【伊那山地】曽山(1601m)金森山(1703m)小川路峠(1690m)
- GPS
- 11:23
- 距離
- 21.8km
- 登り
- 1,723m
- 下り
- 1,916m
コースタイム
- 山行
- 9:49
- 休憩
- 1:35
- 合計
- 11:24
かつて遠山郷の人々は、この不利な標高帯に道をつけなくてはなりませんでした。小川路「峠」と言うより小川路「山」。そのことが遠山郷の秘境ぶりをよく物語っています。
そうは言っても、人馬の通行を前提とした優しい道のつけ方を見ると、この道が伊那谷と遠山谷の交易や文化の交流に大きな役割を果たしてきたのがわかります。秋葉信仰や善光寺信仰の篤さに支えられた由緒ある道でもあります。
そんな峠道も、やがて索道(竜東索道)が取って代わります。その後、三信電鉄(飯田線)が満島(平岡)まで開通し、物資輸送を担うようになりました。こうして小川路峠はその役割を終えました。
その後、赤石林道が開通、さらに矢筈トンネルも開通、加えて、飯田山本ICから延伸する道路も上久堅ICまでが開通しています。そして今、リニア新幹線が南アルプスを貫通しようという時代です。時代と共に変わりゆく交通手段の栄枯盛衰を感じますね。
過去天気図(気象庁) | 2020年02月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
<小川路峠へ>
一番観音に手を合わせて出発です。白山社の案内看板から防獣柵に沿って歩いていく。ていねいにゲートを開けて昔の峠道を辿ります。点線路を求めて尾根に取りつくと道型へ。そこが四番観音です。
話を端折りますが、「堂津屋敷」の手前の山頂にある「木地師の墓」は心に染みいりました。山仕事に捧げた人生を象徴するように、この地に墓石を建てることを選んだ木地師たちの篤い思い。じんときます。
さて「香気の泉」を「呑気(のんき)の泉」と見違えたおのれの間抜け加減に呆れつつ、その先、展望所で解放感に包まれます。木曽駒、空木岳あたりはさすがに真っ白々ですが、安平路や摺古木あたりは黒々して暖冬を物語っています。
「姫の隠れ岩」では姫に会えるかと期待しましたが、残念ながら、お留守。落胆を隠して小川路峠へ。おおっ!聖岳!赤石岳!荒川東岳(悪沢岳)!北岳!左の端には仙丈!手前に尾高山!奥茶臼山!この景色を前にしたら、いくつビックリ・マークの連発しても足りない。
<金森山と曽山>
峠の南東にある反射板跡にはコンクリート製の基部が残っています。まずは金森山を往復。光岳・加々森山・池口山・鶏冠山・中ノ尾根山・黒沢山・熊伏山・・・と嬉しい再会です。
続いて曽山を狙います。ところがだ。1639四等三角点(小川路)から正攻法で曽山を狙おうとしてデンジャラスな場面に追い込まれてしまう。左は半端ない崩壊地。右も崖っぷち。足元は緩いし脆いし、手がかり足がかりを間違えれば奈落の底っぽい。
よもや懸垂下降用のロープをザックに突っ込んでくる予想はなかった。甘いな〜俺も。安定した枝や根っこを探りに探り、這々の体で安全地帯へ。ホッとして指先を見ると爪の中に土がめり込んでる。
ありゃりゃ。なんと目の前に安定した道型が降りて来ている。これがボーズッタ線なのか。その場にへたり込みたい気分になる。
ボーズッタ線はすぐに三合沢へと逃げていく。道型は四散するけれど、こちらは曽山一筋、迷いはない。本命まっしぐらの一途な男を演じて「曽山・曽山・・・」とつぶやきながら前進します。はたから見たら危ないヤツだね。
この曽山への道程は素晴らしかった。ダケカンバやブナ、カエデも素晴らしいし、モミやツガ、シラビソの針葉樹も言うことなし。いつまでものんびりしていたい気持ちに折り合いをつけて帰途につく。
いい山だなあ・・・氏乗山や鬼面山も暖かく見守ってくれた。甘美な余韻に浸りながらの下山となりました。
※軌跡は完全ではありません。登山の記録開始が遅れてしまいました。正確な登山のスタート地点は、表記の場所ではなく、ゴール地点と同じです。
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