乗鞍岳&焼岳 花と岩場のリベンジ山行
- GPS
- 07:00
- 距離
- 11.3km
- 登り
- 1,171m
- 下り
- 1,149m
コースタイム
(2日目:焼岳)5:15焼岳登山口-6:40下堀沢出合い付近広場-7:50鞍部-8:15焼岳北峰山頂-(晴れ待ち)-9:20下山開始-11:20下山
天候 | 1日目晴れ、2日目曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
http://www.nouhibus.co.jp/new/norikurabus.html バス経路は、アカンダナ・平湯から158号線を通って飛騨側のほおのき平経由、折り返して乗鞍スカイラインに入りますが、この時期本数もほおのき平からの方が多いので、タイミングによっては、ほおの木平から乗る方が良いかもしれません。 (焼岳)今回利用した、釜トンネル付近〜平湯までを繋ぐ158線安房峠の途中、中の湯の少し上の道脇に焼岳登山道入口、その前に10数台程駐車可能なスペースがあります。朝5時で続々やって来てほぼ満車でした。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
(乗鞍岳)危険箇所特にありません。が、付近でクマの目撃情報が頻繁にあるようですので、行動中は一応気をつけておいて損はないかとおもいます。 アカンダナ駐車場14:30発のバスで上がると畳平15:40着ですが、畳平のバス切符売り場は15:30で閉まっています。往復買っておいた方が多少安いしいいかもしれません。畳平発平湯方面16:50が最終バスなので乗り遅れない様ご注意下さい。 アカンダナ駐車場から歩いて5分程の平湯温泉は、奥飛騨の風情ある良い温泉街でした。合掌造の民家がある民俗館の簡素な露天温泉に入りましたが、料金を訊ねると「寸志で」との事でした。 (焼岳)登山口までのアクセス、安房峠は落石注意箇所が多くあります。 下堀沢出合いから真っ直ぐ登っていると北峰方面鞍部への分岐が目立ちにくいのでウッカリ立入禁止の南峰に行ってしまいそうになります。ご注意! 頂上直下の鞍部から先、岩場を通過します。一応落石、火山ガス注意かも? あと、途中、付近で他の方がクマらしきもの目撃されたそうです。中の湯付近でも昨日夕べにクマ出たそうです。 |
写真
感想
昨年のお盆前を振り返る。
乗鞍岳と間違えて白馬乗鞍岳へと向かい、そこも時間不足で栂池自然園へ(それはそれで良い所で結果オーライでしたが)。
その翌日は御嶽に登ってから帰郷。
また、先日は焼岳でピーク直前で時間切れ敗退しています。
という訳で、安直ですが今年のお盆前山行企画は、ダブルリベンジ(場所間違いも含め、ある意味。)、ダブル百名山で行く事にしました。
前夜はグッスリ休んで出発。ちょっと出遅れましたが、天気が崩れる予報でもないし、標高は高いけどコースタイム自体はそんな長い山でもないし、割と気楽に構えて行きました。
いつもの沢渡地区を超え、バスで通る釜トンネル入り口の前も曲がり、全長4劼鯆兇┐覦陀璽肇鵐優襪悄その先は岐阜県、飛騨高山地方に仄かな憧れを抱きつつも行った事はなく、自分にも未知の領域です。
トンネルを越えて、あかんだなとほおのき平の2か所から畳平方面へ行けそう、という事は分かりましたが、まだ詳しい事は分かりません。取り敢えず信州から見てより手前側のあかんだなへ行く事にしました。駐車場でバス時刻を見ると、次は14:30発で約1時間との事。帰りの最終バス出発時刻がちょっと早いなと思いましたが、まー折角来たし、見れるトコだけ巡って後は次回の楽しみでもいっか、と結構鷹揚に構えてます。
バスに揺られ行きがけに通った平湯を経由し、峠を上ってそのままスカイラインへと入るかと思いきや、上りきった後高山側へ下りほおのき平を経由した後Uターンでスカイラインへと入りました。ありゃー、これだとほおのき平からの方が良かったかも…と思っても後の祭りでした。
時計を高度計表示にセットして徐々に増える標高の数字を見ながら、バスの外の高度と共に変わりゆく景色を眺めるのも結構楽しいものでした。遠くが若干曇ってるのが残念でしたが、言い方を変えればカンカン照りじゃなくて涼しいという事でもあります。
計1時間程で畳平に着きました。
かなり広い場所でしたが、想像していたよりは広くはなく、こういうイメージとの良い意味でのギャップも楽しい所ではあります。建物の中に入ると、クマ目撃情報
などが書いてありました。
タイムリミットは1時間。
今日は元気だし、3000m近い標高ですが、とにかく急ぎ足で体力に任せ回れるだけ回る作戦で行きます。取り敢えず目の前の魔王岳へ。辺りは雄大な景色が広がっていて、高山植物が多数咲き乱れています。もうちょっと標高の低い所だと終わりがけの花もまだまだここでは盛りで、丁度良いタイミングに来たな、と思いました。
畳平から池の方へと下ると、右も左もお花畑。人もぞろぞろ歩いています。珍しい深山黒百合、ウサギギク等の写真を撮りつつも、小走りで剣ヶ峰方面を目指しました。途中観測所のある摩利支天岳が目に入り、これも登らなきゃいけないのかなと思っていましたが、近寄ると巻き道があったので山の下を巻いて肩の小屋方面へと向かいました。
途中にも様々な植物、青い池、雪渓、3000m級の景色の山々等が目を楽しませてくれました。小屋の裏手から登り始め、最高峰剣ヶ峰ピークを踏むには時間が不足なのは分かってきていましたが、とにかくある程度高い所まで登りたくて、小走りのまま登れる所まで登りました。
ザレてて滑り易い箇所もありましたが下りルートも同様のペースで行き。途中目を引いた富士見岳へは登りつつその山頂から最後の畳平までの行程も小走りしっぱなしで降りて行き、の、走りっぱなしの1時間でした。
今回は最高峰のピークこそ踏めなかったものの、走りっぱなしで体力も使い、高山植物がこれだけ多数生えているのも見た事がなく、それなりに満足感のある山行でした。
バスに揺られ下山、あかんだな駐車場の最下部から平湯温泉までの近道を通れば10分、との事だったので道の上のガイドに従い5分強ほど林の中や吊り橋の上、草地を歩くと平湯の温泉街へと出ました。今日の温泉はどこにするかな…最初平湯バスターミナルの温泉を当て込んでいましたが、着いてみるともう閉店時間を過ぎていました。折角駐車場で割引券も見つけてたのに…気を取り直してBT付近をウロウロしていると、近くの温泉案内図を見つけました。日帰り温泉入浴を受付けているところが2,3件ぐらいありそうなので、その中の「平湯の湯」に向かう事に。
案内図の通りに歩いていくと、小さな神社の脇に民俗館の建物群がありました。この奥かな?
合掌造の建物を横目に奥へと進み、飲食店のお兄さんに声をかけて聞いてみると、すぐ奥に目指す露天温泉はあるとの事で、ついでに受付の場所等も聞いてみると、「すぐ隣なので直接行って入っていいです、料金は外にある寸志箱にお気持ち程度入れて下さい」、との事で、太っ腹、というか、文化というかもてなしのスタイルに表れる気持ち的な所に感激でした。脱衣所は木造の簡素な建物で、ガラガラとあけてみるとランプの明かりがほのかに灯っていて、今は他に人も居らず貸切状態。
早速いそいそと服を脱いで露天温泉へ。周囲も垣根で取り囲んだぐらいで、湯船には洗面器以外何もありませんでしたが、これもまた風情があります。お湯を被って軽く汗を流した後、ドブンと湯船へ。お湯は軽く濁った色で、ちょっと鉄っぽい匂いがしていました。あ〜温まる。足に溜まった疲れも抜けて行く様でした。
自分が風呂上りの時に入れ替わりで若い男性が1人入られていましたが、脱衣所で服を着ていると、湯船の方からいい声で歌われているのが聞こえていました。
いやーきっと気持ち良いんだろうな。
風呂上りに寸志箱へ手持ちの小銭を入れて、目の前のさっきのお兄さんが居た建物へ。ソバや揚げ物、ビールなど出してる様です。とりあえず飛騨牛串カツとから揚げ、そしてノンアルコールビールをオーダー。外のテーブルに腰かけて、風呂上りの一杯。テーブルの上ではキャンドルが光っていて、辺りもいい雰囲気でした。すぐ下の神社ではお囃子の音が聞こえ、お祭りが始まる様です。
飛騨牛串カツは脂の乗った感じの牛角切りのカツで、中々旨みありました。
アルコールフリーだけど気分だけほろ酔いで、さっき来た道を駐車場まで戻りました。ヘッデン持って来といて良かったというか、温泉街を外れると道真っ暗、吊り橋付近とかも結構こわいぐらいでした。駐車場は車も非常に多いけど誰もいないし。
明日どこへ登って帰ろう…ここからだとやっぱ前回敗退の焼岳が手頃な感じです。が、手持ちの食糧が底をついてるし、補給しとかねば…松本側はかなり下まで降りないとコンビニとかないのは分かってるし、同じ遠いなら高山側に行ってみたくなります。
という訳で、高山市街へと降りました。ずっと田舎道で時々旅館が目に着く他は何もない中、目指すコンビニを見つけたので入っておにぎりや明日の朝食等補充しました。ついでに高山市の中心街も近いので足を伸ばしてそっちにも行ってみる事に。飛騨高山といえばラーメンでも有名な所なので、もしまだ開いてたら一度食べておきたいものです。
高山市内は、整然とした道路や町の並び、近代的なテナントに混ざって和の古道具屋さん等も並んでいたり、ちょっと古のテイストを感じさせる街でした。何だか秋田角館のみちのく小京都を思い出しました。
車でブラブラ、次に駐車場にとめてブラブラ見て回ってると、より一層町の様子が見て回れました。飛騨牛の焼肉屋さん等も多数です。ラーメン屋さんも見つけたので、遅めですが夕食。醤油ラーメンといっても喜多方の濃くコクの強い醤油、鶏がらベースの風味が強い醤油、等々色々ありますが、また違った感じでこれまで未経験の風味でした。割と普通においしかったと思います。
後は焼岳登山口へ向けて移動。平湯からトンネルを通らず旧(というか現役国道の)道の安房峠へ。クネクネした山道を慎重に走り、目的地に着いた時には自分のほかには1台しか停まっていませんでした。ゼロより100倍以上マシですが、ちょっと心細くもあります。幸いにして周囲は真っ暗、車中泊の準備をして早々に眠りに就きました。
朝4時半、周囲の輪郭が辛うじて認識出来る明るさ。周囲は車も増えていて、5台以上停まっています。昨夜買っておいた弁当を食べ出発の準備を整えていると、5時過ぎて明るくなりだす頃には、続々と車がやってきてギッシリになりました。
さっと登ってさっと帰りたいし、じっとしてても埒があかないので手早く準備、5時ちょっと過ぎに登山開始しました。
先行はツアーの団体さんが1組。最後尾のガイドさんに時々話を伺い、ツアー登山のスタイル等の話を伺いました。昨日夕方はクマも出たそうです。
焼岳へは最初急登続き、途中で団体さんが先に行かせてくれたので単独行に戻ります。道は迷う箇所もなくひたすら樹林の中、黙々と登っているとやがて平地に出ました。ちょっと行くと広場もあり、休憩には最適です。
おにぎりを2つ食べ、前方を見上げると焼岳頂上から続く岩峰。但し完全に雲の中で全く見えませんでした。
ここで休憩中に先に行かれた方が約3,4組。
自分も出発して進んでいると、程なくその内の1組の女性チームとバッタリ。写真を撮られているご様子だったので、折角2人で来といて、2人だけだと集合写真も撮れないだろうに…と思ったので、「良かったら撮りましょっか?」と声をかけ、交互に写真を撮りました。
その後も先行して単独登っていましたが、南峰との分岐でうっかり間違え迷いそうになり、ちょっと休憩がてら後続の人がもし間違いそうだったら声をかけてみる事に。さっきの女性2人組パーティーはすぐ下から来てますが、斜面の方を見てました。何か居るのかな…?
休憩がてらちょっと待ってるとやっぱり南峰へ直登しそうな勢いだったので、「こっちですよ〜」と声をかけつつ、何がいたか聞いてみると、何でも真っ黒なクマらしきものが岩場の斜面を駆け上がり、霧のかかる尾根向こうに消えて行ったとの事。
…。
一人よりも二人、二人よりも三人、多い方が安心感もありますので、どっちからとはなしに、ご一緒させていただく事になりました。
道中坂も急になってきてフーフー言いつつも、花の写真を撮ったりしながら、霧の中を3人組で登って行きました。
やがて鞍部にたどり着くと、前方からひんやりした強い風が吹いて来ています。
「うーん…晴れてたら前方に青い池があるはずなんですが」
なーんも見えません。
やがて右の方から、山頂側から降りてこられたおじさん2人。先の様子を聞くと、眺望はやはり望めない様子。何かあるの?と聞かれたので、晴れてると池があるはずですが…とお話しました。おじさんが降りて行かれた直後、急に前方の霧が晴れてきて、向こうにチラッと池が見え始めました。
わーわー
歓声をあげる我々。
登りかえしてくるおじさん達。
立ち止まって池を見てるうちに体も冷えてきたので、先へと進む事にしました。
岩場なのでちょっと慎重に進み、後をお二人が続きます。
シュゴーと音がしていて、霧だか煙だか最初は良く分からなかったのですが、ちょっと登ると岩の間から噴気が出ていて、その周りが真っ黄色になっていました。
あー、火山だなあ。
それから岩場を進みますが、時々岩の隙間から温風が噴き出ていて、ヒーター状態です。前回の槍では雪渓下から足元に天然クーラーが噴き出ていましたが、山にも冷暖房はあるものです。
溶岩ドームの下を回り込んで、岩場を手足を使って登り、山頂へと向かいます。
同行のNさんは岩場大好きっ子で、「わー楽しい」とご機嫌でした。ボルダリングなども経験されているようでした。
山頂に着くも、ガスは晴れず。ひとしきり記念撮影をした後、岩に腰掛けて軽い食事を摂りました。3人で、これまで行った山の話や、どこから来たか等の話をして1時間程過ごしました。
山頂には段々人も増えて来ましたが、ガスの中で皆ちょっと残念そう。
待ってる内に、ほんの一瞬だけ西〜北の方の霧が晴れ、笠が岳〜穂高方面のシルエットが高くそびえて見えました。周囲から上がる歓声。
乗鞍方面を見ると、だんだん雲が晴れ、南峰ははっきり見えてきました。乗鞍もたまに見えています。足元のガスも晴れてきて、下にさっきの池も見えだしました。
高い所が平気なNさんはそれを眺めにスタスタと端の方まで行しまいますが、高所がダメな私は遠巻きに見てました。
1時間待って晴れそうもないので、9時半下山開始。
ピストンでの戻りの他、上高地方面も提案してみて要望を聞いてみましたが、元来た方に帰る事に。
今度はNさんを先頭にして下って行きましたが、岩場でもスタスタと非常に足取り軽く速い…かなりの山慣れ度の様です。
途中離合の際にご年配の方からは「山ガール」と声をかけられていたお二人ですが、足速いですね、と話してると「ヤマオンナだから」との事。間を取ってひそかに「山レディー」と位置付けさせて頂きました。
山行中に現地で会った方と目的地までの即席パーティーを組む事も割と多く、その相手は老若男女問わない自分ですが、いつも山おじさん登山部か男子会が結成される事が多いけど、今回はいつになく華やかでした。
Nさんの足はタダモノではなく、休む事なくいいペースで下り続けています。それに続くものの、Kさん大丈夫かな?と思い時々後ろを振り返るも、中々どうしてKさんもしっかり着いて来れていました。いやーきっとこれでは登りでも先導してて実はスローペースにヤキモキしてたかも?
下山にかかると、なぜか霧が晴れて行っているような雰囲気。
でも北の方角は晴れてないっしょー、と自分達に言い聞かせつつ下っていましたが、途中見えた明神岳は晴れてて「んんん??」
でも上の方は曇ってる様でしたし、まー山頂リベンジも達成出来たので、何かと焼岳にはフラれていますが、良しとしとます。
帰りの行程はそれでも大体コースタイム通り、山頂から2時間程で登山口まで帰り着きました。まだ11時チョイ、午前中に降りてこれて午後からの時間もゆったり使えそうです。
本日はこのまま静岡へ戻った後、九州へ帰省。駐車場でお二人に山行のお礼をいい、互いに握手して解散しました。
帰りはおやつに味噌ドーナツを食べながら帰路に着きました。
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