立山室堂から新穂高温泉へ(五色ヶ原・薬師岳・黒部五郎岳・三俣蓮華岳)
コースタイム
8/13(月) 五色ヶ原山荘(6:07発)→鳶山山頂(2616m・7:03着)→越中沢岳山頂(2591m・9:30着)→スゴ乗越(13:05着)→スゴ乗越小屋(14:10着・泊)
8/14(火) スゴ乗越小屋(6:25発)→間山山頂(2585m・8:05着)→北薬師岳(2900m・10:35着)→薬師岳(2926m・11:55着12:25発))→薬師岳山荘(13:21着)→薬師峠(14:50着)→太郎平小屋(15:15着・泊)
8/15(水) 太郎平小屋(6:13発)→北ノ俣岳山頂(2661m・8:37着)→赤木岳(2622m・9:35着)→黒部五郎岳山頂(2839m・13:12着)→→(五郎のカール)→黒部五郎小舎(15:53着・泊)
8/16(木) 黒部五郎小舎(3:05発)→三俣蓮華岳山頂(2841m・6:21着)→中道ルート分岐(7:30着)→(中道ルート)→双六小屋(8:36着9:21発)→鏡平山荘(11:48着12:00発)→秩父沢(14:00着)→小池新道登山口(15:06着)→新穂高バスターミナル(16:38着)
天候 | 8/12(日)晴、時々曇り、ガス 8/13(月)断続的に雨、時々ガス 稜線では強風 8/14(火)午前は断続的に雨、時々ガス、午後は晴 稜線では強風 8/15(水)雨とガス、稜線では強風 8/16(木)午前は断続的に雨、時々ガス、稜線では強風、午後は晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
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コース状況/ 危険箇所等 |
龍王岳分岐と獅子岳の間で雪渓を2つばかり横切りますが、傾斜が緩く軽アイゼン等は必要ないと思います。北薬師と薬師の間にヤセ尾根の岩場がありますが慎重に通過すれば問題ないと思います。どちらも写真をのせてますので、気になる方は参考になさって下さい。 |
写真
感想
立山と薬師岳を結ぶ長い稜線。
『山と高原地図36 剱・立山』でもひと際目を引くこの赤線?を一度歩いてみたいと考えていたので、今回いってきました。この縦走路を歩く場合、案内本では立山室堂←→折立を入下山口とするコースが紹介されている事が多いのですが、未だ登頂の経験がなかった黒部五郎岳にも登ってみたかったので別記の行程となりました。ちなみに今回もいつもお願いする回送業者さんに扇沢から新穂高までクルマを回送してもらいました。
8/12(日)
扇沢6:30始発のトローリーバスに乗り、室堂7:55着。朝から好天(結局、全行程でレインウェアを着ずにすんだのはこの日だけだったのだが)で室堂近辺は登山者・観光客で大賑わい。特に日本で2番目に簡単に登れる3000m峰(これはあくまで私見、1番目は乗鞍岳)雄山を目指すは登山者・観光客で一ノ越までの道は大混雑。一ノ越から南に進路を取るとウソのように人が減ってきました。振り返ると雄山への登山道は人の群れがアリのように続いています。。。
途中、ザラ峠で休憩。戦国武将・佐々成政の厳冬期北アルプス越えの舞台ともなった場所です。当時は沙羅沙羅峠といったらしいですが、当時の装備では大変だったろうな〜。新田次郎にもこれを題材とした「佐々成政の北アルプス越え」という作品がありますが、それを読んだ時は登山などには全く興味がなく、まさか自分がこんな場所に来るとは思わなかった。。。
この日の行程で一番しんどかった五色ヶ原への登り返しをなんとかこなし、五色ヶ原山荘に15:28着。
8/13(月)
朝から雨とガス。行動中は悪天候でほとんど展望が得られず、ひたすら足元を見ての苦しい行程を関西からのツアー登山一行と相前後しながら進む。越中沢岳からの下り、スゴノ頭への登りが急勾配、スゴ乗越からスゴ乗越小屋への登り返しも急坂できつく、ヘロヘロになりながら14:10スゴ乗越小屋着。
8/14(火)
今山行のメインのひとつである薬師岳登頂予定のこの日も朝から雨。おまけに出発する前に逆方向から縦走してきたらしいお兄さんに「すごい登りになると思いますよ」とさんざんに脅かされ?テンションはますます↓。
稜線はガスと強風、風に吹かれるとロングTシャツとレインウェアではかなり寒く、鼻水が出てくる。。。前日と同じく、関西からのツアー登山一行や小屋で顔見知りとなった何人かの登山者と相前後しながら進む。
さて、薬師岳と言えば1963年冬の愛知大学山岳部の大量遭難が有名ですが、その原因の一つが『登頂を断念して下山時する際、ルートを誤り太い尾根が集まる広い山頂部から東南稜に迷い込んだ事』と何かで読んだ記憶があります。この事から私は『薬師岳は山頂がだだっぴろーい、太い尾根の稜線歩きが楽しめる山』という勝手な印象を持っていました。
ところが。
北から縦走してくる場合はそうではなく、特に北薬師から薬師の間は結構なヤセ尾根の岩場歩きでした。北薬師→薬師の参考コースタイムは40分となっていますが、1時間20分もかかってしまった。。。後である登山者が言ってました。曰く、「あそこを40分で歩くなんて、イワトビペンギンでもない限りムリ」
11:55、何とか薬師岳山頂着。このころから天候が回復、ガスの切れ目から陽がさすようになってきた。頂上の祠(薬師如来像が祀られているとの事)にお賽銭を奉じ、安全登山と世界平和?を祈念し山頂を辞す。当初の印象とおり、太い尾根につけられたつづら折りの登山道を薬師岳山荘に向けて下り、山荘でザックを降ろして小休止。ここからの薬師峠への急下降と太郎平小屋への登り返しが相当つらく、太郎平小屋にヘロヘロになりながら15:15着。
8/15(水)
今山行のもうひとつのメイン、黒部五郎岳岳登頂予定のこの日も風雨。悪天候のためか、折立に下山する人が多く、スゴ乗越小屋で顔見知りになった方も当初の計画(立山室堂から薬師、黒部五郎、水晶、読売新道を経由して立山室堂に戻る一筆書きコース)を断念して折立に下山し、扇沢にバス、電車でクルマを回収しに戻るとの事。しかし私は前述のように自分のクルマを新穂高に回送しているので(実際はクルマのデリバリーは16日なので変更は可能だったが、折立まで回送となると料金も相当高額になる)、進まざるを得ません。。。
おまけに小屋を出発して間もなく、登山靴の左のほうが明瞭に浸水してきてテンションは下がりっぱなしです。。。(この靴は雨にたたられ、やはり靴に浸水した昨夏の山行後、同じモデル《ハンワグのマウンテンライト》が生産中止でもう買えなくなるとの事で購入したモノで購入後1年、使用は今回が3回目。池袋の好○山○に文句を言ってやらなくては・・・)
その後、あまりの悪天候に登頂を断念して引き返してきた方と何人かすれ違い、不安度↑。さらに大型ザックを背負った先行者が強風にあおられたのか、ふらつく様を目にしてますます不安度↑↑。それでも進むにつれて若干風も弱まり、誰もいない黒部五郎岳山頂に13:12着。その後、奇跡のように現れたお兄さんにカメラのシャッターをお願いして記念撮影。(この写真はレンズの水滴のせいか、相当不気味な写真になっていた)
13:35、黒部五郎の肩を黒部五郎小舎に向け出発。黒部五郎のカールに差し掛かると風はぼ収まったものの、ガスは依然として取れず。。。期待していた五郎のカールの景観も堪能する事はできませんでした・・・
黒部五郎小舎に15:53着。五郎の肩から参考コースタイム1時間40分のところを2時間20分もかかってしまった。。。ほぼ下りのコースでこの有様では壊滅的な足の遅さです。。。
8/16(木)
この日は事前の予定では双六小屋か三俣山荘泊とし、のんびりと山歩きを堪能する予定でしたが、悪天候と靴の浸水という昨年と同じ状況を勘案し、一気に新穂高温泉に下山する事としました。やはり登山をする妹が10時間ぐらいで同じ行程を下った事があると聞いていたので、自分の壊滅的な足の遅さを考えて早立ちする事にしました。
3:05、相変わらずの奥天候の中、スゴ乗越小屋で顔見知りとなった方に見送られて出発。樹林帯を抜けるとあとは三俣蓮華岳までほぼ稜線歩きです。三俣蓮華岳6:20着。参考コースタイム+1時間の超スローペースです・・・三俣蓮華から双六小屋までは一度も歩いた事のない中道コースを取る事とし、8:36双六小屋着。ここで黒部五郎小舎で作ってもらった弁当を採り(小屋のお姉さんに湯のみ1杯分の熱いお茶を所望すると、50円でなんとビールジョッキに入れたお茶を出してくれました)、9:21出発。ここからは何度か歩いたコースですが、けしからん事にこの頃から天候が回復、花見台のベンチで3日と半日着続けたレインウウェアを脱ぎました。。。下山しようか、という時に天気が良くなってもらっても困るんですが。。。
新穂高には16:38着。橋を渡ったところにあった、バスの切符売り場や売店がなくなっていて驚きました。ここも時代とともに変わっていくんだなぁー。変わらない、あるいは変わって欲しくないのは山だけか。。。
最後に妙な感慨にふけってしまいましたが、素晴らしい山々が妙に観光地化、俗化して欲しくないというのが正直なところです。
今回も昨夏の裏銀座縦走と同様、悪天候と靴の浸水に悩まされましたが、当初計画した行程を1日短縮して歩き通せたので良しとします。
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