立山
- GPS
- 40:05
- 距離
- 19.4km
- 登り
- 2,007m
- 下り
- 2,610m
コースタイム
5/5 6:20雷鳥平−7:20標高2600m−7:55剱御前小屋−9:00別山−9:40剱御前小屋−【剱沢滑降】−10:05剱沢小屋−10:45剱御前小屋−【雷鳥沢滑降】−11:30雷鳥平12:25−13:35一ノ越−14:40雄山−15:30一ノ越−15:55雷鳥平
5/6 6:22雷鳥平−7:00標高2500m−7:45一ノ越−【御山谷滑降】−9:00東一ノ越−【タンボ平滑降】−9:50黒部平
天候 | 5/4 晴、5/5 晴、5/6 曇 |
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過去天気図(気象庁) | 2005年05月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
5/4
白馬ワンダリング終了後、その足で信濃大町へ。ここから室堂まで本日最終の便でアルペンルートを進んでいく。路線バス、トロリーバス、ケーブルカー、ロープウェイ、最後にトロリーバスと数多くの乗り物を乗り継ぎ、金銭的にも少々つらいルートでもある。また時期もGWまっただ中なので、多くの観光客で賑わっている。ただ幸運にも自分たちが行ったのは最終だったので、乗り物に乗っているときは混雑とは無縁で快適であった。迫力の黒部ダムの上を歩き、ロープウェイで後立山の展望やワンダリング最後に滑るタンボ平を眺めたりしながら2時間半かけてようやく室堂に到着。すでに日も大日岳方面に傾き始めており、いそいで雷鳥平に向かってスキーを走らせる。朝は白馬でモルゲンロートの中を歩き、夕方は立山で夕日に照らされながら歩いているのを考えると、なんだか贅沢な気分だ。ベースを張る雷鳥平はGWにはテント村ができることで有名であり、自分たちがたどり着いたときも案の定カラフルなテントが無数に立ち並んでいて、沢山の登山客で活気に満ちあふれていた。さっそくエスパースを張り食当開始。飯を食った後は辻さんの差し入れであるワインを飲みながらまったりし、ほろ酔い気分で9:00頃に就寝する。
5/5
5:00起床。滑降の時間を考えると、7:00前後の出発が適切だろう。天気は曇りがちだが、昼頃から晴れるということなので、気合いを入れて雷鳥沢を登っていく。一時間弱ほど歩くと少し急斜面になるので板を外して登り、また少し緩くなると再びシール歩行。標高を上げるごとに室堂一帯が見渡せるようになり、なかなか気持ちいい。最後の急斜面は右の方に見える剱御前小屋に向かってトラバースを試みるが、斜面がまだカリカリなので、かなり危なかった。滑落しないように慎重に進み、最後は雪のない登山道を少し歩いて8:00頃に剱御前小屋に到着。時間的にはかなり余裕があるので、しばらく小屋で休憩させてもらうことにする。お汁粉を飲みながらしばしリラックスするが、まだ斜面の雪が軟らかくなるには時間をおいた方が良さそうなので、夏道の露出した道を歩いて、すぐに行ける別山に登ることにした。
小屋から少し歩いて左側の視界が開けてくると、剱沢を挟んで雄大に聳え立っている『剱岳』が視界に入ってくる。さすが岩と雪の殿堂といわれるだけあり、氷河が作り出したその峻厳な山容はとても素晴らしい。しばしの間、思わず魅せられてしまう。剱岳をバックにし、三人とも念入りに記念写真を撮る。祠の建つ別山頂上では富山の方の大学の山岳部やら、ワンゲルやらの集団に出会った。雪上訓練に来ているらしく、これから別山から雄山まで縦走するとのことだが、入り立ての新人も含め、こんな良いとこに訓練で来れるなんて羨ましい限りだ。
剱御前小屋に戻ると、いよいよ剱沢滑降開始。最長で真砂沢ロッジまで滑るということだったが、滑ったあとに登り返すのを考えると、やはりつらい。前二日の疲労も幾分かあるので、結局シールだけ持って剱沢小屋まで滑り、すぐに帰ってくることにする。剱沢の斜面は比較的緩やかで、初心者でも楽しめるという感じ。周りのトレースを見ると、別山方面や剱御前方面の急な斜面からも滑られているようだ。斜面もまあまあ良かったが、やはりここのポイントは、なんと言っても剱岳を眼前に見ながら滑るということだろう。あっという間だったが、剱岳に向かって滑降という最高のシチュエーションを楽しんだ。登り返し地点とした剱沢小屋は、まさに昔ながらの山小屋といった感じで、ホテルなんかが建ち並ぶ室堂付近とは、別山乗越を境に対称的な雰囲気があるように感じる。ここからは空身なので40分程であっと言う間に剱御前小屋まで戻り、続いて雷鳥沢の滑降に移る。中央の沢を滑ることにするが、両脇の尾根部分も滑降するには問題なさそうだ。滑り出しの斜面はなかなか急であり、滑りごたえは充分。その後も比較的急な斜面が続き、満足の行く滑降を楽しむことができた。ベースに着いたのは 12:00前。天気を調べると明日は雪ということで、明日登る予定の雄山では展望は望めそうにない。そして今の状況を見ると、天気は雲一つない快晴。まだ体力も余っており、このままテントでだらだらして過ごすのはありえない・・・。ということで、急遽予定を変更して、現役二人で今から雄山にピストンをかけることにする。
一ノ越までは一時間ほどだが、暑さに意外と苦戦する。さらにここからは雪のない登山道を一時間ほど登って頂上へ。兼用靴なので多少歩きづらい。登っている途中で、別山で会った大学生集団とまたすれ違った。ところどころ雪の付く岩々する道を登り、ついに雄山頂上へ。まさに絶景の展望!!北ア北部の主要な山は全て見渡せ、南の方には遠く槍ヶ岳が聳え立っているのが見える。まわりのスキーやボードを担いだ人達は、雄山山頂から直接室堂へ向かって山崎カールに滑り込んでおり、最初はかなりの急斜面だが、なかなか面白そう。今度来たときはぜひ挑戦してみたいものだ。しばし展望を楽しんだ後、また一ノ越まで下り、ここからはスキー滑降。雪も良い感じに軟らかく、なかなか気持ちいい。室堂付近の複雑な地形を、雪庇にのらないように注意しながら進んでいく。途中で雪庇をハーフパイプに見立てて、ジャンプしているボーダーにはびっくりさせられた。雷鳥平に付いたのは16:00少し前ぐらい。昨日はあれだけ沢山あったテントも、だいぶ減ってしまっている。急いで天気図を書いてもらい、夕飯を食べ就寝。明日はいよいよ最終日。
5/6
5:00起床。朝飯を食べ、テントを撤収し、全装を背負って一ノ越へと向かう。天気は雪とはいかないものの、曇りでどんよりとしている。登りながら感じたのが、昨日と違い、あちらこちらに雷鳥が鳴いている。しかも姿を見せる雷鳥は全て鶏冠が赤くなっており、ゲロゲロとカエル(多少語弊あり・・・)のような鳴き声を轟かせている。この時期は調度雷鳥の繁殖期だそうで、雌を呼び寄せるため、雄同士が縄張り争いに奮闘中らしい。なので人間が近づいても、堂々としていてあまり逃げる素振りを見せなかった。一ノ越に着いた後は、東一ノ越まで小山谷を滑降して行くが、素直に沢沿いを滑降すると、最後に登り返さないとならいけなくなる。なので今回はトラバース気味に行き、登り返さずに東一ノ越へ向かうこととする。半分ぐらいトラバースで滑降した後、もう半分は雪のない夏道をシートラで進む。右方面は竜王岳、鬼岳、獅子岳などごつい名前の山々が連なり、ジャパニーズ・オートルートの入り口付近でもある。30分程歩き東一ノ越着。登り返す場合の斜面を見るとかなり急だったので、トラバースしてきて正解であった。
ここからはタンボ平を黒部平に向けて、今回最後の滑降である。タンボ平は立山方面からのデブリが多々あり、休憩は禁物である。また沢沿いに黒い謎のラインが無数に走っており、正直自分たちが滑ったときは、全く滑降に向いてない斜面のように感じた。しかし室堂から黒部平までの4000円ほどの道のりをカットしたことになるので、その点では非常においしい。黒部湖に向かいロープーウェイ客に見られながら全装滑降し、10:00手前に黒部平着でワンダリング終了。天気も曇り以上に崩れることはなく助かった。荷物をまとめ、お土産を買った後、アルペンルートを信濃大町まで引き返す。
信濃大町ではさくら食堂という、安値でボリュームのある料理を食べさしてくれる店で打ち上げ。白馬から出発して、日数にして4日程度であるが、なかなか濃いGWを過ごすことができた。気候の穏やかな残雪期という時期で、厳冬期の厳しい山々とは違う山々の姿を感じ、山スキーの楽しさを再発見した気がした。今シーズンもそろそろ終わりかなと、満足感とすこし残念な気持ちが残ったが、まだまだ行きたいところはたくさんある。これからもっと技術や経験を積み、いろんな場所へ行ってみたい。
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