【過去レコ】笠ヶ岳 ↑笠新道 ↓小池新道 史上最悪の高山病
- GPS
- 32:00
- 距離
- 27.8km
- 登り
- 2,387m
- 下り
- 2,393m
コースタイム
- 山行
- 7:45
- 休憩
- 1:45
- 合計
- 9:30
- 山行
- 6:35
- 休憩
- 2:25
- 合計
- 9:00
天候 | 1日目:くもり 2日目:快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
深山荘横の無料駐車場は満車だったため,バスターミナルから左俣林道に少し入った所にある有料駐車場に駐車 6時間500円で計3000円(5人で割り勘) |
その他周辺情報 | 中崎山荘奥飛騨の湯で入浴 https://www.okuhida.or.jp/archives/3311 |
写真
感想
笠ヶ岳は山頂全部が岐阜県の山としては最高峰(山頂が他県に接する山を含めると槍ヶ岳)、槍・穂高西面の素晴らしい眺めはこの山でしか味わえない
ガイドブックには「笠新道は標高差のある急な登り.脚力に自信がなければ初日を鏡平泊にした方が良い」、インターネットでは「もう2度と登りたくない!」などと評されている笠新道だが、非常に整備されており、さほど急でもなく、歩きやすいと感じるほどだ
杓子平のカールを抜け、抜戸岳の支稜を目指す
この登りがなかなか苦しいが、ハクサンイチゲ、シナノキンバイのお花畑が広がり、少しは気が和む
抜戸岳山頂の脇で稜線を乗り越し、ようやく笠ヶ岳と弓折岳を結ぶ道に合流する
みんなはここで休憩すると言うので、その間に抜戸岳の山頂を往復することにする
その途中、お散歩中の雷鳥一家にばったり遭遇、バッチリ写真におさめることができた、ラッキー
この頃から少し頭痛がしはじめる、後から振り返れば高山病の前兆だったのだろう、この段階で鎮痛剤を飲んでおけば良かったかもしれない
笠ヶ岳山荘に到着したら、小屋前のベンチで荷物の整理をしつつ大休止
標高差約1800mの笠新道をさほどの疲労感なく登り切った(しかもOM先輩持参の酒約3.5圓鯒愽蕕辰董)達成感の感動に浸る
もちろん、この日の天気がピーカンでも雨でもなく、登りやすかったこともあるだろうが、毎日のスクワットとジョギングの効果であるのは間違いない
小屋は二人で布団1枚くらいを覚悟していたが、8月の土曜日であるのに小屋はさほど混雑しておらず、8人部屋の「奥穂」を5人で個室として使うことができ、悠々快適だ、天気予報が悪かったからだろうか?
ザックを置いてから、空荷で山頂を往復する
頂上は雲が多く、展望は得られないが、今日1日で新穂高から登ってきた満足感で十分だ、みんなで記念写真を撮り、山荘に戻ったら宴会開始(少なくとも自分では大丈夫と思っていた)
17時45分から夕食で、食堂に入り、「いただきます」の後、急激に高山病の症状が悪化
吐き気、寒気とともに意識がモウロウとし(酒に酔った感じ)、とても食べられないし、座ってもいられない
「高山病の時は寝ない方がよい」と聞いたこともあるが(呼吸が浅くなるからか?)、横にならずにはいられない
「このまま症状が治らなかったらどうしよう」「明日もこの状態だったらとても歩けそうにない」とどうしようもなく不安になるが、KM先輩から痛み止めと胃薬をもらって、2時間爆睡したら嘘のように症状消失
20時過ぎに布団を抜けてみんなの所に行き、迷惑かけたことを詫び、売店でパン(300円)と牛乳(350円)を買って夕食にする
それにしても、3000m未満の笠ヶ岳で高山病になるとは思ってもみなかった
これまで泊まった富士山・北岳・槍ヶ岳・白馬岳でもここまでひどい症状が出たことはない
この日は暑くなかったこともあり水分を1Lしか飲まなかったが、脱水も高山病の原因だったかもしれない
自分が情けなく「夏山引退」の文字も浮かんでしまう
夜中に薬の効果が切れて、高山病の症状が再発するのではとの心配もあったが、4時30分までぐっすり眠ることができた
昨日の夕食がパン・牛乳だけだったこともあり、5時からの朝食のご飯は3杯おかわりして十分にエネルギーを入れ込む
朝食後に山荘前に出ると、ちょうどご来光
しかも槍のすぐ横から太陽が昇ってくるという神々しさに心から感動
山でのご来光は「生きていて良かった」「神様ありがとう」と叫びたくなるような気がするから不思議だ
どうやら天気予報が大きく外れたようで、正面の槍・穂だけではなく、薬師・剱・立山といった我ら富山の名峰(富山の山が見えると家に帰ったようでホッと安心する)から表銀座、裏銀座の山々、さらには白山、中央アルプスまで見えている
こんな風に外れるなら、天気予報が外れるのも大歓迎だ
身支度を整え、小屋前で記念写真を撮ったら、いざ縦走開始
まずはテント場近くの水場で水を補給する(笠ヶ岳山荘で分けてくれる水は、こちらの水をポンプアップしたものだから、水場で汲んだ方がおいしいし、ポンプの燃料の節約になるとのこと)
昨日はガスに覆われ、まったく気分が乗らなかったが、今日は前方には槍・穂高連峰、振り返れば笠ヶ岳と笠ヶ岳山荘がはっきり見え、気分上々、最高に気持ちいい稜線歩きを楽しむことができる
この稜線から振り返る笠ヶ岳は「分県登山ガイド:岐阜県の山」の表紙と全く同じだ
抜戸岳の先で一旦ぐっと下ると、特徴ある秩父岩があり、お花畑が広がる秩父平
ほぼずっと槍・穂が見えているので、シャッターを切る右手が止まらない
大ノマ岳の手前で小休止した後、気付かないうちに大ノマ岳山頂直下を巻き、大ノマ乗越へ下る
1日目は辛くなったら「ビール!ビール!」のコールをみんなで叫んでいたが、2日目は「温泉!温泉!」コールで気合を入れる
笠ヶ岳山荘から弓折乗越まですれ違う人はわずかであったが、ここからは双六岳、黒部五郎岳あるいは表銀座、裏銀座と縦横にコース取りができるので、一気に人が増える
しばらく小池新道を下れば、弓折乗越から眼下に見えた鏡平山荘
ここからは、展望は無くなるので、ずっと首から下げていた一眼レフをザックにしまう
この先、シシウドヶ原、イタドリヶ原、秩父小沢、秩父沢と小気味良くチェックポイントがある
秩父沢とわさび平のほぼ中間地点で道は林道となり、ここまで来ればもうひと安心
わさび平小屋からすぐに笠新道の入口があり、ここからは1日目に歩いた道を戻る
2日目に歩いた距離は過去最高を更新!
それでも、メンバーにも天候にも恵まれ、トレーニングの効果もあり、さほど疲れを感じることなく新穂高温泉にゴールすることができた
高山病のトラウマはあるが、笠ヶ岳山荘の夕食を食べに、再訪したい
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