ダム湖の一部と化してしまった扇谷の右岸に付いている林道でアプローチ。この林道は地形図には表記されていないが,工事車両等の通行があるようで,きれいに整備されており歩きやすい。
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11/23 6:22
ダム湖の一部と化してしまった扇谷の右岸に付いている林道でアプローチ。この林道は地形図には表記されていないが,工事車両等の通行があるようで,きれいに整備されており歩きやすい。
ダム湖が途切れ,扇谷が本来の姿を取り戻したあたりで,林道は河床に降りて途切れる。扇谷の流れは穏やかで美しい。扇谷を渡渉して対岸(左岸側)の古い林道跡に上がり,上流方向へ歩いていく。
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11/23 6:46
ダム湖が途切れ,扇谷が本来の姿を取り戻したあたりで,林道は河床に降りて途切れる。扇谷の流れは穏やかで美しい。扇谷を渡渉して対岸(左岸側)の古い林道跡に上がり,上流方向へ歩いていく。
林道跡は草が生い茂りほとんど獣道と化しているが,ところどころでカーブミラーがぬっと出現しびっくりする。昔はここを車が普通に走っていたのだ。ダム湖の出現で,本当にいろんなことが大きく変わってしまったのだと実感する。
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11/23 6:48
林道跡は草が生い茂りほとんど獣道と化しているが,ところどころでカーブミラーがぬっと出現しびっくりする。昔はここを車が普通に走っていたのだ。ダム湖の出現で,本当にいろんなことが大きく変わってしまったのだと実感する。
カラカン谷出合に到着(写真に写っているのはカラカン谷)。周辺は小広い平地もあり,昔は人家や畑があったのではないか,と思わせるような場所である。ここで林道は橋を渡って左岸から右岸に渡り,谷の奥へ続いていく。
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11/23 7:18
カラカン谷出合に到着(写真に写っているのはカラカン谷)。周辺は小広い平地もあり,昔は人家や畑があったのではないか,と思わせるような場所である。ここで林道は橋を渡って左岸から右岸に渡り,谷の奥へ続いていく。
朝日を浴びた周囲の山々の紅葉が燃えている。
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11/23 7:21
朝日を浴びた周囲の山々の紅葉が燃えている。
林道は滝ノ又谷と扇谷本流の出合で途切れる。滝ノ又谷は自然林に包まれた穏やかで気持ちの良い流れ。林道が途切れた後も,最初は右岸沿いに,途中から左岸沿いに林道跡と思われる平場が続いており,それを辿っていく。
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11/23 7:38
林道は滝ノ又谷と扇谷本流の出合で途切れる。滝ノ又谷は自然林に包まれた穏やかで気持ちの良い流れ。林道が途切れた後も,最初は右岸沿いに,途中から左岸沿いに林道跡と思われる平場が続いており,それを辿っていく。
林道跡は,下山に使う予定の枝谷が別れる540m二俣の手前あたりで途切れ,そこからは本格的な沢登りとなる。少し登ると写真の8mくらいの滝。岩を穿って落ちる姿がなかなか美しい。左岸から巻き上がる。
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11/23 8:06
林道跡は,下山に使う予定の枝谷が別れる540m二俣の手前あたりで途切れ,そこからは本格的な沢登りとなる。少し登ると写真の8mくらいの滝。岩を穿って落ちる姿がなかなか美しい。左岸から巻き上がる。
8m滝のすぐ上には5mほどの大きな釜を持った斜滝が続いている。ちょっと水がひょんぐっており面白い形をしている。この滝も左岸から巻いていく。
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11/23 8:10
8m滝のすぐ上には5mほどの大きな釜を持った斜滝が続いている。ちょっと水がひょんぐっており面白い形をしている。この滝も左岸から巻いていく。
滝を越えてすぐ降りられるかと思ったら,意外に険しい小ゴルジュとなっており,谷底に小滝が連続しているのが見える。急斜面を灌木につかまりながら巻き続けていく。
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11/23 8:17
滝を越えてすぐ降りられるかと思ったら,意外に険しい小ゴルジュとなっており,谷底に小滝が連続しているのが見える。急斜面を灌木につかまりながら巻き続けていく。
50mほどで斜面が緩み,谷に降り立った。ここからは穏やかな渓相が続く。
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11/23 8:23
50mほどで斜面が緩み,谷に降り立った。ここからは穏やかな渓相が続く。
谷の斜面にはまだ紅葉が残っている。おそらく今週くらいが,山での最後の紅葉狩りとなりそうだ
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11/23 8:17
谷の斜面にはまだ紅葉が残っている。おそらく今週くらいが,山での最後の紅葉狩りとなりそうだ
赤や黄に彩られた谷をのんびりと遡行していく。
今日はよく晴れて,谷の中も陽だまりのような明るさと暖かさだ。
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11/23 9:00
赤や黄に彩られた谷をのんびりと遡行していく。
今日はよく晴れて,谷の中も陽だまりのような明るさと暖かさだ。
カモシカがこちらを見ていた。
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11/23 9:24
カモシカがこちらを見ていた。
700m二俣は左へ。小滝は出てくるが相変わらず穏やか。
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11/23 9:35
700m二俣は左へ。小滝は出てくるが相変わらず穏やか。
標高を上げていくと,周囲の木々は葉を落とした冬の姿に変わる。冬枯れの谷もそれはそれで美しい。
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11/23 9:36
標高を上げていくと,周囲の木々は葉を落とした冬の姿に変わる。冬枯れの谷もそれはそれで美しい。
800m二俣を左に入り,このまま何事もなく詰めに入るかと思いきや,突然4段20mほどの立派な滝が現れる。
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11/23 9:41
800m二俣を左に入り,このまま何事もなく詰めに入るかと思いきや,突然4段20mほどの立派な滝が現れる。
下の2段は簡単に直登できるが,3段目が少し難しく,右手を灌木にぶら下がって小さく巻き,側壁を回り込んで4段目の滝下に出ようとした。しかし,4段目の滝の様子が側壁に阻まれて見えない。今しがみついている足場は不安定で,もし4段目の滝が登れない滝だった場合,戻るのにも窮することになり,危険な状況に置かれる可能性がある。迷った末,安全第一で右手の急斜面に戻って高巻くことにした。
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11/23 9:43
下の2段は簡単に直登できるが,3段目が少し難しく,右手を灌木にぶら下がって小さく巻き,側壁を回り込んで4段目の滝下に出ようとした。しかし,4段目の滝の様子が側壁に阻まれて見えない。今しがみついている足場は不安定で,もし4段目の滝が登れない滝だった場合,戻るのにも窮することになり,危険な状況に置かれる可能性がある。迷った末,安全第一で右手の急斜面に戻って高巻くことにした。
滝を越えてから,急斜面を灌木に次々にぶら下がりながら谷に降り立ち,落ち口から4段目の滝の様子をのぞき込むと,果たしてつるつるで登りにくそうな滝であった。先ほどの判断は正しかったのかもしれない。
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11/23 9:57
滝を越えてから,急斜面を灌木に次々にぶら下がりながら谷に降り立ち,落ち口から4段目の滝の様子をのぞき込むと,果たしてつるつるで登りにくそうな滝であった。先ほどの判断は正しかったのかもしれない。
950m二俣に到着。ここで地形図を見ながら思案。右俣は傾斜がゆるく登りやすそうだが,急峻な左俣は若丸山の山頂に最短距離でダイレクトに伸びており,魅力的に見える。左俣に入ってみることにした。
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11/23 10:16
950m二俣に到着。ここで地形図を見ながら思案。右俣は傾斜がゆるく登りやすそうだが,急峻な左俣は若丸山の山頂に最短距離でダイレクトに伸びており,魅力的に見える。左俣に入ってみることにした。
谷の傾斜は急に強まり,すぐに写真の8mほどの滝が現れる。左手から巻き上がる。
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11/23 10:23
谷の傾斜は急に強まり,すぐに写真の8mほどの滝が現れる。左手から巻き上がる。
そのすぐ上で,突如として出現した高い岩壁に進路を阻まれる。多難な前途が予想され,緊張が高まる。ここまでザックの中に入れたままにしていたハーネスを装着し,ロープをザックの出しやすい位置に移動させる。
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11/23 10:25
そのすぐ上で,突如として出現した高い岩壁に進路を阻まれる。多難な前途が予想され,緊張が高まる。ここまでザックの中に入れたままにしていたハーネスを装着し,ロープをザックの出しやすい位置に移動させる。
谷は,岩壁の中に樋状にかかる15mほどの美しいナメ滝に姿を変えていた。しばし見惚れたあと,岩壁の間を右手の急斜面に回り込み,高巻いていく。
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11/23 10:33
谷は,岩壁の中に樋状にかかる15mほどの美しいナメ滝に姿を変えていた。しばし見惚れたあと,岩壁の間を右手の急斜面に回り込み,高巻いていく。
岩の間を縫うように斜面を巻いて,先ほどの15mナメ滝の落ち口に降り立った。
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11/23 10:47
岩の間を縫うように斜面を巻いて,先ほどの15mナメ滝の落ち口に降り立った。
さて,この先どんな悪場が待ち構えているのか,と身構えつつ先に進んでいくと,谷は急に開けてしまい,傾斜はきついものの,穏やかな源頭の雰囲気となってしまった。険悪なのはさきほどの箇所だけだったようだ。ハーネスを付けた意味がなかった…。
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11/23 11:00
さて,この先どんな悪場が待ち構えているのか,と身構えつつ先に進んでいくと,谷は急に開けてしまい,傾斜はきついものの,穏やかな源頭の雰囲気となってしまった。険悪なのはさきほどの箇所だけだったようだ。ハーネスを付けた意味がなかった…。
しかも割とすぐに沢形は消えてしまい,背丈を越える笹の藪漕ぎに突入。地形図とコンパス,そして笹の間にわずかに見える周囲の微地形などの情報を総動員しながら,山頂があると思しき方角へと,笹の荒海を泳ぎ渡っていく。
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11/23 11:17
しかも割とすぐに沢形は消えてしまい,背丈を越える笹の藪漕ぎに突入。地形図とコンパス,そして笹の間にわずかに見える周囲の微地形などの情報を総動員しながら,山頂があると思しき方角へと,笹の荒海を泳ぎ渡っていく。
標高を上げると今度は濃密な灌木の藪。ある意味こちらのほうが笹よりも始末が悪い。登る者を力強く押し止めようとする無数の腕のような灌木の密林の中を,顔をはたかれ足をすくわれながら,体をめり込ませて進んでいく。
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11/23 11:25
標高を上げると今度は濃密な灌木の藪。ある意味こちらのほうが笹よりも始末が悪い。登る者を力強く押し止めようとする無数の腕のような灌木の密林の中を,顔をはたかれ足をすくわれながら,体をめり込ませて進んでいく。
灌木の背が低くなったところで仰ぎ見ると,真上に小高いピークが。狙い通りに山頂に向かっているようだ。
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11/23 11:37
灌木の背が低くなったところで仰ぎ見ると,真上に小高いピークが。狙い通りに山頂に向かっているようだ。
そして,若丸山の山頂にほぼダイレクトに到着。
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11/23 11:46
そして,若丸山の山頂にほぼダイレクトに到着。
三角点に寄り添うようにして,風雪で文字の消えかけた山名板。
三角点が意外に新しく見えるのが不思議。
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11/23 11:46
三角点に寄り添うようにして,風雪で文字の消えかけた山名板。
三角点が意外に新しく見えるのが不思議。
こんな藪山では珍しいくらい,すっきりした山頂で,360度の絶景がほしいままである。
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11/23 11:47
こんな藪山では珍しいくらい,すっきりした山頂で,360度の絶景がほしいままである。
白山も望むことができた。山頂付近は大分雪が積もったようで,白く輝いている。来週はスキーでも背負って白山に登ってみようかな…(市ノ瀬まで冬季閉鎖になっていなければだが…)。
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11/23 11:48
白山も望むことができた。山頂付近は大分雪が積もったようで,白く輝いている。来週はスキーでも背負って白山に登ってみようかな…(市ノ瀬まで冬季閉鎖になっていなければだが…)。
東方面。能郷白山とイソクラ。
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11/23 11:48
東方面。能郷白山とイソクラ。
若丸山から能郷白山にかけて伸びている笹の稜線。ここを縦走してみても面白そうだ(すごい藪だろうが…)。
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11/23 11:48
若丸山から能郷白山にかけて伸びている笹の稜線。ここを縦走してみても面白そうだ(すごい藪だろうが…)。
西方面。とんがった冠山と,その向こうに金草岳も頭を出している。
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11/23 11:49
西方面。とんがった冠山と,その向こうに金草岳も頭を出している。
南西方面。先々週登った千回沢山,先週登った不動山が望める。眺めれば眺めるほど見失ってしまいそうなほど目立たない,しかし思い出深い山々。
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11/23 11:52
南西方面。先々週登った千回沢山,先週登った不動山が望める。眺めれば眺めるほど見失ってしまいそうなほど目立たない,しかし思い出深い山々。
さらに南寄りに視線を移すと,ひときわ目立つ蕎麦粒山。その向こうに金糞岳や伊吹山も見えている。
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11/23 11:53
さらに南寄りに視線を移すと,ひときわ目立つ蕎麦粒山。その向こうに金糞岳や伊吹山も見えている。
北東方向には日本海の水平線も眺めることができた。
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11/23 11:56
北東方向には日本海の水平線も眺めることができた。
下山は,若丸山の南尾根を経由して,滝ノ又谷の枝谷を下降する。日本登山体系でも推奨されている下山ルートだが,懸念は南尾根の藪がどの程度なのか,ということ。懸念するまでもなく,やはりひどい藪でした(笑)。
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11/23 12:32
下山は,若丸山の南尾根を経由して,滝ノ又谷の枝谷を下降する。日本登山体系でも推奨されている下山ルートだが,懸念は南尾根の藪がどの程度なのか,ということ。懸念するまでもなく,やはりひどい藪でした(笑)。
途中で見かけた冬の便り。斜面の陰になったところに,まだら状に雪が残っていた。数日前に冬型気圧配置になった際に,この辺りも雪が降っていたのだろう。奥美濃の山々が深い雪に包まれる冬はもうすぐだ。
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11/23 12:35
途中で見かけた冬の便り。斜面の陰になったところに,まだら状に雪が残っていた。数日前に冬型気圧配置になった際に,この辺りも雪が降っていたのだろう。奥美濃の山々が深い雪に包まれる冬はもうすぐだ。
藪の間から若丸山を振り返る。また来ます。今度は積雪期がいいな。
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11/23 12:40
藪の間から若丸山を振り返る。また来ます。今度は積雪期がいいな。
途中からP1072に降りていくが,激藪で視界が制限されることに加え尾根の形がはっきりせず,わずかに尾根を外してしまい,復帰するのに苦労した。
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11/23 12:49
途中からP1072に降りていくが,激藪で視界が制限されることに加え尾根の形がはっきりせず,わずかに尾根を外してしまい,復帰するのに苦労した。
P1072の手前の小さな鞍部から,東側の斜面を下って滝ノ又谷の枝谷に降り立ち,谷を下降していく。この枝谷は,地形図から予想される通り平凡なおとなしい谷で,滝などの悪場は全くと言っていいほど出てこず,快調に下っていくことができる。滝ノ又谷に出合う直前で3mほどの滝が出てくるが,簡単にクライムダウンできる。
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11/23 13:56
P1072の手前の小さな鞍部から,東側の斜面を下って滝ノ又谷の枝谷に降り立ち,谷を下降していく。この枝谷は,地形図から予想される通り平凡なおとなしい谷で,滝などの悪場は全くと言っていいほど出てこず,快調に下っていくことができる。滝ノ又谷に出合う直前で3mほどの滝が出てくるが,簡単にクライムダウンできる。
滝ノ又谷に戻ってきた。登りと同じく,林道跡らしき踏み跡をつなぎながら下降していく。
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11/23 14:59
滝ノ又谷に戻ってきた。登りと同じく,林道跡らしき踏み跡をつなぎながら下降していく。
林道に出てからは,紅葉が映える徳山湖を眺めながら下山。扇谷を人々が行き交った時代を水底に沈めて,湖面は夕闇に静まり返っていた。
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11/23 16:42
林道に出てからは,紅葉が映える徳山湖を眺めながら下山。扇谷を人々が行き交った時代を水底に沈めて,湖面は夕闇に静まり返っていた。
こんにちは。
今年のお盆休みに登っているので、興味深くレコを拝見させて頂きました。私は800m二股を右に入りましたが、たぶんこちらの方が藪は濃いですが、緩やかだと思ったからです。案の定、水の切れた辺りから猛烈な藪で、往生しました。
なお、この二股を分つ尾根には明瞭な登山道が残っています。帰路はそれを辿りました。そして二股が合流する地点では真っ黒な熊にも遭遇しました。
maasuke1様、はじめまして。右俣がどうなっているか気になっていたので、教えていただきありがとうございます。どちらに入っても、やっぱり藪漕ぎは避けられないんですね。若丸山の藪漕ぎは、まさに地面に足がつかないような藪漕ぎで凄まじいですよね。この藪も若丸山の魅力の一つなのかもしれませんが…。
二俣の中間尾根に登山道があるというのは、教えていただいて初めて知りました!まさかこの界隈の尾根に道がついているとは…。どんな来歴を持った道なのか、気になりますね。
maasuke1様の若丸山の記録も拝読させていただきました。緊迫感と奥美濃への愛に溢れる記録で、読み入ってしまいました。滝ノ又谷の滝に祠の跡があるというのも記録を読ませていただいて初めて知り、驚きました。コメントをいただき、ありがとうございました。
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