北岳、間ノ岳、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳
- GPS
- 154:00
- 距離
- 51.9km
- 登り
- 5,093m
- 下り
- 5,453m
コースタイム
- 山行
- 10:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 10:00
- 山行
- 10:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 10:00
- 山行
- 5:45
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 6:05
- 山行
- 7:15
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 7:25
- 山行
- 3:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 3:00
- 山行
- 7:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 7:00
- 山行
- 9:30
- 休憩
- 1:15
- 合計
- 10:45
3月29日C1(6:00)→八本歯の頭(10:30)→北岳分岐(14:00)→北岳稜線小屋C2(16:00)
3月30日C2(10:10)→北岳(14:30)→C2=C3(16:15)
3月31日C3(6:20)→間ノ岳(8:00)→三峰岳(10:00)→三角点2315手前C4(13:45)
4月1日C4(7:00)→標高2660C5(10:00)
4月2日C5(6:00)→大仙丈岳(9:00)→仙丈岳(10:30)→北沢峠長衛小屋C6(13:00)
4月3日C6(5:15)→甲斐駒ヶ岳(8:00ー30)→長衛小屋(11:15ー12:00)→戸台(16:00)→ 松本
アクセス |
利用交通機関:
タクシー
|
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コース状況/ 危険箇所等 |
初めての里帰りがてら小樽→新潟フェリーで本州に帰り、家でのんびりした後、甲府駅に集合。駅で野良犬と一緒に寝た後入山する。 いきなり2キロはあろう真っ暗な夜叉神トンネルをひたすら歩く。南アルプススーパー林道という、がけっぷちの道を延々歩いて池山の尾根に取り付いてもまだ雪が無い。針葉樹の急な道を登り、森と泉に囲まれた古い小屋、池山小屋でやっと一日が終わった。 翌日は森林限界を越え、バットレスを見上げるあたりで2ピッチアンザイレンし、稜線上に出る。この頃には雪面はガチンゴチンに凍りきっていた。僕の履いていた、先輩のお古のタニのアイゼンは、爪が丸くなった色鉛筆みたいな感じなので、刺さらない気がして恐ろしかった。もう日が沈みそうなので北岳山頂アタックは翌日改めてやることにして、分岐の少し南にある北岳山荘の冬季小屋に向かった。ところが途中の急斜面で横溝が滑落し、10メートルも滑ったところでたまたま岩に引っ掛かって止まった。その先は傾斜が増し、1000mの滑り台に入るところだ。止まるまでの数秒間がとても長く感じられた。だれも声をあげられなかった。その日の夕焼けは美しく、K2の様に美しい北岳を見たが、夜は氷の斜面を滑落する夢をなんども見た。 翌日、気を取り直して北岳山荘から北岳アタック。慎重にザイルを出しながら行ったせいもあり、丸一日かかってしまった。北岳のピークは周りが切れ落ちていてその孤絶感が素晴らしい。背後の富士山の高さが実感できる。こんなに近くて高いところから富士山を見るのは始めてだ。 北岳山荘の冬季小屋を後に、南へ向かう。間ノ岳は奥穂高岳に次ぐ日本で第四位の高峰だ。北岳は、初冬の時期に伊那谷から見上げると広く大きな山容をしているので、この間ノ岳と農鳥岳との3つをまとめて白峰三山と呼ばれる。白い鯨が三頭、薮山のかなたを行進しているかのようだ。だがその北岳も間ノ岳からはとんがり帽子のような勇ましい姿になる。 先日の滑落現場を振り返る。正面から見ると物凄い傾斜に見える。よく止まったものだ。間ノ岳の山頂は広く、取り留めがない。だが南に続く果てしない山並みが見える。ひときわ異様なカブトのような塩見岳のピーク、トッタベツ岳に似た中盛丸山の印象、あとは逆光に眩しく果てしない。三県境の三峰岳経由で仙丈ヶ岳へ向かう。タンネのはえた油断のできる尾根の上で夏天を張り、北岳を西から見ながら焚火をする。 三峰岳から仙丈への標高の低い尾根はラッセルを覚悟していたのにぜんぜん潜らず、おかげでのんびり中央アルプスなどを眺めながら進むことができた。この尾根上で2泊したあと仙丈への登りは急。雪のペットリくっついたルンゼをブレードでステップを切って登っていく。途中、松木さんのサレワのアイゼンのジョイント部分がぽっきりと折れた。ツエルトをかぶって針金で直したが、どうでもいい場所だったのでよかった。仙丈山頂からは摩利支天をくっつけた甲斐駒ケ岳がカールの向こうに見える。仙丈岳はカールをたくさん従えた、実に品の良い山だ。どこかポロシリに似ている。この日は北沢峠を飛び越えて、長衛小屋の板の間の上に寝る。 長い春山山行の最後に甲斐駒ケ岳が残った。横溝が滑落したり松木さんのアイゼンが壊れたりと色々あったが最後は美しく、晴れ晴れとした青空の下で山頂に立った。ここからの北岳の姿は素晴らしい。長衛小屋に戻ったら今日中に下ろうと言うことになり、急ぎ戸台を目指す。川原は相変らず長い。戸台の木造のバス停にて、バスを待つ。 下山後、ホースケ、松木さんが松本の実家にやってきて投宿した。石橋、野村、渡辺、岡島、真鍋らの赤石→聖岳縦走二年班パーティーもウチにやってきて、大変賑やかになった。うちの一升炊きの電気釜では飯が足りなくなり、母が近所にもう一つ釜を借りに行った。野沢菜漬ですごく食べた。 |
予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
|
写真
感想
初めての里帰りがてら小樽→新潟フェリーで本州に帰り、家でのんびりした後、甲府駅に集合。駅で野良犬と一緒に寝た後入山する。
いきなり2キロはあろう真っ暗な夜叉神トンネルをひたすら歩く。南アルプススーパー林道という、がけっぷちの道を延々歩いて池山の尾根に取り付いてもまだ雪が無い。針葉樹の急な道を登り、森と泉に囲まれた古い小屋、池山小屋でやっと一日が終わった。
翌日は森林限界を越え、バットレスを見上げるあたりで2ピッチアンザイレンし、稜線上に出る。この頃には雪面はガチンゴチンに凍りきっていた。僕の履いていた、先輩のお古のタニのアイゼンは、爪が丸くなった色鉛筆みたいな感じなので、刺さらない気がして恐ろしかった。もう日が沈みそうなので北岳山頂アタックは翌日改めてやることにして、分岐の少し南にある北岳山荘の冬季小屋に向かった。ところが途中の急斜面で横溝が滑落し、10メートルも滑ったところでたまたま岩に引っ掛かって止まった。その先は傾斜が増し、1000mの滑り台に入るところだ。止まるまでの数秒間がとても長く感じられた。だれも声をあげられなかった。その日の夕焼けは美しく、K2の様に美しい北岳を見たが、夜は氷の斜面を滑落する夢をなんども見た。
翌日、気を取り直して北岳山荘から北岳アタック。慎重にザイルを出しながら行ったせいもあり、丸一日かかってしまった。北岳のピークは周りが切れ落ちていてその孤絶感が素晴らしい。背後の富士山の高さが実感できる。こんなに近くて高いところから富士山を見るのは始めてだ。
北岳山荘の冬季小屋を後に、南へ向かう。間ノ岳は奥穂高岳に次ぐ日本で第四位の高峰だ。北岳は、初冬の時期に伊那谷から見上げると広く大きな山容をしているので、この間ノ岳と農鳥岳との3つをまとめて白峰三山と呼ばれる。白い鯨が三頭、薮山のかなたを行進しているかのようだ。だがその北岳も間ノ岳からはとんがり帽子のような勇ましい姿になる。
先日の滑落現場を振り返る。正面から見ると物凄い傾斜に見える。よく止まったものだ。間ノ岳の山頂は広く、取り留めがない。だが南に続く果てしない山並みが見える。ひときわ異様なカブトのような塩見岳のピーク、トッタベツ岳に似た中盛丸山の印象、あとは逆光に眩しく果てしない。三県境の三峰岳経由で仙丈ヶ岳へ向かう。タンネのはえた油断のできる尾根の上で夏天を張り、北岳を西から見ながら焚火をする。
三峰岳から仙丈への標高の低い尾根はラッセルを覚悟していたのにぜんぜん潜らず、おかげでのんびり中央アルプスなどを眺めながら進むことができた。この尾根上で2泊したあと仙丈への登りは急。雪のペットリくっついたルンゼをブレードでステップを切って登っていく。途中、松木さんのサレワのアイゼンのジョイント部分がぽっきりと折れた。ツエルトをかぶって針金で直したが、どうでもいい場所だったのでよかった。仙丈山頂からは摩利支天をくっつけた甲斐駒ケ岳がカールの向こうに見える。仙丈岳はカールをたくさん従えた、実に品の良い山だ。どこかポロシリに似ている。この日は北沢峠を飛び越えて、長衛小屋の板の間の上に寝る。
長い春山山行の最後に甲斐駒ケ岳が残った。横溝が滑落したり松木さんのアイゼンが壊れたりと色々あったが最後は美しく、晴れ晴れとした青空の下で山頂に立った。ここからの北岳の姿は素晴らしい。長衛小屋に戻ったら今日中に下ろうと言うことになり、急ぎ戸台を目指す。川原は相変らず長い。戸台の木造のバス停にて、バスを待つ。
下山後、ホースケ、松木さんが松本の実家にやってきて投宿した。石橋、野村、渡辺、岡島、真鍋らの赤石→聖岳縦走二年班パーティーもウチにやってきて、大変賑やかになった。うちの一升炊きの電気釜では飯が足りなくなり、母が近所にもう一つ釜を借りに行った。野沢菜漬ですごく食べた。
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