とのこと、左手に見える三ノ沢岳は存在感抜群
だと思います
megoodさんの山行記録を拝見すると、今夏の「岳人特別号」に
三ノ沢岳のお花畑のことが書いてあるんですね
秘峰ではなくなっていきます・・・。
当方、次山行は南ア南部に行ってきます。
茶臼岳の山行記録、参考にさせてもらいますね〜
一度だけ、硫黄岳〜横岳でコマクサの大群生を見たことがあります。
http://muutin.blog65.fc2.com/blog-entry-730.html
高山植物って小さくて可愛らしくて、私も花の名前はさっぱり
分かりませんでしたが、夢中になって写真を撮っていました。
「信濃錦」飲んでみたいです
山での、また格別に美味しいんでしょうね
飲み出したら1本だけでは済みそうにないので
下山まで我慢派ですが、一度思いっきり飲んでみたいです
体調の方、いかがでしょうか。お体ご自愛ください。
ブログ、拝見いたしました
チシマギキョウとイワギキョウの見分け方、分かりました
日帰り11時間、なかなかハードですね
斜面一面の大群落 、見事ですね!
私も日帰りのときは基本的には飲みません。足元が危ないので
泊まりの時は、飲みます!消灯時間も早いので健全な酒 が飲めます。
それが普通なんですが・・・
これから普通、というか以前に戻そうと思ってます
秋、尊仏山荘に泊まりのときはグイグイいってくださいね
ノミレコを楽しみにしてます
木曽駒ヶ岳へは、2年前とその前に頂上山荘に家族でテント泊しました
もちろん、ロープウェイを使いましたが・・
宝剣の恐ろしさと朝焼けの雲海をよく覚えています。
あと、空木への道にあこがれた事
しかし、良いですね〜!
濃ヶ池、美しいです!三ノ沢岳の道!
また、行きたくなりました
確か、頂上山荘だけでしたよね。中アのテン場は
ご家族一緒ということであれば、ロープウェイで一気に
千畳敷まで上がれるのでその分、雲上の世界を満喫する
ことができますね
宝剣岳は迫力あるといいますか存在感抜群です
千畳敷から初めて見たときは、別世界といいますかこれが
アルプスかと思ったものです
中ア主稜線の先に存在する空木岳は、見事な縦走路と相まって
惚れ惚れしますね
濃ヶ池は土砂の堆積が甚だしく近い将来、消滅しそうです。
機会ありましたら是非、お早めに
三ノ沢岳分岐からも三ノ沢岳頂上直下の登山道が見える
のですが、登高意欲をかきたてられます。
コンパクトにいろいろ良いところが集まっていますね
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