上高地〜前穂高岳、奥穂高岳
- GPS
- 52:50
- 距離
- 24.6km
- 登り
- 1,965m
- 下り
- 1,951m
コースタイム
【2日目】4:55上高地-5:45風穴-7:10岳沢小屋(休憩)-7:38小屋出発-10:35紀美子平-11:08前穂高岳山頂-11:45紀美子平(昼食)-12:19紀美子平出発-13:47南稜の頭-13:55奥穂高岳山頂-14:13下山開始-14:51穂高岳山荘(泊)
【3日目】6:38穂高岳山荘出発-8:40涸沢小屋-8:48涸沢ヒュッテ(休憩)-9:19涸沢ヒュッテ出発-10:49本谷橋-12:02横尾大橋-13:55徳澤園(泊)
【4日目】7:41徳澤園-8:28明神館(休憩15)-9:25かっぱ橋(休憩15)-9:45上高地バスターミナル
天候 | 14日晴れ 15日曇り時々晴れ 16日晴れ 17日晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
写真
感想
3泊4日で前穂高岳。奥穂高岳縦走の団体ツアーに参加した。
♀6名+♂4名にガイド+添乗員2名の13名での山行である。
8月に槍ヶ岳に同行した人が自分を含め5名もいた。
【1日目】
途中アクシデントがあって予定より2時間程遅れて16:30頃上高地到着。
岳沢小屋泊の予定だったが、変更して上高地山荘西糸屋に宿泊。
おかげで、風呂に入ることができた。寝床も悠々快適。
【2日目】
昨日の岳沢小屋までの時間を少しでも挽回すべく、ヘッドランプ着用で4:55出発。
苔むした樹林帯の中を進む、50分程で「岳沢名物天然クーラー」と標識のある風穴に到着するが、冷気を満喫する余裕はなさそうで黙々と通過する。更に10分で樹林帯を抜けガレ場に出る。頭上に見える峰々の頂きは雲の中で少々不安がよぎる。
ガレ場沿いに登るが徐々に傾斜もキツクなってくる。
出発から約2時間15分で岳沢小屋に到着した。おそらく平均年齢60才?近い集団の山行にしては凄い頑張りである。
出発前のイメージで、ここのテラスでは絶景を見ながらコーヒーを飲むはずだったがアクシデントで無理かなと思っていたところガイドさんが休憩時間を多めに確保してくれた。御蔭で美味しいコーヒーとちょっとガスで霞んだりしているが絶景を満喫した。
さてここ岳沢小屋が今日の本来の出発地だが、予定より1時間30分遅れの出発である。
進むにつれ東南方向に焼岳が望める。奧の乗鞍岳には雲がかかっている。
重太郎新道と呼ばれるジグザクの急坂を登っていくと険しい補高の絶壁が直近に迫ってくる。
下は相変らず上高地の赤い屋根が見える。まるで同じ所を繰り返し登っているような錯覚を感じる。
岳沢小屋から約3時間紀美子平に到着すると、どこから湧いて来たの?と思ってしまうほど大勢の登山者が集まっている。
紀美子平にザックを置いて空身で前穂高岳山頂を目指す。約30分岩場の急坂を登ると山頂に着く。ここには一等三角点が設置されているが残念ながら周辺の峰々はすっかりガスに隠れている。来た道を慎重に降り紀美子平に戻る。ここで昼食を摂る。
紀美子平から吊尾根に向かう。
約1時間30分絶壁をトラバースすることになるが、どうも身体が右側(山側)に傾き傾向になってくる。左側は足を踏み外したらそのまま上高地に直行と思えるほど迫力ある崖なのだから仕方ないかと慰めながら、また雨でなくて良かったなどと岩が滑ることを想像してしまう、未だ高所恐怖症は克服できていないようだ。
そんな緊張感の中での歩行なのであっという間に「南稜の頭」という奥穂へ続く稜線に登り着いた。
ここから5〜6分程で奥穂高岳山頂だが真っ白なガスで覆われ視界が良くない。
上高地出発から約9時間、日本第3位の高峰奥穂高岳山頂(3190m)に到達した。
登っている途中、山頂付近が現れたり隠れたりを何度か繰り返していた。
穂高神社嶺宮に参拝したら「晴れ間の時に到着しないお前の修行不足」とのお告げである。9時間もかけて登る山のご褒美は、多くの運の積重ねで頂戴できるものなのだろう。(´;ω;`)
期待した展望は残念だが、今この山頂に立っているという感動は言葉にならないほど大きなものである。
山頂を後に穂高岳山荘へ向かう、ビデオで何度か山荘の脇の岩壁にへばり付きながら登っているシーンを見たが今回はその逆である。登りより降りの方が難しく怖いのは経験済、正に足元の真下に山荘の赤い屋根がある、慎重に慎重に足場を確認しながら降るが階段の手前で結構大粒の雨が降って来た。「滑るじゃないか、危ないからあと5分待ってよ」と叫びたいが「ありゃ!」と冷静を装う、濡れた岩で滑るのを怖がり腰が引けてくるのが分かる。腰が引けるとよけい危ないのは自明の理と分かっても身体は反応するのだ。小屋に着くには自分の心身と靴を信じて進むしかない。(ヾノ・∀・`)ナイナイ
何とかカントカ小屋に到着したら雨は小降りになっていた。
出発から約10時間、今回のツアーの核心達成に同行メンバーと喜びを共有する。
穂高岳山荘は予想以上の混雑、1枚の布団に二人寝る部屋割、食事は予定より1時間遅れ、いつの間にか山荘の周りのテラスはテントで囲まれている。初めての経験に、これも有りかと登山ブームの真っ只中にいる己を傍観している。
人それぞれの知恵があるものでメンバーの数人がどこか寝る場所を別にみつけたみたいでそちらへ移動、御蔭で寝返り可能な隙間ができ有難くいつも通り寝返りを繰り返し就寝できた。それより部屋は標高3000mとは思えない人の熱気で蒸し暑くそちらの方が辛かった。
翌日聞いた話だが、宿泊者数400名超えお盆時期に次ぐ今季2番目の混雑だったらしい。
山小屋の楽しみには出会いもある、食事をロビーで待っている時に73歳になるという方とお話できた、「今日は槍ヶ岳から南岳、大キレットを通って来た、大キレットは怖かった」と平然と話す、登山を初めて15年位だという、私と同じ様に退職前後で始めている事に親近感が沸く、話しているうちに仙台で2年半程勤務したことがあるといい、仙台の街や東北の山の話で更に盛り上がる。
毎年春になると東北の山を巡って来たという、私の知らない山名も沢山でてきた
数多く滞在している登山者の中で偶然出会った二人がどうして?と思うほど話が盛り上がっていく、彼は来年剱岳に登って一応登山は引退しゴルフに専念すると笑っていたが素敵な人生の先輩との出会いに感謝である。
【3日目】
5:00から食事予定だが30分前から並ばないと遅くなるとのことで4:30起床、トイレ、洗顔を順調にクリアし食堂に行くと既に前には20名以上並んでいる、皆必死だ(#^.^#)
食事を早く済ませることが出来たのでテラスに出てご来光を見ることができた。
昨夜はサンダルがなく外に出るのに苦労したが、今朝はラッキーである。
東の空が赤くなって暫くなるが、中々お天道様は顔を出さない。この10分弱の時間が極めて長い、まるで短気かどうかを試されているみたいだ。いつどこで見ても日の出の神々しさは心身を引き締めてくれる。今日は行かないが西側の峰々が気になり山荘の裏側に回ると、空が薄赤く染まっている。東側の峰々が一気に日差しを受けるのとは違い、西側の峰々は静かな夜明けを待たされている。やがてジャンダルムの頂きに日が当たる、尾根筋の他の峰に先立ち輝くので幻想感が際立つ。
笠ヶ岳の山頂も輝いてきた、遠く雲海の上に端正な姿の山が目立つ、方角からして白山だろう。今日もラッキーから始まりそうだ。
6:38穂高岳山荘出発、ザイテングラードというドイツ語の名称のついた支尾根を降る。
ジャンダルムがフランス語でザイテングラードがドイツ語なそうであるが、日本の国の山地名に外国語が平然と使われる良く言えば柔軟性、悪く言えば無節操さにやや首を傾げながら下るが、ガレ場の降りは浮石や落石がありやはり緊張する。
涸沢からどんどん登山者が登って来る、登り優先で待っていれば後続の降りの登山者が追いつき渋滞に拍車がかかる、そんな状況が発生しつつあるすごい行列である。
登り優先とはいえすれ違い場所を間違えば滑落の危険がある尾根、こんな時は団体は悪者になってしまいがちだが、登り降りお互い声掛け合いながら待ち譲り合う気持ちが登山する者の基本だろう。私たちも13人を3チームに分割し譲り合いながら下山する。
待ち時間に周囲を見渡すと南には前穂高岳に連なる峰々と奥穂高岳に連なる吊り尾根が、背後(西)には涸沢岳、北には北穂高岳に連なる南稜、涸沢カールを取り巻く稜線が青空に映え見事な眺望である。
下山開始から約2時間ようやく涸沢小屋到着、先行チームとは涸沢ヒュッテで合流することになっているので大テント群の間を通ってヒュッテ到着。ヒュッテ名物おでんを少々とガイドお薦め?のコカコーラでエネルギー補給。1個100円のおでんはお得感満杯、ここのテラスから見上げる穂高の稜線は圧巻である。
晴天でも奥穂高岳付近はガスが覆っていることが多いが今日は珍しく晴れているとのこと。ツキがあるなぁ〜と幸運に感謝する。
ゆっくり休んで9:19ヒュッテ出発、本谷橋から横尾を目指す。これまでと違って樹林帯の中を沢沿いに進む、登山者がどんどん上がってくる、低学年や幼児連れの家族連れが多いのに驚く(@_@;)。子供喜んでいるのかな?
道は比較的広いがガレ道で片側急斜面となっているためすれ違いには要注意である。本谷橋の手前で沢に滑落しそうになっている場面に遭遇した。すれ違い時に沢側に足を踏み外したらしい、直ちに私たちのガイドと添乗員が駆けつけ救出したが実際に事象を目撃すると、山側対面待機・登り優先のルール厳守の必要が分かる。
本谷橋付近の河原には大勢の登山者が休憩していた。
本谷橋は小さな吊り橋であるが揺れるのが嫌な人には上流にある木製の渡橋がある。小吊り橋のため数人が同時に通行すると揺れの周期と歩速の調子が合わずバランスが悪くなる、久々の吊り橋通行だ。
涸沢ヒュッテから2時間40分で横尾に到着、更に1時間で今日の宿泊地徳澤園到着である。2週間前の槍ヶ岳登山の出発時に宿泊しているので気は楽だ、まして明日は帰るだけである。
今回は同じ2階にある相部屋だったが違う部屋で、畳毎に仕切りがありすこぶる快適である。昨日の1枚の敷布団に2名という過酷な状況を体験すると、気兼ねなく寝返りがうてる相部屋は極楽だ、嬉しくて写真を撮る。後で分かったことだが9月15日にリニューアルしたばかりなそうだ。なんとツイテいるのだろう。
ここでもエッ!という偶然に出会う。
リーダーの発案で今回の山行の懇親会を開催することになり喫茶室で始まった。
槍ヶ岳登山の時は女性主導で盛り上がったが、今回はガイドとリーダー主導で女性軍が花を添える形で最後まで付き合ってくれた。
食事時間を忘れる程の盛り上がりで、本来下戸の私もお代わりしてしまった<(ToT)>
食堂ではまた仕切り直し状態である
アルコールが入らなくても山の話は盛り上がる。
すると近くにいた4人グループの一人から俺たちは郡山から来たと、声がかかった。同じ東北ということでこちらの盛り上がりが伝播したのだろう。
さっき浴場で挨拶程度にお互い仙台から、福島からと会話した人である。
郡山は私が入社時2年間暮らした街であり、40年間の登山拒否症の要因を発症させたところでもある。
郡山にいる友人数人も登山愛好者であり、もしかしてと確認にテーブルまで行って話したら友人の名は知らなかったが入社時お世話になった登山好きだった先輩たちの名前がどんどん出てくる。(@_@。
懐かしさと出会いの妙に熱くなる。
こういう偶然はいつ誰が作り出すのだろうか?
今日も心地よい人との出会いに感謝である。
【4日目】
6:30起床。7:00食事、7:30出発の予定であったが、出発間際にガイドに声をかけてきた女性の二人連れ、以前山行が一緒だったらしい、すると今回の同行者の中にも顔見知りがおり話が弾む。まさに出会いの妙である。
ということで数分遅れの7:41徳澤園出発、明神館、河童橋を経て上高地バスターミナルに9:45到着。
沢渡までシャトルバスで移動、バスを乗り換え帰路につく。
やはりお天道様に味方してもらった山行は最高(#^.^#)
今回は殆ど花の写真を撮らなかった、時期が過ぎたのもあるが登行に集中し余裕がなかったというのが妥当だ。それほど気が抜けないコースであった。
4日間もの山歩きなんてすごいです〜!
ツアーだと、自分であれこれ手配せずに済むのはいいですね
私は皆に追いつけなさそうですが
知らない名前がたくさん出てきますが、お花の名前が覚えられないのと同じように、私は山の名前を覚えられなさそうです
コメントありがとうございます。
4日間といっても、2日間は仙台と上高地の移動です、山中よりそちらの方が疲れますよ
片道8時間のバス移動ですから、忍耐力は付きます
山行は単独行が最高と分かっているのですが、根が横着者ですから面倒嫌いなのです。
今は修行中ということで色々な山に行ってみます。
もちろん、一つでも多く花の名も覚えなくては。
未だ、トリカブトさえ「アレ!アレ!」ですから
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