夏山修了山行2 白峰三山縦走
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- GPS
- 80:00
- 距離
- 25.0km
- 登り
- 2,427m
- 下り
- 3,099m
コースタイム
8/5 北岳山荘-中白根山-間ノ岳-西農鳥山-農鳥山-大門沢下降点-大門沢小屋
8/6 大門沢小屋-奈良田第一発電所-奈良田温泉
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
写真
http://www.ootk.net/cgi/shikihtml/shiki_1119.htm
感想
今回の修了山行の山域を希望した一人だ。理由は、日本第二の高峰北岳に立ちたかったこと。もう一つは、私の中では、サスペンス小説の最高傑作を思っている、直木賞受賞作高村薫著:「マークスの山」の舞台をこの眼で、見たかったことだ。
南アルプスは先輩にいわせると、小屋設備、交通機関、走路の整備など、北に比べれば見劣りするとのことみたいだが、希望が適った例会山行に早くから手を上げていた。
【8/4(土)】
【4:30芦安バスターミナル】車中泊を過ごし、山梨県芦安到着、外は満天の星と月明かり、天気は期待できる。続々と登山客到着・・朝食を各自すまし、バスに乗り込む。
【7:15広河原】バスの中からは、縦走路が見えていた。段々と気分が高揚してくる。ミーティングの後、準備運動、見上げると北岳が、木々の上に見える。広河原の吊橋を渡り、山行開始
【10:00二股】川沿いの登山道を抜けると、目の前に雪渓が広がる。その先には北岳が見える。見上げるというのが正解だ。本当にデカイ!そして高い!CLの判断で、大樺沢左コース雪渓を行く。
【12:30八本歯コル】大雪渓を直登。アイゼンは準備していたが、踏跡がしっかりしていたので、そのままで登る。長い雪渓、直射日光、急勾配、時折優しく、涼しい風に回復されるが、相当の体力を消耗する。いつもは元気で、ムードメーカのベテランT先輩も口数が少ない。Nちゃんもテント装備の重量がこたえたか、すこしバテ気味、食こと休憩の場所では所かまわず座り込んでしまう。それは他の登山者も一緒であった。まだ、途中ではあるが1,650m高さを一気に上るのは、並ではない。八本歯コルからは、八本歯頭から池山吊尾根への道も見えた。この先で、姿なき連続殺人犯「マークス」が発芽したのだ。
【13:50吊尾根分岐】休憩の後も走路は厳しく、全体に遅れ気味になる。それでも道の周りは高山のお花畑・・色とりどりの花に癒されながら北岳山頂を目指す!分岐に荷物をデポして空身で、山頂路を行く。少し楽になった。
【14:30北岳山頂】ついに3192m日本第二の高峰に立つ!富士山の遠望は見えなかったが、歩いてきた道は良く見えた。いやこんなに登っていたのかと、自分に感心する。
マーススこと、水沢裕之の最後の地、警視庁捜査一課7係合田雄一郎が発見したとき、彼は富士山の方を向いていたのだ。お金があったら・・「さかき」で大トロを食べる。マスクメロンを丸かじりする。
富士山を見る。真知子と一緒に・・・。水沢のメモの一部が思い起こされ、真知子の献身、「愛」を思い浮かべた・・涙・・・
【15:50北岳山荘】予定より1時間30分遅れで、到着・・テント組、小屋泊組、それぞれ宿泊準備にかかる。小屋は、情報のとおり整備され、きれいだった。それぞれ、それなりにくつろぎ翌日に備える。
【8/5(日)】
【4:00北岳山荘】ミーティング、準備運動のあと2日目の山行開始、前日口数の少なかったT先輩も小屋のご飯3杯お代わりして、元に戻ったようだ。月明かりの中、間ノ岳を目指す。
【6:30間ノ岳】縦走路中白根山あたりで、夜明け、ご来光を望む、振り返れば北岳から続く縦走路が朝日に輝いている、皆の顔にも朝日が映えて、美しい!!間ノ岳からは、大パノラマが望めた。富士山はもとより、北、南、中央アルプス全域の遠望が楽しめた。こんなに雲ひとつかからない風景は、このあと何回もないのではないか・・これが見られただけでもこの山行に参加した価値があったと思った。
【9:55農鳥山】農鳥小屋の名物主人は、朝のトレーニング中であった。そんな姿を見過ごし、岩稜をよじ登り、ハイマツの間を通り、農鳥山に着く。ここで、T先輩が発見した、南アルプス天然氷のシャーベットを食す・・最高の贅沢、最高の素材に皆、疲労を回復する。天気は晴れのまま・・最高の縦走日和となった。
【11:10大門沢下降点】ここから、1100mを下っていく。道も険しい。CLより「気を抜かないよう」指示が飛ぶ。皆、慎重に、足元に集中して、下降する。
【14:10大門沢小屋】長く、険しい山行がひとまず修了した。この小屋は、設備は並以下だが、水が豊富、せせらぎの音を聞きながら、山行も終盤になったこと感じる。疲れて早く休む人、回復し、テンションが上がる人、それぞれ・・・
【8/6(月)】
【5:30大門沢小屋】朝焼けの富士山が見えた。美しい・・若干の降雨があり、出発時は、雨カッパ装着となった。CLより「まだ山行は終わっていない。最後まで気を抜かぬよう・・」指示がある。大門沢沿い、渡渉を何回か繰り返し、森林の中に入っていく。昨日の風景とは、様変わり・・体感温度も変わってきた。下界に下りてきた。
【9:30奈良田温泉】全員無こと到着。細かいヒヤリハットはあったが、厳しいコース大きなトラブルもなく終わった。皆の顔にも、達成感がうかがえる。奈良田温泉源泉かけ流しで、2日間の汗を流す・・ビールがうまい!!!
【19:30神戸】思い出に刻まれる山行が終わった。「来年は奥穂かな・・?」もう次に心が向いている・・山とは、何なのだろう・・
【山とは・・・】山の登ると、日常の雑多な思いは面白いほど薄れ落ちていき、代わりに仕事や生活や言葉の覆いに剥ぎ取られた自分の、生命だけの姿が現れ出る。凝縮され、圧延され抽出され、削ぎ落とされていくそれは自分でも驚くような異様な姿をしているのが常だった。その体感を一言でいえばこの世のものでない覚醒と麻痺だった。
これは、合田雄一郎が学生時代から登山に行くたび思った事だ。私自身が山行に参加していて思うところに、一部通じているところがある。この先へいくと、体に感じる体感が死に向かう爆発や開花のようになると、合田はいうが、そこへ行ってはいけない。現実に戻ること。これが大切なのだろう・・己を知り、自己にあった山行を楽しむ・・それが必要なのだろう・・
山とは、苦痛と恍惚を求めていくところ・・・(よう分からん・・)(講談社文庫「マークスの山」より一部抜粋)(SI)
あこがれの白峰三山縦走、天気に恵まれ、最高の縦走を満喫しました。
いやそれにしても、タフなコースです。3192m日本第二の高峰に行くのは、並ではない・・・・健脚ぞろいの我が山の会のメンバーでも、ヘロヘロ組も出ていた。
特に大樺沢雪渓から八本歯コルまでは、キツカッタ!!!
そこを越えたら、高山植物の百花繚乱で・・心も体も癒してくれました。
そして、3192m北岳山頂へ立つ!!!
2日目は縦走の最骨頂といってもいくらいの、コースを歩きました。
天気は最高・・日の出前は、月明かり・・夜明け後は、雲ひとつなし!!!
富士山から、鳳凰三山、昨日の北岳、その遠方は槍穂高、右に回れば、中央アルプス!!!地図の上にいてるんかい!!!というくらいのパノラマを満喫!!
足元は可憐なお花の群生に癒され、これでもかというくらいの山行を楽しみました。
厳しく、タフなコースでしたが、それだからこその感動があったのかも・・・
天気と仲間に恵まれた思い出に刻まれる夏山終了山行でした。
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